

テレビ神奈川開局50周年、人気番組『関内デビル』に見る「人」「音楽」にこだわる独自戦略「困ったら木村カエラ」

テレビ神奈川は、2022年4月1日に開局50周年を迎えた。同局で、根強い人気を誇るのが2017年4月から放送が続く音楽情報バラエティ『関内デビル』(毎週月~金曜夜11:30-0:00、tvkほか)だ。同番組は、菊谷宏樹ディレクター演じる大場英治と、常連客・加村真美、アルバイト・私立恵比寿中学が来店するゲストとともに台本なしのフリートークを繰り広げる番組であり、同局50周年に先駆けて3月に行われた開局50周年プレイベントとして『大関内デビル』も神奈川県民ホールで開催された。今回は『関内デビル』番組内でマスター・大場英治を務める菊谷宏樹と、番組プロデューサー・落合宏徳に同番組のおもしろさや、tvkに受け継がれてきた「人」「音楽」への想いについて語ってもらった。
関内デビルは…「YouTubeと同じことをやっている」
ーー『関内デビル』は、今や貴重な「月~金曜深夜の帯番組」かつ、音楽番組でもあり、トーク番組でもあるジャンルの位置付けが難しい番組だなと思っています。作り手側としては、どういう番組だと認識していますか?
落合宏徳(以下、落合):ゲストは基本的にアーティストの皆さんをお招きしているので、一応立て付けとしては音楽情報バラエティと謳っています。でも、どこにでも当てはまるのはたしかなので、見ていただいた方に、好きなように決めていただければと思っています。
菊谷宏樹(以下、菊谷):元々この番組を始める時に、最初のコンセプトはトーク番組をアドリブでやること、その人の本質が見える内容にすることというのは決めました。全く違う年齢層の人たちを“ジェネレーションギャップ”と言うじゃないですか。あれは我々が、若者から逃げているだけだと思うんですよね。だからこそ、年齢層がどうとかではなく、その人の本質に迫るようなトーク番組で表現できたらなと思ったんです。実際にやってみると、なかなか心臓を掴ませてくれなくて、大変なんですけどね。
ーー番組内に決まったコーナーがあるわけではなく、毎度違うことをやっている印象です。番組内で発生する企画はどのタイミングで、誰が決めているのでしょう?
落合:いろんなパターンがあるのですが、番組の開始当初から中身に関しての細かいクオリティチェックは全部菊谷がやっているんですよね。マスター・大場英治として出演しているから撮れ高もわかるので。僕は、半年先、1年先の話を組み立てて決めている役割。営業的な側面もあれば、いろんなお話がある中で先のものを決めることをしていて、その決めたことへの役割は菊谷に上手に料理してもらっていると言う感じです。
菊谷:この番組の前身『saku saku』のころから、20年ぐらい自分でカメラを回して、そこで何が撮れて、それを形にできる楽しさみたいなことをやっているんですよね。今で言う、YouTubeと同じことをやってきてたんです。でも、YouTubeとは全く違うことも1つだけあって、それがなにかっていうと全然儲かってないということ(笑)。
出演者の私立恵比寿中学&加村真美との信頼関係、アドリブが面白さの源
ーー菊谷さんは番組を作る上で、なにか意識されていることはありますか?
菊谷:明確に「こういうことを素材として、こう取り入れて、構築して…」というのはないんです。半分ぐらいは、その場で何が起こるかわからないことですし、やっているうちにこうなっちゃったみたいなのが非常に多い。でも、結果的にそれがおもしろいと思ってもらえるんであれば良いのかなと思っているので、本当に自由にアドリブでトークしてもらって出てきたところをどう番組にするか考えています。
落合:僕は菊谷の認識とは逆なんですよね。無理難題を、半年先、1年先にどんどん与えていて、それをアドリブでどんどんこなしてもらっているイメージ。僕は番組を続けなきゃいけないという課題があるので、どう続けられるかを試行錯誤しながら、いろんな挑戦を繰り返しています。ゲストの方を呼ぶ時点で、何をやるかがわかっていないことも多いので、事前に「何がきてもNGなしでお願いします」とは説明していますけどね。
菊谷:アドリブだからこそ、信頼関係を築くのは大切ですよね。例えば、演者の1人が誕生日だった場合に、サプライズでケーキを用意して、喜んでもらうみたいな、アドリブはファクターであり、信頼関係の上で成り立っているなとは思っています。信頼関係が築けていない段階だと、「キャー!」と驚いても、説得力がないんですよね。その点、アルバイトの私立恵比寿中学の子たちは非常によくわかっていると思います。むしろわかりすぎているので、俺を吹っ飛ばすくらいの勢いで来て欲しいですけどね(笑)。
「キー局がやらないこと」地方局ならではの独自性…音楽とアーティストがtvkの源流
ーー番組の特性や、月曜日から金曜日の帯番組である点なども含めて、関内デビルならではのポイントが多いなと感じています。
落合:やっぱりキー局の放送エリア内で誕生している局なので、自分達ができることみたいなのは大切にしているんですよね。正直、その中で生き残るために挑戦し続けてきた先人の方々が、音楽のライブ映像をフル尺でお送りするとか、キー局が扱わないようなロックシーンをいち早く取り入れるみたいなことは今も受け継がれていると思います。たぶんキー局がやろうと思ったらできることではあるのですが、あまりメリットがないのでやらないんですよね。そこを僕らは楽しんで作っているんです。
菊谷:たしかに。キー局で帯番組をやったらえらいことになると思います。でも、帯で番組をやりたかったわけではなく、やりたいことをやり始めたら、自然とそうなっていったんですよね。それはたぶん、完成形をイメージすると言うよりは、できることを形にして出来上がったものが完成形という作り方をしているからだと思います。
落合:これは他の番組にも言えることですが、tvkの番組って撮った素材をほとんどカットせずに使っている番組が結構あるんですよ。編集して落とすところを作っていないんです。おもしろいところを厳選して繋ぎ合わせているのではないから、本来だったら見えていないところも存分に使っているんです。だからこそ、帯も出来ているのかなと思いますね。
ーーある意味、受け継がれてきたtvkらしさも反映されているんですね。
菊谷:僕、tvkがみられるようになったのが小学生ぐらいのころだったのですが、そのときずっと神奈川県の高校野球の予選が放送されていたんですね。誰かわからない試合がずっと流れているのが楽しくなっちゃって、なぜだか流し続けてしまったのを覚えています。その後、思春期の頃にバンドブームが起きて、その時にロックバンドの映像が流れていたのもtvkだったんですよ。今だから思うんですけど、当時みられないようなバンドを引っ張り出しきて、ライブをやらせる、しかもそれをテレビで放送させるというのは相当な大英断だったと思います。そういう開局以来のスピリッツが、ナチュラルに受け継がれているんだと思います。
「人」にこだわってきたtvkイズムと50年の感謝のカタチ「困ったら木村カエラ」
ーー今後も50周年のイベントがあるとお伺いしていますが、どう盛り上げていく予定ですか?
落合:50周年は『感謝のカタチ』をコンセプトに番組やイベントなど、いろんなきっかけで視聴者の方に感謝を届けられる展開をして行けたらなと思います。
落合:放送は先日(開局記念日翌日)4/2(土)にさせていただきましたが、tvk開局50周年特別番組「ライブ帝国 ザ・ファイナル」を企画し、トレンド入りするなど本当にたくさんの反響をいただきました。これがまさに先ほどお話に挙げたキー局の放送エリアに誕生した局として諸先輩方が見出した「挑戦」に通ずるんですが、tvkには開局当時より数々の音楽ライブ番組を制作し続けた長い歴史があり、アーカイブ映像をたくさん保有しています。
名立たるアーティストの新人時代や、既にお亡くなりになられた方々の大変貴重な映像も。この開局50周年という節目を迎える後輩たちである我々が、先輩たちの挑戦をお借りし7時間におよぶ音楽アーカイブ特番に挑戦しただけなのですが、結果として視聴者の皆さんには音楽というカタチで喜んでいただけたようなので少しは役に立てた気がしています。
ーー貴重な音楽映像を楽しめるのはtvkならではですね。
菊谷:そうですね。この人にスポットを当てて終わりではなく、ライブ映像を長い時間楽しめるのは、すごくtvkっぽいと思うので、僕たちとしても大事にしたいですね。あとは、「tvk開局50周年ソング」は木村カエラさんに書き下ろしてもらいました。なんだかんだで困ったら、いつでも木村カエラちゃんに頼めばOKだと思っています。tvkは木村カエラ頼みです!(笑)
落合:僕らは瞬間で消費して終わることはなく、アーティストさん1組1組とすごく長いお付き合いをすることを大切にしています。アーティストさんから煙たがられるくらい、1回関わったら、なかなか剥がれないんです。
菊谷:そうそう!『関内デビル』に出たら終わりですよ!(笑)
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