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<里子・養子の体験談>親子関係で大事なことはみんな同じ!不妊治療後に気を付けたいことは?

2026.03.18 11:00
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子どもを授かれないけれども、子どもを育てたい人が最後に考える選択肢が、養子や里子ではないでしょうか。今回はNPO法人Fine主催の「里子・養子当事者のお話を聞く会」に登壇した、特別養子縁組家庭で育ったみそぎさんと、3歳から里親のもとで育った大学生の小春さんのお話から、里親や養親とはどうあるべきなのかについて深く掘り下げました。

養子を養育する親の役割とは



産みの親に遺棄されて乳児院に預けられ、2歳半から特別養子縁組が成立して養子となったみそぎさん。育ての親であるご両親はみそぎさんに厳しい一方で、養子であることを家庭内でタブー視されていたことから、窮屈な親子関係が今もなお続いているそうです。

そんなみそぎさんは19歳で自分の出自を辿るために、1人で乳児院を突き止めたり産みの親の住所を調べたり開示請求を行ったりしました。産みの親の詳細は結局わからないままでしたが、この出自を辿る経験こそが遺棄された事実や養子であることを乗り越えられた大きな一歩となりました。
参考:<里子・養子の体験談>「実の親子ではない」気にしすぎていた育ての両親。窮屈な親子関係へ…
しかし本当は、この行動にご両親にも伴走してもらいたかったと、みそぎさんは振り返ります。

「家族だからこうしなければならない」という縛りを捨てること


みそぎさんは、「両親は『産んでいない』ことを気にしていたが、あまりにも気にしていると子どもに『他の人から産まれた私ではダメなのかな』と感じさせてしまう。両親が葛藤を乗り越えられていないのに、自分の葛藤をぶつける気持ちになれなかった」と語っていました。里子・養子が出自の悩みを乗り越える時期にそばにいて感情を受け止めたり、対話を重ねたりできる養親の役割は重要だといいます。

またみそぎさんは「里子や養子にとって、法的な関係性・形式的なことは正直どうでもいい」と素直な気持ちも告白しました。「どうやれば実の親だと思ってもらえるか」、「親としてどう関われば信頼してもらえるか」ということを考えるのではなく、「家族だからこうでなければいけない」という過干渉や縛りを捨てること。困ったときに助けを求められる信頼関係が積みあがっていけば、家族として何の疑問も持たないのだと実体験を踏まえて語っていました。これは血のつながりの有無に関係なく、親子関係の根幹とも言えるのではないでしょうか。

不妊治療を経て里子や養子を迎えるなら気を付けたいこと



不妊治療を経ても子どもが授かれずに特別養子縁組を検討する夫婦も少なくないかもしれません。特別養子縁組には、どのような親が求められているのでしょうか。
「夫婦仲が良いこと」が大事
みそぎさんは里親でも養親でも実の親でも同じ親の心構えとして、「夫婦仲のよさ」を挙げています。さまざまな特別養子縁組の当事者と関わる中で、「この人たちの家庭はとてもいいな」と思うケースの大半は、夫婦仲がとてもいいそうです。「養親となると普通の夫婦以上にコミュニケーションが取れていないといけない。夫婦のコミュニケーションができていると、不妊治療以降の乗り越える過程もうまくいきやすい」と語っていました。夫婦喧嘩をしても自然解決ではなく、しっかり解決して話し合いを重ねて再び信頼関係を築いていく過程を子どもに見せることは、子どものコミュニケーション能力を育てることにもつながります。
不妊治療の悩みには踏ん切りを
不妊治療では、夫婦で負担が異なり、それぞれに思いや悩みがあるのが現実です。それぞれ悩みを持ったまま特別養子縁組に取り組むと、トラブルになる可能性もあるそう。特に「不妊治療を経ての特別養子縁組には、子どもへの過度な期待が乗りがち」とみそぎさんは語っていました。養子縁組には「子どもを育てる」という役割があることを理解し、治療の悩みや思いに踏ん切りをつけ、気持ちをしっかり整理することが重要です。
里親・養親に”向いている/向いていない”はない
小春さんは、「里親や養親に向いている夫婦というのはないと思う」と語ります。子どもを里子で預かる際にはきっと多くの夫婦が「自分たちなら愛情を持って育てられる」と意気込むでしょう。しかし子どもは予想外の行動をするときが多々あります。「こんなはずじゃなかったのに!」、「愛せないかもしれない」となる可能性がとても高いと考えると、結局は「意気込みすぎないこと」がとても大事なのではないかと感じるそうです。また周囲にしっかり相談して悩みを吐き出したり助けを求めたりできることも重要とのこと。

小春さんは、里母に愛情の試し行動をしたり衝突を繰り返したりしましたが、里父が優しく見守ってくれていたそうです。そのように父と母でそれぞれの役割が違ってもバランスを保てる夫婦関係だったことで、小春さんも深い愛情を受け健やかに育ったのでしょう。これもまた里親や養親に関係なく、子育てをしている親すべてに共通することですよね。

実際に里子や養子で育った当事者からリアルな話を聞いてみると、すべての子育てをしている親が忘れてはいけない子どもの思いが詰まっていました。里子や養子について知ることは、里親・養子縁組を検討している人だけでなく、不妊治療を含めてすべての当事者が自分の子育て観を省みることができる機会になるのではないでしょうか。

文・AKI 編集・編集部 イラスト・猫田カヨ

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