エナジードリンクは子供が飲んでも大丈夫?
2014.01.24 12:41
提供:マイナビウーマン
「気持ちよい爽快感」「ゾクゾク感」など、不思議なキャッチコピーが多いエナジードリンク。薬ではなく食品なので「疲れた時に」など効果を表示できないからだ。
薬じゃないなら子供が飲んでも大丈夫なのか? 答えはNoで、大量のカフェインが含まれている製品が多い。不眠やめまいの原因となり、海外では量を制限している国もあるぐらいだから子供も大人も飲み過ぎには注意だ。
■エナジーの正体はカフェイン?
滋養強壮系のドリンク剤は薬として作られているため、基本は薬局で販売すべきものだが、効果もリスクもマイルドな製品は指定医薬部外品とされ、スーパーやコンビニでも購入できる。対してエナジードリンクは食品で、清涼飲料水に区分される。
清涼飲料水の定義は、
・乳酸菌飲料、乳および乳製品を除く
・アルコール1%未満
で、菌や金属などの有害な成分が含まれていなければ、医薬品のような厳しい制約はない。炭酸が含まれていると炭酸飲料、果実が入っているものは果実飲料と表示されるが、これらはすべて清涼飲料水=食品のグループなのだ。
味や香りづけはもちろんのこと、ビタミンやアミノ酸など、いわゆる栄養成分も添加できるので、ドリンク剤との違いが分かりにくい。そこで3種類のエナジードリンクを購入し、原材料名や栄養成分表示を確認したところ、すべての製品にビタミンとカフェインが、一部の製品にはアルギニンやロイシンのようなアミノ酸も含まれ、もはや薬品顔負けだ。
共通して含まれるカフェインには心拍数が上がる、解熱鎮痛などの効果があり、医薬品としても使われている。社団法人全日本コーヒー協会の資料から、身近な飲み物100ml(ミリ・リットル)に、およそ何mg(ミリ・グラム)のカフェインが含まれているかをあげると、
・コーラ飲料 … 10~13mg
・煎茶/ウーロン茶 … 20mg
・紅茶 … 30mg
・コーヒー … 60mg
・玉露 … 160mg
で、標準的なカップ1杯・180mlのコーヒーには108mgのカフェインが含まれる計算となる。
■劇薬だけど食品にはOK?
エナジードリンクにはどれくらいのカフェインが含まれているのか? 同様に100ml中のカフェインmg、1本飲んだ際のカフェイン量をあげると、
・製品A … 43.2mg / 79.92mg
・製品B … 40mg / 142mg
・製品C … 32mg / 80mg
で、平均するとコーヒー1杯程度といえる。製品Bがズバ抜けて多いのは、355mlと量が多いからだ。
カフェインは健康に悪いのか? 答えは「日本では不明」としか表現できない。薬品としては劇薬扱いなのに、食品には規制がないからだ。
眠け覚ましに飲まれるのは、興奮や心拍数の増加が起きるためで、過剰摂取すると不安や不眠につながる。また、肝機能が低下しているひとは、高血圧や骨粗しょう症のリスクが高まる例もあるので、少なくともヘルシーとは言い難い。
食品に含まれるカフェインの基準/規制をおこなっている国もあるが、日本には存在しない。海外の例をあげると、オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関では、子供は一日95mg、成人は210mgを超えると不安作用が現れると記されている。
また、カナダ保険省やオーストリア保険・食品安全局は10~12歳の子供は最大85mgまでと定めている。85~95のあいだを取って90mgが子供の許容範囲とすると、製品Bは明らかに過剰摂取だ。製品A/CでもギリギリOKな状態だから、毎日飲むのは避けるべきだ。
厳密には、飲むひとの体重によって量が違い、重いひとほど許容量は増える。体格の小さい日本人になら、海外基準の7~8割ぐらいと考えるのが妥当だろう。
■まとめ
・エナジードリンクはジュースと同じ清涼飲料水
・コーヒー並にカフェインが多い
・薬のカフェインは劇薬扱いだが、日本では食品への規制がない
・海外基準でも、子供が1日1本は過剰気味
平均してコーヒー並なら、エナジードリンクが危険とは言い難い。だが毎日ガブガブ飲んでいると、子供はもちろん大人でさえカフェインの摂り過ぎにつながるので注意しよう。
(関口 寿/ガリレオワークス)
薬じゃないなら子供が飲んでも大丈夫なのか? 答えはNoで、大量のカフェインが含まれている製品が多い。不眠やめまいの原因となり、海外では量を制限している国もあるぐらいだから子供も大人も飲み過ぎには注意だ。
■エナジーの正体はカフェイン?
滋養強壮系のドリンク剤は薬として作られているため、基本は薬局で販売すべきものだが、効果もリスクもマイルドな製品は指定医薬部外品とされ、スーパーやコンビニでも購入できる。対してエナジードリンクは食品で、清涼飲料水に区分される。
清涼飲料水の定義は、
・乳酸菌飲料、乳および乳製品を除く
・アルコール1%未満
で、菌や金属などの有害な成分が含まれていなければ、医薬品のような厳しい制約はない。炭酸が含まれていると炭酸飲料、果実が入っているものは果実飲料と表示されるが、これらはすべて清涼飲料水=食品のグループなのだ。
味や香りづけはもちろんのこと、ビタミンやアミノ酸など、いわゆる栄養成分も添加できるので、ドリンク剤との違いが分かりにくい。そこで3種類のエナジードリンクを購入し、原材料名や栄養成分表示を確認したところ、すべての製品にビタミンとカフェインが、一部の製品にはアルギニンやロイシンのようなアミノ酸も含まれ、もはや薬品顔負けだ。
共通して含まれるカフェインには心拍数が上がる、解熱鎮痛などの効果があり、医薬品としても使われている。社団法人全日本コーヒー協会の資料から、身近な飲み物100ml(ミリ・リットル)に、およそ何mg(ミリ・グラム)のカフェインが含まれているかをあげると、
・コーラ飲料 … 10~13mg
・煎茶/ウーロン茶 … 20mg
・紅茶 … 30mg
・コーヒー … 60mg
・玉露 … 160mg
で、標準的なカップ1杯・180mlのコーヒーには108mgのカフェインが含まれる計算となる。
■劇薬だけど食品にはOK?
エナジードリンクにはどれくらいのカフェインが含まれているのか? 同様に100ml中のカフェインmg、1本飲んだ際のカフェイン量をあげると、
・製品A … 43.2mg / 79.92mg
・製品B … 40mg / 142mg
・製品C … 32mg / 80mg
で、平均するとコーヒー1杯程度といえる。製品Bがズバ抜けて多いのは、355mlと量が多いからだ。
カフェインは健康に悪いのか? 答えは「日本では不明」としか表現できない。薬品としては劇薬扱いなのに、食品には規制がないからだ。
眠け覚ましに飲まれるのは、興奮や心拍数の増加が起きるためで、過剰摂取すると不安や不眠につながる。また、肝機能が低下しているひとは、高血圧や骨粗しょう症のリスクが高まる例もあるので、少なくともヘルシーとは言い難い。
食品に含まれるカフェインの基準/規制をおこなっている国もあるが、日本には存在しない。海外の例をあげると、オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関では、子供は一日95mg、成人は210mgを超えると不安作用が現れると記されている。
また、カナダ保険省やオーストリア保険・食品安全局は10~12歳の子供は最大85mgまでと定めている。85~95のあいだを取って90mgが子供の許容範囲とすると、製品Bは明らかに過剰摂取だ。製品A/CでもギリギリOKな状態だから、毎日飲むのは避けるべきだ。
厳密には、飲むひとの体重によって量が違い、重いひとほど許容量は増える。体格の小さい日本人になら、海外基準の7~8割ぐらいと考えるのが妥当だろう。
■まとめ
・エナジードリンクはジュースと同じ清涼飲料水
・コーヒー並にカフェインが多い
・薬のカフェインは劇薬扱いだが、日本では食品への規制がない
・海外基準でも、子供が1日1本は過剰気味
平均してコーヒー並なら、エナジードリンクが危険とは言い難い。だが毎日ガブガブ飲んでいると、子供はもちろん大人でさえカフェインの摂り過ぎにつながるので注意しよう。
(関口 寿/ガリレオワークス)
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