阿部サダヲ&上戸彩、キスマイ玉森裕太の新たな一面明かす それぞれの人生の失敗談も<「シャイロックの子供たち」インタビュー>
2023.02.13 08:00
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映画「シャイロックの子供たち」(2月17日公開)に出演する俳優の阿部サダヲ(52)、女優の上戸彩(37)、Kis-My-Ft2の玉森裕太(32)。約1年ぶりの再会とは思えない和気あいあいとした雰囲気の中、モデルプレスらのインタビューに応じ、撮影のエピソードや人生の失敗談などをたっぷりと語った。
阿部サダヲ主演「シャイロックの子供たち」
累計発行部数60万部を突破した池井戸潤による小説『シャイロックの子供たち』(文春文庫)の映画化となる今作は、小説と展開が異なり、独自のキャラクターが登場する完全オリジナルストーリー。阿部が演じるのは、東京第一銀行の小さな支店のベテランお客様係・西木雅博。同じ支店で働く上戸演じる北川愛理、玉森演じる田端洋司とともに、銀行内で起こった現金紛失事件の裏側を探っていく内に、あるとてつもない事実にたどり着いていく。阿部サダヲ「出番がないと思ってた」
― それぞれご自身の役を演じた感想を教えて下さい。阿部:銀行って聞くとちょっと堅いイメージがあるかもしれませんが、出来上がりを見るとすごく分かりやすくて良いなと思いました。上戸さんと玉森さんに助けられてすごくありがたかったです。それと、この作品はオリジナルストーリーなので、台本を読んだときに「これだけ西木が出てるんだ!」という驚きはありました。お話をいただいたときは原作を先に読んでいたんですけど、(原作の西木は)途中失踪する人だったので、そんなに出番がないと思ってました…(笑)。
上戸:試写を見終わったあとも「結構出てたね」っていうのが第一声でした(笑)。
― 撮影中も阿部さんの出番は多い印象でしたか?
上戸:撮影中は多い感じではなかったんですけど、出来上がりを見たら結構出てましたね(笑)。
阿部:そんなにギュって撮影したイメージもなかったです。
上戸:私はこれと言ってすごい個性的なキャラクターではないので、個性や味を加えないように心掛けました。役作りとか気をつけるポイントをあえて作ったわけではなく、普通にしていました。
― 西木と愛理は和むような上司と部下の関係ですよね。
上戸:阿部さんと同じシーンはどうしても笑っちゃうというか、私もテンションが上がっちゃうので、ちょっと画面に出ちゃってましたね(笑)。
玉森:僕はこの世界観で阿部さんをはじめ、上戸さんやすごい先輩方とお仕事させていただけたことがとても光栄でした。この3人でアパートに向かって、僕がポストからボールペンで公共料金の請求書を取るシーンがあるんですけど、何回か本当に(請求書が)取れなくて、ミスしたらやばいな、でもセリフも言わなきゃいけないし…って緊張して汗ダクダクになってました。
上戸:気づいたら玉ちゃんの手真っ赤っ赤で(笑)。
玉森:なんとしてでも取らないと!と思っていたので、すごく印象に残ってますね。
個性溢れる悔しさの発散法
― 劇中には池井戸さんお馴染みの「倍返しだ!」という名言も登場しますが、これまで悔しいと思ったときに、どのように発散してきましたか?阿部:僕はあまり悔しいとかないかな…。僕が出演していたCMを次に…。
上戸:キャラクターが変わったとか?
阿部:そうですね。悔しい!と思う。
上戸:そういうときはどうやって発散するんですか?
阿部:その人にLINEする。
上戸&玉森:え〜!
阿部:そしたら「(CMの)評判良いんですよ」って返信が来て、また悔しい!って思う(笑)。
上戸:リアル悔しいですね。大人になると悔しい感情ある?
玉森:僕はめっちゃあります。よく悔しがってます。
阿部:そういう感情持ってるんだ。
玉森:持ってますよ!同じ人間ですよ(笑)。
上戸:そういうときは何かするんですか?
玉森:何も出来ないから、諦めるしかないですね。誰かに話すとかもないので、もうしょうがないなって。自分のせいだって思うようにして寝ます。
上戸:私も悲しいとか失敗したとかはあるけど、悔しいはないですね。自然に飲み込んでいるんだと思います。オーディションに落ちたとか、形的に悔しそうなものでも、自分には合わなかったんだなってサラっと流せちゃうので、悔しいっていう感情にならないんでしょうね。
阿部:役者って、順位とか勝ち負けとか明確な点数がないから、なかなか目に見えて悔しいっていう感情はないですよね。点数つけられたら悔しいと思うかもしれないけど…。「西木が○点」とか言われちゃったら嫌だよね。
上戸:星マークとかで判断されちゃったら嫌ですね〜。
上戸彩、ギャン泣きの失敗談明かす
― 今作は銀行内で起こった現金紛失事件が大きな問題に繋がるというストーリーですが、皆さんの心に残る大きな失敗と、どう挽回したかを教えて下さい。上戸:子どもが年中さんのときに運動会の時間を間違えてしまって、保育園に行ったら出番が終わっていたことがありました。家で「よーいどん!」の練習をいっぱいしていた時間が年中さんの時間帯だったんですよね。(保育園に)行ったら「あれ?なんか遅くないですか?」みたいな顔を園長先生がしていて「あれ?」って言ったら、年中・年少・年長の順番だったんですよ。年少・年中・年長だと思って2番目に行ったらもう年中さんは終わっていて、娘は幼稚園でギャン泣きして、私も家に帰って「ごめんね」ってギャン泣きしました。
その時は自分のミスを認めるしかなかったですし、コロナ禍での唯一のイベント行事を参加させてあげられなかったことがすごい悔しかったです。子どもには「お台場連れてってくれないと許さない」って言われました。
阿部:お台場でいいの?
上戸:はい(笑)。お台場に行ったら許してくれたんですけど、次の年の運動会ではネタにされるし、一生戻せない時間なので悔しかったです。
阿部:僕は上戸さんぐらい大きな失敗ってないかもしれないですね。
― 忘れるタイプ?
阿部:忘れることが多いかもしれないです。
上戸:舞台とか生ものでの失敗とかもないんですか?
阿部:セリフの間違いとかは結構ある。「あの人は離婚したよ」ってセリフを「あの人死んだよ」って言ったことあります。
玉森:殺しちゃったんですね。
阿部:そうそう。謝りもしませんでしたけども(笑)。
一同:(笑)
玉森:僕も阿部さんと同じで、絶対に大きな失敗はしてるはずなんですけど、あまり覚えてなくて…。でも1回生放送に寝坊して、結果的には間に合ったんですけど、メイクの時間を3〜5分ぐらいで済ませなきゃいけないときがありました。それ以来、絶対に寝坊しないように心掛けています。本当にしょうもない話ですみません…(笑)。
阿部:でもよく起きたね。起こされたの?
玉森:起こされて、車の中でずっと怒られてました…。でも眠すぎて、全然話を聞いてなかったです(笑)。
出世、安定…3人が望む職場環境は?
― 銀行が舞台の作品ですが、実際に皆さんが働くとしたら個性的なキャラクターの中でどのような立ち位置にいると思いますか?阿部:なってみたいのは九条(柳葉敏郎)です。「出世したい!」という欲を出せる人になったら良いのかなと思うときがあります。
― 強欲になりたい?
阿部:僕自身は「出世したい!」とか「社長なりたい!」とかそういう人じゃないので、なってみたいですね。
上戸:昔は「主演やりたい!」とかは?
阿部:あんまりなかった。だから(今作も)最初は主演だと思ってなかった(笑)。
― 真逆のタイプを望んでいるんですね。上戸さんはいかがですか?
上戸:私もトップとかリーダーみたいに誰かを引っ張ることが苦手なので、上司にくっついている田端とか愛理みたいな役どころで、安定を求めるタイプだと思います。
― 愛理は働き者であり、従順な部下でもありますよね。
上戸:そうですね。白黒はっきりしている子ですし、そこは自分に似ているのかなと思います。
玉森:僕も上戸さんと同じで、自分が演じている田端が良いなと思いましたね。仕切れないですし、若者らしく先輩の陰口言ってたり相談してたりとか、それぐらいの方が気が楽だなと思います。
上戸:田端も愛理も上司に恵まれてますよね。それが九条とか吉川(杉本哲太)みたいな上司の下についてるとまた訳が違ってきちゃうので、やっぱり西木みたいな上司の下にいれたことが幸せだったと思います。
撮影期間でお互いの素顔が明らかに
― そんな素敵な上司を演じた阿部さんですが、上戸さん、玉森さんと一緒にお仕事されて良いなと思った部分を教えて下さい。阿部:上戸さんは情報をいっぱい持っていて、何か聞けば何倍にも返ってくるので、お話していてタメになるしさすがだなと思います。あと、人を見抜けるというか。僕の次の作品が怖い人の役だったんですけど、上戸さんが「顔つきが変わった」って仰って、「バレた!」「ダメだな、まだ俺は」って思っちゃいました。
上戸:分かりやすかったんです。いつもの西木じゃなくて、目が「誰か殺してきました」みたいな。撮影のアップが近かったので、「次の台本見ましたね?」「人を殺した目してますよ」って言ったら、「ちょうどそういう役なんだよね」「なんで?怖い怖い」って言うんですけど、どう見ても目が殺してるんですよ(笑)。バレバレなぐらい嘘をつけない直球な方なんだなと思いました。
阿部:切り替えないとね(笑)。
― 玉森さんは?
阿部:玉森さんはすごく健康に気を遣っていて、ずっと健康の話ばかりしてました。あの時どういう話してたっけ?
上戸:たしか阿部さんが「肌も綺麗だし何かやってるの?」みたいな美容の話をしたら玉ちゃんがすごい美容に詳しかった。
玉森:そんな程度の会話しかしてないですね。
上戸:コロナの真っ最中だったので、会話できなかったんですよね。もっと喋りたかったですよね。
阿部:そうだね。みんなで一緒にご飯に行くとか、そういう機会がなかった。
― 玉森さんからみて阿部さんはどのような方ですか?
玉森:阿部さんはいい意味で適当だなって思いました。会話してるときも、絶対に話を聞いていないで相槌をしてるんだろうなって。「うんうんうん、そうなんだ!」とか、一見興味を示してくれてそうなんですけど、絶対に響いてない返事の仕方でした(笑)。僕はそういう方のほうが一緒に居やすいというか、カチッとしてない方が現場のあり方として楽なので「あ、阿部さんは絶対僕の話聞いてないな」って思いながら毎回話してました。
― 気を遣わなくていい?
玉森:そうですね。すごく柔らかい方なので、助かりました。
阿部:聞いてるよ?ちゃんと。
玉森:さっき健康の会話も覚えてなかったじゃないですか!
一同:(笑)
玉森裕太、メンバーも知らない新たな一面
― 先程から和気あいあいとお話されていますが、撮影中の雰囲気はいかがでしたか?上戸:もう今みたいな感じです。阿部さんの話に私がちょっと乗っかって、玉ちゃんが結果いじられてしまうという…。玉ちゃんってツッコミどころがあるんでしょうね。結局私と阿部さんでいじって終わるみたいな。
玉森:あんまりいじられキャラじゃないんですけどね。
阿部:え!普段?
玉森:はい。もう(2人には)当たり前のようにいじられてる感じだったんですけど、結構カッコつけて生きてきたんですよ。
一同:(笑)。
上戸:今までは?おかしいね。
玉森:おかしいですね。この現場入ってからすごくいじられるなって…。
阿部:剥がれてきちゃった?
玉森:ありがとうございます。剥がしてくれて(笑)。
― 玉森さんの新たな一面ですね。
阿部:可愛いです。別にカッコつけてないじゃないですか。
上戸:でも多分私達の知らないところでは…。
玉森:アイドルモードの時は、あまりいじられることなかったので。
上戸:メンバーさんとかにいじられないんですか?
玉森:いじられないですよ!
上戸:皆さん知らないんですね。玉ちゃんが実は適当に生きてるということ(笑)。
玉森:適当人間…(笑)。
一同:(笑)。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
阿部サダヲ(あべ・さだを)プロフィール
1970年4月23日生まれ。千葉県出身。1992年より大人計画に参加し、同年に舞台「冬の皮」で俳優デビュー。NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(2019)では主人公の田畑政治を熱演した。2008年に映画「舞妓Haaaan!!!」にて日本アカデミー賞優秀主演男優賞、2018年に映画「彼女がその名を知らない鳥たち」にてブルーリボン賞主演男優賞を受賞。4月14日より、舞台「もうがまんできない」に出演。上戸彩(うえと・あや)プロフィール
1985年9月14日生まれ。東京都出身。1997年「第7回全日本国民的美少女コンテスト」審査員特別賞を受賞し、芸能界入り。2000年にフジテレビ系ドラマ「涙をふいて」で女優デビュー。以降、TBS系ドラマ「3年B組 金八先生」(2001)、フジテレビ系連続ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(2014)、映画「あずみ」(2003)や「テルマエ・ロマエ」シリーズなど、数々のドラマ・映画に出演し、国民的女優として人気を博す。玉森裕太(たまもり・ゆうた)プロフィール
1990年3月17日生まれ。東京都出身。2002年にジャニーズ事務所に入所し、2011年8月にKis-My-Ft2としてデビュー。TBS系ドラマ「美男ですね」(2011)、テレビ朝日系ドラマ信長のシェフ」(2013)、映画「レインツリーの国」(2015)など多くの作品に出演。2022年にはテレビ朝日系ドラマ「NICE FLIGHT!」、日本テレビ系「祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録~」で2期連続の主演を務めるなど俳優としても目覚ましい活躍を見せている。
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