大友花恋「自分がいて良いのかな」引け目感じた過去に救われた言葉 コロナ禍に訪れた転機<「散歩時間~その日を待ちながら~」インタビュー>
2022.12.09 18:00
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映画「散歩時間~その日を待ちながら~」(12月9日公開)に出演する女優の大友花恋(おおとも・かれん/23)にモデルプレスがインタビュー。周囲に引け目を感じていた過去やコロナ禍で訪れた自身の変化、さらに飛躍する可能性を秘めた彼女の夢について語ってくれた。
大友花恋出演「散歩時間~その日を待ちながら~」
本作は、「何かあったら」と漠然とした不安が蔓延していたコロナ禍の2020年が舞台。自分や家族と対峙し、散歩するようなゆっくりとした時間の中で、10代から40代まで世代も職業も異なる登場人物たちが、いつかきっと訪れる明るい未来へ一歩踏み出す姿を「しし座流星群」が降る一夜に乗せて描くオリジナル群像劇。大友は、コロナ禍で結婚式を挙げることが叶わなかった夫婦の妻・恵紙ゆかり役として出演。夫の亮介役は前原滉が演じている。
大友花恋、“ネガティブ”だったオーディション
大友が本作と初めて向き合ったのは、オーディションの時。「この作品はオーディションのタイミングで台本を読ませていただいたので、最初台本を開いた時は自分がゆかりを演じると決まっていませんでした。
コロナ禍では、まるで散歩をしているようにみんなが同じところをぐるぐるとしていて、遠くに行くこと、人生を大きく変えることはできませんでしたが、落ち着いて自分を見つめ直す時間があったから今があるんだと、台本を読んだ後はコロナに対するマイナスのイメージが少し和らぎました。こんな素敵な作品に是非参加したいという思いでオーディションに参加しました」
コロナ禍での鬱憤をそっと和らげてくれたという作品に参加したいという前向きな気持ちとは裏腹に、オーディションでは以前から大友自身が抱えていた“ネガティブ”な部分が顔を出した。
「オーディション会場は、自分をポジティブにアピールしないといけない場所だと思うのですが、監督が全部受け止めてくださる優しい方で、つい自分のだめなところまで話しすぎてしまって…。『大人になって、だんだんと自分の意見を持ってお仕事と向き合わなければいけないことが増えてきたタイミングなのに、自分に自信が持てなくて、思うように意見を言えず、現場で真摯にものづくりをされている皆さんに出会うと少し引け目を感じてしまう』と打ち明けたんです。
こんなにネガティブになってしまったオーディションは初めてで、もしかしたら今回は落ちてしまうかもしれないと思っていたので、『ゆかり役に決まりました』とお話を伺ったときはとても驚きました」
大友花恋とゆかりの共通点
「この作品はコロナについて描いているけれど、暗くなり過ぎずに、コロナを頑張って過ごしていた自分たちをすべて認めてあげられるような作品にしたいんだ」と本作への思いを語っていたという監督。撮影現場では「それぞれが役と向き合って見つけてきたものを尊重してくださる感じでした」と、監督が役に関しての説明をすることはあまりなかった。しかし、オーディションでありのままの自分をさらけ出した大友とゆかりに共通点があることを、監督はすでに見抜いていたのかもしれない。
「ゆかりは私自身に似ていて、あまり自分が思っていることを言わずにずっと溜め込んでしまう女性。私がお話ししたネガティブな部分がゆかりという役に反映されている気がしました。それまでこんな自分を変えないといけないと焦っていたはずなのに、ゆかりを演じる上では、この自分の性格も活かせるんだ、このままでいていいんだとほっとして、監督のおかげで引け目を感じることはなく、撮影現場でも自分自身を認めてもらえたと思っています」
また、亮介がゆかりに投げかけた「先のことは分からないからさ、良いことが起こることにしておこうよ」というセリフも大友自身の心を前向きにさせた。
「つい見えない先のことに対して不安に思ったり、取り越し苦労をしてしまったりすることも多いですが『良いことが起きるんだ!』と明るい方に目を向けて、言葉で自分の機嫌を取っていくことはとても素敵だと思いました。そこが亮介の魅力で、ゆかりはそんな亮介が好きになったんでしょうし、その言葉は作品を超えて私自身にも残っています」
大友花恋、コロナ禍での変化
2020年に突如我々に訪れたコロナ禍は、大友にとっても思い通りにならない現実を突きつけるものとなっていた。「20歳になるまでは歳上の方と作品でご一緒しても食事に行けなかったり、打ち上げをしていてもお酒の場では先に帰らないといけなかったりと寂しい思いをしていたので、20歳になったら新たにコミュニケーションの取れる場所が広がると楽しみにしていたんです。
でもそのタイミングでコロナ禍になって、大勢での食事や人と会うことにも制限がかかってしまって…。撮影が決まっていた作品や予定していたロケが延期・中止になったことに対しても、もどかしい思いを抱えていました」
もどかしい思いを抱えながら日々を過ごす中で支えとなっていたのは「家族との電話」だという。
「今まではお仕事をしている時間の方が長くて、家に1人きりでいる時間がほとんどなかったので、長く家の中にいても過ごし方が分からず、毎日家族と電話をしていました。マネージャーさんにスケジュールを聞くように『今日何したら良いかな?』と家族に相談する日々で、誰かに提案してもらわないと、自分1人では時間を使う方法を見つけることができませんでした」
コロナ禍に入ったばかりの頃は時間を持て余していたというが、その十分すぎるほど長かった時間は大友の仕事に対する考えに変化をもたらしていた。
「自分自身のことを考える良い時間になったと思います。それまでは『私はお芝居がしたい。お芝居さえできれば幸せなんだ』と思っていましたが、コロナ禍になる少し前からバラエティーや、雑誌など、お芝居以外の色んなジャンルのお仕事に挑戦できるようになった自分を振り返って、自分はお芝居だけではなくて、誰かとコミュニケーションをとりながら何か1つのものを作ることが好きだと気づけたことが大きかったです」
「コロナ禍を振り返った時に悲しい気持ちだけではなくて、少し心が暖かくなるきっかけになる作品」という本作を観る読者に、大友は「コロナ禍での生活が続き、悩む瞬間や考え込んでしまう時がたくさんあると思いますが、この映画と映画のポイントとなっている“しし座流星群”を見て、その悩みを少しでも柔らかくしてもらえたら嬉しいです」とメッセージを届けた。
大友花恋の悲しみを乗り越えたエピソード
本作で自分を受け入れられたと話していた大友には、過去にも周りに引け目を感じてしまった経験があった。そんな大友の力となっていたのは、“ファンの応援”だという。「雑誌の専属モデルになったばかりの学生の時は、同世代の可愛い女の子たちと自分を比較して悩んでしまう時期もありました。背が高い子、肌が驚くほどきれいな子、おしゃれな子、みんなそれぞれ素敵な魅力を持っていると今なら思えますが、当時は『こんな素敵な雑誌に自分がいて良いのかな』と引け目を感じてしまって、不安になったり勝手に落ち込んだりしていました。
ちょうどその時期にInstagramを始めたのですが、投稿に『いつも応援しています!』とメッセージをくださる方がいて、自分のことを認めて応援してくれている子がいるということを肌で感じられたのはとても大きく、力をいただきました。
自分と周りを比較して勝手に落ち込んで自分のことをダメだと思っていましたが、応援してくれる人がいるのに申し訳ないと、できる限り前向きでいられるように意識が変わっていきました」
大友花恋が見つけた自分の強み
自分と周囲を比較してしまうことは誰にだってある。それを乗り越えた先に、大友は大友らしい強みを見つけていた。「私は群馬県出身で、当時群馬から東京に毎日2時間かけてお仕事で通っていたんです。なので、周りの皆よりも自然と本を読む機会が増えて、たくさん言葉に触れることができました。雑誌で連載を持つ時に、皆はファッションや見た目などそれぞれの個性を活かしていましたが、私は文章を書く連載をさせていただけたので、これからも自分の一部として言葉を大切にしていきたいと思っています」
その言葉通り、「王様のブランチ」(TBS/毎週土曜9時30分~)でブックコーナーを担当したり、日経新聞のプロムナードでエッセイを執筆したりするなど、自身の仕事にも繋がっていることを「人生何が起こるか分からない、これからもきっと素敵な出会いがあると思っています」としみじみ。
話すことも好きだと明かした大友は「ラジオ」に挑戦したいと、次なる夢も嬉しそうに語った。「ラジオは生放送をリアルタイムで聞いてくださっている皆さんと、お便りを通じてコミュニケーションを取れることが魅力だと思っているので、大人になった今、リスナーの皆様と言葉のキャッチボールができるラジオに改めて挑戦したいです」
大友花恋の夢を叶える秘訣
青春時代やコロナ禍を経て前向きに成長し、自分の夢を見つめ直した大友に“夢を叶える秘訣”を聞いてみた。「私もまだ夢を探している途中ですが、いつまでに叶えなければいけないという期限付きの夢はないと思っています。強く願っていれば、思いはどこかのタイミングで絶対に届くんです。だから『自分が持っている夢を心のどこかでいつでも温めておくこと、熟成させておくこと』が大切だと思います。
『自分は夢なんか見ている場合じゃない』と諦めて辞めてしまうのではなくて、今は叶わないかもしれないですが、いつか実現させたいという思いだけでもずっと持っておいてほしいです」
ちなみに、今“熟成させている夢”はあるかと聞くと「バンジージャンプに挑戦したいです。でも今はまだ勇気が出ないので、熟成させているくらいでちょうど良いと思います。温めております」と話すお茶目な一面も見せていた。
大友花恋インタビューこぼれ話
<こぼれ話1/コロナ禍で始めたこと>「ランニングを始めました。毎朝走っています。
元々トレーニングはしていなくて体力もある方ではなかったので、コロナ禍で動くこともせずに家にこもっていてさらに体力が落ちてしまったら、いざ現場が動きだした時に、思うように動けなくなってしまうと思って。
まずは帽子、ウェア、靴とお気に入りのもので揃えて、『これだけ揃えたらもうやめられないだろう』と思えるように形から入りました」
<こぼれ話2/マスクを外して伝えたい想い>
(本作での亮介のセリフ「大切なことはマスク外して言ってほしいんだよ」にちなんで)
「この数年で出会った皆さんとはマスクをしている姿でしかお会いできていないので、いつか叶うのであれば、マスクを外して『こんな顔でした。ありがとうございました』と言って回りたいです(笑)」
(modelpress編集部)
大友花恋プロフィール
1999年10月9日生まれ、群馬県出身。2012年にドラマ『結婚同窓会 〜SEASIDE LOVE〜』(フジテレビ)で女優デビュー。これまで映画『君の膵臓をたべたい』、ドラマ『チア☆ダン』『あなたの番です』『新米姉妹のふたりごはん』などの話題作で存在感を放っている。
また、2013年にファッション誌「Seventeen」の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン2013」のグランプリに輝き、2021年までの8年間、歴代最長となる専属モデルとして活躍した。さらには、「王様のブランチ」では2017年から2021年まで4年間レギュラーを務めるなど、多岐にわたる活躍で活動の幅を広げている。
スタイリスト:山田莉樹
ヘアメイク:田中陽子
#大友花恋 さんが「#モデルプレス決め顔チャレンジ」に挑戦✨
— モデルプレス (@modelpress) 2022年12月9日
記事では周囲に引け目を感じていた過去やコロナ禍で訪れた自身の変化、夢を叶える秘訣を語っていただきました🌟
🔻記事https://t.co/4FDKjfOvGk#大友花恋 #散歩時間 @sanpojikanMovie pic.twitter.com/c6F0sy3cXF
【Not Sponsored 記事】
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