乃木坂46齋藤飛鳥、後輩との関係が変化した理由 西野七瀬卒業時の“決断”も聞いてみた<「映像研には手を出すな!」インタビュー後編>
2020.09.23 20:00
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映画『映像研には手を出すな!』(9月25日公開)で主演を務める乃木坂46・齋藤飛鳥(さいとう・あすか/22)にインタビュー。これまでメンバーとも一歩距離を置いていたように見えていた彼女は、自ら後輩に歩み寄り、目に見えて変化している。今、過去の自分と比較して語る“諦めること”の大切さとは。<インタビュー後編>
齋藤飛鳥、山下美月&梅澤美波との関係性語る
― 「映像研」では映画でもドラマでも、齋藤さんは梅澤美波さんから思いっきり叩かれたり、首を絞められたりしていましたが、演じる前に何か打ち合わせなどしましたか?齋藤:梅澤は真面目なので、後輩として私のことを叩くのがどうも難しかったようで…。最初は、すごく一生懸命やってくれているんですけど、遠慮していて力が弱いから叩いた時に良い音が出ないとか、ちゃんと真ん中に当たらないとかで、結構NGが連発しちゃったんです。その度に梅澤は「ごめんなさい、ごめんなさい!痛いですよね…」という感じで、正直私的には当て損なうと逆に痛かったので「なんか痛いんだけど~」と言っていました(笑)。でもやりづらいだろうなということはわかっていたので、NGを出した回数を毎日数えて「今日は4回叩き損ねたから、この4回分を必ず何かで返すからね」と約束して、ちゃんと一発で決められるような空気作りは心がけました。
― 優しいですね。後輩の気持ちを汲み取って、齋藤さんが自ら動いたのですね。
齋藤:そうですね。絶対やりづらいでしょうからね(笑)。
― 齋藤さんのその優しさもあって、この映画を通して齋藤さん、山下美月さん、梅澤美波さんの3人がすごく仲良くなったなと感じるのですが、関係性の変化は実感していますか?
齋藤:めちゃめちゃ実感しています。私に問題があるのですが、あまり先輩側からちゃんと声をかけてあげられていなかったので、映画の前は山下と梅澤と本当にほとんど喋ったことがなかったんです…。「映像研」の撮影で初めて2人について知ることがすごく多くて、距離がすごく縮まりました。映画の中の関係と似ていて、現実世界でも3人がお互い信頼し合っていたり、テレビでもいじり合ったり、上下関係があまりなく接することができるようになったと思います。
― 映画の感じだと、齋藤さんが妹のような存在ですよね。
齋藤:そうですね。私と梅澤は同い年で、山下は1つ下なのですが、仲良くなるために先輩だけどあえてちょっと2人に頼ってみていたので、それが今も染みついちゃっているかもしれないです。例えば取材の時に、ちょっと難しい質問が来たらジーッと梅澤の方を見つめていると、梅澤が察して答えてくれます。私が2人を可愛がっているのか、私が2人から可愛がられているのかよくわからない感じですが、仲良くなりました(笑)。
― 良い関係ですね。山下さんは齋藤さんのことを積極的にいじっていますもんね(笑)。
齋藤:「映像研」の撮影の時も、私のセリフが結構難しい専門用語が並んでいたり、1人だけ明らかにセリフの行数が多すぎたりする時があったのですが、NGを出さないで一発で言えた時は、山下が「やっぱさすがっすわ、飛鳥さんすごいっすわ」と言ってきます。褒めてくれているんですけど、「本気で思ってる?」みたいな時もあって…。私が現場で干し芋を食べているだけで「飛鳥さん、やっぱ干し芋食べているからそんなにスタイルが良いんですね!やっぱすごいっすわ」みたいな…。全部の会話にいらない一言が乗っかってくるんです。
― (笑)。梅澤さんもそんな感じなのですか?
齋藤:梅澤はちゃんと敬ってくれています。褒める時はちゃんと心から褒めてくれるんですけど、梅澤も私のことを妹みたいに思っているようで「可愛いですね!赤ちゃんみたいですね!」と言ってきます(笑)。でも、グループの中でも同期のメンバー以外からいじられることは全くなくて、2人が初めてなので、そういう意味では新たな関係性みたいな感じで嬉しいです。
齋藤飛鳥が思う山下美月&梅澤美波の魅力
― 一緒に過ごす時間が増えて感じた、山下さんと梅澤さんの魅力や強さはなんですか?齋藤:梅澤は、映像系のお芝居の経験があまりなくて、映画に出るのも今回が初めてだったのですが、クランクインの日に役をすごく仕上げてきて、「この人すごいな」と思いました。本読みの時とかはちょっとぎこちない部分があったり、英監督からも「もうちょっとこういう声出せる?」という細かい指示も多かったりしていたのですが、クランクインした途端に完璧に金森になっていたので、それは梅澤の根の真面目さが表れていたと思います。多分、山下は映像に慣れているし、私は先輩だしということもあって、自分が足手まといにならないように、遅れないようにとちゃんと考えてきて実行していたので、そのおかげで私もお芝居しやすかったし、助けられました。
山下は、水崎そのまんまの人というくらい、すごく役にハマっていたので、あまり不安はなかったです。水崎はカリスマ読者モデルで、ほかの生徒の視線を集めたり、注目を集めたりする役なのですが、山下自身もなんとなくそういう節があると思います。現場でもスタッフさんと上手にコミュニケーション取れていたのは山下だと思うし、それによって現場が盛り上がって和やかな雰囲気になっていたので、それは山下が持っている魅力で真似のできないことだし、なるべくして芸能界にいるんだなと思いました。
齋藤飛鳥、メンバーとの関わり方に変化
― 山下さん、梅澤さんとの関係性が変わったことをきっかけに、齋藤さん自身のグループでの在り方も変わりましたか?齋藤:ちょっと前までは人任せというか、自分がセンターを任されている時であってもできるだけ目立ちたくないという思いがあって、喋らなきゃいけない場でも、「私より多分キャプテンの秋元真夏が喋ったほうが良いと思います」とすぐに言っちゃう感じで、秋元が喋ってたら斜め下を見て、話を振られないようにしているタイプでした(苦笑い)。
でも今は「映像研」との出会いをきっかけに、浅草のテンションが身についたというか、ちょっと明るくなったと思います。山下と梅澤の3人でお仕事をすることが増えているのですが、3人でいると一応先輩である私が先陣を切っていかなきゃいけない時もたくさんあるので、なんとなくそれが習慣づいて、グループの仕事の時も自分が先導してみたり、質問された時にも私からちょっと噛み砕いて後輩に渡してみたりとかできるようになりました。
― これまでグループを引っ張ってきてくれた白石麻衣さんの卒業も近づいていることも、より齋藤さんが後輩の前に立つという意識になったことに繋がっていそうですね。
齋藤:そうですね。ファンの方は、1期生が結構卒業して変化する乃木坂46に戸惑った方もいらっしゃると思うのですが、メンバーとしてはその時々で変化についていって、そのタイミングごとに新しいグループに生まれ変わっているので、西野や白石が残してくれたものをちゃんと見つけて、それを吸収して、卒業しても心配にならないようにというのは、私だけではなくみんな考えていると思います。もしかしたら昔よりも今の方が、メンバー同士の助け合いや信頼は高まっているような気がするので、あまり心配はなく、これからもこの人たちとやっていけるなという気持ちです。
― 「Sing Out!」の選抜発表で齋藤さんは「自分の中で『これからこうしよう』って決めたことが1つあって、それを西野さんの卒コンから始めた。それが伝わる期間になればいい」と言っていました。ちょうど1年前のインタビューで「答えはまだ秘密」とのことでしたが、今は言えそうですか…?
齋藤:そのことについて、いろんな取材でも聞いていただいたし、握手会でもめちゃくちゃ聞かれたんですけど、それはちゃんと果たしてから言おうと思って、どこにも言わないようにしていたんです。でもずっと隠していたら、今すごいファンの方がいろんな想像をしてくれていて、「きっとこれだ」「いや、やっぱりこっちだと思う」と分析をしてくれているので、「あ、もうそのままみなさんの分析で盛り上がっていただこうかな」と思って、今もずっと濁しています。
― じゃあ今もまだ秘密…?
齋藤:はい(笑)。
齋藤飛鳥が語る“諦めること”の大切さ
― 最後に、齋藤さんが今思う、夢を叶える秘訣を教えてください。齋藤:諦めることもすごく大切だなと思います。“アイドル”という、夢いっぱいの立場から言うアドバイスじゃないかもしれないんですけど、私自身の境遇が、順風満帆ではなかったというか…。乃木坂46に入ってからも、選抜に選ばれたり、アンダーになったりと繰り返していたし、選抜に入っても3列目の隅っことか、ずっと人の後ろにいることが多かったので、ずっと上手くいっていたわけではなく、ちゃんと挫折をしてきたタイプなんです。
諦めるというのはネガティブな意味ではなく、「映像研」も最初は本当に不安が大きくて、「私に浅草はできない。私より絶対に適役がいる」とずっと言っていたんですけど、ちょっと前だったら恥じらいが邪魔してできなかったようなことも、「今更恥ずかしがってもしょうがないな」という“諦め”で吹っ切れました。
これまで後輩となかなかコミュニケーションを取らなかったのも、できれば背中を見せたいタイプだったので、自分から声をかけるというよりは、さりげなく、もっとクールな先輩でいたかったんです。でも、結局山下と梅澤と親密になれたのは、そういう立場になることを“諦めて”、私からちゃんと近づいていったことでこの関係を築けたので、諦めたり、ちょっと自分の気持ちを飲み込んだりすることは悪いことばかりじゃないなと思います。“諦めること”はネガティブに見えがちだけど、意外と夢を叶える近道になることもあるのかなと、最近すごく感じました。
― 新たな気づきがあったことも、齋藤さんの変化に繋がっているのですね。ありがとうございました。
(modelpress編集部)
齋藤飛鳥主演映画「映像研には手を出すな!」
「月刊!スピリッツ」にて連載中のコミック『映像研には手を出すな!』(作:大童澄瞳/小学館)を実写化する同作は、“最強の世界”を夢見てアニメーション制作を志す3人の女子高校生の姿を独特な世界観と共に描き出す物語。作品設定のアイデアを湯水のように生み出す、極度の人見知りな主人公・浅草みどり役を齋藤が演じるほか、超お嬢様でカリスマ読者モデルながらアニメーターを目指している天真爛漫な水崎ツバメ役を山下美月、アニメに興味はないものの金儲けの嗅覚と持ち前のビジネスセンスでプロデューサー的立ち位置の金森さやか役を梅澤美波が演じる。
齋藤飛鳥(さいとう・あすか)プロフィール
1998年8月10日生まれ。東京都出身。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格。2012年、乃木坂46の1stシングル『ぐるぐるカーテン』で選抜入りしデビュー。2015年、女性ファッション誌『CUTiE』初の専属モデルに抜てき。その後、休刊が発表されてからは『sweet』のレギュラーモデルに就任。様々な服を着こなし、男性のみならず、女性からも絶大な支持を得る。2016年『少女のみる夢』でドラマ初主演。2017年には舞台『あさひなぐ』で主演を務めた。2018年には映画『あの頃、君を追いかけた』で映画デビューを果たしたほか、2020年はスペシャルドラマ『リモートで殺される』(日本テレビ系)に出演し、女優としての才能を発揮している。スタイリスト/市野沢 祐大(TEN10)
ベスト、トップス、パンツ(全てKOH'S LICK CURRO)、バングル(PHILOSOPHY Arts./ワールドスタイリング)、イヤリング(FUMIE TANAKA/DO-LE co ltd.)、その他スタイリスト私物
【Not Sponsored 記事】
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