「僕だけが17歳の世界で」挿入歌が話題・MACOを絶賛 藤野良太プロデューサー、制作秘話語る
2020.04.02 15:27
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俳優でボーカルダンスユニット・M!LK(ミルク)のメンバーの佐野勇斗と、女優の飯豊まりえがW主演を務めるAbemaTV最新オリジナルドラマ『僕だけが17歳の世界で』(毎週木曜よる11時~全8話)が2日、最終回を迎える。このほど、同作の挿入歌を担当するシンガー・ソングライターのMACOが、プロデューサーの藤野良太氏と対談した。
MACO「僕だけが17歳の世界で」挿入歌2曲を担当
同作は、幼馴染の航太(佐野)と芽衣(飯豊)が、お互いに“好き”という気持ちに気づくも、想いを伝えることなく突然航太が亡くなってしまい、季節外れの桜が咲く期間だけ戻ってくるファンタジー・ラブロマンス。MACOはドラマと共に話題になっている「桜の木の下」「3月9日」という劇中2曲の挿入歌を歌う。そして、今回のスペシャル対談では、2人の出会いからドラマの見どころ、挿入歌「桜の木の下」の制作秘話まで語った。
MACO「一生忘れないプロデューサーさん」
― まずは2人がどういう経緯で知り合ったのか、ということから聞かせてください。藤野:僕がフジテレビにいた頃、2016年にあるドラマの主題歌候補を決めるときに、MACOさんの曲を聴いたのが最初でした。そこから、どこぞのわがままプロデューサーが…僕のことなんですけど(笑)。何回も何回も「書き直して」とお願いして手直ししてもらって、あげく違う曲にしちゃったという酷い話がありまして。
MACO:一生忘れないプロデューサーさんになりました(笑)。
藤野:まあ、ラブストーリーって真逆の印象から入るものじゃないですか(笑)。
― 最初は悪い印象からスタートして、どんどん近づいていくという。
藤野:そう(笑)。そこから時は巡って、MACOさんのライブに行ったんですよ。その後にご挨拶したら「何度でも書きますから!」というパンチラインを貰って。それがグサっと刺さったんですよ。そこから数年経って、ドラマ『僕だけが17歳の世界で』(以下、ボクセカ)の名前がないくらいの段階で「もう1回、一緒に交われたら良いな」と思って依頼しました。
― 藤野さんが『ボクセカ』を作るにあたって、意識したコンセプトは?
藤野:最初は、AbemaTVということもあって尖った企画を考えていたんですが、作っていくうちに「フジテレビから独立して一番最初に作るドラマがこんな変化球でいいのか」と思うようになって、得意ジャンルで勝負しようと。ただ「別れ」をテーマに企画を通していたり、AbemaTVでやるからには恋愛リアリティーショーに勝たなきゃいけないとなったときに、ファンタジーで勝負しなきゃと思うようになり、キーワードを頭の中に足していったら、コンセプトが降りてきました。
藤野良太氏「歌詞を修正しなかったことは1回もないんですけど…」
― MACOさんが感じる『ボクセカ』ならではの魅力とは?MACO:出演者の皆さんに実際会ったときの印象と、ドラマの画面の向こうで見る感じが全く一緒だったことにすごく驚きました。雰囲気が本当の同級生みたいで。だから画面を通してもより泣けるし、共感できるし、自分も学生時代に戻った気分になれるんです。
藤野:個人的にはああいう状態に持ってくるのが必ず大切と思っていて。とくに若いキャストって、役柄にどこか1点、本人たちの持ってるいいところを持たせて、そこから膨らませた方が役に入りやすい。自分との接点を見つけてくれて。いい表情をすごく引きだせるというか。飯豊まりえちゃんとも最初に「飯豊まりえの武器は何?良いところって何だと思う?」という質問をして。
MACO:「笑顔」ですよね。
藤野:そう。この話は「17歳の頃は大切な人がいて、その人がいたから笑えていたけど、そんな芽衣ちゃんから笑顔が消えて、その大切な人が戻ってくることによって笑顔を取り戻すまでの話」と伝えたら、スッと入ってくれたんです。その代わり、17歳の笑顔と24歳の笑顔は違うから。1話目は17歳で、最終話は24歳の笑い方にして、最後の笑顔をちゃんと大切にしてこうねと。
MACO:なるほど。私、今この話を初めて聞いたんですけど、1番のサビが「あなたの笑顔が私を救ったのです」で始まるのでビックリしました。
藤野:だからすごいと思ったの。それを資料から読み取ったんだと思って。
MACO:めちゃくちゃ分厚い紙資料が送られてきて、夜寝る前にベッドの中で拡大して読んで、“桜の木の下”というキーワードを大事にしながら、芽衣ちゃんに憑依して書きました。
藤野:本当にすごい。あと、僕がドラマ主題歌をお願いしたなかで、歌詞を修正しなかったことは今まで1回もないんですけど、今回のMACOちゃんが初めて1回も修正なく進みました。
MACO:そうなんですね!2番の「桜の木の下」 のフレーズなんて、まだまだたくさん言葉があったんですよ。2番の歌詞こそ大事だと思って、悩みに悩みましたね。私、「好き」とか「大好き」とか「愛してる」ってサビでストレートに言っちゃうんです。だから、1回はそれを言わない歌詞を2番にはめてみたいって話し合って、「あなたの記憶で私は生きれるのです」というフレーズになりました。
藤野:MACOちゃんの歌詞ってすごくストレートだけど、ディテールに惹かれるんですよ。ただ「大好き、愛してる」と言っているだけだと映像が浮かばないんですけど、ディテールがある歌詞って、風景がパーンて浮かぶというか。
MACO、作詞エピソード明かす
― 「桜の木の下」の歌詞を書く上で膨大な資料があったという話ですが、藤野さんからキーになる一言があったりしたんですか?MACO:キーワードとして「桜の木の下」があって、そこにじゃれ合うシーンや学生であること、人は蘇るというコンセプトを踏まえて歌詞を書きました。
藤野:そういえば、巡り会えなかった4年前って、何曲か候補があったじゃないですか。でも今回は1曲がドンと送られてきたんですよ。
MACO:そう。全部が一気に降りてきて、これしかないと思って。メロディーもある日、自分の部屋でストンと降ってきたというか。
藤野:メロディーと言葉、どっちから降りてきたの?
MACO:言葉ですね。言葉を書いているときに、メロも書いちゃえというところまで進んだんです。自分的に切ないメロが降りてきたと思って、歌詞と一緒にほぼ同時進行で書いていました。
藤野:フレーズは頭から順番に降りてきたの?
MACO:そうです。
藤野:「生まれ変わってもまた会いたい」から作ったのかなって思っちゃった。歌は一発目でとったテイクなんだよね?
MACO:そうなんです。本レコーディングで入っちゃうと、ピッチがどうとか、技術面の方に気をとられちゃうんですよ。けど、降りてきた歌詞って1stテイクを超えられないことが多くて。今回も一発目に録音したものが使われました。
― 曲を実際作ってみて、オンエアに乗ってるのを見ると、別の感情が生まれたりもしましたか?
MACO:いち視聴者として、あの場面で自分の曲が流れると、やっぱり「このドラマのために書いた曲だな」とすごく思います。
藤野:でも、7話と8話で本領を発揮するんです。ドラマでかけている曲って、今はあえて「桜の木の下で」というフレーズまで流していないんですよ。なぜかというと、あの2人は桜の木の下で会ってないから。だから、そこがバシッとはまる最終話まで早く見てほしいです。
「次はMACOちゃんの曲からドラマを作ってみたい」
― 最後に、お2人が今後一緒にやっていきたいことは?藤野:今回は、企画書や作品ありきでやってくださったと思うんですけど、次はMACOちゃんの曲からドラマを作ってみたい。ミニドラマとかになるのかもしれないけど。
MACO:いいですね!それ、やりましょう!いっぱいメモにストックがありますよ。いろいろな恋愛が(笑)。
藤野:情景が浮かぶ曲がすごくあるから、良いと思うんですよ。ストーリーと曲が本当に出会ったら、ものすごく素敵になるじゃないですか。主題歌や挿入歌というより、そうじゃない作り方がもっとあってもいいのかなと思って。
MACO:新しい!ぜひやりましょう。私は、そうですね…やっぱり、今後の藤野さんが作る作品に、また曲を書き下ろしたいです。今回のように登場人物の設定とか企画書からでもいいんですけど、台本ができ上がってから読み込んで、憑依してしっかり歌詞を書いてみたいと思います。
(modelpress編集部)
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