アイドルから絶大な支持 衣装デザイナー・茅野しのぶの“可愛い”を作る美学<「シチズン クロスシー」インタビュー>
2026.08.06 17:15
AKB48や=LOVEなど数々の人気アイドルたちの衣装を手掛け、アイドルやファンから絶大な支持を得る、株式会社オサレカンパニー取締役兼クリエイティブディレクター・茅野しのぶ。一人ひとりの個性に寄り添い、魅力を引き出す衣装作りは、多くの女性たちに勇気と自信を与え続けている。
今回はそんな茅野しのぶに、衣装を手掛ける上でのこだわりやキャリアを重ねて変化した価値観について語ってもらった。【「シチズン クロスシー」インタビュー第2弾】
茅野:第一印象で良いところを3つ見つけて、そこを徹底的に伸ばすようにしています。例えば、背の低さを本人がコンプレックスに感じていても、見ている人からすればその人を覚える一つの要因になることもあって。そういう時は、ミニマムな部分が可愛く映える衣装にします。とはいえコンプレックスは、自分の長所だと思って好きになるか、あるいは見えないように隠すかのどちらかだと思うので、ご本人のキャラクターに合わせて一緒に考えるようにしていますね。


茅野さんが手掛けた衣装/(左から)=LOVE「とくべチュ、して」(佐々木舞香着用)、=LOVE「=LOVE 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」(髙松瞳着用)、AKB48「名残り桜」(伊藤百花着用)(C)モデルプレス ― 茅野さんは多くのアイドルの方から信頼されていますが、メンバーとの関わり方で心がけていることを教えてください。
茅野:「1人に向き合えないなら、全員に向き合わない」と決めているので、一括りにしないで一人ひとりと向き合うことです。ステージに立つ以上は全員同列ですし、私たち裏方が優劣をつけることはしたくなくて。大人数だと周りと比べて自信を持てない子もいますが、ほとんどの子はコンプレックスを自ら口にしません。だからこそ、フィッティングの時間を大切にして不安を解消するようにしています。
― 「1人に向き合えないなら全員に向き合わない」という言葉に、プロとしての強い覚悟を感じます。フィッティングでは具体的にどのようなことを意識されていますか?
茅野さん:言葉にするのが苦手な子は表情を見て、衣装を実際に着た時に「可愛いんですけど…」と返ってきたら、その「けど」の先を深掘りします。緊張している子がいたら「学校で今何が流行ってるの?」など、全然違う話をしたり(笑)。リラックスできるように意識しています。フィッティングは流れ作業になりがちですが、メンバーにとっては「たった1人の衣装さん」。その子が「可愛い!私に似合ってます!」と自信をもった状態で、ステージで100パーセントの力を発揮できるようにしています。
― 茅野さんの気さくな人柄と真摯な向き合い方が、信頼に繋がっているのですね。メンバー本人から「こういうデザインが着たい」といった要望を取り入れることはありますか?
茅野:意見をそのまま取り入れることは少ないですね。衣装ごとに楽曲のイメージがあるし、広告ならその世界観に合ったイメージを優先して作ります。ライブ用の衣装だと「ファンの方のために作りたい」と思っています。ファンの方は時間を作ってお金を出して会いに来てくれるので、“推し”を見て「この日のために仕事や勉強を頑張って良かった」と思ってほしい。ただ、メンバーの好みは熟知しているので、個別でバリエーションを作る時に、それぞれの好みをエッセンスとして落とし込んだりはしています。
― 先日、茅野さんが衣装を担当された=LOVEの国立競技場でのライブも、ファンの間で「衣装が可愛い」と話題になっていましたね。
茅野:最近好きになった方も昔から応援している方も、みんなが楽しめる公演にしたくて気合を入れて作りました。野外で夕方スタートだったので、濃い色で作る必要があったのと、2日間で計13万2,000人の観客に対して、ステージに立つのは10人だけ。ボリューム感を出して目立たせつつも、パフォーマンスを妨げないよう軽量化して、どの席からでも同じように感動が伝わるデザインに調整しました。照明に映えるようラインストーンや装飾を配置して、光を浴びた時に一番輝くように仕上げています。関係者席で見ていたら、女の子のファンが「可愛すぎて意味わかんない!」と怒っていて(笑)。「この子たちをもっと悶絶させたいな」と思いましたし、本当に衣装冥利に尽きる公演でした。
― ファンの皆さんの熱狂を直に感じられるのは、作り手として最高の瞬間ですね。
茅野:私は衣装作りで「話題にされる」ことがすごく重要だと考えているので、反応をもらえると嬉しいです。「あの動物の衣装」のように衣装に枕詞がつくようにしたり、賛否両論あってもいいので、ファンの皆さんが思わず語りたくなるような工夫や仕掛けを意識しています。衣装が話題になることでファンが増え、その大きな歓声が結果的にメンバーの自信へと繋がっていく。どのグループを担当する時も、最終的にお茶の間で話題にしてもらいたいと思っています。
― 過去のインタビューでも「衣装は自信を持ってもらうためにある」という話がありましたが、茅野さんご自身にとって、身に着けることで背中を押してくれるアイテムはありますか?
茅野:ジュエリーや時計ですね。私自身、「ネイルをして偉い」「コーディネートを考えて偉い」と日常的に自分を褒めているんですけど、時計も身に着けるだけで「今日の私、ちゃんとしてる!」と思わせてくれるアイテムだなって。自己肯定感が高い方が幸せに生きられるし、自信の高さは人を惹きつけるオーラになるので、アイドルの子たちにも「自分を褒めるレッスンをして」とよく伝えています(笑)。手元を彩る時計は、自分を褒めて自信を持つためのすごく良いきっかけになると思いますね。
― たしかに、自己肯定感を高めるための身近なスイッチのひとつですね。今回、シチズン クロスシーの「daichi collection Limited Model」(EE1004-81N)を着用してみていかがでしたか?
茅野:「大人が着用できる、使いやすくて可愛い時計」だと思いました。女性らしいフォルムと色味でありながら子どもっぽくならず、ニュアンスカラーでどんな洋服にも合わせやすい。私が手掛けた=LOVEの6周年記念ライブのピンクの衣装にも絶対に合うと思って、選んで持ってきたのですが、やっぱりぴったり(笑)!
― 今回の限定モデルは「Morning Light」がテーマ。コーラルピンクのグラデーションが美しい白蝶貝文字板で“やわらかな朝の光”を、繊細なエッチングとラメで“爽やかな風”を表現したデザインになっているんです。
茅野:幅広い年代の方が使える上品なデザインで、本当に素晴らしいですね。どんな色のお洋服にもマッチするし、オフィスでも家の中でもシーンを選ばず日常使いできそうです。可愛いだけでなく、光で充電できるし、軽くて着用しているストレスがないのも嬉しいです!
― 機能性も優れていますよね。デザイン面では、衣装作りで茅野さんがこだわっている「美しさ」と通じる部分はありますか?
茅野:私は衣装を作る時に、その人のスタイルが一番よく見えるよう型をすごく研究しています。この時計もフォルムが本当に綺麗で、着用した時に「手首が細くなった?」と思ったほど。女性が美しく見えるかたちを研究されているんだろうな、と感じました。普段からディテールの配置にもこだわっているのですが、この時計もダイヤやカットパーツの配置が計算し尽くされていると感じます。
― 30周年にちなみ、30分(6時)の位置にラボグロウン・ダイヤモンドが配置され、時間の移ろいとともに太陽と月が表情を変えるサン&ムーン表示には白色の背景を採用。星や鳥をあしらったデザインもポイントです。
茅野:こだわって作られているのが伝わりました。そういったストーリー性は必ずクオリティに表れますし、知るとより愛着が湧きますね。私も衣装のストーリー性を大切にしているので、細部へのこだわりに深く共感しました。
― 茅野さんご自身は、衣装のインスピレーションやアイデアを普段どこからインプットされていますか?
茅野:ファッションからエッセンスをもらうと、それは“マネ”になるので、全く違うものからインプットします。例えば時代背景や世界情勢です。コロナ禍の後にバカンスウェアが流行ったように、人々の潜在的な欲求を知ることが大事で、ヒット商品に対しても「なぜヒットしたんだろう」と背景を紐解くようにしています。あとは日常で、スタジオの家具や窓に付いた雨の粒、デパートで見たコフレのディスプレイの配色など、「可愛い」と思ったら写真を撮っています。あらゆることにアンテナを張って、頭の中に色々なデザインソースを入れておくイメージですね。年を重ねると経験値が増えて物分かりが良くなるけれど、些細なことに疑問を感じることは大切です!
― なぜそれが人々の心を捉えているのかという背景まで掘り下げていくことが、時代とリンクする魅力的なデザインを生み出すアイデア源になっているのですね。最近アイデアが形になった例はありますか?
茅野:学生服ブランドも手掛けているのですが、最近の学生にリサーチした際に一番の関心事として挙がったのが「青春感」というワードでした。今はSNSで発信する場があるから、キラキラした青春感を自分でも感じたいし、受け取り側にも感じてほしいという心理があるようで、これをAKB48の打ち合わせの時に思い出して。「メンバーの今の等身大の姿を見せたい」という意見に対して、「ポラロイドで撮ったような、青春感のある制服スタイルにしましょう」と提案したら、採用されました。
茅野:昔は自分のためだけに時間を使って「自分が頑張ればいい」と思っていましたが、会社を設立してからは、部下とのコミュニケーションに使う時間が圧倒的に増えました。大きなことをやるには自分1人の力には限界があるし、私がひとりで全部こなしたら部下たちの経験になりません。部下たちもプライドを持ってやっているので、「任せる」ことで本人が成長していくのを間近で見ることが、私自身の学びにも繋がっています。
― 「自分が頑張ればいい」と全てをご自身でこなしていた頃は、相当過酷なスケジュールだったのでは?
茅野:AKB48の衣装担当をしていた時期は、本当に記憶にないくらい忙しかったです(笑)。朝依頼がきて、夜中の3時や4時にデザインが完成して寝る生活で。当時付き合っていた人との別れ話も「了解しました、すみませんでした」と事務的なメールで終わらせてしまったくらい(笑)。とはいえ当時は自信がなくて「もっと有名な衣装さんがやった方が…」と悩むこともありましたが、考え出したら手が止まるので、とにかく無我夢中で突き進みました。
― 無我夢中で駆け抜けた経験が、今の茅野さんの土台になっているのですね。
茅野:「若さ」って本当に財産です。若いからこそ無鉄砲に動けることってあるんですよ。今大変だと思っている方がいるなら、需要があるうちはその波に乗ってみるのも手だよ、と伝えたいです。私も当時は周囲が年上ばかりでしたが、萎縮したらやっていけないので、全員親戚だと思って接していました(笑)。ただ、心身を壊してまでやる仕事はないですから、ちゃんと睡眠はとってください!
― 悩みながらも頑張る女性たちにとって、勇気をもらえるお話です。ただ、今の時代はSNSなどで他人のキラキラした姿ばかりを目にして、自分と比べて落ち込んでしまう女性も多いと思います。そんな方に向けて、アドバイスをいただけますか?
茅野:今はSNSで全世界の情報が知れて、しかも成功体験ばかりが発信されるから、比較しちゃうし生きづらいですよね。そんな中で自己肯定感を上げるには、成功体験が必要です。成功体験を積むには、自分をプレゼンしてチャンスを掴むこと。そのためにもやっぱり、「自分の長所を知ること」が重要です。自分で自分の長所を3つ挙げて、そこを徹底的に伸ばす。周囲に「私の良いところは?」と聞くのもおすすめです。円グラフにした時に、綺麗な丸にならなくていいんです。尖っている方が「そういう人だよね」という印象がつくので。長所を伸ばして、短所は素直に受け入れるスタンスでいいと思います。
― そうすることで、少しずつ自分を肯定できるようになりそうですね。
茅野:成功体験を積んで自信がつくと、いい意味での「勘違い」ができるようになるんですよ。人が本来以上の力を発揮するには、この「思い込み」がすごく重要。独りよがりになるのは良くないけど、「根拠なき自信」は人を成長させる大切なエッセンスになると思います。
― クロスシーは今年でブランド誕生30周年。茅野さんはこれから先も長く続けていきたいことや、長期的な目標はありますか?
茅野:大きいのですが、社会貢献がしたいと考えています。ひとつは、私が若い頃に秋元(康)さんに大きなチャンスをいただいたように、今度は私が若い人にチャンスを与えて才能を育てたいです。もうひとつは、子どもたちが「日本に生まれて良かった」と思えるよう、少しでも生きやすい世の中にしていきたいということ。政治家みたいな大きすぎる目標ですけどね(笑)。
― 「生きやすい世の中にしたい」と考えるようになったのは、ご自身の経験も影響しているのでしょうか?
茅野:私は男性社会で仕事してきたこともあり、振り返ると「あの時無駄に傷つかなくてもよかったな」と思うことも多くありました。だからこそ、これからは若い人が楽しく夢を見られる状況を作っていきたいんです。具体的には教育系にも興味があって、地方自治体と組んで、地方にいてもクリエイティブな仕事ができる環境を作りたいと考えています!
― ご自身が経験されたからこそ、次世代がのびのびと夢を見られる環境を作りたいという熱い想いがあるのですね。
茅野:あとは、今はタレントさんや芸能人の方に衣装を作っていますが、結婚式など、一般の方の人生のハイライトで「今日の主役は私!」と思えるような、最高の衣装作りができたらいいなと思っています。
― 素敵なお話ありがとうございました!
一切の妥協なく美しさを追求する茅野しのぶの姿勢には、揺るぎない信念とメンバー、スタッフ、そして応援してくれるファンへの愛情が満ちあふれていた。チームの力を最大限に引き出しながら進むその歩みは、これからも多くの人々に自信という名の魔法をかけ続けていく。(modelpress編集部)[PR]提供元:シチズン時計株式会社
撮影:伊東祐輔
価格:143,000円(税込み)世界限定1,300本
茅野しのぶ、=LOVEの国立競技場ライブ衣装に仕込んだ“工夫”
― 衣装作りにおいて、着る人に「自信を持ってもらう」ことを大切にされている茅野さん。人のどの部分を一番深く観察してデザインに落とし込んでいるのでしょうか?茅野:第一印象で良いところを3つ見つけて、そこを徹底的に伸ばすようにしています。例えば、背の低さを本人がコンプレックスに感じていても、見ている人からすればその人を覚える一つの要因になることもあって。そういう時は、ミニマムな部分が可愛く映える衣装にします。とはいえコンプレックスは、自分の長所だと思って好きになるか、あるいは見えないように隠すかのどちらかだと思うので、ご本人のキャラクターに合わせて一緒に考えるようにしていますね。


茅野:「1人に向き合えないなら、全員に向き合わない」と決めているので、一括りにしないで一人ひとりと向き合うことです。ステージに立つ以上は全員同列ですし、私たち裏方が優劣をつけることはしたくなくて。大人数だと周りと比べて自信を持てない子もいますが、ほとんどの子はコンプレックスを自ら口にしません。だからこそ、フィッティングの時間を大切にして不安を解消するようにしています。
― 「1人に向き合えないなら全員に向き合わない」という言葉に、プロとしての強い覚悟を感じます。フィッティングでは具体的にどのようなことを意識されていますか?
茅野さん:言葉にするのが苦手な子は表情を見て、衣装を実際に着た時に「可愛いんですけど…」と返ってきたら、その「けど」の先を深掘りします。緊張している子がいたら「学校で今何が流行ってるの?」など、全然違う話をしたり(笑)。リラックスできるように意識しています。フィッティングは流れ作業になりがちですが、メンバーにとっては「たった1人の衣装さん」。その子が「可愛い!私に似合ってます!」と自信をもった状態で、ステージで100パーセントの力を発揮できるようにしています。
― 茅野さんの気さくな人柄と真摯な向き合い方が、信頼に繋がっているのですね。メンバー本人から「こういうデザインが着たい」といった要望を取り入れることはありますか?
茅野:意見をそのまま取り入れることは少ないですね。衣装ごとに楽曲のイメージがあるし、広告ならその世界観に合ったイメージを優先して作ります。ライブ用の衣装だと「ファンの方のために作りたい」と思っています。ファンの方は時間を作ってお金を出して会いに来てくれるので、“推し”を見て「この日のために仕事や勉強を頑張って良かった」と思ってほしい。ただ、メンバーの好みは熟知しているので、個別でバリエーションを作る時に、それぞれの好みをエッセンスとして落とし込んだりはしています。
― 先日、茅野さんが衣装を担当された=LOVEの国立競技場でのライブも、ファンの間で「衣装が可愛い」と話題になっていましたね。
茅野:最近好きになった方も昔から応援している方も、みんなが楽しめる公演にしたくて気合を入れて作りました。野外で夕方スタートだったので、濃い色で作る必要があったのと、2日間で計13万2,000人の観客に対して、ステージに立つのは10人だけ。ボリューム感を出して目立たせつつも、パフォーマンスを妨げないよう軽量化して、どの席からでも同じように感動が伝わるデザインに調整しました。照明に映えるようラインストーンや装飾を配置して、光を浴びた時に一番輝くように仕上げています。関係者席で見ていたら、女の子のファンが「可愛すぎて意味わかんない!」と怒っていて(笑)。「この子たちをもっと悶絶させたいな」と思いましたし、本当に衣装冥利に尽きる公演でした。
― ファンの皆さんの熱狂を直に感じられるのは、作り手として最高の瞬間ですね。
茅野:私は衣装作りで「話題にされる」ことがすごく重要だと考えているので、反応をもらえると嬉しいです。「あの動物の衣装」のように衣装に枕詞がつくようにしたり、賛否両論あってもいいので、ファンの皆さんが思わず語りたくなるような工夫や仕掛けを意識しています。衣装が話題になることでファンが増え、その大きな歓声が結果的にメンバーの自信へと繋がっていく。どのグループを担当する時も、最終的にお茶の間で話題にしてもらいたいと思っています。
茅野しのぶ「フォルムが本当に綺麗」シチズン クロスシー腕時計に感動
― 過去のインタビューでも「衣装は自信を持ってもらうためにある」という話がありましたが、茅野さんご自身にとって、身に着けることで背中を押してくれるアイテムはありますか?
茅野:ジュエリーや時計ですね。私自身、「ネイルをして偉い」「コーディネートを考えて偉い」と日常的に自分を褒めているんですけど、時計も身に着けるだけで「今日の私、ちゃんとしてる!」と思わせてくれるアイテムだなって。自己肯定感が高い方が幸せに生きられるし、自信の高さは人を惹きつけるオーラになるので、アイドルの子たちにも「自分を褒めるレッスンをして」とよく伝えています(笑)。手元を彩る時計は、自分を褒めて自信を持つためのすごく良いきっかけになると思いますね。
― たしかに、自己肯定感を高めるための身近なスイッチのひとつですね。今回、シチズン クロスシーの「daichi collection Limited Model」(EE1004-81N)を着用してみていかがでしたか?
茅野:「大人が着用できる、使いやすくて可愛い時計」だと思いました。女性らしいフォルムと色味でありながら子どもっぽくならず、ニュアンスカラーでどんな洋服にも合わせやすい。私が手掛けた=LOVEの6周年記念ライブのピンクの衣装にも絶対に合うと思って、選んで持ってきたのですが、やっぱりぴったり(笑)!
― 今回の限定モデルは「Morning Light」がテーマ。コーラルピンクのグラデーションが美しい白蝶貝文字板で“やわらかな朝の光”を、繊細なエッチングとラメで“爽やかな風”を表現したデザインになっているんです。
茅野:幅広い年代の方が使える上品なデザインで、本当に素晴らしいですね。どんな色のお洋服にもマッチするし、オフィスでも家の中でもシーンを選ばず日常使いできそうです。可愛いだけでなく、光で充電できるし、軽くて着用しているストレスがないのも嬉しいです!
― 機能性も優れていますよね。デザイン面では、衣装作りで茅野さんがこだわっている「美しさ」と通じる部分はありますか?
茅野:私は衣装を作る時に、その人のスタイルが一番よく見えるよう型をすごく研究しています。この時計もフォルムが本当に綺麗で、着用した時に「手首が細くなった?」と思ったほど。女性が美しく見えるかたちを研究されているんだろうな、と感じました。普段からディテールの配置にもこだわっているのですが、この時計もダイヤやカットパーツの配置が計算し尽くされていると感じます。
― 30周年にちなみ、30分(6時)の位置にラボグロウン・ダイヤモンドが配置され、時間の移ろいとともに太陽と月が表情を変えるサン&ムーン表示には白色の背景を採用。星や鳥をあしらったデザインもポイントです。
茅野:こだわって作られているのが伝わりました。そういったストーリー性は必ずクオリティに表れますし、知るとより愛着が湧きますね。私も衣装のストーリー性を大切にしているので、細部へのこだわりに深く共感しました。
― 茅野さんご自身は、衣装のインスピレーションやアイデアを普段どこからインプットされていますか?
茅野:ファッションからエッセンスをもらうと、それは“マネ”になるので、全く違うものからインプットします。例えば時代背景や世界情勢です。コロナ禍の後にバカンスウェアが流行ったように、人々の潜在的な欲求を知ることが大事で、ヒット商品に対しても「なぜヒットしたんだろう」と背景を紐解くようにしています。あとは日常で、スタジオの家具や窓に付いた雨の粒、デパートで見たコフレのディスプレイの配色など、「可愛い」と思ったら写真を撮っています。あらゆることにアンテナを張って、頭の中に色々なデザインソースを入れておくイメージですね。年を重ねると経験値が増えて物分かりが良くなるけれど、些細なことに疑問を感じることは大切です!
― なぜそれが人々の心を捉えているのかという背景まで掘り下げていくことが、時代とリンクする魅力的なデザインを生み出すアイデア源になっているのですね。最近アイデアが形になった例はありますか?
茅野:学生服ブランドも手掛けているのですが、最近の学生にリサーチした際に一番の関心事として挙がったのが「青春感」というワードでした。今はSNSで発信する場があるから、キラキラした青春感を自分でも感じたいし、受け取り側にも感じてほしいという心理があるようで、これをAKB48の打ち合わせの時に思い出して。「メンバーの今の等身大の姿を見せたい」という意見に対して、「ポラロイドで撮ったような、青春感のある制服スタイルにしましょう」と提案したら、採用されました。
茅野しのぶ、AKB48の衣装担当を経て変わった時間への価値観
― 時計は、自分だけの「時間」を共に刻んでくれる頼もしいパートナーでもありますよね。茅野さんご自身、これまで20年以上にわたって衣装デザイナーとして駆け抜けてこられましたが、キャリアを重ねる中で「時間」の使い方や価値観に変化はありましたか?茅野:昔は自分のためだけに時間を使って「自分が頑張ればいい」と思っていましたが、会社を設立してからは、部下とのコミュニケーションに使う時間が圧倒的に増えました。大きなことをやるには自分1人の力には限界があるし、私がひとりで全部こなしたら部下たちの経験になりません。部下たちもプライドを持ってやっているので、「任せる」ことで本人が成長していくのを間近で見ることが、私自身の学びにも繋がっています。
― 「自分が頑張ればいい」と全てをご自身でこなしていた頃は、相当過酷なスケジュールだったのでは?
茅野:AKB48の衣装担当をしていた時期は、本当に記憶にないくらい忙しかったです(笑)。朝依頼がきて、夜中の3時や4時にデザインが完成して寝る生活で。当時付き合っていた人との別れ話も「了解しました、すみませんでした」と事務的なメールで終わらせてしまったくらい(笑)。とはいえ当時は自信がなくて「もっと有名な衣装さんがやった方が…」と悩むこともありましたが、考え出したら手が止まるので、とにかく無我夢中で突き進みました。
― 無我夢中で駆け抜けた経験が、今の茅野さんの土台になっているのですね。
茅野:「若さ」って本当に財産です。若いからこそ無鉄砲に動けることってあるんですよ。今大変だと思っている方がいるなら、需要があるうちはその波に乗ってみるのも手だよ、と伝えたいです。私も当時は周囲が年上ばかりでしたが、萎縮したらやっていけないので、全員親戚だと思って接していました(笑)。ただ、心身を壊してまでやる仕事はないですから、ちゃんと睡眠はとってください!
― 悩みながらも頑張る女性たちにとって、勇気をもらえるお話です。ただ、今の時代はSNSなどで他人のキラキラした姿ばかりを目にして、自分と比べて落ち込んでしまう女性も多いと思います。そんな方に向けて、アドバイスをいただけますか?
茅野:今はSNSで全世界の情報が知れて、しかも成功体験ばかりが発信されるから、比較しちゃうし生きづらいですよね。そんな中で自己肯定感を上げるには、成功体験が必要です。成功体験を積むには、自分をプレゼンしてチャンスを掴むこと。そのためにもやっぱり、「自分の長所を知ること」が重要です。自分で自分の長所を3つ挙げて、そこを徹底的に伸ばす。周囲に「私の良いところは?」と聞くのもおすすめです。円グラフにした時に、綺麗な丸にならなくていいんです。尖っている方が「そういう人だよね」という印象がつくので。長所を伸ばして、短所は素直に受け入れるスタンスでいいと思います。
― そうすることで、少しずつ自分を肯定できるようになりそうですね。
茅野:成功体験を積んで自信がつくと、いい意味での「勘違い」ができるようになるんですよ。人が本来以上の力を発揮するには、この「思い込み」がすごく重要。独りよがりになるのは良くないけど、「根拠なき自信」は人を成長させる大切なエッセンスになると思います。
茅野しのぶが描く“新たな夢”「最高の衣装作りができたらいい」
― クロスシーは今年でブランド誕生30周年。茅野さんはこれから先も長く続けていきたいことや、長期的な目標はありますか?
茅野:大きいのですが、社会貢献がしたいと考えています。ひとつは、私が若い頃に秋元(康)さんに大きなチャンスをいただいたように、今度は私が若い人にチャンスを与えて才能を育てたいです。もうひとつは、子どもたちが「日本に生まれて良かった」と思えるよう、少しでも生きやすい世の中にしていきたいということ。政治家みたいな大きすぎる目標ですけどね(笑)。
― 「生きやすい世の中にしたい」と考えるようになったのは、ご自身の経験も影響しているのでしょうか?
茅野:私は男性社会で仕事してきたこともあり、振り返ると「あの時無駄に傷つかなくてもよかったな」と思うことも多くありました。だからこそ、これからは若い人が楽しく夢を見られる状況を作っていきたいんです。具体的には教育系にも興味があって、地方自治体と組んで、地方にいてもクリエイティブな仕事ができる環境を作りたいと考えています!
― ご自身が経験されたからこそ、次世代がのびのびと夢を見られる環境を作りたいという熱い想いがあるのですね。
茅野:あとは、今はタレントさんや芸能人の方に衣装を作っていますが、結婚式など、一般の方の人生のハイライトで「今日の主役は私!」と思えるような、最高の衣装作りができたらいいなと思っています。
― 素敵なお話ありがとうございました!
一切の妥協なく美しさを追求する茅野しのぶの姿勢には、揺るぎない信念とメンバー、スタッフ、そして応援してくれるファンへの愛情が満ちあふれていた。チームの力を最大限に引き出しながら進むその歩みは、これからも多くの人々に自信という名の魔法をかけ続けていく。(modelpress編集部)[PR]提供元:シチズン時計株式会社
撮影:伊東祐輔
「シチズン クロスシー 30th Anniversary daichi collection Limited Model」
品番:EE1004-81N価格:143,000円(税込み)世界限定1,300本
茅野しのぶ(かやの・しのぶ)プロフィール
1982年7月9日生まれ、埼玉県出身。服飾専門学校を卒業後、自ら運営会社に直談判しAKB48の衣装担当となる。2013年に株式会社オサレカンパニーを設立し、AKB48の衣装総責任者及びクリエイティブディレクターに就任。現在は=LOVE、≠ME、≒JOYなどさまざまなアイドルの衣装や舞台衣装も手掛ける。2025年に初の著書「アイドル衣装のひみつ~カワイイの方程式~」(学研出版)を発売。関連記事
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