<コレサワ インタビュー>リアルな失恋ソングに涙する女子続出 “顔出しNG”の可愛い理由も明かす「レンタルショップで…」
2019.12.27 20:30
恋する女子の代弁者として、10代~20代の女性から圧倒的支持を集めるシンガーソングライターのコレサワ。約1年4か月ぶりの新作「失恋スクラップ」は全曲“失恋ソング”のコンセプトミニアルバムだ。「あたしを彼女にしたいなら」「たばこ」など、女子の心を掴んできたコレサワが失恋ソングに込めた想いとは。
目次
MV「たばこ」が再生回数3000万超
2017年に公開されたコレサワの代表曲「たばこ」のMV再生回数は3,000万回(※1)を越え、今なお伸び続けている。SNSでは「聴いていると自然と涙が出てくる」「しんどいくらい泣いた」と共感する女子が続出。業界内からの支持も高く、「たばこ」は様々なアーティストがカバーし話題となった。(※1)2019年12月現在
またライブ以外での顔出しはしておらず、イラストレーターのウチボリシンペ氏がデザインした“れ子ちゃん”というキャラクターがビジュアルを担当。本人がメディアに出る時は、“れ子ちゃん”の被り物をして登場する。
全曲失恋ソングの「失恋スクラップ」
― 「失恋スクラップ」のリリース決定おめでとうございます!今作は全曲失恋がコンセプトですが、何かきっかけがあったんでしょうか?コレサワ:楽曲テーマは制作している時の私のメンタルに左右されるんですけど、何曲か失恋の曲が溜まってきていて「全部失恋にしたら面白そう」って思ったのがきっかけでした。2019年はちょうど失恋で溢れていた時期だったのと、いつも実体験や感じたことを曲にすることが多いので「こういうことを思って過ごしていたんだよ」っていうのが伝わる作品になっていると思います。
― あまりハッピーな年じゃなかった…?
コレサワ:何も感じないよりは、辛いことでも感情的になることがあったほうがハッピーだと私は思っているんです。たくさんは嫌だけど、何もないより辛いことや悲しいことがあると生きている実感があるし、人生も楽しいのかなって。そういう意味では感情があったので良い年だったなって思います。
― すごくポジティブなんですね!「失恋スクラップ」の中で特に印象に残っている曲はありますか?
コレサワ:えーどうしよう、選ぶとなると悩んじゃう。それぞれ作った時のことを覚えていて、「やっぱり泣くよ」は自転車で家に帰っている途中に思いついたんです。「センチメンタルに刺された」は家で思いついた楽曲なんですけど、気持ち的にルンルンで家の中を歩き回っている時に思いついたんです。でもお風呂を沸かした後だったから早く入らないとって気持ちで誕生しました(笑)。全部鮮明に思い出せるし、私の生活の中から生まれてきた楽曲たちです。
― 全曲コレサワさんのリアルなんですね。曲を作るにあたりこだわった部分はありますか?
コレサワ:そんなにコネコネした印象はないですね。ありものの感情でさっと炒めた野菜炒めみたいな曲たちです(笑)。本当に全部が安産でした。逆にサウンドはこだわっていて。「やっぱり泣くよ」は初めてエレキドラムの打ち込み系のサウンドになっています。ずっとやりたいなって思っていて、バンド編成の時によくキーボードを引いてくれている女の子が最近アレンジャー(編曲家)のお仕事もしているのでやってもらいました。「Day by Day」のアレンジは大好きなHelsinki Lambda Clubというバンドメンバーにお願いしました。レコーディングでは演奏もしてもらって、サウンド面で色々とやりたいことをやらせてもらいました。
― 「センチメンタルに刺された」の冒頭も声にエフェクトがかかってましたね。
コレサワ:そうなんです。ディストーション(歪んだ音)って言うんですかね?「帰りたくないって」も途中で声にエフェクトをかけてます。歌を2回録って同時に流す“ダブル”というのもずっとやりたいと思っていて、やっと実現したんです。
― 新たなチャレンジをした一枚でもあるんですね。
コレサワ:そうですね。バンドのメンバーに手伝ってもらったりはあったんですけど、1枚の中でこんなにたくさんのアレンジャーさんにお願いすることもなくて。だから自分がデモで録った楽曲をアレンジャーさんに渡して、アレンジが出来上がるのを待つ時のワクワクってメールとかの返信待ってるみたいですごく楽しかった。「私の中ではこうだったけど、アレンジャーさんの中ではこんなサウンドだったんだ」って知ることができるのもすごく楽しくて。すごく勉強になったので、好きなアレンジャーさんには今後も頼んでみたいなって思います。
― すごくたくさんの方が関わった作品になっているんですね。
コレサワ:失恋と別れがテーマなんですけど、私としては初めて出会う人がいたり、さらに深くまで一緒にお仕事ができた人がいたりと、出会いの多いアルバムになりました。レコーディングも初めて会う方がいっぱいいて、新しいバイト先に行く時のようなドキドキ感が毎回味わえていました。
― 今作は失恋ソングのみなのに、そんなコレサワさんのワクワクやドキドキが伝わってくるような気がします。
コレサワ:私は「たばこ」のイメージが強いと思うので、このアルバムを聴いて「こんな明るい曲調の楽曲もあるんだ」って知ってもらえるきっかけにもなれば嬉しいです。「失恋スクラップ」を聴いて落ち込むこともあるかもしれないけど、なんとか立ち直るきっかけにもなれたらなって。
クマのキャラクター“れ子ちゃん”誕生秘話
― 今作はジャケットもたくさんの方が関わっていると聞きました。コレサワ:服飾デザイナーのケイスケカンダさんがデザインしてくれたお洋服を私が着て、それをウチボリシンペさんに描いてもらいました。これも初の試みです。今年春のイベントに出させていただいた時、ケイスケさんがたまたまお客さんとして来ていて。それがきっかけで繋がった縁なんですけど、「失恋スクラップ」を出す時にジャケットのお洋服をケイスケさんにお願いしたら快く受けてくださったんです。
― すごく繊細なデザインを忠実に描いていますね。
コレサワ:今回のケイスケさんのお洋服はステッチやリボンが全部手縫いで、色んなチェックが重なっているところもあるので、ウチボリさんは書くのに苦労したんだろうなって(笑)。それだけに見応えがあるし、ファンの方も喜んでもらえるんじゃないかなって思います。アー写も粘土アーティストのおちゃっぴさんに作っていただいて、新しいれ子ちゃんになっています。今回粘土になったことで、れ子ちゃんは何にでもなれるんだと実感しました(笑)。
― れ子ちゃんは変幻自在ですね。
コレサワ:そうなんです。他の有名なキャラクターも昔とデザインが変わるじゃないですか。そんな感じでウチボリさんのデザインも徐々に変わっているんです。それで私が「なんで変わっていくの?」って聞いたら、やっぱり絵が上手になっていくみたいで。書いていくうちに絵が上手になっていって、デザインも変わっていくらしいです。逆に昔のほうが味があったりすることもあるんですけどね。
― 確かにそういう時もありますね。そもそも“れ子ちゃん”が誕生したきっかけは?
コレサワ:よく「友達にいる」とか「親戚にいる」って言われるくらい私の顔は特徴がなくて、単純に自分の顔がジャケットになるなんて考えられませんでした。顔を出したからって売上が変わるとも思えなかったし。あとは顔を出してしまったらデートはどうすればいいんだろうって。「手をつないで原宿とか歩けないのかな」「変装しなくちゃいけないのかな」と思うと、普通の生活ができないのかなって感じます。
― 確かに普通の生活ができないと、普通の恋愛もできないですね。
コレサワ:レンタルショップでイチャイチャしながらDVDを選びたいし、そういう日常って大事だと思うんです。ファミレスで友達と悪口言いながらドリンクバー飲みたいけど、「コレサワ悪口言ってた」ってSNSに書かれちゃうかもしれないし(笑)。普通の生活ができないと、日常で感じる曲も書けなくなるんじゃないかなって思うんです。
― 顔を隠すのは楽曲制作も関係していたんですね。
コレサワ:そうですね。だから顔を出さない方法は別になんでもよかったんです。私がクマが好きって言ったらウチボリさんがささーって私とくまを合体させたれ子ちゃんをぱぱぱーって書いてくれて。顔を出さなくてもよくなったんですけど、着ぐるみをかぶると夏は死ぬほど暑いですね(笑)。あと顔が大きいので、バランス的に動きも大きくしないとっていうのはあります。みんなが可愛いを求めるんですけど、愛想を振りまけないんです(笑)。中身はコレサワなので。
― (笑)。見る人によってコレサワさんでもあり、れ子ちゃんでもあるような?
コレサワ:設定をよく聞かれますね。「れ子ちゃんをかぶっているコレサワさんでいいんですか?」って。初めて見る方は不思議なのかも。本当はれ子ちゃん全部を作っちゃえば良いんですよね。着ぐるみとして。もし実現すればステージで共演もできるし、ファンの方も喜んでくれそう。
― ステージ共演は斬新ですね!普段顔を隠していると、ライブの時は独特な緊張感がありそうです。
コレサワ:初めて来る方はお客さんも緊張しているというか。やっぱりどんな顔なんだろうって思うだろうし、「どんな顔か見てやる」っていうアンチもいると思うんです。SNSにひどいこと書かれたこともあるけど、ライブに来るっていうのは良くも悪くも私に興味を持ってくれているのかなって。よくライブに来てくれている方は街中でも気付いてくれて、その時はすごく嬉しいですね。
コレサワが女子の心を掴む理由
― 代表曲「たばこ」も失恋ソングですが、コレサワさんが失恋ソングを作る想いを聞かせていただけますか?コレサワ:日常生活を送る中でも、センチメンタルな気持ちに浸りたい時って誰しもあると思うんです。失恋ソングは非現実的になれるというか、悲劇のヒロインになれるというか。感傷に浸りたい時に失恋の曲はすごくいいツールだと思うんです。私の楽曲をそういう使い方をしてもらってもいいのなかって。作っている時なんか、「私可愛そうだな」って思いながら作ってますもん(笑)。失恋をしたことが無い人も、いつか失恋した時にこの曲たちを思い出してもらえたらなって思います。そういえば前に占い師さんに「あなたは火と別れが似合う」って言われたことがあるんですよ(笑)!「たばこ」は火と別れだって思ったらドキッとしました。
― それはドキッとしますね(笑)。楽曲を作る上で大切にしていることはありますか?
コレサワ:歌詞はごまかさないようにしています。私自身ふわってしている歌詞よりディティールがしっかりした歌詞が好きっていうのもあるんですけど。だから歌詞を書く時はディティールを細かく、2~3分の出来事を曲にするようにしています。それが私の中で芯になっている部分ですね。歌詞をしっかり聴いてほしい楽曲なので、BGMには向かないかも。
― 1stアルバムの制作は割と苦労されたとお話されてましたが、今作は順調にいきましたか?
コレサワ:そんなこと言ってました?完全に忘れてました(笑)。「失恋スクラップ」に関しては苦労した感覚がないですね。締切はちょっと伸びちゃいましたが(笑)。逆に「失恋だ―!」って気持ちがハイになってバーっと作っていました。気分がいい時に鼻歌を歌うんですけど、その鼻歌に歌詞をのせた曲が多いんです。失恋の曲を作っている時も意外とルンルンな気分で楽しかったですね。
― 構えて曲を作るわけではないんですね。
コレサワ:「曲を作ろう」って構えて作れたことがあまりないんです。曲が作れない時は、逆に遊びに行っちゃいます。その帰り道に思い浮かんだりもするので。良いフレーズが降りてきた時に、それをキャッチできるように受け皿は常に広く持っていたいと思っています。ヒントになるフレーズは日々降りてきているとは思うんですけど、曲が書けるか書けないかはそれを受け取れるか受け流しちゃうかだと思っていて。今回はたまたま受け皿が広かったから色んな楽曲が作れたんだなって。ダダ漏れのときもあるんですけど(笑)。
― (笑)。歌詞と曲は同時に考えながら?
コレサワ:同時に作ることが多いですね。じっとしていたり座っていると作れなくて、家の中で歩いていたり、電車に乗っていたり、自転車に乗っている時に曲ができます。失恋という制約・ルールがある中で作るのも楽しかった。書き下ろしもめっちゃ好きで、このワード入れてほしいとか、こんな雰囲気でって言われると燃えるというかゾワゾワするというか(笑)。逆に自由でって言われると「自由かぁ…」って悩んじゃう。自然と失恋の曲が多くなったというのもあるんですけど、失恋をテーマにしたことで曲作りはすごく楽しかったです。
コレサワ「自分のせいにできる曲を作る」
― コレサワさんの今後の目標を聞かせていただけますか?コレサワ:アーティストさんはみんな同じだと思うんですけど、やっぱり武道館みたいな大きな場所でライブはやりたいなって思います。でも一番の目標はおばあちゃんになっても曲を作り続けることです。音楽が作り続けられる環境がずっと続いていけば幸せですね。プライベートでもやりたいことが色々あって、バイオリンを弾けるようになりたかったり、競馬に行ってみたいとか。
― インドア派なイメージでしたが、色々なことに興味があるんですね。
コレサワ:意外とアウトドアかもしれないです。休みの日は絶対に外へ出かけますし。やりたいことは完全に趣味なんですけど、いつか音楽やお仕事に還元されるんじゃないかなって思っていて。絵がものすごく下手でお絵かき教室に行ったことがあるんですけど、来年の年賀状は自分で絵を書きます。お絵かき教室に行ったことで、すごく可愛い絵が書ける気がします!ねずみと渾身のダジャレをいっぱい詰め込みます。
― ファンの方はきっと嬉しいですね。
コレサワ:喜んでくれたら嬉しいですね。ウチボリさんの絵のほうが絶対に可愛いけど、私が今しか書けない味のある絵を楽しんでほしいです。きっといつかは私も上手になっちゃうので(笑)。
― それでは最後にコレサワさんが音楽活動をしていく上で大切にしてきたことを教えていただけますか?
コレサワ:自分がいいと思っていても周りの評判が良くない時もあるんです。でも、そういう時も自分がいいと思ったら、そのままいく。もし変えちゃって、後から後悔すると人のせいにすると思うんです。「あの人がああ言ったから」って。そうやって人のせいにするのは嫌だから、ちゃんと自分のせいにできる曲を作るようにしています。好きと思ったらそのまま突き進む。それをポリシーに曲を作っています。
― 楽曲が完成してから作り直すことはない?
コレサワ:あんまり無いですね。アドバイスをもらったりしますけど、それが自分の中でしっくりこなかったら採用はしない。すごくしっくりきたら変えることはありますけど、自分が納得してないのに変えるのは良くないなって思うんです。私が良くないと思ったものをファンの方も聞きたいって思わないと思うし。いろんな音楽がある中で、ディティールが細かくて恋ばっかり歌っているのがコレサワだって思ってくれたら嬉しいです。恋したときとか失恋した時にコレサワを聞きたいって思ってもらえるように頑張ります。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)[PR]提供元:キングレコード株式会社
New mini album「失恋スクラップ」
【CD】
≪DISC1≫初回・通常共通
1.Day by Day
2.最後の彼女になりたかった
3.恋人失格
4.帰りたくないって
5.センチメンタルに刺された
6.やっぱり泣くよ
7.バカでしょ
≪DISC2≫初回盤のみ
2019年11月10日 2nd Anniversary
「君におんがえしツアー」恵比寿ザ・ガーデンホールより
1.あたしを彼女にしたいなら
2.君のバンド
3.おやじ
4.いただきます
5.いたいいたい
6.これから
7.SSW
【DVD】
・「恋人失格」MUSIC VIDEO
・「センチメンタルに刺された」MUSIC VIDEO
・「コレサワのハートブレイク講座
コレサワプロフィール
大阪府摂津市出身のシンガーソングライター。中毒性のある声、POPなメロディー、日常の風景を独自の視点で切り取った歌詞が話題に。メディアには顔だしはせず、素顔が見れるのはLIVEのみで、「れ子ちゃん」と言われるクマのキャラクターがビジュアルを担当する。2017年8月9日に1stアルバム「コレカラー」でデビュー。2020年3月21日(土)札幌cube gardenを皮切りに6月4日(木)東京EX THEATER ROPPONGIまで、全国14箇所をバンド編成でまわるコレサワLIVE TOUR 2020 HEART BREAK TOUR!!を開催。関連記事
「インタビュー」カテゴリーの最新記事
-
【TWICEサナ インタビュー】夢を叶えるためには「勢い」が大事 中学時代のデビュー前から繋がる考えモデルプレス
-
BUDDiiS小川史記、“暗黒時代”支えとなった友の存在 後悔なしの20代振り返る【インタビュー後編】モデルプレス
-
「今日好き」こおめいカップルインタビュー、交際後は毎日寝落ち電話 意外だったスキンシップ事情「もっとしようかなと」モデルプレス
-
“奇跡の29歳”BUDDiiS小川史記、代名詞が思わぬ広がり 1st写真集で新たな自分も発見【インタビュー前編】モデルプレス
-
“怪演”話題の片岡凜、ブレイク中の心境語る デビューから2年――女優の夢叶えるために起こした行動「突っ走ることが大切」【「海に眠るダイヤモンド」インタビューVol.3】モデルプレス
-
「海に眠るダイヤモンド」いづみの正体・今後の展開は?千景役・片岡凜が気になる伏線ポイント明かす【インタビューVol.2】モデルプレス
-
片岡凜、日曜劇場初出演は「すごく光栄」“ドラマデビュー作ぶり”新井順子Pとの再会で贈られたアドバイスとは【「海に眠るダイヤモンド」インタビューVol.1】モデルプレス
-
アナウンサーになるには?テレ東・田中瞳アナの回答と「夢を叶える秘訣」モデルプレス
-
テレ東・田中瞳アナの転機になった、さまぁ~ずの“ある言動”モデルプレス