<あいみょんインタビュー>フィーバー真っ只中、本人は今なにを思う? 苦しいと思った時期、夢を叶えるために一番重要なこと…【瞬間的シックスセンス】
2019.02.14 20:10
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シンガーソングライターのあいみょん(23)。2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』(2月13日発売)を記念して行ったモデルプレス初インタビュー。
若者を中心に共感を呼び、昨年大みそか『NHK紅白歌合戦』に初出場、人気はさらに拡大した。夏フェスでは開演5分で入場規制がかかり、ライブはチケット即日完売、2月18日には初めて日本武道館で弾き語りワンマンを行う。過熱するあいみょんフィーバーに本人はなにを思うのか。
取材中―――「あいみょんさん」じゃなくて「あいみょん」でいいですよ。バンド名みたいなものなので呼び捨てでも大丈夫。ファンの方は「みょん」とか「みょんちゃん」とかもある。気を使わず呼びたいように呼んでください―――とあいみょん。飾らない言葉が並んだインタビュー。新世代アイコンと称されるあいみょんが今思うこと、“夢”を叶えたい女の子へのメッセージ……。
あいみょん、初紅白を振り返って…
― まず初の紅白歌合戦を振り返ってみていかがですか?あいみょん:メジャーデビュー2年で、あの場に立たせていただけるのは当たり前ではなくて、幻やったなと。最近は「アリス・イン・ワンダーランド」と例えていて、私がアリスやったとしたら、その世界に迷い込んだような感じ。決まってから終わるまで常に現実味もなかったですし。でも私が歌ったことは事実で、すごく不思議な感覚ですね。いい意味で芸能界を感じられた。やっぱり芸能で芸っていうと、歌舞伎だったり落語だったりをイメージしがちですけど、歌も芸の一種なんやって。
― なにか得たものはありましたか?
あいみょん:それは難しい、いまだに自分が出た感覚がなさすぎて。誰々に会えたとか、そういうミーハーなことしか思いつかない(笑)。だからあのステージに立ったから自信がついたとか、今は言えないかな。でもすごく思ったのは、あの大きな舞台で歌わせていただいて、綺麗な場所、床もツルツル、それを経験したからこそ、ライブハウスのざらついた板の上で歌いたいって。紅白に出てより一層、ライブハウスに戻りたくなるのもまた不思議やなって思います。
― 紅白でより広い層に曲が知れ渡りました。
あいみょん:ありがたいです。私を見たことがない人が過半数であって。あいみょんってこういう顔なんやとか、こういう声なんやとか、そういう反応は改めて面白かったですね。
― 作る楽曲に影響はありそうですか?
あいみょん:紅白を経て変わるというのはないかも。もちろん常になにかに刺激を受けて、変わっていきたいとは思っているんですけど。ただ紅白をきっかけに、これじゃダメだとか、こんなことしてる場合じゃないとか、そういう感覚は全くない。まだ気づいてないだけで、実は影響を受けていることはあるかもしれないですけどね。
あいみょんは“歌姫”ではなく“作家姫”
― 新しい“歌姫”なんて声もあります。あいみょん:いやいやいやいや、姫って(笑)。私、歌姫じゃないんですよ。作詞作曲もしているので、“作家姫”がいい(笑)。自分の声でやっているので、もちろん歌にも自信あるし、歌うことを活動とはしているんですけど、歌うことをする以前に、作るっていう作業がある。歌だけと思われがちだけど、ヴォーカリストじゃなくて、一人の作家、シンガーソングライターです。
― “作家姫”と呼んでもらいたい?
あいみょん:なに姫…えーっとね、すっごく気の利いた面白いことを言おうと思ったけど、なにも出てこない(笑)。あきたこまちみたいな、それっぽいお米の名前を言おうと思ったんですけど(笑)。でも歌姫はすごく慣れない言葉です。よく言われますけど、全然。姫になりたくない、それやったら王子の方がいい!
― 王子!『君はロックを聴かない』『マリーゴールド』など、あいみょんのブレイクタイミングはいくつもあると思いますが、『テラスハウス』で知ったという声も多くて。
あいみょん:そうみたいですね、すごく言われます。楽曲が一人歩きして、ファンを連れて帰ってきてくれるのはすごくありがたいです。どうせなら一人歩きしまくってほしいんですけど(笑)。
― (笑)。さらにたくさんの人があいみょんさんを知ったという意味では『マリーゴールド』が果たした役目も大きいように思いますが、あいみょんさん自身で転機になった曲を挙げるとしたらなんですか?
あいみょん:世の中の私の見方が変わった一曲としては『愛を伝えたいだとか』かなと思います。私が楽曲を作る中で、これやみたいに思ったのは『君はロックを聴かない』なんですけど、客観的にはきっと『愛を伝えたいだとか』。
あいみょんが考える“恋愛が人に与える影響”
― モデルプレスには女性の読者が非常に多いのですが、今回のアルバムに収録されている12曲の中で、特に女性に聴いてほしい曲、紹介したい曲はどれですか?あいみょん:『恋をしたから』という曲はぜひ聴いてほしい恋愛の曲です。この曲は恋愛が人に与える影響のすごさみたいなことを歌っています。恋愛したら景色も変わるっていうのを今の子たち、今の子ってお前も今の子やからって思われるかもしれないですけど(笑)、感じてほしいです。
私が今思う、恋愛が人に与える影響というものは、恋をしたから明日のことが大好きで、明日会いたい人がいるから明日が大好きで、でもその人がいなくなると、明日のことが嫌いになるくらい怖くなるということ。人を好きになるだけで、明日への気持ちの持ちようとか、たぶん顔もきっとみんな変わる。人を好きになると、味覚も変わるし、視覚も変わると思うんです。
好きな人の好きなものを食べるから、好きな人の好きなものを見るから、趣味も変わって人が変わる。恋愛が人に与える影響は本当にすごいなと思っていて。好きな人のものを好きになる。『君はロックを聴かない』みたいな感じです。好きな人の好きな音楽を一緒に聴きたいみたいな。いまだにそういうのってあると思います。
― 歌詞はあいみょんさん自身の気持ちでもありますか?
あいみょん:そうやったらいいな~とか、結構理想を書くことも多いです。そうであればいいなみたいな。
― 恋に悩む女の子ってすごく多いですが、あいみょんさんは恋をしたら男性に寄り添ってしまう?服とかも好みにするとか。
あいみょん:それは絶対にないです。自分の好きなものは自分の好きなものとして、やっぱりずっと近くにあるから。全てを受け入れるということが、恋人同士の完璧じゃないと思うんですよね。否定し合って、受け止め合うっていうのが、恋人同士のいい形なのかなって。
あいみょんが愛される理由、人付き合いで大切にしていること
― 「高校時代は孤独だった」という、あいみょんさんのインタビューも読みましたが、一方で交友関係が広いイメージも強いです。人付き合いで大切にしていることはありますか?あいみょん:それ言われます!交友関係広いよねって。でも割と狭く深くのタイプだとは思う。こういう活動をしているとどうしても出会いってたくさんあるし、どこからが友だちかっていうのは、もう一生のテーマで。私としては知人も多いけど、深く自分のことを話し合える人ってなると、そこまでたくさんいないです。
人間関係で気をつけていることは、あまり意識はしたくないんですけど、人が傷つくことは言いたくない。言いたくないというか言っちゃあかんなって。それに気づけへんのはよくない。人が嫌がることをしてはいけないっていうのは、小さい頃に言われてましたけど、まさにその通りやなって思います。
― それはご家族やご両親の教え?
あいみょん:そうですね、人が嫌がることとか、自分がされて嫌なことは、人にしなさんなっていうのはずっと言われていて。でもそれって難しいですよね、自分が良くても相手が嫌かもしれへんことっていっぱいあるので。って考えると、ちゃんと「ありがとう」とか「ごめんなさい」とか言える相手がいいなって思います。やっぱり仲良しの子とは喧嘩もしたい。
あいみょんの“夢を叶える秘訣”
― モデルプレス読者には夢を叶えたいと頑張っている女の子が非常に多いのですが、あいみょんさんが思う“夢を叶える秘訣”を教えてください。あいみょん:夢によると思います。私は勉強が大っ嫌いやったので、学校の先生になんで勉強せえへんのやって言われることもあって。でも私は音楽というものにすごく惹かれていて、絵とかもすごく好きだったから、音楽と絵に数学は必要ないからやりたくないです、みたいなことは言っていました。だって音楽するにあたって、サイン・コサイン・タンジェントって使わないと思うんですよ。それで勉強してこなかった。ただそれは、勉強っていうものを全て否定したいわけじゃない。
例えばお医者さんになりたい子とか、学校の先生になりたいっていう子は、絶対に勉強をした方がいい。自分の夢に対して必要なことは、とにかく一生懸命になった方がいいと思います。かといって、じゃあ音楽をやりたい子に、勉強はないがしろにしろって言いたわけでもないですよ。自分の夢に必要やと思えるもの、好きやと思えるものには一生懸命になったらいいなということです。
あと私は努力をしてこなかった人間。ただ努力をしなかった分、自分の好きなものに囲まれて生きることはできたというか。みんなが勉強やスポーツに必死になっている間、私はCDを買ったりとか、好きな美術館に行ったりとか、自分のプラスになるものを見つけてきた。好きなものに真っ直ぐになるのは、夢に近づく方法としては、すごくいいことなので。好きなものを職業にしたいのであれば、必要だと思うことに全力になったらいいと思います。
― あいみょんさんは好きなことをやっているから、努力しているという感覚はあまりない?
あいみょん:昔はなかったけど、今は少しあります。例えばライブの流れがもうちょっと上手くできないかなとか、そういうことに対してもっと上手くするために努力しているというか。ただ私を見つけてくれたのも、自分の力じゃないと思っているので、努力っていうものをほんまにしてこんかったなとは思っていて。だからこそ今、上手くできないこともたくさん出てくる。根は怠け者なんですよね。だから私が夢を叶える方法をどうこう言える立場じゃなくて(苦笑い)。
あいみょんが苦しい、辛いと思った時期
― 大きな夢を目指せば目指すほど、その過程で挫折もあると思います。あいみょんさんは諦めそうになったとき、どのように自分を奮い立たせますか?あいみょん:私はたぶんメンタルが強い方ではないので、諦めたいと思ったら諦めると思う。それで違うものを見つけるタイプ。
― ということは、これまで一度も諦めたくなるという時期はなかったと。
あいみょん:まだないですね、アーティストとして活動してきて、諦めたいとか、辞めたいと思ったことは。今後あるかもしれないとは思うんですけどね。でもやるって決めたことを最後までやりなさいっていうのがうちの教えではありました。
― 諦めるまでいかずとも、苦しいとか辛いと思った時期を挙げるとしたら?
あいみょん:それはメジャーデビューのタイミングですね。もともと音楽が大好きで、いつかアーティストっていうものをやってみたいと思っていたんですけど、それは一握りの世界やから、絶対ありえへんと思っていて。でもそれが急に飛び込んできて、活動することになって、気がついたらすぐにメジャーデビューすることにもなって。そのとき、あまりの過密スケジュールに、私がほんまに理想としていたものってこれなんかなって自問自答していました。家に帰っても数時間後にはすぐ家を出なあかんとかもあったので。
私はたぶん音楽を作りたかっただけ。ただ作詞作曲が好きで、歌うのが好き。それなのに自分がアーティストとして表に出ると、こんな感じなんやみたいに思って。でもこれが世の中的には、やっぱりアーティストとしての活動で。それをすることで楽曲が聴いてもらえるっていうのも理解していました。ただ自分がその慣れない活動を急に始めたので、時間の使い方とかも下手くそだからすごいわ―ってなっちゃって。でも今はすごくありがたい活動をさせていただいているなって思います。時間の使い方とかも上手くなったのかなって思います。
― 今はどんなことに悩んでいますか?
あいみょん:いろんなことに悩んでいますね。一つ言うとしたら、そうですね、お酒をいただく機会がすごく多いんですけど、それが減らんくて困っていますね(笑)。置く場所がない(笑)
― (笑)。お酒は強いですか?
あいみょん:強い方かなとは思うんですけど、もらいすぎて、減らへんみたいな。すごく嬉しいですけどね。嬉しい反面、減らさなっていうプレッシャーが不思議な感じです。
あいみょんの今後、夢に対するアプローチの仕方
― 最後に今の夢をお聞きしたいです。あいみょんさんのこれまでの発言を見ていると「有名になりたい」など数々の野心溢れる言葉も印象的で。ライブなどでも公言している「太陽の塔」の下で歌いたい、というのもそのうちの一つだと思いますが、紅白出場を経て初の日本武道館公演も控える今、あいみょんさんは今後についてどう思っているのかなと。あいみょん:インディーズの頃とか、メジャーデビューの最初の頃のインタビューって、マジ有名になりたいとか、ビッグになりたいとかめっちゃ言っていて、なんじゃこいつと思うんですよ(笑)。
もちろん「太陽の塔」の下で歌いたいっていう、いつになるかわからへんようなデカデカとした夢を持ちつつ、あと父親にいつか音響をやってほしいっていう夢を持ちつつなんですけど、今はどっちかと言うと、そういう10年とか20年先の夢を持つことも大事やなとは思いつつも「明日なにができるか」っていうのがほんまは一番重要だと思っていて。
10年後に生きている確率よりも、明日生きている確率の方がきっと高いじゃないですか。だから明日持つ夢の方がすごく大事です。ちっちゃいことでいいんです。夢というか目標、明日絶対にゴミを捨てるとかでもいいですし、明日絶対この子に会ってこれを話すとかでもいい。それをクリアできるかどうかなのかなと思っています。
― それも夢を叶える秘訣のような気がします。
あいみょん:そうかもしれないですね、これは最近すごく思います。明日叶えられる夢もあるんかなって。遠いところに夢を設定してしまうと、結局まだまだ時間があるとか思っちゃう。明日叶えられる夢の方が多いのかもしれへんって思います。
― あいみょんさんの明日の夢はなんですか?
あいみょん:そうなりますよね(笑)。明日は早く帰って寝る!(笑)風邪を治す!そして先輩アーティストに借りているDVDを、昨日見るって言ったくせに見ていないので、絶対に見る!(笑)。
― (笑)。ありがとうございました。
(modelpress編集部)
あいみょん・プロフィール
兵庫県西宮市出身のシンガーソングライター。16年11月にシングル『生きていたんだよな』でメジャーデビュー。17年5月に2ndシングル『愛を伝えたいだとか』、8月に3rdシングル『君はロックを聴かない』を発表し、9月にリリースした1stフルアルバム『青春のエキサイトメント』は現在もロングセールスを記録中。18年4月に4thシングル『満月の夜なら』をリリース。6月には初の海外公演を台北Legacyにて行った。8月に発売した『マリーゴールド』は現在も各配信サイトで大ヒット中。11月には日本テレビ系水曜ドラマ『獣になれない私たち』の主題歌となる6thシングル『今夜このまま』を発売、11月21日から札幌を皮切りに全国ツアー「AIMYON TOUR 2018 -HONEY LADY BABY-」を開催。年末には『NHK紅白歌合戦』への出演も果たした。2019年2月13日(水)に2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』を発売。同月18日には初となる武道館公演を開催する。5月からは対バンツアー「AIMYON vs TOUR 2019 “ラブ・コール”」、10月からは自身最大規模のワンマンツアー「AIMYON TOUR 2019 -SIXTH SENSE STORY-」を開催する。2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』/2月13日(水)発売
01.満月の夜なら02.マリーゴールド(Google アプリ CMソング)
03.ら、のはなし(映画『あした世界が終わるとしても』挿入歌)
04.二人だけの国
05.プレゼント(フジテレビ系『めざましどようび』テーマソング)
06.ひかりもの
07.恋をしたから
08.夢追いベンガル
09.今夜このまま(日本テレビ系水曜ドラマ『獣になれない私たち』主題歌)
10.あした世界が終わるとしても(映画『あした世界が終わるとしても』主題歌)
11.GOOD NIGHT BABY
12.from 四階の角部屋
#あいみょん からモデルプレス読者にメッセージ❤ @aimyonGtter #瞬間的シックスセンス
— モデルプレス (@modelpress) 2019年2月15日
あいみょんが愛される理由、人付き合いで大切にしていること…▼インタビューはこちらから https://t.co/04nA4LfXRA pic.twitter.com/tAMaelel7y
【Not Sponsored 記事】
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