<稲垣吾郎インタビュー>「1人になって、今だからできた」分岐点と“叶えたい夢”を語る

【稲垣吾郎/モデルプレス=2月9日】俳優の稲垣吾郎(45)が、モデルプレスのインタビューに応じた。主演映画『半世界』(2月15日公開)で演じるのは、人生の折り返し地点を迎え、葛藤を抱きながらも自分の人生を見つめ直す炭焼き職人の男・紘(こう)。これまでにない役柄で新たな扉を開く稲垣に、自身の人生を振り返ってもらった。
稲垣吾郎(C)モデルプレス
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稲垣吾郎「需要のある俳優になりたい」

― 映画は、美しい地方都市を舞台に、40歳手前の3人の男たちの友情や家族愛が描かれています。稲垣さんが演じる紘は、父から受け継いだ山中の炭焼き窯で一人炭を焼き、仲間と飲み交わし、反抗期の息子に手を焼き…と、これまで稲垣さんが演じてきた役やご自身のイメージとは全く違うキャラクターでしたね。

稲垣:そうですね。僕とは全然離れてますね(笑)。だけど出会う人だったり仕事だったりで人は形成されていくものだと思うので、自分もこういう生活をしていたら紘のようになりそうだなと共感する部分もありました。自分でいっぱいになってしまうと息子に対して気が回らない部分も、わからなくはないなと。イメージやビジュアル面ではインパクトがあったかもしれませんが、僕の中にも紘の部分があるのかなと演じていて感じました。

稲垣吾郎(C)2018「半世界」FILM PARTNERS
稲垣吾郎(C)2018「半世界」FILM PARTNERS
― ニット帽をかぶって髭を生やす稲垣さんの姿は確かに新鮮でしたが、作品ではとても自然体で世界観に溶け込んでいるなと感じました。

稲垣:景色や空気感に上手く馴染んでいないといけないとは思っていました。なので作品を観たときに違和感がなかったように感じて、そこが一番ホッとした部分です。本来は全然好きな格好ではないですけど(笑)、そう思わせてくれたのはやっぱり監督の力ですよね。衣裳も実はすごく細かい部分にこだわっていて、古着をうまく継ぎ合わせたり、ニット帽も衣裳合わせのときに10個くらい被ってみたりしたんです。

稲垣吾郎(C)2018「半世界」FILM PARTNERS
稲垣吾郎(C)2018「半世界」FILM PARTNERS
― 今回は阪本順治監督の完全オリジナル脚本。阪本監督とのお仕事は稲垣さんにとってどんな位置づけとなったのでしょう?

稲垣:本当に自分の中で大きなニュースでした。映画に出ることが一番好きですし、いつか阪本監督とご一緒したいと思っていたので、夢が叶ったなという感じです。やっぱり、「この人を使ってみたい」と思ってもらえないと何も始まらない仕事なので。第一声に「僕が主役で映画なんていいんですか?」って言ったのを今でも思い出します。

稲垣吾郎(C)モデルプレス
稲垣吾郎(C)モデルプレス
稲垣吾郎(C)モデルプレス
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― そんなやりとりがあったんですね。

稲垣:主演というものにこだわることもなくこれまでたくさんの役をやらせていただきましたが、30代の時はヒール役だったり脇役だったりも多くいただきました。それがあって今こうした役ができるのかなと思っています。僕はやっぱり需要のある俳優になりたいですし、「何が出来る」ではなくて「何をやらせたいと思わせるか」が大事だと思うんです。誰かに使ってみたい、使いたいと思っていただくことが俳優として一番大切なのかなと。

稲垣吾郎は“描いた人生になってる”?―「今の自分がいい」「想像していたのとちょっと違った未来になっていたほうが面白い」

稲垣吾郎(C)モデルプレス
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― 稲垣さんご自身も環境が変わって、今回じっくり作品と向き合えたというのは大きな分岐点になったのではないでしょうか?

稲垣:このお話をいただいたのもちょうどその頃なんですが、2017年、18年は本当に大きなターニングポイントになっています。草なぎくん、香取くんと一緒に活動していますけど、グループから1人になって、今だからできた作品なのかなと。それに、応援してくださる方々の声というのはもちろん感じていましたし、気持ちの上では通じ合っているという意識はずっとありましたけど、この1、2年を通して、本当についてきてくださるファンの方がこんなにもいるんだなっていう。こんなにも自分が誰かに必要とされているって知らなかったような感じさえしたんです。

― 改めて自分個人を見つめ直す時間になっていたと。

稲垣:今1人になって、前向きなことだけではなく不安もありますけど、ようやく個が認められた感じもしていて、この1、2年は本当に大きなターニングポイントになったのかなと思います。とくに2018年は一つ一つの作品に没頭することができて本当に充実していましたし、物理的にはすごく忙しかったと思うんですけど、心の中はすごく穏やかで、今しか出来ない1年を過ごすことができたなと思います。

稲垣吾郎(C)2018「半世界」FILM PARTNERS
稲垣吾郎(C)2018「半世界」FILM PARTNERS
― この作品のキャッチコピーである「描いた人生になってる?」という問いを、稲垣さん自身に投げかけるとしたら?

稲垣:やっぱり過去があって今があるので、後悔しているものは何もないかな。もちろんちょっとしたことで、あの時あっちを選んでおけばよかったなと思うことはいっぱいありますけどね。何も間違ってきていないと思えるのは、今の自分がいいと思っているし、幸せだから。僕はそんなに真面目じゃないし、想像していたのとちょっと違った未来になっていたほうが面白いと思うので、先のことを明確にイメージしないんですけど、今が幸せだと言えるということは思い描いていた人生になれているってことなんじゃないかなと思います。

稲垣吾郎が語る“夢を叶える秘訣”

稲垣吾郎(C)モデルプレス
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― 「今の自分がいい」と思えることは素敵ですね。30年以上にわたるキャリアで輝き続ける稲垣さん。これまでの経験から感じる“夢を叶える秘訣”を教えてください。

稲垣:自分の場所を見つけること。たとえば僕はもともとステージに立つことも人前に立って目立つこともすごく苦手な子だったし、大嫌いでした。中学では僕の学年で部活に入ってなかったのは僕だけだったくらい人と戯れるのも嫌いで(笑)。不思議ですよね、そんな人間が意外とこういう仕事してるっていう(笑)。だけど、たとえば人に必要とされるということがあったとして、そこで地道に自分の場所を探し続けていれば、気づいたときには全く新しい景色を見ることが出来るんじゃないかなと思うんです。

稲垣吾郎(C)モデルプレス
稲垣吾郎(C)モデルプレス
そして僕らの世界もそうですが、それぞれのプロフェッショナルの集まりなので、あまり自分に頑なになりすぎず、いろんな人の話に耳を傾ける。自分に集中しすぎないバランス感覚もすごく必要なのかなと思っていて、僕自身それを大切にしてきたつもりです。常に周りに興味を持ち、アンテナを張り巡らせる。そして話を聞く、というのがすごく重要なことなのかなと。それからやっぱり品は失いたくないなと思います。それを心がけていれば、いい人に出会えると思うし、最終的には夢を叶えることに繋がると思います。

稲垣吾郎(C)モデルプレス
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― 稲垣さんがこの先、叶えていきたいことや思い描いていることはありますか?

稲垣:先のことを計画していくのは難しいですけど、今回「新しい地図」として再スタートを切ったことで、少しでも受け取ってくれている方々の勇気に繋がっていたり、共感してもらえていたりしたらいいなと思っています。誰しも生きていたら、環境が大きく変わることがあるじゃないですか。だけど僕ら再スタートを切った人間がこうやって今が一番楽しいって言えているわけですから。こういう人もいるんだっていうことを伝えていきたいですね。それから自分の趣味なんかをお仕事に結び付けていくことが今後出来ればいいかなとも思います。映画だけではなく、料理とかワインとかも好きですし、全く違う新しいお仕事もしてみたいと思っています。

(modelpress編集部)

映画『半世界』

(C)2018「半世界」FILM PARTNERS
(C)2018「半世界」FILM PARTNERS
公開日:2019年2月15日
出演:稲垣吾郎 長谷川博己 池脇千鶴 渋川清彦 小野武彦 石橋蓮司
脚本・監督:阪本順治

あらすじ
「こんなこと、ひとりでやってきたのか」。山中の炭焼き窯で備長炭を製炭し生計を立てている紘は、突然帰ってきた、中学からの旧友で元自衛官の瑛介から、そう驚かれる。深慮もなく父から継いだ紘にとって、ただやり過ごすだけだったこの仕事。けれど仕事を理由に家のことは妻・初乃に任せっぱなし。それが仲間の帰還と、もう一人の同級生・光彦の「おまえ、明に関心もってないだろ。それがあいつにもバレてんだよ」という鋭い言葉で、仕事だけでなく、反抗期の息子・明に無関心だったことにも気づかされる。やがて、瑛介の抱える過去を知った紘は、仕事や家族と真剣に向き合う決意をするが…。

稲垣吾郎プロフィール

稲垣吾郎(C)モデルプレス
稲垣吾郎(C)モデルプレス
1973年12月8日生まれ。91年にデビュー。主な出演作にドラマ「金田一耕助シリーズ」(フジテレビ系/04-09年)、「不機嫌な果実」(テレビ朝日系/16年)、映画『笑の大学』(04年)、『十三人の刺客』(10年)、『おしん』(13年)、『少女』(16年)などがある。2017年には『新しい地図』を立ち上げ、草なぎ剛、香取慎吾とともにバラエティ番組や音楽活動など精力的に活動。18年には映画『クソ野郎と美しき世界』、主演舞台『No.9-不滅の旋律-』に出演。今後は映画『半世界』(2月15日公開)、手塚治虫原作の『ばるぼら』の公開を控える。

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