窪田正孝×漫画実写化への厚い信頼、本人はどう感じている?「東京喰種」は“逃げずに戦った証”<モデルプレスインタビュー>
2017.07.15 12:00
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今夏の注目作のひとつ、映画『東京喰種 トーキョーグール』(7月29日公開)に主演する窪田正孝(28)が、モデルプレスのインタビューに応じた。原作は2011年から週刊ヤングジャンプにて連載され、世界累計発行部数3,000万部突破を記録した石田スイ氏の同名コミック。舞台は、人を喰らう怪人“喰種(グール)”が跋扈する東京。ある事故をきっかけに、喰種に半分変化してしまったカネキ(窪田)が悲しみや葛藤を抱きながら、あるべき世界を模索する姿が描かれる。
目次
世界中にファンを持つ作品だけに、主演をつとめる窪田は発表時「ビビっています」とコメントを残していた。そして、映画が完成し、公開を控える今、改めて心境を問うと「今の方がビビっています」と言う。「撮影しているときの方が楽でした。何も考えずに無心で、皆さんと作品を作っていましたから」と。
反響は「全然知らない」
原作は、オファーを受けたあとに読んだそうで「それまではこの作品のことを知らなかったんですが、原作を読ませていただいて、『面白い!』とオファーを受けました。そこからは、一原作ファンです」と作品の内容に惹かれ、出演を決意したと明かす。原作モノのキャスティングには、批判がつきものだが、カネキ役は石田氏の強い推薦もあり好意的な意見が多かった。
しかし、その反響については「全然知らないです」ときっぱり。「SNSも一切やってないので、見ることもないです。以前は、映画の公式サイトのコメント欄を見ていた時期もありましたけど、監督がOKを出してくれて出来上がった映画は監督のものなので。それに、原作があるものに関しては、100人いたら100人がいいって言うことは絶対ないので、映画は映画として楽しんでいただいて、オリジナルに帰ってもらえるのが理想かなと思います。どう受け取っていただけるのかっていう怖さはありますけど、『喰種』のマスクみたいに、人の意見にも表と裏がありますから。『カネキにぴったり』と言っていただいたり褒めていただいたりしても、信じられないんですよね(笑)」と、「ビビっている」という言葉とは裏腹に、とても冷静に語った。
アクションにも定評
本人は、「気にしない」と語るが、やはり原作モノ=窪田へのファンの信頼は厚い。その演技力は言うまでもないが、アクションをこなせるという点も大きいのではないかと思う。細身のスタイルからは想像もつかないような筋肉質な体つきと、激しいアクションを難なくこなす身体能力は、とにかくすごい。普段から鍛えているのか…と思いきや、「何もしてないんです。骨と血管が太いんです。母の遺伝で皮膚が薄いから、それが透けやすいんでしょうか?顔も多分、3枚分くらい皮膚足りてないですよ(笑)。基本的に顔色を良くするために、夏が来たら焼かなきゃ(笑)」と生まれつきらしく、冗談を飛ばす。
今作は、ワイヤーアクションが主となっており「アクション練習は1ヶ月くらい」。「ワイヤーアクションは、一人でできるものではないので、アクション部の方と息を合わせて、コミュニケーションをとりながら。高いところの撮影も多かったので、安全確認も含め、慣れるという意味でも練習を結構しました」と、見逃せないポイントだ。
「女の人は怖い」!?
アクションシーンで言えば、カネキと対立する亜門役・鈴木とのシーンも外せない。「HiGH&LOW」シリーズでの共演はあるものの、本格的な絡みは初。「彼ほど真っ直ぐな男はいない」と共演を振り返り、「亜門(鋼太朗)としての真っ直ぐさにも繋がるし、ぴったりだなと。表情や動きから亜門の信念を感じられて、そのパワーをもらったときに、僕も力じゃないものでねじ伏せたいという気持ちになりました。その気持ちが生まれたということだけでも、彼とやったアクションの意味があるなと思いました」とアツさを感じている。
また、カネキにとって“運命を決めた相手”と言えるリゼ役、蒼井については「本性が出たときの表現が、テクニカルでやっぱりすごいなと思いました。リゼの怖さに、良い意味で蒼井さんが重なって、さすがだなと」と絶賛。「あんなに変わる?って…女の人は怖いんだなって思いました(笑)」となぜか話はそれ、「宇多田ヒカルさんの歌詞にも『女はみんな女優』(※『Fight The Blues』より)ってありますからね!か弱いふりして、めっちゃ強い。女の人は怖いですよ…」とその場にいたスタッフを笑わせた。
清水富美加に「僕は救われた」
そして、ヒロイン・トーカ演じる清水とは初共演。「トーカと(対立する)真戸との対戦は、試写で初めて観たんですけど、真に迫るものがありました。何というのか…トーカは自分たち(喰種)が間違っていると分かっていて、本当は人を食べたくないけど、生きていくためには食べなきゃどうしようもないって葛藤がある。喰種の気持ちを代表しているのは、カネキではなくトーカで、そういう芯の部分を、彼女がしっかり表現してくれたことに、僕は救われました。彼女の芝居を映像で観たとき、僕の中でこの映画の価値が上がった気がしたんです。現場では、悲しいシーンもあったので、トーカとしては苦しんでいました。それでも、彼女がいたことで、僕自身はすごく良い時間を与えてもらったなと思っています」。
カネキと窪田の共通点
俳優デビューから12年。大作で主演を張る俳優になった。最後に、これまでのキャリアを振り返り実感する“夢を叶える秘訣”を聞くと、最初に出てきたのは「僕、夢がないんです」という言葉だった。
「役者で成功することが夢だとは思ってないし、人生一度きりだから没頭できる別のものが見つかればそっちにいけばいいと思ってるし…。そんなに執着しないようになってきたんですよね。ただ、求められるうちは息の長い役者でありたいなと思っています。もし、それを夢だというのであれば、“夢を叶える秘訣”は、逃げないこと。戦う好奇心がある人は、常に戦っているし、その分敵がいる。僕はそうなれないから、せめて逃げないで戦っていたいです。必ず2択なり3択なり、選択を迫られるときがくると思うので、そのときに、逃げずに自分が正しいと思える選択ができるかが重要だと思います」。
映画で演じたカネキも、きっとそうだ。喰種に半分変化してしまった自分から、現実から逃げずに“戦う”ことを選択した。石田氏が、キャスティング発表時「カネキが実際にこの世界にいたらこういう感じ」と窪田についてコメントを出していたが、それはカネキと窪田の中に“何か”同じ情熱を感じたからではないだろうか。多方面から話題を集める今作。“俳優・窪田正孝”が逃げずに戦った証が、そこに刻まれている。(modelpress編集部)
窪田正孝(くぼた・まさたか)プロフィール
1988年8月6日生まれ、神奈川県出身。175cm。B型。母の勧めでスターダストプロモーションのオーディションを受け事務所入りし、2006年4月にフジテレビ系深夜ドラマ「チェケラッチョ!! in TOKYO」で初主演を務める。2012年6月「平清盛」に平重盛役でNHK大河ドラマにも初出演。2014年上半期放送のNHK連続テレビ小説「花子とアン」の出演で知名度を上げ、その後もTBS系ドラマ「Nのために」や「アルジャーノンに花束を」、日本テレビ系ドラマ「デスノート」など多くの話題作に出演した。7月からは、主演をつとめる新ドラマ「僕たちがやりました」(関西テレビ・フジテレビ系、毎週火曜よる9時)がスタートする。映画「東京喰種 トーキョーグール」
原作:石田スイ「東京喰種 トーキョーグール」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)出演:窪田正孝 清水富美加 鈴木伸之 桜田ひより 蒼井優 大泉洋
村井國夫/小笠原海 白石隼也 相田翔子 栁 俊太郎 坂東巳之助
佐々木希 浜野謙太 古畑星夏 前野朋哉 ダンカン 岩松了
監督:萩原健太郎
脚本:楠野一郎
<ストーリー>
人の姿をしながらも人を喰らう怪人・喰種(グール)。水とコーヒー以外で摂取できるのは「人体」のみという正体不明の怪物たちが、人間と同じように暮らしている街、東京。ごく普通のさえない大学生のカネキ(窪田正孝)は、ある日、事件に遭い重傷を負ってしまう。
病院に運び込まれたカネキは、事故の時一緒にいた喰種の女性・リゼの臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。自分が喰種化したことで苦悩するカネキは、以前から通い詰めていた喫茶店あんていくで働き始め、そこでアルバイトをしている女子高生・トーカ(清水富美加)と出会う。
あんていくは喰種が集まる店で、トーカもまた喰種なのだった。トーカはぶっきらぼうな態度を取りつつも、やがてカネキを助ける存在となっていく。
そんな中、喰種にも人間と同じように、守るべき家族や大切な友人がいること、愛する気持ちや哀しみ、憎しみといった感情があることを知り、カネキは人間と喰種、二つの世界の価値観の中で葛藤する。一方、喰種を駆逐しようとする人間側の組織・CCG(Commission of Counter Ghoul)の捜査官・亜門(鈴木伸之)、真戸(大泉洋)が現れ、熾烈な戦いに巻き込まれていくのだった…。
【Not Sponsored 記事】
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