<賀来賢人インタビュー>「左江内氏」で魅力爆発!迷いを晴らした福田雄一監督の言葉「オモシロが出来る一番の俳優になれ!」
2017.02.23 18:41
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俳優の賀来賢人(27)がドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」(日本テレビ系、土曜よる9時)で絶賛“暴走中”だ。藤子・F・不二雄のヒーローコミックを原作に「勇者ヨシヒコ」シリーズの福田雄一氏が脚本・演出を手がけた話題作で、全力の変顔や謎めいたキレのある動きを繰り出し「ぶっ飛んでて面白すぎる」「こんな賀来賢人見たことない!」「最高の賀来賢人」と話題に。ウザいけどなんだか憎めない“池杉くん”はどのようにして生み出されているのか?モデルプレスのインタビューで、福田組ならではの現場エピソードをたっぷりと語るとともに、コメディ作品への強い思いや、悩んでいる時の指針となった福田氏からのアドバイス、最近のプライベートについても明かしてくれた。
目次
福田組への信頼感があるから爆発できる
― 1話からフルスロットルな池杉、いや“ウィケ杉”に夢中です。白目のシーンは思わず一時停止して凝視しました!ははは(笑)。ありがとうございます。やっぱり「賀来賢人こんなことするんだ」とか「意外だった」という声が多いですね。僕的には福田さんに6年前くらいから色々な作品でお世話になっていて、舞台ではずっとやってきたことだったんですけど、映像でこういったことをさせていただく機会があまりなかったんです。だから今回そういう反応があったのは嬉しいなって。
― 福田さんとのタッグはドラマ「勇者ヨシヒコと魔王の城」(11)、舞台「スマートモテリーマン講座」(11)、映画『俺はまだ本気出してないだけ』(13)、そしてドラマ「宇宙の仕事」(16)。今回はゴールデン枠のドラマという部分でも、より幅広い層からの反響があったようです。
そうですね。思いきりやってよかったなと。
― ある日突然スーパーヒーローに任命された中年サラリーマン・左江内さん(堤真一)の奮闘が描かれる今作ですが、その部下である池杉のキャラクターはどのように固めていきましたか?
自分のことをイケてると思っているんだけど、実際はイケてないし、勘違いばっかり。でもなんか憎めない、みたいな。福田さんの本に出てくる人たちはみんなおかしな人たちなんだけど、どこか可愛いげがあるんですよね。(小泉)今日子さん演じる円子さんもそうですけど、可愛らしさがポイントになっているので、僕もそこは出せればいいなと思いました。だから池杉もなんだかんだ左江内さんになついているとか、そういう部分は意識しています。あとは現場でどこまで笑いのポイントを増やせるか(笑)。そこは福田さんと相談しながらやっているという感じですね。
― 現場で付け加えていくんですね。
台本はあるんですけど、すごくシンプルなんですよ。そこから福田さんがどんどん付け足したり、僕たちが提案したものを膨らましてくださったり…。
― 池杉はしゃべり方や表情のクセが強い!(笑)
「クイックな白目をお願いします」とか、よくわかんない演出をされるんです(笑)。自分で足したり引いたりの塩梅を調整しないといけないのかなと思っていたんですけど、福田さんが面白くしてくださるので思いきってやれますし、寄り引きのバランスが本当に上手いので、絶対的な信頼感がありますね。だって(佐藤)二朗さんとかおかしいじゃないですか(笑)。
― 佐藤二朗さん(※左江内の前に現れてはちょっかいを出すフリーター・米倉役)のシーンは、テストも段取りもなしでいきなり本番だそうですね!
むちゃくちゃですよね(笑)。それでも面白いから。
― 効果音もそうですよね。変顔と同時に「ボヨン」というような。
そうそう。そういう信頼感があるからこそ、みんなああいう風に思いっきりやれているんですよ。それが皆さんが福田組に参加したくなる理由だと思いますね。「好き勝手やってください」っていう(笑)。
― どこまでが台本でどこまでがアドリブか…と想像しながら見るのが楽しいです。
「5:5」ぐらいですかね。5割台本で、5割アドリブ。二朗さんとか、ムロ(ツヨシ)さんと(中村)倫也のところ(※小池&刈野のコンビ)はぶっつけ本番なんですが、僕とか(高橋)克実さん(※左江内の上司・簑島課長)のところは、最初の段取りである程度「こういうのをやりたい」というのを提示して、「じゃあ、こういう風にしようか」と膨らませるパターンが多いです。
― 5話で、簑島課長の頭にスリスリしていたのは…
あれは最初にやったのが採用されました。衝撃映像(笑)。
― 福田さんがTwitterで「3話まではゴールデンを意識していたけど、4話からタガが外れて…」というお話をされていて。
3話までは家族の話がメインだったけど、ここからだんだんスーパーマンが関係なくなってくるっていうことじゃないですかね(笑)。スーパーマンっていう、一番大事なことから離れていくっていう面白さがあるのかなと。
― なるほど(笑)。
1話を撮っている時、福田さんに「お前、ゴールデン向きにちょっと抑えた芝居してるから、もっと爆発しろ!」って喝を入れられて。特に抑えていた意識はなかったんですけど、そこから僕もタガが外れた感じはしました。
― 大成功ですね!
そう言っていただけると安心します。
ウィケ杉メイン回はやっぱりメチャクチャ!?
― 撮影は主にオフィスのシーンですよね。現場で刺激を受けるキャストさんは?堤さんですね。堤さんは絶対に笑わないんです。何をしても返してくださるし、キャラがブレない。克実さんもそうなんですけど、頭ペロペロされても普通に芝居を続けてくださるので(笑)。僕はどっちかというと仕掛ける側なので、それを受けてくださる方々には本当に助けていただいています。
― 本当に笑わずにその場が成立しているのがすごいなぁと。
すごいですよね。福田組はスタッフの皆さんもすごくて、どんな動きをしてもついてきてくださるんですよ。カメラマンさんも照明さんも。このチームは本当にすごいなと思いました。プロフェッショナル集団というか。
― 賀来さんが特に好きなキャラクターは?
やっぱり二朗さんかなぁ。面白いですね。なんでしょうね、あの方は。魅力っていうか…意味わかんないじゃないですか(笑)。あと、今日子さんの円子はすごく可愛らしいです。この前、一緒のシーンがあったんですけど、すごくぴったりだなって。鬼嫁なんだけど、ちゃんとチャーミングだから素晴らしいなと思います。
― エンディングは賀来さんのキレキレダンスも好評です。
本当ですか?結構大変でしたよ。1週間ぐらいみんなで練習して。
― 賀来さんは「ハンサムライブ」(※所属事務所アミューズ主催のファンイベント。賀来は06年~14年に出演)でのダンス経験がありますので。
あっ、そうですね。踊りをだいぶ練習しましたからね。それがあってよかったです。初めて思いました。ちゃんとやっててよかったなって(笑)。
― 25日放送の7話はいよいよ池杉メイン回です!
6話がムロさんの回で、メチャクチャだったんですけど、7話もメチャクチャです(笑)。
― ほぼほぼメチャクチャということで(笑)。
そうですね。7話に関しては、今までと全く違った池杉くんが出ていると思いますし、スーパーマンが左江内さんじゃないっていうのも新鮮で面白いなと。でも、ただメチャクチャなだけではないというか、ああいう若者がいきなりスーパーマンになった時の葛藤も描かれているし…。やっぱり左江内さんってすごいんだなっていうシーンが出てくるので、すごくいいお話になっていると思います。
ただただ家族でゲラゲラ笑って見られるドラマになっていると思うので、何も考えずに見ていただければ。「あー面白かった!!」って本当に気楽に、一週間の疲れを吹き飛ばすストレス解消のひとつとして最後まで見ていただければ嬉しいです。でも、毎話必ず心温まるシーンがあるので、そこも家族みんなで楽しんで観ていただきたいですね。
「オモシロが出来る一番の俳優になれ!」
― 「左江内氏」で2017年は素晴らしいスタートになったかと思いますが、どのような1年にしたいですか?僕ら世代の役者がたくさんいるので、色々考えることはあるんですけど、ひとつ「左江内氏」みたいなコメディの作品でこういった一面を知っていただけたのは本当に大きいと思います。なので、これからも色んなことができるようになってたくさんの人に色んな顔を観ていただけたらなと思います。
― 8月にはミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」で早くも福田さんとの再タッグが。
はい。今からすごく楽しみです!“和製ジム・キャリー”を目指しているので(笑)。
― コメディへの思い入れというものは。
すごくあります。やっぱり一番気楽に見られるジャンルだけにハードルが高いというか…だからこそすごく大切にしたいです。コメディがあるからヒューマンが立つというか…。ジム・キャリーとかアダム・サンドラーとか、そういう海外の人達って面白いからこそ切なくなるじゃないですか。そういう役者になれればいいなって最近思うようになりました。それは福田さんにも言われたことです。去年のちょうど悩んでいて、何をしていいかわからなかった時に、「お前はとりあえず、オモシロが出来る一番の俳優になりなさい」って言われて。「わかりました!」って。
― それが「左江内氏」での爆発につながったわけですね。
福田さんが機会を与えてくれました。これから先のことは、僕自身もどうなるかわからないですけど(笑)。
「楽しみでしかない」一番のリラックスタイムは…
― 今、お忙しい中で一番リラックスできる瞬間は?最近、布団のダニ取りの機械を買ったんですよ。布団乾燥機かな?布団の下に入れるやつなんですけど、それを寝る1時間前くらいに入れとくと布団がめっちゃ温まるんですよ。布団に入ると温泉みたいになってて、それがもう最近、楽しみでしかない。寝るのが楽しみでしょうがないですね。あと、料理をするようになりました。
― 一番の得意料理は何ですか?
最近ね、鶏肉の、煮込みみたいなのをできるようになったんですよ、やっと。鶏のトマト煮込み。
― お料理を始めたのは、体への気遣いも含めて?
いや、今までは料理とか全くできなかったので、人としてちゃんとしようと思って。やってみたら意外と楽しくてハマってしまいました。
― これから作ってみたいものはありますか?
パスタ!おいしくて、おしゃれなパスタを作りたいです。
夢を叶える秘訣は…「継続」「興味」「ブレないこと」
― 最後に、モデルプレス読者へ向けて“夢を叶える秘訣”をアドバイスお願いします。難しいですね…継続することかな。ずーっとやり続けていれば、成功とかじゃなくても得るものがあるんじゃないかなと思います。それと自分の好きなことや興味のあることを探している人は、色々な視野を持った人が多い気がする。あとはブレないこと。人に何を言われようが、ミスしようが、貫くことじゃないですかね。
― ありがとうございました!(modelpress編集部)
ドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」第7話あらすじ
スーパースーツを手に入れて以来、近所の平和を守っているものの、海外での痛ましいテロのニュースを見て、結局自分は何もできないのだと無力感を覚える左江内(堤真一)。彼は池杉(賀来賢人)と飲みに行き、酔った勢いで自分がスーパーヒーローをやっていると告白する。左江内が「俺にはそんな資格なんてない…」と胸の内を明かすと、池杉は「じゃあ俺がやります!」とスーパーヒーローを引き受けるという。翌朝、左江内は、スーパースーツが手元にないことに気付いて慌てるが、池杉に渡してしまったことを思い出す。出社した池杉はなぜ自分がスーパースーツを持っているのか、覚えていなかった。左江内の話が信じられない池杉だったが、スーパースーツを着てみると空を飛べる、重い物も難なく持ち上げられるなど、その威力に驚く。左江内は、誰かからのSOS信号が聞こえたら助けに行くようにと池杉に教えるのだが…。そんな中、いくつかの銀行から次々と大金が消えるという事件が起こる。嫌な予感がした左江内が池杉に問いただすと…。賀来賢人(かく・けんと)プロフィール
1989年7月3日生まれ、東京都出身。2007年に映画『Little DJ~小さな恋の物語』で俳優デビュー。以降、映画・テレビドラマ・舞台と多岐にわたり活躍。2009年に映画『銀色の雨』で初主演を務める。主な出演作は『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(08)『ごくせん THE MOVIE』(09)、『武士道シックスティーン』(10)、『海の金魚』(10)、『シャッフル』(11)、『俺はまだ本気出してないだけ』(13)、『オー!ファーザー』(14)、『森山中教習所』(16)など。テレビドラマは「クローバー」(12/TX)、「泣くな、はらちゃん」(13/NTV)、「Nのために」(14/TBS)、「グッドパートナー 無敵の弁護士」(16/EX)などに出演。2014年に朝の連続テレビ小説「花子とアン」(NHK)、翌2015年に大河ドラマ「花燃ゆ」(NHK)に出演し話題を集めた。
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