土屋太鳳、コンプレックスと向き合い乗り越えた壁「悩みの一瞬一瞬こそが青春」 モデルプレスインタビュー
2016.08.20 08:00
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女優の土屋太鳳(21)が、モデルプレスのインタビューに応じた。本日(8月20日)公開の主演映画「青空エール」では、初心者ながらも吹奏楽部に入部しトランペットを始める主人公・小野つばさを演じている。同作で土屋が見せる演技はこれまで以上に真っ直ぐで、彼女自身のイメージと重なる部分も多い。事実、本人も「今までの土屋太鳳として生きてきた経験をすべて映像に込めることができました。これは、土屋太鳳としても生きた作品です」と手応えを明かす。“全身全霊”まさにその言葉通りの演技。そして、それは、彼女がコンプレックスと向き合い、壁を乗り越えたからこそ、表現できたものだった。
コンプレックスと向き合い超えた壁
同作は「高校デビュー」、「俺物語!!」などを生み出した河原和音氏の累計発行部数390万部突破の同名コミックを実写化。主人公のつばさは、甲子園で野球部を応援する吹奏楽にあこがれて、初心者ながらも吹奏楽部に入部する高校1年生。悩んだり傷ついたり泣いたり…等身大の女の子ながら、“普通じゃない”強さを持っている。キャスト発表当初から「適役」「ぴったり」との声が多かったが、第一印象は「あんまり似てない」だったという。「つばさちゃんはうつむいたり、自分の言葉を飲み込んだり、私とは違うのかなって思う部分がたくさんありました。でも、撮影をしていくにつれて、『私と同じだ』って気が付きました。私はすごく背が高いわけではないし、スタイルがいいわけでもないし、飛び抜けてお芝居が上手いわけでもないので、『なんで出来ないんだろう』って色んなコンプレックスがあるんです。つばさちゃんも同じようにコンプレックスを抱えているんです。それに正直で隠そうとはせずに向かっていく強さが、彼女にはある。そんな姿勢に、学ぶことも多かったです」。
話は、「青空エール」の撮影に入る少し前に遡る。「カメラが怖くなって、自分の中で呼吸が少し止まってしまった瞬間があったんです。役との呼吸が合っていない気がして、お芝居の仕方が分からなくなってしまったんですよね」と活躍の裏で苦悩した時期があった。それを乗り越えることができたのは、「周りの人達の『そのままの土屋太鳳で、カメラの前に立っていいんだよ』という言葉」。本当の自分と向き合った結果、「今はまた、少しずつ動き出しました。それが出せたのがつばさちゃんです」と次のステップへと進むことができた。
「今の自分が不思議」ずっとここにある変わらない気持ち
「まれ」以降、主演をつとめる機会も増えた土屋だが、それに関しては「嬉しいんですけど、座長として引っ張っていけるのか不安で、周りのキャストの方やスタッフの方々に支えていただいています。自分に出来ることは、役として生きていくことなので、それを変わらずにやっています」と、無理に背伸びはしない。
「『まれ』までのオーディションの間は、『受からなかったら、次の作品までの間、何をしようかな』って考えていました。オーディションをずっと受け続けていたので、1つの役への有り難みは身を持って知っているつもりなんです」と立場の変化は演技の姿勢には影響がないようで、「なんで私はここにいるんだろう?主演なんてやっていいの?って今の自分が不思議なんです。『まれ』に受からなかったら、何をしてたんだろうって思うんですよ。だから、こうやって作品に携わることができて嬉しいんです」とただただ、“演技の仕事がある”という状況がとにかく楽しくて仕方がないといった様子だった。
未来へ「もっと自分を掘って、耕していかないと」
色々な時期を超え、今は「もっと自分を掘って、自分を耕していかないとって思っています」。インタビューの2日前、以前撮影でお世話になった神社に、プライベートで足を運んだという彼女は、そこでそのメッセージを受け取っていた。
「『日本のお米は、土を耕して作っているでしょう?昔耕した土が、今食べてるお米に繋がっているんだよ。今耕してるお米は来年に繋がっていくんだよ。それは、映画でも一緒でしょう?人を耕して、自分を掘っていく作業が大事だよね。それが次に繋がっていくんだよ』って。その言葉にすごく感動して、忘れたくなかったので、家に帰って急いで書き留めました」。
「青空エール」で感じたモノが栄養素となり、今彼女の土俵はどんどん潤っているはずだ。そして、その土俵を耕し、そこに咲いた実を未来へと繋げていく。「悩みの一瞬一瞬こそが青春だと思います。今、何かに悩んでいる人、迷っている人は、この作品からエールを受け取って、次に繋げて欲しいです」。今度は自分自身の実が、誰かの栄養になるように――。(modelpress編集部)
土屋太鳳(つちや・たお)プロフィール
1995年2月3日生まれ。2005年、スーパー・ヒロイン・オーディション MISS PHOENIX 審査員特別賞を受賞し、2008年に映画「トウキョウソナタ」にて女優デビュー。平成27年度前期連続テレビ小説「まれ」ヒロインをつとめ、知名度と人気が急上昇。その後も、映画「orange」やドラマ「下町ロケット」に出演。今後は映画「青空エール」(2016年8月20日公開)のほか、映画「金メダル男」(2016年10月22日公開)、「PとJK」(2017年春公開)、「トリガール!」(2017年公開)などが控えている。映画「青空エール」全国東宝系にて公開中
出演:土屋太鳳、竹内涼真/葉山奨之、堀井新太、小島藤子、松井愛莉/平祐奈、山田裕貴/志田未来/上野樹里監督:三木孝浩
原作:「青空エール」河原和音(集英社マーガレットコミックス刊)
脚本:持地佑季子
音楽:林ゆうき
<ストーリー>
ブラスバンドの応援に憧れる小野つばさは、吹奏楽部の名門・白翔高校に入学する。だが、トランペット初心者のつばさ。レベルの高い猛練習についていけず、何度も挫折しそうになる。そんなつばさを勇気づけてくれたのが、クラスメートで野球部員の山田大介。お互い夢に向かって励まし合うふたりは、ある「約束」をかわす。それは、いつか甲子園に大介が出場し、アルプススタンドでつばさがトランペットで応援すること。いつの間にかつばさには、大介へのほのかな想いが芽生えていた。1年生の夏、地区予選の決勝まで勝ち進んだ野球部を、吹奏楽部が応援することに。ところが途中出場した大介のミスで惜しくも敗退。グラウンドで立ち尽くす大介のために、つばさは1人でトランペットを吹いてしまう。謹慎処分となったつばさを心配して訪ねて来た大介。ふくらむ気持ちを抑えきれずに、つばさは大介に「好き、って言ったら困る?」と告白してしまう。つばさと大介の恋の行方は?そして、ふたりの夢のたどりつく先は?
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