マーク・パンサーしか知らない“globe”20周年&“小室哲哉”との深い絆 愛娘との私生活も語る モデルプレスインタビュー
2016.08.02 16:00
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デビュー20周年を迎えたglobeのラップを担当するマーク・パンサー(46)。1995年に「Feel Like dance」でデビュー、その後、「DEPARTURES」はダブルミリオン、1stアルバム「globe」は出荷枚数455万枚を記録し、当時の日本記録を樹立した。プロデューサーの小室哲哉でもなく、メインボーカルのKEIKOでもなく、マークにしかわからないglobe20周年がある。今回モデルプレスではマークにインタビューを行い、globeのこれまでを振り返ってもらうとともに、仲の良い娘とのプライベートにも迫った。
そんなglobeの デビュー20 周年を締めくくるセルフリプロダクト第2弾「Remode 2」が8月3日にリリースされる。今も色褪せないデビュー曲「Feel Like dance」や、ダブルミリオンを記録した「DEPARTURES」、globeライブでは定番の「MUSIC TAKES ME HIGHTER」などglobeの名曲の数々を、小室自身の手で再生。また、名曲「Get Wild」や「Self Control」などのカバーも再びプロダクト。今作の制作にあたり、マークも「DEPARTURES」「Feel Like dance」「MUSIC TAKES ME HIGHER」の3曲、新たなラップを追加している。
マーク:KEIKOちゃんがまだ復帰できていないのに、小室さんと2人でなにができるのか、手探りしながら活動していました。その中でも見えたものはいっぱいあって、今回発売される「Remode 2」もそうで、来日した日にいきなりスタジオに呼ばれて「ボーカル入れ直してよ」って。そしたら、ただ入れ直すわけではなく「歌詞も全部新しくしてよ」と言われたんですけど、そういうのは苦ではなく、すごく楽しくて、それがglobeのいいところなのかなと思うんですよね。20年経っても超仲良くて、そういうのが自然にできるところが面白い。
― 「Remode 2」に収録されている「DEPARTURES」「Feel Like dance」「MUSIC TAKES ME HIGHER」はラップの歌詞が新しくなっていましたね。
マーク:そうそう!「夏のDEPARTURESなんだ」と小室さんが言っていました。でも、「DEPARTURESのサマーバージョンって不思議じゃん」って思っていたんですけど、それができちゃうところが小室さんのすごいところですよね。
歌詞を変えようとした理由はわかりませんが、メロディの部分は任せているので、歌詞はストーリーを考えて付け加えていくのではなく、どちらかというと小室さんの音を通訳して、その音で感じる雰囲気を歌詞にしました。
マーク:普通と少しかけ離れているグルーヴィーなものが好きなのかも。globeって寒い冬のイメージでちょっと事情のあるカップルのストーリーを歌詞にしていることが多いのですが(笑)、その3曲はちょっと外に出て一息ついている感じがしたんですよ。
― 「Is this love」はアリゾナ砂漠でプロモーションビデオの撮影をしていて、すごく大変そうだなと思いました。
マーク:大変でしょ!だってわざわざアリゾナまで行かないでしょ(笑)。ヘリコプター何台も飛ばして、やり過ぎ感はあるんだけど、すごいいい思い出ですよ。あっち歩いて、こっち歩いて…。あのプロモーションビデオはもう誰も行けない場所にも行けたので、すごくいい思い出でした。
東京タワーみたいな高いトーテムポールにピアノを置いて小室さんを空撮したんですけど、そこにヘリコプターで連れて行って、ヘリコプターが一回はけたんですよ。そしたら、同じようなトーテムポールがたくさんあるので、小室さんのいるトーテムポールが見つからないという事件がありました(笑)。いっぱいあるし、広すぎて、見失っちゃったみたいな(笑)。炎天下の中、40分くらい1人で待っていたみたいで、さすがに超不安だったようです。やっとヘリコプターが来たときにピアノを弾いたんですけど、2秒ぐらいしか使われなかった…。そう考えるとこの撮影は1番の思い出かも。
― 1stアルバム「globe」の合宿レコーディングのときもいろいろなことがあったとお聞きしました。
マーク:それが初めての共同作業でした。みんな帰れない。でも、みんなそれぞれ事情があって、大変でした(笑)。恋人もいれば、子供がいる人もいる。それが、レコーディング中は全員globeに集中するから面白い部分でもあるんですけど…、やっぱみんなちょっと気持ちが不安定になっていく(笑)。
僕も当時、彼女がいたから、帰りたかったんですけど、帰れず(笑)。でも、その辛さなのか痛さなのか、それが歌詞に反映されていたり、声に反映されていたり、音に反映されていたりするから、やっぱり小室さんはすごい先生なんだなって。まあ、おかげでその彼女とは別れましたけど(笑)。そういう悲しい部分も歌詞にあったり、ラップにあったりしているんだと思います。
― 「DEPARTURES」のジャケット写真は、ロサンゼルスで撮影していたことも有名な話ですよね。
マーク:一般の方は絶対に入れない閉鎖されているお化けが出るホテルで撮影しました(笑)。小室さんも肩が重いって、みんな不思議な世界に入っちゃったんですよね。僕だけそういうことは全く信じないから大丈夫で(笑)。なぜ、あのホテルで撮影したかのかは今でも不思議!みんなホテルに到着したときにお化けの話を聞いて、ちょっと不安だったから、そういう辛い部分も表れているのかもしれない。それがまた「DEPARTURES」にぴったりでした。あと、レコーディング中もKEIKOちゃんが風邪を引いちゃって、声が出なくて、プレッシャーで泣いちゃったりもしたな。
CDを200万枚売っているスーパーグループなんですけど、僕とKEIKOちゃんはそこにあるモーテル(ビジネス)ホテルに泊まって、小室さんだけペニンシュラのスイートルーム。「おかしくない?」って思ったんですけど、僕はそういうところの方が好きで。普通のラマダホテルって、宿泊客の99%がオカマなので、ドアの隙間のところにいっぱい名刺を入れられました。でも、そういうところも、すべて楽曲に反映されているんですよ。
― もちろんですが、20年もの間には楽しいことも辛いこともたくさんあったわけですよね。
マーク:2ndアルバムの「FACES PLACES」が、ちょっとロックでワイルドな部分があって僕は1番好き。ミュージシャンとしてすごい楽しかった時期です。
でも、トランス期と呼ばれる時期は結構大変だったかな。トランス自体がまだ日本に来ていないときで、それをどうやってわかってもらおうって。僕もライブで宇宙人みたいな格好をしたり(笑)。それをチャレンジするというglobeもすごい面白くて。常になにか新しいことをやらせてくれるから、面白いんですよ、globeは。
マーク:そうだね。車に乗っているときの話しですが、道を走っていると女の子が横断歩道を渡っているじゃないですか。「マーク、この横断歩道を渡っている間に、この子をゼロからトップまで頭の中でプロデュースしてみて」って言い出すんですよ。なにを言っているんだろうと思ったんですけど、今になってやっとわかってきて。でも、そういうことを小室さんは常にやっていたんですよ。渡りきった頃には、あの子はスーパースターになっているんでしょうね。
― マークさんにとって、小室さんとは?
マーク:先生で、友達で、兄貴のような人。今、DJを一緒にやるときは新しいDJのメンバー。
でも、globeの3人って、家族でもないし、恋人でもないし、親友でもないし、不思議な絆なんですよね。一緒に暮らしていた時期もあって、思い出してみるとすごい!小室さんとKEIKOちゃんは結婚しちゃったわけですからね。
マーク:1年以上かけて作り上げました。ジャズというより、どちらかと言うと、今流行りのディープジャズや、ディープハウス、トロピカルハウス系の音にジャズのエッセンスをのせたバージョンです。あとは、20周年なので、20年前のファンたちも大人になっていると思い、大人バージョンにしてみました。
どの曲もお気に入りなのですが、中には「おぉ!」と思う曲もいっぱいあると思います。「DEPARTURES」はドラムを混ぜたりして、面白く仕上がっていると思います。
― 「deep JAZZ globe」を制作するにあたり、小室さんと話し合ったことはありますか?
マーク:小室さんは僕が今現場でやっているDJの仕事を信用してくれているので、全部丸投げにしてくれています。DJって現場主義なるので現場で今なにが流行っているのか毎日ように見ているので、ディープハウスというのがすごくウケているなと思います。
本当は、ピアノのところを小室さんに弾いてもらいたかったんですけどね。ディープジャズのイベントを開催できたら、やっぱり小室さんに弾いてもらいたいなとは思います。
マーク:娘は僕の全て!僕は2歳からモデル、子役をやっていて、15歳のときに雑誌「MEN’S NON-NO」初代モデルをやって、そのあとMTVの初代VJをやって、globeをやって…とずっと人生の主役をやってきました。なので、子供が生まれたときに主役の座を渡そうと思いました。でも、僕は監督になるつもりも、プロデューサーになるつもりもなくて、準主役になろうと思って。そしたら超仲良くなれるじゃんと。主役を引き立て、同じドラマを同じ映画を一緒に演じる人になろうと思ったんですよね。
娘が赤ちゃんのとき、家のテレビの前でよだれを垂らしながら座っていたときに、これはまずいと思い、家族全員連れて石垣島に引っ越しました。8年間住んでいたんですけど、台風と戦い、大自然というマザーアースに先生になってもらいながら、僕は毎週のように東京に帰って仕事するという日々が続いて。小学校に入学するときに「ちょっと違う道を作ってあげよう」と思って、今後はフランスに引っ越しました。中学生まではそこで育てて、今高校生なんですが、もう3ヶ国語ペラペラなんですよ。
常に準主役として僕の役割は、お弁当を作るということもそう。9年間毎日作って、おやじの味が脳に一生刻まれたらいいなと思っています。それってすごく大切なことなので。あとは、娘のピアノのレッスンに付いて行って、後ろにずっといて先生と一緒にアドバイスしたり。お父さんはいつでもどこでもいるよと伝えたいんですよね。
子育ては、二人三脚が面白いのかなって思っていて、学校にも毎日送り迎えしたし、寝る前に英語、フランス語、日本語の絵本を読んであげて、それを高校生になるまで毎晩やっていました。だんだんと難しい本になっていくんですけど、僕にとってもすごい勉強になりました。僕の母国がフランス語なのに、英語がペラペラになれたのは娘が英語学校に行って、毎日本を読んで、毎日先生たちと話してきたから、上手くなれたと思います。
― マークさんと奥さんどちらに似ていると言われますか?
マーク:目は僕かな。性格的な部分は嫁に似て助かっています。優しくて強い子なんで。僕はどちらかというと臆病者でちょっとずる賢いタイプです(笑)。
― 反抗期はなかったんでしょうか?
マーク:ないですね。怖い話しをすると嫌われるけど(笑)。お化けという存在を信じているんでしょうね。その話をすると「パパはパパじゃない」って言われるんですよ。
― globeの曲を一緒に聞いたり、歌ったりすることはありますか?
マーク:今「DEPARTURES」を英語で歌おうとしているんですけど、レコード会社のOKが出たら披露したいなと。すごい好きな曲みたい!小室さんも赤ちゃんのときから一緒だから、特別な子と思ってくれていると思います。
マーク:チャレンジを怖がらないこと。日本では特にそう思われていて、海外に住むことすらすごい勇気が必要と感じているみたいだけど、そのチャレンジの中にチャンスがいっぱい転がっている。そのチャンスをすべて1個も逃さずに拾っていけば、自分が成功すると思います。その未来へのチャレンジというのはひらめいたらどんどんやった方がいい。自分に嘘をつけば、二度とひらめきは出てこないと思います。僕が唯一信じていることは自分自身。もう1人の自分がお腹の中にいて、そいつに嘘をつけば二度とひらめきなんて出てこないし、迷い続ける気がします。なので、自分から出てきたひらめきはすべてチャレンジするべき!それが未来への架け橋になると思います。
― 最後にマークさんの夢を教えてください。
マーク:僕はずっと主役をやってきて、人のために人のために生きてきたから、そろそろ自分のために生きようかなと思っていたんですけど、まだちょっと早いような気がしたので、教える側になろうかなと思っています。若者ってすごく迷うけど、僕も迷ってきたけど、僕が迷ったときは常に自分を信じて前に進んでいったので、そのやり方には生きる楽しさがあって、生きるということがアートということを伝えていきたいです。
僕もDJをやるために6年前、学校に入学して、15歳の子どもたちしかいない中に40歳の僕がいて。トップで卒業して、フランスで資格まで取得して、今DJをやらせてもらっています。そういうことも全部教えていきたいです。今までは隠していたんだけど、どんどん教えていくことが次のステップなのかなと思う。それが終わったら自分のために生きようと思います。
― ありがとうございました。
取材終了後も、言葉にしていたが、アリゾナでのPV撮影は本当に大変だったよう。「あっついもん。気温が40度以上もある場所で冬の格好させられるんだよ!革ジャンだよ、おかしいでしょ(笑)」と嘆きつつも、最後にボソっとこう言った。「でも、その辛さがうまく表現されているんでしょうね。それをプロデュースできる小室さんはやっぱ天才ですよ」と。マークにしかわからないglobeの20年間、そして2人にしかわからない深い絆がまだまだあった。(modelpress編集部)
<CD>
01.Feel Like dance
02.MUSIC TAKES ME HIGHER
03.DEPARTURES
04.Anytime smokin’ cigarette
05.Can’t Stop Fallin’ in Love
06.try this shoot
07.Get Wild
08.Perfume of love
09.genesis of next
10.illusion
11.Self Control
<DVD>
01.「Feel Like dance」MUSIC VIDEO
02.TK & MARC “Remode 2” INTERVIEW
01.THE MAIN LORD
02.another sad song
03.INSPIRED FROM RED&BLUE
04.Nothing ever makes me happy
05.DEPARTURES
06.Anytime smokin' cigarette
07.like a snowy kiss
08.MISS YOUR BODY
09.Precious Memories
10.So far away from home(Beautiful Journey)
11.try this shoot
12.UNDER your SKY
13.wanna Be A dreammaker
14.Can't Stop Fallin' in Love
15.Feel Like dance
16.illusion
17.Tokyoという理由
18.Wanderin' Destiny
19.You are the one
20.biting her nails
globeの活動と並行して、地元フランスにてDJ/プロデュース活動をスタート。日本のみならず、様々な国のイベントにも出演し、DJプレイしている。
夏バージョンの「DEPARTURES」
― globe20周年ということで約7年ぶりにテレビ番組でパフォーマンスを披露したり、リリースイベントを開催したりしていましたが、この1年を振り返ってみていかがですか?マーク:KEIKOちゃんがまだ復帰できていないのに、小室さんと2人でなにができるのか、手探りしながら活動していました。その中でも見えたものはいっぱいあって、今回発売される「Remode 2」もそうで、来日した日にいきなりスタジオに呼ばれて「ボーカル入れ直してよ」って。そしたら、ただ入れ直すわけではなく「歌詞も全部新しくしてよ」と言われたんですけど、そういうのは苦ではなく、すごく楽しくて、それがglobeのいいところなのかなと思うんですよね。20年経っても超仲良くて、そういうのが自然にできるところが面白い。
― 「Remode 2」に収録されている「DEPARTURES」「Feel Like dance」「MUSIC TAKES ME HIGHER」はラップの歌詞が新しくなっていましたね。
マーク:そうそう!「夏のDEPARTURESなんだ」と小室さんが言っていました。でも、「DEPARTURESのサマーバージョンって不思議じゃん」って思っていたんですけど、それができちゃうところが小室さんのすごいところですよね。
歌詞を変えようとした理由はわかりませんが、メロディの部分は任せているので、歌詞はストーリーを考えて付け加えていくのではなく、どちらかというと小室さんの音を通訳して、その音で感じる雰囲気を歌詞にしました。
「Is this love」プロモーションビデオ撮影は「大変だった」
― マークさんは以前、globeで好きな曲は「Is this love」と「outernet」、「Anytime smoking’ cigarette」とおっしゃっていたのですが、なにか理由はあるのでしょうか?
マーク:普通と少しかけ離れているグルーヴィーなものが好きなのかも。globeって寒い冬のイメージでちょっと事情のあるカップルのストーリーを歌詞にしていることが多いのですが(笑)、その3曲はちょっと外に出て一息ついている感じがしたんですよ。
― 「Is this love」はアリゾナ砂漠でプロモーションビデオの撮影をしていて、すごく大変そうだなと思いました。
マーク:大変でしょ!だってわざわざアリゾナまで行かないでしょ(笑)。ヘリコプター何台も飛ばして、やり過ぎ感はあるんだけど、すごいいい思い出ですよ。あっち歩いて、こっち歩いて…。あのプロモーションビデオはもう誰も行けない場所にも行けたので、すごくいい思い出でした。
東京タワーみたいな高いトーテムポールにピアノを置いて小室さんを空撮したんですけど、そこにヘリコプターで連れて行って、ヘリコプターが一回はけたんですよ。そしたら、同じようなトーテムポールがたくさんあるので、小室さんのいるトーテムポールが見つからないという事件がありました(笑)。いっぱいあるし、広すぎて、見失っちゃったみたいな(笑)。炎天下の中、40分くらい1人で待っていたみたいで、さすがに超不安だったようです。やっとヘリコプターが来たときにピアノを弾いたんですけど、2秒ぐらいしか使われなかった…。そう考えるとこの撮影は1番の思い出かも。
― 1stアルバム「globe」の合宿レコーディングのときもいろいろなことがあったとお聞きしました。
マーク:それが初めての共同作業でした。みんな帰れない。でも、みんなそれぞれ事情があって、大変でした(笑)。恋人もいれば、子供がいる人もいる。それが、レコーディング中は全員globeに集中するから面白い部分でもあるんですけど…、やっぱみんなちょっと気持ちが不安定になっていく(笑)。
僕も当時、彼女がいたから、帰りたかったんですけど、帰れず(笑)。でも、その辛さなのか痛さなのか、それが歌詞に反映されていたり、声に反映されていたり、音に反映されていたりするから、やっぱり小室さんはすごい先生なんだなって。まあ、おかげでその彼女とは別れましたけど(笑)。そういう悲しい部分も歌詞にあったり、ラップにあったりしているんだと思います。
― 「DEPARTURES」のジャケット写真は、ロサンゼルスで撮影していたことも有名な話ですよね。
マーク:一般の方は絶対に入れない閉鎖されているお化けが出るホテルで撮影しました(笑)。小室さんも肩が重いって、みんな不思議な世界に入っちゃったんですよね。僕だけそういうことは全く信じないから大丈夫で(笑)。なぜ、あのホテルで撮影したかのかは今でも不思議!みんなホテルに到着したときにお化けの話を聞いて、ちょっと不安だったから、そういう辛い部分も表れているのかもしれない。それがまた「DEPARTURES」にぴったりでした。あと、レコーディング中もKEIKOちゃんが風邪を引いちゃって、声が出なくて、プレッシャーで泣いちゃったりもしたな。
CDを200万枚売っているスーパーグループなんですけど、僕とKEIKOちゃんはそこにあるモーテル(ビジネス)ホテルに泊まって、小室さんだけペニンシュラのスイートルーム。「おかしくない?」って思ったんですけど、僕はそういうところの方が好きで。普通のラマダホテルって、宿泊客の99%がオカマなので、ドアの隙間のところにいっぱい名刺を入れられました。でも、そういうところも、すべて楽曲に反映されているんですよ。
― もちろんですが、20年もの間には楽しいことも辛いこともたくさんあったわけですよね。
マーク:2ndアルバムの「FACES PLACES」が、ちょっとロックでワイルドな部分があって僕は1番好き。ミュージシャンとしてすごい楽しかった時期です。
でも、トランス期と呼ばれる時期は結構大変だったかな。トランス自体がまだ日本に来ていないときで、それをどうやってわかってもらおうって。僕もライブで宇宙人みたいな格好をしたり(笑)。それをチャレンジするというglobeもすごい面白くて。常になにか新しいことをやらせてくれるから、面白いんですよ、globeは。
マーク・パンサーにとって“小室哲哉”の存在
― 小室さんは全てお見通しなんですね。マーク:そうだね。車に乗っているときの話しですが、道を走っていると女の子が横断歩道を渡っているじゃないですか。「マーク、この横断歩道を渡っている間に、この子をゼロからトップまで頭の中でプロデュースしてみて」って言い出すんですよ。なにを言っているんだろうと思ったんですけど、今になってやっとわかってきて。でも、そういうことを小室さんは常にやっていたんですよ。渡りきった頃には、あの子はスーパースターになっているんでしょうね。
― マークさんにとって、小室さんとは?
マーク:先生で、友達で、兄貴のような人。今、DJを一緒にやるときは新しいDJのメンバー。
でも、globeの3人って、家族でもないし、恋人でもないし、親友でもないし、不思議な絆なんですよね。一緒に暮らしていた時期もあって、思い出してみるとすごい!小室さんとKEIKOちゃんは結婚しちゃったわけですからね。
アルバム「deep JAZZ globe」もリリース
― 7月28日にはリミックスを手がけた配信限定アルバム「deep JAZZ globe」がリリースされましたね。マーク:1年以上かけて作り上げました。ジャズというより、どちらかと言うと、今流行りのディープジャズや、ディープハウス、トロピカルハウス系の音にジャズのエッセンスをのせたバージョンです。あとは、20周年なので、20年前のファンたちも大人になっていると思い、大人バージョンにしてみました。
どの曲もお気に入りなのですが、中には「おぉ!」と思う曲もいっぱいあると思います。「DEPARTURES」はドラムを混ぜたりして、面白く仕上がっていると思います。
― 「deep JAZZ globe」を制作するにあたり、小室さんと話し合ったことはありますか?
マーク:小室さんは僕が今現場でやっているDJの仕事を信用してくれているので、全部丸投げにしてくれています。DJって現場主義なるので現場で今なにが流行っているのか毎日ように見ているので、ディープハウスというのがすごくウケているなと思います。
本当は、ピアノのところを小室さんに弾いてもらいたかったんですけどね。ディープジャズのイベントを開催できたら、やっぱり小室さんに弾いてもらいたいなとは思います。
愛娘とのプライベートに迫る
― マークさんのTwitterを拝見すると、娘のマディーさんとの仲の良さが伝わってきます!
マーク:娘は僕の全て!僕は2歳からモデル、子役をやっていて、15歳のときに雑誌「MEN’S NON-NO」初代モデルをやって、そのあとMTVの初代VJをやって、globeをやって…とずっと人生の主役をやってきました。なので、子供が生まれたときに主役の座を渡そうと思いました。でも、僕は監督になるつもりも、プロデューサーになるつもりもなくて、準主役になろうと思って。そしたら超仲良くなれるじゃんと。主役を引き立て、同じドラマを同じ映画を一緒に演じる人になろうと思ったんですよね。
娘が赤ちゃんのとき、家のテレビの前でよだれを垂らしながら座っていたときに、これはまずいと思い、家族全員連れて石垣島に引っ越しました。8年間住んでいたんですけど、台風と戦い、大自然というマザーアースに先生になってもらいながら、僕は毎週のように東京に帰って仕事するという日々が続いて。小学校に入学するときに「ちょっと違う道を作ってあげよう」と思って、今後はフランスに引っ越しました。中学生まではそこで育てて、今高校生なんですが、もう3ヶ国語ペラペラなんですよ。
常に準主役として僕の役割は、お弁当を作るということもそう。9年間毎日作って、おやじの味が脳に一生刻まれたらいいなと思っています。それってすごく大切なことなので。あとは、娘のピアノのレッスンに付いて行って、後ろにずっといて先生と一緒にアドバイスしたり。お父さんはいつでもどこでもいるよと伝えたいんですよね。
子育ては、二人三脚が面白いのかなって思っていて、学校にも毎日送り迎えしたし、寝る前に英語、フランス語、日本語の絵本を読んであげて、それを高校生になるまで毎晩やっていました。だんだんと難しい本になっていくんですけど、僕にとってもすごい勉強になりました。僕の母国がフランス語なのに、英語がペラペラになれたのは娘が英語学校に行って、毎日本を読んで、毎日先生たちと話してきたから、上手くなれたと思います。
― マークさんと奥さんどちらに似ていると言われますか?
マーク:目は僕かな。性格的な部分は嫁に似て助かっています。優しくて強い子なんで。僕はどちらかというと臆病者でちょっとずる賢いタイプです(笑)。
― 反抗期はなかったんでしょうか?
マーク:ないですね。怖い話しをすると嫌われるけど(笑)。お化けという存在を信じているんでしょうね。その話をすると「パパはパパじゃない」って言われるんですよ。
― globeの曲を一緒に聞いたり、歌ったりすることはありますか?
マーク:今「DEPARTURES」を英語で歌おうとしているんですけど、レコード会社のOKが出たら披露したいなと。すごい好きな曲みたい!小室さんも赤ちゃんのときから一緒だから、特別な子と思ってくれていると思います。
マーク・パンサーが考える“夢を叶える秘訣”とは
― 夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて夢を叶える秘訣を教えてください。
マーク:チャレンジを怖がらないこと。日本では特にそう思われていて、海外に住むことすらすごい勇気が必要と感じているみたいだけど、そのチャレンジの中にチャンスがいっぱい転がっている。そのチャンスをすべて1個も逃さずに拾っていけば、自分が成功すると思います。その未来へのチャレンジというのはひらめいたらどんどんやった方がいい。自分に嘘をつけば、二度とひらめきは出てこないと思います。僕が唯一信じていることは自分自身。もう1人の自分がお腹の中にいて、そいつに嘘をつけば二度とひらめきなんて出てこないし、迷い続ける気がします。なので、自分から出てきたひらめきはすべてチャレンジするべき!それが未来への架け橋になると思います。
― 最後にマークさんの夢を教えてください。
マーク:僕はずっと主役をやってきて、人のために人のために生きてきたから、そろそろ自分のために生きようかなと思っていたんですけど、まだちょっと早いような気がしたので、教える側になろうかなと思っています。若者ってすごく迷うけど、僕も迷ってきたけど、僕が迷ったときは常に自分を信じて前に進んでいったので、そのやり方には生きる楽しさがあって、生きるということがアートということを伝えていきたいです。
僕もDJをやるために6年前、学校に入学して、15歳の子どもたちしかいない中に40歳の僕がいて。トップで卒業して、フランスで資格まで取得して、今DJをやらせてもらっています。そういうことも全部教えていきたいです。今までは隠していたんだけど、どんどん教えていくことが次のステップなのかなと思う。それが終わったら自分のために生きようと思います。
― ありがとうございました。
取材終了後も、言葉にしていたが、アリゾナでのPV撮影は本当に大変だったよう。「あっついもん。気温が40度以上もある場所で冬の格好させられるんだよ!革ジャンだよ、おかしいでしょ(笑)」と嘆きつつも、最後にボソっとこう言った。「でも、その辛さがうまく表現されているんでしょうね。それをプロデュースできる小室さんはやっぱ天才ですよ」と。マークにしかわからないglobeの20年間、そして2人にしかわからない深い絆がまだまだあった。(modelpress編集部)
セルフリプロダクト第二弾「Remode 2」
8月3日発売<CD>
01.Feel Like dance
02.MUSIC TAKES ME HIGHER
03.DEPARTURES
04.Anytime smokin’ cigarette
05.Can’t Stop Fallin’ in Love
06.try this shoot
07.Get Wild
08.Perfume of love
09.genesis of next
10.illusion
11.Self Control
<DVD>
01.「Feel Like dance」MUSIC VIDEO
02.TK & MARC “Remode 2” INTERVIEW
「deep JAZZ globe」
7月27日リリース(配信限定)01.THE MAIN LORD
02.another sad song
03.INSPIRED FROM RED&BLUE
04.Nothing ever makes me happy
05.DEPARTURES
06.Anytime smokin' cigarette
07.like a snowy kiss
08.MISS YOUR BODY
09.Precious Memories
10.So far away from home(Beautiful Journey)
11.try this shoot
12.UNDER your SKY
13.wanna Be A dreammaker
14.Can't Stop Fallin' in Love
15.Feel Like dance
16.illusion
17.Tokyoという理由
18.Wanderin' Destiny
19.You are the one
20.biting her nails
マーク・パンサー プロフィール
1970年2月27日生まれ、フランス・マルセイユ出身。父親がフランス人で母親が日本人のハーフ。globeではラップを担当。globeの活動と並行して、地元フランスにてDJ/プロデュース活動をスタート。日本のみならず、様々な国のイベントにも出演し、DJプレイしている。
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