伊原剛志、“唯一の日本人”の挑戦 世界の名優より受けた刺激と覚悟 モデルプレスインタビュー
2015.11.09 07:00
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俳優の伊原剛志(52)が海外作品へ参加する際の強い覚悟を語った。
紀里谷和明監督、初の世界進出作品「ラスト・ナイツ」(11月14日公開)に出演する伊原。同作は、とある時代の封建社会を舞台に、主君への揺ぎない忠誠心と、不正はびこる権力の元で散っていく、気高い騎士たちの姿を描き出したドラマ。アメリカが誇る名優、モーガン・フリーマンと英国アカデミー賞受賞とアカデミー賞ノミネートの経歴を持つクライヴ・オーウェンを主演に迎え、伊原のほか、韓国人俳優アン・ソンギ、イラン人俳優ペイマン・モアディ、ノルウェー人俳優アクセル・へニー、ニュージーランド人俳優クリフ・カーティスなど各国から名だたる役者が集結した。
伊原:画面に映るときに、しっかりと自分が演じるイトーという役が存在感を発揮できるようにと意識しました。世界の名優のクライヴ・オーウェンとモーガン・フリーマンの二人との共演でしたので、彼らに見劣り負けない存在でありたいという思いを胸に撮影に挑みました。
― 日本人俳優は伊原さんお一人でしたが、世界観に溶け込み、クライヴさんやモーガンさんにも負けないくらいの存在感を発揮しているといった印象を受けました。
伊原:ありがとうございます。撮影中、モーガンと一緒に映っている自分をモニターで確認したのですが「大丈夫だ!」と自信が湧きました。
― 唯一の日本人俳優として参加された作品ですが、どのような心構えで臨んだのでしょうか?
伊原:海外で仕事をするときは「日本を背負う」という覚悟を胸に抱きます。僕を通して日本人の役者のイメージを与えるので「日本人の役者は素晴らしい」と言われるようプレッシャーを与えます。今回もある意味で日本を背負って参加しました。決して「日本の役者はこんなもんか」などとは思われたくないですからね。
― 並々ならぬ覚悟で参加されたのですね。オファーをいただいたときにはどのようなことを思ったのでしょうか?
伊原:まず、脚本を読んで「おもしろい!」と素直に思いました。自分の役も興味深く、いろんな俳優がいろんな国からやってくるということで楽しみが大きかったです。
伊原:6~7ページほどの長いセリフをなんなく覚え、パーフェクトに仕事に取り組むモーガンの姿勢は刺激を受けました。クライヴとは剣さばきの相談に乗り、撮影に挑みました。それから家族の話など談笑をすることも。同い年で、お互いに舞台出身ということ意気投合しました。また彼のお兄さんがずっと八丈島に住んでいたらしくて、日本にはよく来たことあるようで「日本はすごく好き」と言ってくれたのも嬉しかったですね。
― 他に共演者とのエピソードがあればお聞かせください。
伊原:チェコでのロケでしたが、何人かでバーへ行くなどそういった時間も楽しかったですね。それから毎日とても寒かったことも思い出です。ときにはマイナス20度に及ぶこともありました。
― 海外の作品への出演経験は豊富ですが、今作はどのような作品になりましたか?
伊原:「忠臣蔵」をベースにしたヨーロッパの騎士の物語に、日本人として唯一参加できたことは誇りです。「忠臣蔵」にある武士道とヨーロッパにある騎士道に通じるものだけを残して、架空のヨーロッパの国を舞台にしたお話ですが、「(衣装の)マント似合うのかな?」といった不安はありましたね(笑)。いろんな国で公開されるので、ここからまた次の作品へつながればいいなと思います。
伊原:僕とクライヴ、紀里谷監督にアクション監督とアイディアを出しながら作り上げたシーンです。西洋剣術ですが、紀里谷監督は「刀はまっすぐなんだけれども、どこか日本の侍の匂いを出したい」とのことで、自分なりにアレンジをしました。
― 激しいアクションシーンになっていますが、撮影はスムーズに進んだのでしょうか?
伊原:何度もテイクを重ねることはありませんでした。やはりアクションシーンは大変なので、軽く手合わせをして、全身全霊で挑みます。
伊原:お互い一生懸命でしたが日本人2人で参加して、一緒にこの作品に挑んでいるという共通した思いがありました。監督からは「どこかの国の騎士の話だけれども、ベースは忠臣蔵にあるから、日本の精神のようなものをどこかしら醸し出して、匂わせたらいいなと思っている」と演出を受けました。それから僕の役・イトーを通じて「クライヴ・オーウェンとの対比を表現したい」ともオーダーがあったので、そういうことを考えながら演じました。
― ラストシーン以外に、伊原さんが思う見どころや思い入れの強いシーンを教えてください。
伊原:スケール感ですね。日本の監督がCGなしオールロケ、世界から役者を集めて撮ったこの作品に参加できたことは本当に大きいこと。哲学的な要素も盛り込まれているので、考えさせられるものもありますよね。「忠臣蔵」がベースにありますが、武士道と騎士道には通ずるものがあると思います。東洋と西洋で異なりますが、忠誠心や義を重んじる姿勢は共通しているのだなと感じます。
― 最後に伊原さんが思う夢を叶える秘訣をお聞かせください。
伊原:抱いた夢を実現させるために何をすべきかを考えて、計画を持って、考え、実行することかと思います。何か目標がないと前には進めません。
― ありがとうございました。
海外作品出演への思いを情熱いっぱいに語ってくれた伊原。世界の名優を相手に「見劣り負けない存在でありたい」という強い意思を胸に、この先も様々な作品で存在感を発揮することだろう。(modelpress編集部)
身長:184cm
出身地:大阪
1983年に舞台「真夜中のパーティー」で俳優デビューして以来、数多くのテレビドラマ、映画、舞台に出演。1996年のNHKドラマ「ふたりっ子」への出演で一躍有名になる。2006年に、クリント・イーストウッド監督のアカデミー賞受賞作品「硫黄島からの手紙」でハリウッドデビュー。主演をつとめたブラジル映画「汚れた心」では、プンタデルエステ国際映画祭で主演男優賞を受賞した。ほか、代表作に黒沢清監督の「叫」、三池崇史監督の「十三人の刺客」、水田伸生監督の「なくもんか」、羽住英一郎監督の「BRAVE HEARTS 海猿」、本木克英監督の「超高速!参勤交代」などがある。
唯一の日本人俳優 胸に抱いた覚悟とは
― 壮大な世界観で描かれた作品ですが、役作りをするうえで意識をしたことを教えてください。伊原:画面に映るときに、しっかりと自分が演じるイトーという役が存在感を発揮できるようにと意識しました。世界の名優のクライヴ・オーウェンとモーガン・フリーマンの二人との共演でしたので、彼らに見劣り負けない存在でありたいという思いを胸に撮影に挑みました。
― 日本人俳優は伊原さんお一人でしたが、世界観に溶け込み、クライヴさんやモーガンさんにも負けないくらいの存在感を発揮しているといった印象を受けました。
伊原:ありがとうございます。撮影中、モーガンと一緒に映っている自分をモニターで確認したのですが「大丈夫だ!」と自信が湧きました。
― 唯一の日本人俳優として参加された作品ですが、どのような心構えで臨んだのでしょうか?
伊原:海外で仕事をするときは「日本を背負う」という覚悟を胸に抱きます。僕を通して日本人の役者のイメージを与えるので「日本人の役者は素晴らしい」と言われるようプレッシャーを与えます。今回もある意味で日本を背負って参加しました。決して「日本の役者はこんなもんか」などとは思われたくないですからね。
― 並々ならぬ覚悟で参加されたのですね。オファーをいただいたときにはどのようなことを思ったのでしょうか?
伊原:まず、脚本を読んで「おもしろい!」と素直に思いました。自分の役も興味深く、いろんな俳優がいろんな国からやってくるということで楽しみが大きかったです。
世界の名優 モーガン・フリーマン、クライヴ・オーウェンと共演
― モーガンさんやクライヴさんと共演して、刺激を受けたことはありますか?伊原:6~7ページほどの長いセリフをなんなく覚え、パーフェクトに仕事に取り組むモーガンの姿勢は刺激を受けました。クライヴとは剣さばきの相談に乗り、撮影に挑みました。それから家族の話など談笑をすることも。同い年で、お互いに舞台出身ということ意気投合しました。また彼のお兄さんがずっと八丈島に住んでいたらしくて、日本にはよく来たことあるようで「日本はすごく好き」と言ってくれたのも嬉しかったですね。
― 他に共演者とのエピソードがあればお聞かせください。
伊原:チェコでのロケでしたが、何人かでバーへ行くなどそういった時間も楽しかったですね。それから毎日とても寒かったことも思い出です。ときにはマイナス20度に及ぶこともありました。
― 海外の作品への出演経験は豊富ですが、今作はどのような作品になりましたか?
伊原:「忠臣蔵」をベースにしたヨーロッパの騎士の物語に、日本人として唯一参加できたことは誇りです。「忠臣蔵」にある武士道とヨーロッパにある騎士道に通じるものだけを残して、架空のヨーロッパの国を舞台にしたお話ですが、「(衣装の)マント似合うのかな?」といった不安はありましたね(笑)。いろんな国で公開されるので、ここからまた次の作品へつながればいいなと思います。
息を呑むアクション
― クライヴさんとの殺陣のラストシーンは思わず息を呑んでしまいました。伊原:僕とクライヴ、紀里谷監督にアクション監督とアイディアを出しながら作り上げたシーンです。西洋剣術ですが、紀里谷監督は「刀はまっすぐなんだけれども、どこか日本の侍の匂いを出したい」とのことで、自分なりにアレンジをしました。
― 激しいアクションシーンになっていますが、撮影はスムーズに進んだのでしょうか?
伊原:何度もテイクを重ねることはありませんでした。やはりアクションシーンは大変なので、軽く手合わせをして、全身全霊で挑みます。
紀里谷和明監督へのリスペクト
― 紀里谷監督とは日本人2人で本作に臨まれたわけですが、演出の指導などはありましたか?伊原:お互い一生懸命でしたが日本人2人で参加して、一緒にこの作品に挑んでいるという共通した思いがありました。監督からは「どこかの国の騎士の話だけれども、ベースは忠臣蔵にあるから、日本の精神のようなものをどこかしら醸し出して、匂わせたらいいなと思っている」と演出を受けました。それから僕の役・イトーを通じて「クライヴ・オーウェンとの対比を表現したい」ともオーダーがあったので、そういうことを考えながら演じました。
― ラストシーン以外に、伊原さんが思う見どころや思い入れの強いシーンを教えてください。
伊原:スケール感ですね。日本の監督がCGなしオールロケ、世界から役者を集めて撮ったこの作品に参加できたことは本当に大きいこと。哲学的な要素も盛り込まれているので、考えさせられるものもありますよね。「忠臣蔵」がベースにありますが、武士道と騎士道には通ずるものがあると思います。東洋と西洋で異なりますが、忠誠心や義を重んじる姿勢は共通しているのだなと感じます。
― 最後に伊原さんが思う夢を叶える秘訣をお聞かせください。
伊原:抱いた夢を実現させるために何をすべきかを考えて、計画を持って、考え、実行することかと思います。何か目標がないと前には進めません。
― ありがとうございました。
海外作品出演への思いを情熱いっぱいに語ってくれた伊原。世界の名優を相手に「見劣り負けない存在でありたい」という強い意思を胸に、この先も様々な作品で存在感を発揮することだろう。(modelpress編集部)
伊原剛志(いはら・つよし)プロフィール
生年月日:1963年11月6日身長:184cm
出身地:大阪
1983年に舞台「真夜中のパーティー」で俳優デビューして以来、数多くのテレビドラマ、映画、舞台に出演。1996年のNHKドラマ「ふたりっ子」への出演で一躍有名になる。2006年に、クリント・イーストウッド監督のアカデミー賞受賞作品「硫黄島からの手紙」でハリウッドデビュー。主演をつとめたブラジル映画「汚れた心」では、プンタデルエステ国際映画祭で主演男優賞を受賞した。ほか、代表作に黒沢清監督の「叫」、三池崇史監督の「十三人の刺客」、水田伸生監督の「なくもんか」、羽住英一郎監督の「BRAVE HEARTS 海猿」、本木克英監督の「超高速!参勤交代」などがある。
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