「キスブサ」成功の秘密は“リアリティ” 「あいのり」「テラハ」から月曜23時の伝統引き継ぐ
2015.06.08 08:00
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7人組グループ・Kis-My-Ft2の冠番組『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系、毎週月曜 後23:00)が、6月1日放送回で番組最高視聴率8.7%を記録した。2012年に単発番組としてスタートし、3年。メンバーが “自分のカッコよさが最も出る瞬間”を競いランキングする名物コーナー「キスマイBUSAIKU!?ランキング」が話題となり、放送枠の昇格を重ね、今年の4月からは『あいのり』『テラスハウス』など数々の伝説番組を生み出してきた月曜23時枠に移動。ジャニーズなのに“ブサイク”という検索ワードが多く上がってしまう彼らが“かっこいい男”を目指す、という型破りなスタイルが受け、回を追うごとに番組ファンを増やしている。モデルプレスでは今回、番組の成功の秘密を探るべく、演出の木月洋介氏、プロデューサーの河本晃典氏にインタビューを行った。
『あいのり』『テラスハウス』の流れを汲む進化系“リアリティ番組”
「彼らに新しいことを挑戦させたい。難易度の高いお題にチャレンジさせていきたいっていうのが23時枠に移動してからのやり方です。予定調和にならないってことがこの番組のテーマです。『彼らの本気度』と『一般女性の辛辣な意見』が予定不調和を生んでいます」(木月氏)。『あいのり』『テラスハウス』といったリアリティ番組を生み出してきた月曜23時枠は、長年積み重ねてきたブランド力によりF1層(20歳から34歳までの女性)からの支持が厚い。恋愛や人としての成長を軸としたそれとは、一見方向性の違うように見える『キスマイBUSAIKU!?』だが、木月氏が「恋愛がテーマでもあって、メンバーが本気で取り組んでいるというリアリティもある。そして男に対して『何コレ!?』って言える要素もあるのに、キュンとできる要素もある」と語るように、2番組と根底は同じ。
昨今、『あいのり』『テラスハウス』のように学生や職場でオンエアの翌日に“話題にしたくなる番組”というものが減ってきたようにも感じるが、『キスマイBUSAIKU!?』はその系譜も引き継いでいる。「放送後には、トレンドワードになることも多いですし、学校で話題にしてくれたら嬉しいですね。予告だけでトレンドワードになることもあるんですよ。意識していたわけじゃないんですが、23時になってからはその反響は余計感じています」(木月氏)と、視聴者は「誰かに話したくなる」という欲を刺激されているようだ。
実験的な番組作り――変わらぬスタイルを貫く
また、見知らぬ男女がワゴンで旅をする『あいのり』、シェアハウスで生活する『テラスハウス』と同じく、どこか実験的な番組作りも人気の秘訣。2012年、記念すべき第1回目の放送に向け撮影されたテーマは「カラオケでキス」「シャワーの浴び方」(第1回放送)「家への誘い方」(第2回放送)の3つ。かっこいいと思うシチュエーションをBGM付きでひとつの作品として作り上げる“PV風”の「シャワー」、ロケを行い作りこんでいく“ドラマ仕立て”の「家への誘い方」、そして現在のスタイルに最も近い“隠し撮り風”の「カラオケキス」。
「その3つは本当に実験だった。その中から“隠し撮り風”が一番彼らの緊張感を出せることが発見できたので、そこで番組の方向性が決まりました」(木月氏)。
実際、「現場はどこにカメラがあるか、ほとんど分からないようになっています。隠れているから演じる側は2人きり。その分緊張するし、それがいい」(河本氏)と、現在も番組開始当初から同じ撮影スタイルを貫いている。一般女性100名のアンケートによって決定するランキングについても、「ずっと同じ。本当にリアルな意見ですし、そこを変えたらいけないと思っています」(木月氏)と、変わらない。
視聴率に一喜一憂しない姿勢
6月8日放送回では「耳つぶ」がテーマ。これまで「壁ドン」「肩ズン」「袖クル」などを実践してきたキスマイが、新たな胸キュンシチュエーションに挑戦する。女性の「観たい」ツボを抑えたテーマ設定は番組の肝だが、構成会議は「男ばっかりです。というか男だらけでやってます(笑)」(河本氏)。
「一回の視聴率の良し悪しにはあまり振り回されずに、面白かったら次またやろうってなりますね。男性は女性の視点とは違った目線で観ているんですよね。最高視聴率だった、ローラさんとの遊園地デートもそうですけど、『こうやってやればいいんだ』『これがダメなんだ』と学ぶ視点で観てるのが男性。女性は妄想するし置き換えて観てるから、そのズレがいいんですよ。それぞれの反応を知って、こうも違うのかって、一般女性の意見を見ると僕らも毎回驚きます。ロケの時点では僕ら男性にはカッコ良く見えたものが、多数の一般女性意見には辛口で否定されるなど。そのズレが“予定不調和”を生んでいる」(木月氏)。
“予定不調和”はメンバーが番組に対して真剣に取り組んでいる証でもある。「ふざけないで、真剣にやってくださいと言っています」(木月氏)、「真剣だから、メンバーは7位になると本気で落ち込んでいます」(河本氏)と、その現場はやはりリアリティで溢れている。
「ネタ切れにならない」“予定不調和”が新たなムーブメントを生む
今後の展望について「いろいろ試してみたい。ネタ切れかって、よくTwitterで書かれてるけど、そんなことないんです」と木月氏が語ると、河本氏は「やりたいことがいっぱいあるから、ネタ切れにならない」と笑った。月曜23時枠に昇格してからは「さらに挑戦」(木月氏)。その挑戦は早速波乱を巻き起こしているようで、「『耳つぶ』では、上位常連の藤ヶ谷(太輔)と玉森(裕太)が、1位と7位のどちらかです」(木月氏)と予測不可能な展開が待っている。
視聴率にこだわらない番組作りとリアリティを追求した『キスマイBUSAIKU!?』。伝統ある枠でまたひとつ、新たな一大ムーブメントが生まれる予感がする。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】
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