高月彩良×有村架純「思い出のマーニー」、抜擢へのプレッシャーと人生を変えた出会いを語る モデルプレスインタビュー
2014.07.19 06:00
views
7月19日公開のスタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」。ジブリ作品初のWヒロインに抜擢されたのは、女優の高月彩良(16)と有村架純(21)。モデルプレスでは、今最注目の2人にインタビューを行い、作品への思いやお互いの印象、そしてそこから垣間見える素顔に迫った。
ひと夏の友情物語
同作は、イギリスの作家ジョーン・G・ロビンソンによる同名児童文学が原作。海辺に暮らす養母の親せきに預けられることになった少女・杏奈と、海辺に佇む“湿っ地屋敷”に暮らす金髪の少女・マーニーの織りなすひと夏の友情物語。ヒロインはオーディションによって選出され、高月は杏奈役を有村はマーニー役を演じる。監督は、「借りぐらしのアリエッティ」を手がけた米林宏昌監督。長年ジブリ作品を支えた宮崎駿と高畑勲の両監督が関わらない初の長編作品としても高い注目を集めている。
スタジオジブリ最新作のヒロイン…プレッシャーは「もちろんあった」
― ジブリのヒロインに決定したときの率直な心境を教えて下さい。高月彩良:去年このオーディションを受けに行ったんですけど、今年に入ってからも連絡が来なかったので「ダメだったんだな」って落ち込んでいたんです。そうしたら「もう一度受けに来てください」って連絡をいただいて。そしてもう一度受けさせていただき、そしたらオーディションのその場で米林監督から「あなたが杏奈です」って台本を差し出されたんです。最初は何のことだか全然分からなくて、それが合格だって意味だとは思いませんでした。思っても見なかった形で発表されたので、びっくりしましたが、監督から直接言ってもらって夢みたいで本当に嬉しかったです。
有村架純:実は私、オーディション初日の1番最初に受けたんです。なので、正直なところ、自分のあとに何百人も受けるから、1番最初に聞いた自分の声なんて覚えてないだろうって思ってたんです。でも、思い切ってとにかく楽しんでやろうって気持ちでやったし、実際にすごく楽しめたので、自分の中で精一杯やりきったって感覚はあったんです。それで、そこから2ヶ月くらいして、「マーニーに決まったよ」ってマネージャーさんから連絡があったんですけど、信じられなくて…。「嘘ですよね?嘘ですよね?」って何回も確認してしまいました(笑)。とにかく嬉しかったのと、信じられなかったというのがそのときの心境です。
― それぞれ違った形での合格だったんですね。大作へ挑むプレッシャーは?
有村:もちろんありました。私でいいのかなって。
― そのプレッシャーを跳ね除けるために、どんな役作りをしたんですか?
有村:とにかくマーニーって女の子を理解しようと思って、バックボーンを考えました。あとは、最初にマーニーに抱いた“品のいいお嬢さん”ってイメージを想像して演じていました。直感を大事にして、最初に作った外枠を活かしたまま中身を考えていったって感じです。
高月:普段の自分の声で受けて、受かったので、あえて声を作ったりはしませんでした。事前に米林監督から杏奈の生い立ちを書いた年表をいただいたので、それを参考にして、杏奈に臨みました。
高月彩良&有村架純、お互いの印象は?
― なるほど。普段、女優のお仕事をメインに活動されていると思いますが、声だけのお芝居というのはいかがでしたか?
高月:初めてのことだったので、本当に難しくて…。普段の生活で使わないような声の表現をたくさんするんですよ!驚くとき普段は「うわっ」て声に出して言うけど、アニメーションだと「ハッ」って息だけで表現したり。そういう細かいところの発声が特に難しかったです。
有村:お芝居をするって上では何もスタンスは変わらないですけど、絵と合わせて声を出すっていうのが難しかったです。
― 初共演ということですが、お互いの印象を教えて下さい。
有村:一見クールビューティに見えるんですけど、可愛らしい一面も沢山あるんです。今回、お仕事に対してすごく真面目にがむしゃらにひたむきに取り組んでいる姿を隣で見ていて、すごい素敵な方だなって思いました。刺激を受けて自分頑張ろうって思えましたね。
― 高月さん、大絶賛ですね!
高月:いやいや…褒めすぎです(照)。やめて…(笑)。有村さんはすぐに私に打ち解けてくださって、「テレビで観たまんまの有村さんだ!」っていうのが第一印象でした。アフレコでも、納得行くまで何回もトライしてる姿を見て、すごくストイックな方だなって尊敬していました。あと……すごく笑顔がかわいいです!
有村:ハハハ(笑)。
高月:ほら!可愛くないですか!?本当に可愛いんです!
人生を変えた出会いを語る
― 素敵な関係性ですね。映画では、杏奈がマーニーという大切な人に出会って、深く関わっていくことで変わっていきますが、ご自身でそういった経験はありますか?
有村:そうですね、やっぱり人が変わるときって、周りの人の助けがあってこそなのかなって思うんです。自分自身気付いて変われるっていうのが一番理想なんでしょうけど、私も人に気付かされるってことが多くて。特に、この仕事を始めてからは人によって何か気付かされるばかりです。
― 具体的に何かエピソードが?
有村:自分の嫌なところだったりコンプレックスだったりに縛られて、「私はこうじゃない」って変なプライドが捨てきれない時期があったんです。でも、それを言い続けることで逆に自分で自分の首を締めていて。私、本当は性格的に明るいってわけじゃないんですよ。そんなに常にテンションが高いわけじゃないし、基本暗いとは思うんですけど、人に暗いって言われるのがすごい嫌で。で、そこからは「私は本当は明るいんです」って言ってたけど、実際はそうじゃないので、そのギャップに苦しめられて…。そんなときにある方から、「暗いってことを自分で認めて私は暗いんです、でもこういうこともできるんですって思った方が楽じゃない?」って言葉をいただいたんです。それを聞いて、納得して、そこからすごい楽になって、自分の悪いところとかコンプレックスとか受け入れられるようになったんです。
― すごくいい出会いがあったんですね。
有村:そうですね。少しずつ自分の嫌なところとかが、「私はこうだからしょうがない」「私はこうなんですよ。でも、こういう風にできるんですよ」とか、ポジティブなように考えられるようになって。それが自分の中では、一番大きかった出会いです。
― 高月さんは、いかがですか?
高月:「思い出のマーニー」が私を育ててくれたなって、今実感しています。物語の中で杏奈は成長していくんですけど、アフレコをしていく内に私もたくさんの事を学んでいけたとなって思っています。この作品との出会いは本当に大きかったし、杏奈に助けられたなって思いました。
大きな夢を掴んだ2人が考える“夢を叶える秘訣”
― では、最後になりますが、そんなお2人から夢を追いかける読者に向けて“夢を叶える秘訣”を教えてください。
高月:自信を持つことですかね。いつもオーディションを受けるときに、不安になっちゃって自信を持てなくなったりするんですけど、今回のオーディションを受けるって聞いたときには「絶対受かりたい」って思ったんですよ。マネージャーさんにも絶対受かるって断言してたし、そのくらい自信を持ってオーディションに挑んだら、本当に受かったので、気持ちって大事だなって思います。
有村:夢を叶えるためには、口に出すことがすごく大事だなって思ってます。声のお仕事をマネージャーさんとやりたいねってずっと言っていたんですけど、そういう中で今回のオーディションのお話が来たんです。最初は正直「受かるかな~」って言っていたんですけど、途中から「いや、受かる!大丈夫!」って言っていました。そしたら本当にそういう風になって、言霊ってあるんだなって。「私はダメだ」とかじゃなくて、「大丈夫」って口に出してみてほしい。未来のいい自分をイメージしてみることが大事かなって思いました。
― ありがとうございました。
質問の意図を即座に感じ取り、自分の意見を的確に伝えようとする有村。そして、じっくりゆっくりと考えながら、自分の言葉を探していく高月。2人の対比は、まるでマーニーと杏奈そのもの。映画の中からそのまま飛び出してきたような2人のやりとりや関係性を見ていると、この役は2人にしかできなかった大役だと確信させられる。マーニーと杏奈が硬い友情で結ばれたように、「ジブリのヒロイン」というプレッシャーを共に分かち合った2人は固い信頼で結ばれている。普段、女優として活躍する高月と有村が“声”だけで表現するその“絆”は見逃せない。(モデルプレス)
■「思い出のマーニー」
公開日:2014年7月19日
監督:米林宏昌
キャスト:高月彩良(杏奈)、有村架純(マーニー)、松嶋菜々子(頼子)、寺島進(大岩清正)、根岸季衣(大岩セツ)、森山良子(老婦人)、吉行和子(ばあや)、黒木瞳(久子)
海辺の村の誰も住んでいない“湿っ地屋敷”。心を閉ざした少女・杏奈の前に現れたのは、青い窓に閉じ込められた金髪の少女・マーニーだった。「わたしたちのことは秘密よ、永久に。」杏奈の身に次々と起こる不思議な出来事。時を越えた舞踏会。告白の森。崖の上のサイロの夜。ふたりの少女のひと夏の思い出が結ばれるとき、杏奈は思いがけない“まるごとの愛”に包まれていく。
■高月彩良プロフィール
生年月日:1997年8月10日
出生地:神奈川県
身長:168cm
血液型:A型
2008年にスカウトされデビュー。その後は、「オトメン」「逃亡弁護士」「GTO」「ブラック・プレジデント」など数々の話題作に出演。2012年オーディションにより1000人の中から舞台「BASARA」の主演に抜擢される。2010年~2014年6月まで女優の桜庭ななみらとともに「bump.y」としてアーティスト活動も行っていた。
■有村架純プロフィール
生年月日:1993年2月13日
出生地:兵庫県
身長:160cm
血液型:B型
2010年「ハガネの女」(テレビ朝日系)でドラマ初出演を果たす。その後は、「SPEC」(2010年、TBS系)、「11人もいる!」(2011年、テレビ朝日系)など数々の作品に出演。2013年放送のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、小泉今日子の若かりし頃を演じブレイクする。今秋には初主演舞台「ジャンヌ・ダルク」の公演が控えている。
【Not Sponsored 記事】
関連記事
「インタビュー」カテゴリーの最新記事
-
吉柳咲良「御上先生」圧倒された共演者とは「無意識に負けた気持ちになる」切磋琢磨の撮影秘話明かす【インタビュー】モデルプレス
-
比嘉愛未、岩田剛典は「パーフェクト人間」互いに助けられた瞬間・リスペクト語る【「フォレスト」インタビュー】モデルプレス
-
高橋ひかる、初の医師役で感じた悔しさ 芳根京子ら“同期”は「高め合える仲間」【「まどか26歳、研修医やってます!」インタビュー】モデルプレス
-
【PR】新ガールズグループ・moxymill誕生!オーディション番組「SEVEN COLORS」発の6人にデビューの心境を直撃「これがスタートだなって」「信じられない気持ち」株式会社NTTドコモ・スタジオ&ライブ
-
鉄拳、大河「べらぼう」での浮世絵は自ら描く 1ヶ月間1日4時間特訓「老眼で視点が合わなくなった」【インタビュー後編】モデルプレス
-
鉄拳、素顔での大河「べらぼう」出演がネットで話題に 公開に踏み切った理由とは「あまり見せたくないとも思ったんです」【インタビュー前編】モデルプレス
-
コットン、夢を叶える秘訣は“良い相方” SixTONES松村北斗のコント師ぶりも絶賛「来世は芸人で」【インタビュー】モデルプレス
-
蒔田彩珠「御上先生」明るい役柄に葛藤「助けられた」「念願の共演」…キャスト陣との撮影裏側語る【インタビュー】モデルプレス
-
【PR】前田敦子&板野友美、AKB48から20年続く“リスペクトし合える関係”「いい意味で何も混じり合わない」お互いの魅力を深く語る<インタビュー>株式会社KEAN Health