芳根京子の“視線”、King & Prince高橋海人の“間” 互いの芝居に食らった瞬間【「君の顔では泣けない」インタビュー後編】
2025.11.02 12:00
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女優の芳根京子(28)、King & Princeの高橋海人(※「高」は正式には「はしごだか」/26)が、映画「君の顔では泣けない」(11月14日公開)で初共演。多彩な魅力を持った2人が芝居を交わして感じたこととは――それぞれ受けていた刺激は、確かな化学反応を生み出した。【後編】
芳根京子&高橋海人、互いの魅力語る
― 今回が初共演ですが、共演前はお互いどのような印象をお持ちでしたか?芳根:テレビで拝見していて、すごくいろいろな才能のある方でお芝居も素敵だなと思っていたので、どんな化学反応が起きるんだろうとワクワクした気持ちでした。
高橋:なんというか、芳根ちゃんは意図していなくても自然に持っているエネルギーが出ている、人間としてのエネルギーがすごい方だなと思っていて。それは現場に入っても変わらずでした。でもそのエネルギーがいいものづくしで、そんな人なかなかいないなって思って。
芳根:すごい褒めてくれるんですよ(笑)!
高橋:いやもうめっちゃ素敵ですよ!だからそういうイメージは変わらず、僕はずっと太陽の光を浴びているような感覚でした。
芳根:それで言うと、私はバラエティー番組とかを観ていて「ちょっと不思議な方なのかな」と思っていたんですけど、全然違って…すっごい不思議な方でした(笑)。
高橋:あはは(笑)。ちょっとじゃなくてすごかった(笑)?
芳根:はい(笑)。
高橋:やめてください(笑)。地に足つけて生きていこうと思ってるんですよ!
芳根:でもそれが魅力的なんです。掴めないけど、それが嫌な感覚ではなくて、見ていて面白い。すごく柔らかくて不思議な人だなぁと思って。
高橋:嬉しいです。
芳根:なんかほわほわ飛んでいっちゃいそうと思っていました(笑)。
芳根京子の“視線”、高橋海人の“間”
― お互いのお芝居ですごいと感じた場面はありましたか?高橋:お互いがお互いの精神性や向き合い方に対して「うっ」となる瞬間だったり、安心する瞬間だったり、たくさんあると思うんですけど、自分が勝手に感じていたのは、目が合うときと合わないときの差みたいなものでした。そこが結構お芝居していて食らったというか、「うわ~」とか「なるほど、今そういう感じなのね」みたいに感じる瞬間はありました。そういう目が合うか合わないかという視線まで駆使して演じられているんだと思って、そこはちゃんと自分も応えたいなと感じていました。
― 芳根さんは高橋さんのお芝居を受けていかがでしたか?
芳根:間が絶妙なんですよね。あの車のシーンとかも…
高橋:ああ~!!(思い出しながら)
芳根:気まずかった(笑)!
高橋:あの間、一番気まずいよね(笑)。
芳根:でもそういう高橋くんの空気に自分もブレちゃいけないし、持っていかれることがあっても、もちろん陸として戻らなきゃいけない。すごく柔軟な方だからこそ、こっちも柔軟でいなきゃいけないというのを改めて感じさせてもらえたシーンがすごくいっぱいありました。
芳根京子が意識したマインドチェンジ「すごい軽くなった感覚があった」
― 本作では陸とまなみの葛藤や迷いも描かれていますが、私たちも少なからず人間関係や社会の中で“演じている”部分があると思います。お二人はこのお仕事をしていて“演じる自分”と“本当の自分”のギャップに悩むことはありますか?芳根:確かに特殊なお仕事ではありますが、私が周りの方と同じだと思うのは、自分がそこで何をすべきかは現場によって違うということ。だからその瞬間瞬間に対応しているという感覚で、それはどれも決して自分じゃないわけではない。それがまず前提にあります。やっぱり昔はテレビに出ている自分と家にいる自分の差にやられてしまうこともあったけれど、「ううん、全部私」と考えるようになりました。どれも別に作っているわけではなくて、本当のことを思って言葉を発している。思って表現している。「だからいいんだよ」と自分で自分を受け入れ始めたら、すごい軽くなった感覚があったんです。
それを高校の同級生に話したことがあって、その子もその感覚は同じだったんですよね。「会社にいるときと家に帰ったときの自分ってなんかギャップを感じる」「でもどれもその瞬間この場で一番いい自分を選んでいるだけで自分だからね」って。ちょうどこの前もその子と会ったときに「あの時期はもう抜けて、今ちょっと落ち着いたね」と話していました。なので「どれも自分で嘘はない」「自分が一番自分を信じよう」と思っています。
― そのマインドチェンジのきっかけとなる出来事が何かあったのでしょうか?
芳根:家に帰ってどっと疲れるみたいなことが多かったので、何をどう無理しているのか考えてみたときに、いろいろ発想を変えたらちょっと軽くなったというか。やっていることはあんまり変わらないけど「いや、別に自分で追い込む必要ないよね」と自分と向き合ったらすごく軽くなりました。
高橋海人、落ち込んだときに思い出す“これまでの歩みと選択”
― 高橋さんはいかがですか?高橋:今の言葉聞いて「いいな…」と思いました。
芳根:じゃあ以下同文(笑)?
高橋:以下同文にしたいぐらい(笑)、自分が好きな言葉でした。やっぱり自分の哲学を持っている人ってすごく強いなと。人生って感情でめちゃめちゃ左右されているなと思うから、哲学は大事だなと思いました。
― 高橋さんは自分の人生を生きるために意識していることはありますか?
芳根:それこそライブの後とかは何かあるんじゃない?
高橋:表に立っている自分を知ってくれている人からしたら、もしかしたら表じゃない自分は全然違うなと思われるかもしれないし、今、世間のみんなに知ってもらっている自分って100%じゃなくて、自分の中のある部分しか出ていないから、その一部だけで自分を判断されちゃうのはもったいないなと思ったりもする。だけどやっぱり人間が人間を知ろうとするとき、誰も100%知れるわけじゃないし、知っていこうとするのもたくさんの時間がかかることだから。
芳根:自分でも自分の100%ってわからないもんね。
高橋:わからないです。人に言われて「そうなんだ」って思うことも多い。だからあまり考えずに流れに身を任せて、だけど「自分のことだけはめちゃくちゃ信じていよう」というのは思っています。世間に人たちにどう思われていたって、やっぱり自分が自分のことを愛せていないと、人のことも愛せない。
自分もめそめそしてしまう時期がすごく長くあって、今でもたまにめそめそしちゃうことはあるんですけど、そういうときは自分が今まで歩いてきたこと、経験したこと、選択してきたこと、それらに対して自信を持てていないとダメだなって考えるんです。そうやって自分がブレなければ周りにも徐々に伝わっていく。何を言われていようと、その意見を変えるチャンスはいっぱいあると思っています。
― 貴重なお話をありがとうございました。
取材こぼれ話
2人の明るさで終始ほのぼのとしたムードに包まれていた取材現場。スチール撮影で笑顔をリクエストすると、高橋が「イェーイ!やったー!」と突然言い出し、芳根へ「これ言うと笑顔になれるよ!」と伝授。2人は合言葉のように「イェーイ!やったー!」を繰り返し、オリジナルの掛け声に周囲のスタッフ陣も笑いに包まれた。撮影しているうちに本当に笑みがこぼれ、2人が「(笑いすぎて)目がなくなってるかもしれない(笑)」「絶対そうなってる(笑)」と写りを心配する場面もあったが、おかげで最高の笑顔をたっぷり収めることができた。(modelpress編集部)
芳根京子(よしね・きょうこ)プロフィール
1997年2月28日生まれ、東京都出身。2013年に「ラスト シンデレラ」(フジテレビ)で女優デビュー。2015年に「表参道高校合唱部!」(TBS)でドラマ初主演を務め、2016年にNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」のヒロインを演じた。近年の主な出演作は映画「ファーストラヴ」(2021)「Arc アーク」(2021)「カラオケ行こ!」(2024)、ドラマ「それってパクリじゃないですか?」(日本テレビ/2023)「まどか26歳、研修医やってます」(TBS/2025)「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ/2025)など。高橋海人(たかはし・かいと)プロフィール
1999年4月3日生まれ、神奈川県出身。2018年、King & PrinceのメンバーとしてCDデビュー。同年のドラマ「部活、好きじゃなきゃダメですか?」(日本テレビ)で初主演を務め、2023年のドラマ「だが、情熱はある」では、第116回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主演男優賞を受賞。近年の主な出演作にドラマ「95」(テレビ東京/2024)「わが家は楽し」(TBS/2025)「DOPE 麻薬取締部特捜課」(TBS/2025)、映画「おーい、応為」(2025)など。
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