モデルプレスのインタビューに応じた木村カエラ (C)モデルプレス

木村カエラ「Butterfly」で訪れた最大の転機とは ファッション・ヘアに込められた“メッセージ”<モデルプレスインタビュー>

2018.11.20 07:00

デビュー15周年を目前に控えるアーティストの木村カエラが、11月21日にミニアルバム「¿WHO?」(読み:フー)をリリースする。千葉雄大主演ドラマ「プリティが多すぎる」の主題歌『COLOR』、「JAL ホノルルマラソン 2018」のオフィシャルソング 『Run to the Rainbow』を含む全5曲が収録された本作は、“いろいろなカラーに変化できる木村カエラ”が詰まった1枚。モデルプレスは、「作品をつくる楽しさを再確認できた」というアルバム制作についてはもちろん、この15年の歩みを振り返ってもらいながら、歌への思いの変化、ファッションやヘアスタイルのこだわりなどたっぷりと話を聞いた。

木村カエラ、ミニアルバム「¿WHO?」に込めた思い

― 今回のミニアルバムの制作はどんなところからスタートしたんですか?

木村:来年15周年を迎えるんですけど、タイアップが決まっていた曲がたくさんあったので、オリジナルアルバムを作るとなった時、この曲たちをそこに入れるかどうかというところからスタートしました。タイアップ曲ということで全てバラバラではあるんですけど、誰かが元気になればいいなというポジティブな思いで作ったというのはすべて共通していることなので、それを一つにまとめたいなと思ったんです。

木村カエラ「¿WHO?」(11月21日発売)初回限定盤ジャケット/提供画像
木村カエラ「¿WHO?」(11月21日発売)初回限定盤ジャケット/提供画像
― どの曲もそれぞれカラーは違うのに、どれも背中を押してくれるような曲になっていますね。

木村:この曲たちを最初に聴いた時に、「木村カエラが1人で歌っているのに全然カラーが違ってすごいね」っていう話になったんです。「全部違うけど、でも木村カエラなんだよね」って。それが私らしさでもあるのかなと。「いつでも自分らしくいたい」というのは私自身がテーマにしていることでもあって、だったら“自分探し”だったり、“自分らしくありたい=個性”っていうものをこのミニアルバムのテーマにしようと。自分自身がなりたいと思えばどんな自分にでもなれる、自分次第で可愛くも醜くもなってしまうっていう意味合いを込めて『¿WHO?』というタイトルになりました。

木村カエラが語る“COLOR”、インスパイアされた人物とは

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス
― ドラマ「プリティが多すぎる」の主題歌でもあるリード曲の『COLOR』はまさに“個性は自由”というテーマに繋がっていると思いますが、カエラさん自身の学生時代を思い出しながら作ったそうですね。

木村:原宿をテーマにしたドラマなんですけど、観たときに、「Zipper」や「CUTiE」のような当時の雑誌に近いイメージが湧いたんです。私自身原宿が大好きで、10代の頃はそういった雑誌に出たいと強く思ってよく原宿に行っていました。それで、今の原宿にはどんな子がいるのかなと見ていたときに、ジェンダーレスモデルの中山咲月さんを見つけて。その子を見た瞬間にほとんどの歌詞がバンって浮かんだんです。“どんな壁も枠もさあ飛び越えていけ”っていう歌詞が生まれて。すべての人が持つ個性は自由でキレイだっていうことを伝えたいなって思いでこの曲ができあがったんです。

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス
― 個性という意味もある“COLOR”は、2012年にリリースされたスタイルブックのタイトルにもなっていますよね。カエラさんにとって特別なワードなのかなと思ったのですが。

木村:そうですね。私にとって色、個性っていうのはすごく好きな言葉で何度でも使いたくなるんですよね。デビュー当時から「現実が白黒で夢の世界はカラフル」っていうイメージをずっと持っているんです。だから夢の中ではどんな色を使ってもいい、どんなことを夢見ていいって。ファッションもそうで、普段はモノトーン系の服しか着ないんですけど、木村カエラになる時はめちゃくちゃカラフルな服を着たがるんです。それは、歌ったり作品を作ったりすることは私にとって夢みたいなことだから。そういった意味でもCOLORという言葉はすごく夢のあるイメージで好きなんです。

木村カエラのファッション・ヘアスタイルへのこだわり

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス
― そういった思いがファッションにも影響しているんですね。

木村:普段はわりと地味な格好をしています。可愛い服も好きなんですけど、古着とか長く着ているものが好きなんです。靴もTシャツも何回も洗って破れたりしているのが好きなので、そういう服を着ていると友達に「ちょっと、木村カエラなんだからちゃんとしなよ、派手な服買いに行きなよ」って言われるんですけど(笑)、絶対買わないんですね(笑)。

― その分ヘアスタイルで遊ぶ?

木村:髪はその時やりたいことを今までやってきたので、振り返るとなんかもう恐ろしいですよね(笑)。でも常に変わっていたいっていう気持ちはあります。誰もやっていない髪型をやりたいって。今はみんなすごく自由に髪型で遊べる時代だから誰もやっていない髪型っていうのがなくて探すのがなかなか大変なんですけど(笑)、その欲はずっと続いてます。

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス
― どういったところからヘアスタイルのインスピレーションを受けるんですか?

木村:それこそ作品によって自分の中でその曲の色が見えるんです。「この曲は緑!」と思ったら緑にしちゃうし、思いっきり短くしちゃったり。その色に染まらないと気がすまなくなっちゃうので1曲1曲髪の毛が変わってきているんです。

― じゃあカエラさんが髪の毛を変えたなっていうタイミングは…

木村:新曲が出る時です(笑)。今回はこの色の曲なんだなと思ってもらえたら。

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス
― 今のヘアスタイルはこのアルバムに収録されてる曲のイメージが反映されている?

木村:そうですね。『COLOR』のときに変えたんですけど、何色にも染まる白をイメージして白にしました。それからいろんな雑誌やメディアだったり、表に出るってことで、おでこを出した“表スタイル”です(笑)。

木村カエラ、まもなくデビュー15周年…ターニングポイントを語る

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス
― 来年は15周年ということで、改めてデビューからこれまでを振り返ったときに、一番のターニングポイントだったなと思うのはいつ頃ですか?

木村:5周年ライブを横浜赤レンガパークでやった時に、なんとも言えない気持ちになったのを覚えています。ちょうど『Butterfly』を出した頃ですごくたくさんの方がライブに来てくれたんです。もともと私のハードな曲が好きだったファンの方とは別に、子供から大人までたくさんの人が木村カエラを認知していて、みんなが『Butterfly』を歌える。その時に、「ああ、もっと大きくならなきゃ」って気持ちが芽生えたのを覚えています。

― 周りの環境が変わったポイントでもあったんですね。

木村:もともとすごくネガティブで、自分のストレス解消とすべてを吐き出したいっていう思いから歌を始めたのが、だんだんと作品の先には人がいるんだという思いが強くなっていった頃でした。その意識の違いはこの15年で一番大きく変わったところだと思います。

「“木村カエラ、何やってんの?”って思われるようなことをしていたい(笑)」

― ではこれからの15周年とその先のビジョンについても聞かせてください。

木村:自分の中では15周年よりも20周年に気持ちが向かっていて。デビュー当時、「女性アーティストで10年続くのはなかなかいないですよ」って周りの大人にすごく脅されたんですよ(笑)。で、その時の私は反発しかしないパンクな女の子だったので。じゃあやってやるよ!って感じで10年やってきたので、あと10年も続いたじゃん!って言いたいし、楽しくいたいですね。ここまで積み上げてきたものをもう一度再確認して、自分にしか出来ないことをこの5年でやりとげることが目標です。フェスもやりたいし20周年ミュージアム的なものもやってみたい。みんなに「木村カエラ、何やってんの?」って思われるようなことをしていたいです(笑)。

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス

木村カエラ、自分を見つめ直した2018年 被災地への思いをアルバムに

― 新しい挑戦でいうと、2018年は絵本を出版されたりと、様々な挑戦があったと思います。

木村:ずっとやりたかった絵本を出版できたことはすごく大きいです。大人になって視野が広がっていた部分を、もう一度きゅっとまとめる作業ができた気がするんです。「あ、そうだ、私ってこうだったな」という部分を再確認できた。それに、絵本を作っている時に、この絵本を読んでたくさんの子供たちが元気になればいいな、笑顔になるといいな、辛い人がいたらこれで元気になればいいなっていう気持ちをずっと持続したまま作れていたんですよね。その感覚がめちゃくちゃ面白くって。15周年一歩手前で作品をつくることの楽しさを確かめることができた1年だったと思います。

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス
― 自分を見つめ直す時間でもあった。

木村:私の先にいる人たちが元気になってほしいっていうのが今の私の原動力になっていると思うんです。それが見えてきた年だったなと。実はこのミニアルバムを作っているタイミングで、日本でいろんな災害が起きていて、悲しい思いをしている人や辛い思いをしている人がたくさんいらっしゃる中で、自分に何かできることはないかと考えて、私がいつも聴いて元気をもらっている「Tomorrow」を、アルバムの最後に入れることにしたんです。歌で全国のみんなを元気にしたいという思いがこのアルバムにも繋がっています。

木村カエラが語る“夢を叶える秘訣”

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス
― では最後に、夢に向けて頑張る読者へ向け、“夢を叶える秘訣”のアドバイスをお願いします。

木村:まず口に出すこと。私もデビュー前は歌手になるってずっと言ってきたんですけど、言ってしまったらもうそれを叶えないとカッコ悪いじゃないですか。歌手にならなきゃやばいって思ってましたね。絵本も10年くらい言い続けてようやく描けているので、言ってしまえばこっちのもんっていう気持ち。自分を信じるというよりも、ずっと口に出していれば信じられるようになるんじゃないかなと思います。

― ちなみに今よく言っているようなことはありますか?

木村:やりたいことはずっと車の中で言ってますね。あれやったら面白くない?これ面白くない?ってずっと(笑)。でもこの間すごく悔しかったことがあって!私「アドベンチャー・タイム」っていうアニメが大好きで、車に乗ってるときにたまたま「アドベンチャー・タイム」を見つけて、いつか絶対コラボするって言ってたんです。その何時間後に家に帰ってインスタを開いたらハイスタ(Hi-STANDARD)の難波(章浩)さんが「コラボします!」ってなってて!

― (笑)

木村:すぐマネージャーさんに連絡して、「ちょっと見てーやられたー!」って(笑)。もちろん言葉にしても叶わないことだってあると思いますけど、その悔しさからまたきっと次が見えてくるんじゃないかなと。口に出して一個一個クリアしていくことが夢への近道だと思います。

― 素敵なお話、ありがとうございました。

(modelpress編集部)

木村カエラ (C)モデルプレス
木村カエラ (C)モデルプレス

木村カエラ ミニアルバム『¿WHO?』

11月21日(水)リリース
<収録内容>
【DISC1 (CD)】
1.COLOR/日本テレビ深夜ドラマ「プリティが多すぎる」主題歌
2.ちいさな英雄/映画「ちいさな英雄 ―カニとタマゴと透明人間―」のエンディングテーマ
3.Run to the Rainbow/JAL ホノルルマラソン 2018」のオフィシャルソング
4.HOLIDAYS/「JRA HOT HOLIDAYS」のテーマソング
5.Tomorrow

【DISC2 (DVD)】※初回限定盤のみ収録
『COLOR』 (Music Video)
『COLOR』 (Making)

木村カエラ「¿WHO?」(11月21日発売)通常盤ジャケット/提供画像
木村カエラ「¿WHO?」(11月21日発売)通常盤ジャケット/提供画像

木村カエラ プロフィール

1984年10月24日生まれ、東京都出身。2004年6月、シングル「Level 42」でメジャーデビュー。2013年6月、自身が代表を務めるプライベートレーベルELAを設立。2014年6 月、メジャーデビュー10周年を迎え、ベストアルバム「10years」、8枚目となるオリジナルアルバム「MIETA」をリリース。同年10月、横浜アリーナ2days公演を成功させた。2016 年10月、アルバム「PUNKY」をリリース。全国ツアー「KAELA presents PUNKY TOUR 2016-2017」を実施。 2017年5月、シングル「HOLIDAYS」(JRA『HOT HOLIDAYS ! CM ソング』) をリリース。2018年4月、絵本「ねむとココロ」を出版。2018年8月、タイアップシングル「ちいさな英雄」配信リリース。そして、2018年11月21日、ミニアルバム「¿WHO?」(読み:フー)をリリース。

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