當山みれい「妄想すらできない感情を教えてくれた」 歌詞へ込めた想いを赤裸々に語る<インタビュー>
2018.09.29 19:45
ニューヨーク留学で培った透き通る歌声と、躍動感のあるダンスで注目を集めるシンガーソングライターの當山みれい。5人組ロックバンド・Aqua Timez「等身大のラブソング」のアンサーソング「P.S. 等身大のラブソング」は、同世代から圧倒的な支持を集めた。音楽に合わせた動画をSNSへ投稿をするユーザーも急増し話題に。同曲も収録されている2ndアルバム「Answer」に込めた想いを聞いた。
中学時代、アメリカへ留学し名門ゴスペルチームに入団した當山。ソウルフルな歌声が絶賛され、アジア人で唯一リード・ヴォーカルに抜擢された経験を持つ。聴く人の心を掴む歌声とストレートな歌詞が同世代の心を掴み、清水翔太「My Boo」のアンサーソング「Dear My Boo」のMV再生回数は800万回を超えた。その他、「P.S. 等身大のラブソング」「音色 Regards」「キミの好きなうた」はサブスクで1位を獲得するなど、快進撃が止まらない當山の魅力に迫る。
當山:友人から「応援してるよ」って言ってもらったり、ライブを観に来てくれることが多かったんです。でも最近は「當山みれいと友達って自慢しちゃった」という連絡が増えてきたんです。「知り合いが聴いてたよ」って報告してくれることも増えてきて、すごく嬉しいです。
― 楽曲を聴かせて頂き、ソウルフルな歌声はもちろん飾らない歌詞が同世代の支持を得ているように感じました。
當山:ありがとうございます!歌詞と歌声を褒めていただくことが増えたような気がします。
― 歌詞を考える上で気を付けていることはありますか?
當山:自分で言うには恥ずかしいことでも、カラオケとかでラブソングに乗せて歌えば伝えられると思うんです。ラブソングはラブレターみたいな存在だなと感じていて。だからアンサーソングに関しては、ラブレターを書いた彼氏に対して、その彼女が返信するんだったら何を書くだろうって考えていました。
― 手紙を書くようなイメージで?
當山:そうですね。だからアンサーソングは“この曲の男の人の彼女になりたい”って思える楽曲を選んでいるんです。私が物語のヒロインになって、「こんな彼女になりたい」「こういう風に彼氏にしてあげたい」ということを大事にして書いています。
― 當山さんの素直な気持ちが反映されているんですね。
當山:はい。具体的なエピソードを入れて、聴いた方が真似できるようなことも歌詞にしています。例えば「バスを一つ見送る」「一緒にお酒飲む」とか、経験したことや経験したいと思えることを歌詞にしています。
― だからこそ共感する方が多いんですね。
當山:そうだとありがたいです。「分かる!分かる!」って言ってほしい(笑)。
當山:ありましたね。原曲を聞いている人からしたら、私のしていることは解釈を勝手につけていることと同じ。「そういう風に捉えてない」という方もいると思うし、曲名を借りていることに対して「ずるいんじゃないかな」という気持ちも最初はありました。
― それでもアンサーソングを歌おうと決めたんですね。
當山:色んなアーティストさんがいる中で、私を知ってもらうキッカケがいると思ったんです。當山みれいを知ってもらうキッカケとしてアンサーソングを選びました。だからアンサーさせていただけたアーティストさんには感謝してもしきれません。元々、原曲ファンの方がアンサーソングを聴いて、リリースイベントやライブに来てくれることもあって。それが本当に嬉しくて、ハイタッチしたくなるんです(笑)。
― (笑)。當山さんの曲を聴いたキッカケを直接言ってくれることも?
當山:UVERworldさんのファンで、當山みれいの「キミの好きなうた」を聴いてすごく好きだって直接言ってくれたこともありました。また、清水翔太さんは事務所の先輩なんですけど、ライブのオープニングアクトをやらせていただくこともあって、その時に「Dear My Boo」を歌えるのはすごく嬉しい。清水翔太さんのファンの方も快く受け入れてくれているんです。本当に恵まれていると感じます。
― 當山さんのオリジナル楽曲とは歌う時の気持ちも違いますか?
當山:もちろん自分の曲も大事ですけど、それ以上に大事に歌わなきゃいけないなって思いはあります。アンサーソングを歌う時の感覚は全く違くて、演じているような感覚。當山みれいが歌っているというより、その物語の彼女になりきって歌っています。ミュージカルに出させてもらうこともあったんですけど、その経験が活きたのかなと感じます。これからも点と点を繋げて、線にしていきたいです。
― 演技をやってみたい思いもありますか?
當山:歌が入ればやりやすいんですけど、嘘をつくのがすごい苦手で(笑)。誕生日にサプライズをすることってあるじゃないですか。みんなサプライズを隠しているのに、私だけニヤニヤ笑っちゃったりして。今後の予定をポロっと言っちゃうタイプで「黙ってて」って言われることが多いです(笑)。演技も楽しかったんですけど、すごく難しいなって。セリフとストーリーラインを考えて、半分自分、半分ヒロインで歌うアンサーソングは自分に合っていたなと感じます。
當山:周りから聞いたことを歌詞にすることが多いです。私は元々ネガティブなんですけど、周りの友達はポジティブな人ばかり。人の気持ちって移ると感じていて、自分もポジティブになりたいんです。ポジティブな人って恋愛していても愚痴はあまり言わなくて、ノロケばかりなんですよね(笑)。ノロケって嫌がられることも多いと思うんですけど、私はすごく好きで「それで?それで?」ってすごく聞いちゃう。最初は恋愛相談の体(てい)でくるんですけど、完全にノロケなんですよ(笑)。そのエピソードをこっそりメモって曲にしたり、自分の理想を妄想して書いています。だから結構ロマンチックなのかも(笑)。
― 周りから聞いたことを歌詞にしていても、當山さんの恋愛観はすごく反映されているんですね。
當山:そうですね。自分もしたいと思ったものをメモするので。男の子とのLINEのトークをずっと開いて何回も履歴をさかのぼってるのを見ると「いいなぁ~」って思いますね(笑)。何回見返しても飽きない会話ってなかなかできないと思うんです。だからすごく憧れます。
― アンサーソングの歌詞を考える時も同じように?
當山:まったく意識していなかったんですけど、いざアンサーソングを歌ってみたら自分の歌だと言えていなかった言葉がいっぱいあるんだって気付いたんです。アンサーソングを作ったことで自分の中にあるストッパーを外していくことができました。
― ストッパーがあったこと自体気付いていなかったということですね。
當山:そうですね。全然気付いていませんでした。今までは恥ずかしくて言えてなかった言葉もアンサーソングだから言えて。正直に歌うことへのストッパーがどんどん外れていって、それが今のライブMCにも繋がっています。昔は敬語で「みなさん楽しんでますか?」という感じだったんですけど、最近は「のってるかーい!」って(笑)。ストッパーがなくなったことで、表現の幅はすごく広がったと感じます。
― 特に自分の気持ちが反映されているアンサーソングはありますか?
當山:一番最初に作った童子-Tさん「願い feat. YU-A」のアンサーソング「願い~あの頃のキミへ~」はすごく思い入れの深い曲で。この頃、付き合っていた方と別れる経験をしました。別れる時はすごく大変で、良い別れ方ではなかったんですけど、今思うと「願い~あの頃のキミへ~」に近い価値観だなって感じたんです。その人と出会って色々な経験をさせてもらって、振り回されたり振り回したり。でも、その人がいなかったら今の自分はいないし、妄想すらできない感情を教えてくれた人でした。今でもその人には新しい幸せを見つけてほしいなって思います。
當山:アンサーソングをまとめたアルバムを作るとなった時、やっぱり自分が一番素直に歌える曲を作りたいって思ったんです。アンサーソングは色々な方が色々なことを思う。すごく賛否が分かれることだと思うんです。音楽に対してまっすぐにやってきたけど色んな壁に当たって。それでも手探りで私の曲をたくさんの方に聞いてもらえるキッカケになったアンサーソングに辿り着きました。そんな自分が今感じていることを素直に書きたいと思ったんです。
― 當山さんの“そのまま”が歌詞になっているんですね。
當山:すべて自分のことを歌っています。2番はすごく個人的なことでぎょっとする人もいるかもしれません。私の仕事ってステージに立って、色んな人がそれを聞いてくれて、CDを買ってくれる。それはすごく幸せなことで、恵まれていること。でも、その裏で感じているのは会社員の方や学校に行っている方と同じで、数字で評価されます。点数が少し違うだけで行く大学が決まったり、成績が悪いから給料が下がったり。たぶん自分がぶち当たった壁は、みんなと同じなんじゃないかって思うんです。その中で自分が見つけた答えはアンサーソングだった。みんなが今悩んでいる壁の答えを見つけるキッカケが「Answer」になればいいなと思い書きました。この曲は100%當山みれいだし、今まで言えなかったストッパーも外れて正直に書けた曲です。
― 2番の「その時少しだけ出口が見えたような気がしたんだ」はアンサーソングのことだったんですね。
當山:「願い~あの頃のキミへ~」を出したらお客さんが倍になって、「Dear My Boo」ではもっと増えて。5年前なら埋まらないライブ会場でも、今なら色んな人がきてくれる。ファみれい(當山みれいファンの通称)がこれだけいてくれたら、もっともっと先に進める気がするし、一人じゃないなって思える。お先真っ暗だったけど、微かに光が見えてきました。今よりもっと先へ進んでいけるんじゃないかなって思っています。
當山:アンサーソングを出すと決めてからは腹をくくった記憶があります。アンサーソングの歌い始めはやっぱり評価やコメントを観るのがすごく怖かったんです。「みれいちゃんはカバーしかしないんですか?」ってコメントくることも多くて、「ちゃうよ。アルバムにはオリジナルも入ってるよ」って前はへこたれていたんです。でも今は「そうやで!今のところはね!」ってポジティブな気持ちになれている。それは腹くくったからだと思います。
― それまでは自分を変えることができずに?
當山:小学生の頃から人間関係がうまくいってなかったんです。小学校2年からダンススクールに通っていたんですけど、学校が嫌で帰ってくるなりダッシュでダンススクールに行っていました。そこに行けば同じ趣味の子もいて、なんとか学校生活も耐えることができたんです。でも自分自身を変えることはできませんでした。高校卒業のタイミングで進路を考えた時、「大学に行ったほうがいいのかな」と思うくらい音楽の仕事がうまくいっていなかった。そうなると音楽は二の次だから、辞めるという選択肢もありました。でも自分の曲をいろんな人に聞いてもらいたい思いはやっぱり残っていて。大学に行って頑張って勉強して会社に就職する大変さと、今私が感じている納得がいかないことと戦う大変さ、どっちも同じくらい大変なら好きな音楽をやろうと決めました。だからこそ進路に悩んでいる時にアンサーソングを出そうと決めたんです。
― 昔は強い女性のイメージでしたが、見た目の雰囲気もガラッと変わりましたね。
當山:昔はかっこ悪い當山みれいを見せたくありませんでした。やっぱり憧れて欲しい思いがあって。憧れられる存在って強い女性だと感じていたんですけど、元から強い女性っていないって気付いたんです。弱くて傷ついたからこそ、かさぶたができる。そうやって強くなれるんだと思えてきたんです。
― 歌詞や曲のテーマも昔とは変わってきましたね。
當山:ラブソングを書くターニングポイントになったのは、単純に恋愛したことだと思います。自分が経験したことがないのは書けなかったし、ませているタイプでもなかったので。15歳の時に「I Wanna NO feat. SHUN」という曲を出したんですけど、この曲は15歳でなければ出せていませんでした。当時の自分にしてみたらあの曲が100%の當山みれいだったんです。それを今ライブで歌ってファンの方と楽しんでいる時に「15歳の時に出せてよかった」と毎回感じるんです。その時々にしか出せない曲ってあるから、あまり背伸びをしないようにしています。だからロマンチックな歌詞も多いし、ピュアな恋愛もまだ歌っていいんじゃないかなって思っています(笑)。
當山:応募してくれた子から「出てた―!」「ありがとう!」って言ってくれることがあるんです。でも私からしたら「使わせてくれてありがとう!」という思いが強い。あの写真には嘘がないじゃないですか。本当に2人が楽しい時間を切り取っていて、撮る前後には思い出もあるはずなんです。例えば本当はジーパンにアイスこぼしていて汚れているとか。2人でしか思い出せないものが写真にはある。嘘のない本当の2人を使わせてもらえたのはすごく嬉しいし感謝でいっぱいです。
― カップル動画をSNSへアップすると妬む方も少なからずいると思います。あのMVは幸せな2人を肯定しているようにも感じました。
當山:言われてみるとそうかもしれない。羨ましいですけどね(笑)。恋愛したいなって思うけど、幸せな2人をみているのは好き。否定派の方もいるとは思いますけど、私は肯定派でいたい!
― 最後に夢を追いかける上で大切にしていることを教えてください。
當山:私は自分の気持ちを忘れないようにしています。追いかけている夢について相談をすれば、色んな考えを聞いて悩むと思うんです。私も色んな意見に振り回されていた時期がありました。その原因は自分の考えが無かったから。自分の考えはどうやってできるんだろうと考えた時、「この考え方は分かる」「この人のここは共感できる」って感じた時に自分の考えができると思うんです。
― 聞いたアドバイスを自分で選択していくような?
當山:はい。夢を追いかけているなら、色んな人に話を聞くべきだけど、その意見が100%正しいと思う必要はないと思います。だから私が今話していることも、話半分で聞いてくれていいんです。その中に「確かに」と思うようなことがあれば、それを自分の意見にするべきだし、自分が納得できる決断をするべきだと思います。私も色々と悩んできたけど、後悔していない決断って自分が一番やりたいことや自分が決めたこと。すごく信頼している人や大好きな人であったとしても、自分には正直にいるべき。色んな人の意見を聞きながら、自分の意見を大切にしています。
― ありがとうございました!
アメリカ留学でその歌声を絶賛されるも音楽を続けるか悩んでいた當山。「夢ってなんだったけ」と表題曲「Answer」の歌詞にもあるように、一度は音楽を辞める道も考えた。しかし、音楽を続けようと決めたのは、昔から変わらない“音楽が好き”という想い。光があるからこそ影があり、その影を知っている當山が見つけた“光”は彼女の行く先を確かに照らしている。(modelpress編集部)[PR]提供元:株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
■通常盤(SRCL-9813) CDのみ ¥3,056+税
【CD】
1. Dear My Boo
2. P.S. 等身大のラブソング
3. 光
4. Lie
5. Tiger
6. 君のとなり
7. 音色 Regards
8. 願い~あの頃のキミへ~
9. Missing You
10. キミの好きなうた
11. Answer
【DVD】※初回生産限定盤のみ収録
君のとなり -Music Video-
願い~あの頃のキミへ~ -Music Video-
Missing You -Music Video-
Dear My Boo -Music Video-
発売日:8月29日(水)
目次
當山みれい「ラブソングはラブレター」
― 「Dear My Boo」や「P.S.等身大のラブソング」など、名曲のアンサーソングが同世代から圧倒的な支持を得ていますが、周りからの反響はいかがですか?當山:友人から「応援してるよ」って言ってもらったり、ライブを観に来てくれることが多かったんです。でも最近は「當山みれいと友達って自慢しちゃった」という連絡が増えてきたんです。「知り合いが聴いてたよ」って報告してくれることも増えてきて、すごく嬉しいです。
― 楽曲を聴かせて頂き、ソウルフルな歌声はもちろん飾らない歌詞が同世代の支持を得ているように感じました。
當山:ありがとうございます!歌詞と歌声を褒めていただくことが増えたような気がします。
― 歌詞を考える上で気を付けていることはありますか?
當山:自分で言うには恥ずかしいことでも、カラオケとかでラブソングに乗せて歌えば伝えられると思うんです。ラブソングはラブレターみたいな存在だなと感じていて。だからアンサーソングに関しては、ラブレターを書いた彼氏に対して、その彼女が返信するんだったら何を書くだろうって考えていました。
― 手紙を書くようなイメージで?
當山:そうですね。だからアンサーソングは“この曲の男の人の彼女になりたい”って思える楽曲を選んでいるんです。私が物語のヒロインになって、「こんな彼女になりたい」「こういう風に彼氏にしてあげたい」ということを大事にして書いています。
― 當山さんの素直な気持ちが反映されているんですね。
當山:はい。具体的なエピソードを入れて、聴いた方が真似できるようなことも歌詞にしています。例えば「バスを一つ見送る」「一緒にお酒飲む」とか、経験したことや経験したいと思えることを歌詞にしています。
― だからこそ共感する方が多いんですね。
當山:そうだとありがたいです。「分かる!分かる!」って言ってほしい(笑)。
當山みれいがアンサーソングを歌う意味
― 名曲のアンサーソングを書くのは相当なプレッシャーもあったんじゃないでしょうか?當山:ありましたね。原曲を聞いている人からしたら、私のしていることは解釈を勝手につけていることと同じ。「そういう風に捉えてない」という方もいると思うし、曲名を借りていることに対して「ずるいんじゃないかな」という気持ちも最初はありました。
― それでもアンサーソングを歌おうと決めたんですね。
當山:色んなアーティストさんがいる中で、私を知ってもらうキッカケがいると思ったんです。當山みれいを知ってもらうキッカケとしてアンサーソングを選びました。だからアンサーさせていただけたアーティストさんには感謝してもしきれません。元々、原曲ファンの方がアンサーソングを聴いて、リリースイベントやライブに来てくれることもあって。それが本当に嬉しくて、ハイタッチしたくなるんです(笑)。
― (笑)。當山さんの曲を聴いたキッカケを直接言ってくれることも?
當山:UVERworldさんのファンで、當山みれいの「キミの好きなうた」を聴いてすごく好きだって直接言ってくれたこともありました。また、清水翔太さんは事務所の先輩なんですけど、ライブのオープニングアクトをやらせていただくこともあって、その時に「Dear My Boo」を歌えるのはすごく嬉しい。清水翔太さんのファンの方も快く受け入れてくれているんです。本当に恵まれていると感じます。
― 當山さんのオリジナル楽曲とは歌う時の気持ちも違いますか?
當山:もちろん自分の曲も大事ですけど、それ以上に大事に歌わなきゃいけないなって思いはあります。アンサーソングを歌う時の感覚は全く違くて、演じているような感覚。當山みれいが歌っているというより、その物語の彼女になりきって歌っています。ミュージカルに出させてもらうこともあったんですけど、その経験が活きたのかなと感じます。これからも点と点を繋げて、線にしていきたいです。
― 演技をやってみたい思いもありますか?
當山:歌が入ればやりやすいんですけど、嘘をつくのがすごい苦手で(笑)。誕生日にサプライズをすることってあるじゃないですか。みんなサプライズを隠しているのに、私だけニヤニヤ笑っちゃったりして。今後の予定をポロっと言っちゃうタイプで「黙ってて」って言われることが多いです(笑)。演技も楽しかったんですけど、すごく難しいなって。セリフとストーリーラインを考えて、半分自分、半分ヒロインで歌うアンサーソングは自分に合っていたなと感じます。
辛い経験をしたからこそ書けたアンサーソング
― 當山さんが歌詞を考える時は、実体験などが元になっているんですか?當山:周りから聞いたことを歌詞にすることが多いです。私は元々ネガティブなんですけど、周りの友達はポジティブな人ばかり。人の気持ちって移ると感じていて、自分もポジティブになりたいんです。ポジティブな人って恋愛していても愚痴はあまり言わなくて、ノロケばかりなんですよね(笑)。ノロケって嫌がられることも多いと思うんですけど、私はすごく好きで「それで?それで?」ってすごく聞いちゃう。最初は恋愛相談の体(てい)でくるんですけど、完全にノロケなんですよ(笑)。そのエピソードをこっそりメモって曲にしたり、自分の理想を妄想して書いています。だから結構ロマンチックなのかも(笑)。
― 周りから聞いたことを歌詞にしていても、當山さんの恋愛観はすごく反映されているんですね。
當山:そうですね。自分もしたいと思ったものをメモするので。男の子とのLINEのトークをずっと開いて何回も履歴をさかのぼってるのを見ると「いいなぁ~」って思いますね(笑)。何回見返しても飽きない会話ってなかなかできないと思うんです。だからすごく憧れます。
― アンサーソングの歌詞を考える時も同じように?
當山:まったく意識していなかったんですけど、いざアンサーソングを歌ってみたら自分の歌だと言えていなかった言葉がいっぱいあるんだって気付いたんです。アンサーソングを作ったことで自分の中にあるストッパーを外していくことができました。
― ストッパーがあったこと自体気付いていなかったということですね。
當山:そうですね。全然気付いていませんでした。今までは恥ずかしくて言えてなかった言葉もアンサーソングだから言えて。正直に歌うことへのストッパーがどんどん外れていって、それが今のライブMCにも繋がっています。昔は敬語で「みなさん楽しんでますか?」という感じだったんですけど、最近は「のってるかーい!」って(笑)。ストッパーがなくなったことで、表現の幅はすごく広がったと感じます。
― 特に自分の気持ちが反映されているアンサーソングはありますか?
當山:一番最初に作った童子-Tさん「願い feat. YU-A」のアンサーソング「願い~あの頃のキミへ~」はすごく思い入れの深い曲で。この頃、付き合っていた方と別れる経験をしました。別れる時はすごく大変で、良い別れ方ではなかったんですけど、今思うと「願い~あの頃のキミへ~」に近い価値観だなって感じたんです。その人と出会って色々な経験をさせてもらって、振り回されたり振り回したり。でも、その人がいなかったら今の自分はいないし、妄想すらできない感情を教えてくれた人でした。今でもその人には新しい幸せを見つけてほしいなって思います。
當山みれいが見つけた微かな“光”
― 今回のアルバムの表題曲「Answer」は、アンサーソングとは違い恋愛の要素はありませんでした。楽曲に込めた思いを聞かせて頂けますか?當山:アンサーソングをまとめたアルバムを作るとなった時、やっぱり自分が一番素直に歌える曲を作りたいって思ったんです。アンサーソングは色々な方が色々なことを思う。すごく賛否が分かれることだと思うんです。音楽に対してまっすぐにやってきたけど色んな壁に当たって。それでも手探りで私の曲をたくさんの方に聞いてもらえるキッカケになったアンサーソングに辿り着きました。そんな自分が今感じていることを素直に書きたいと思ったんです。
― 當山さんの“そのまま”が歌詞になっているんですね。
當山:すべて自分のことを歌っています。2番はすごく個人的なことでぎょっとする人もいるかもしれません。私の仕事ってステージに立って、色んな人がそれを聞いてくれて、CDを買ってくれる。それはすごく幸せなことで、恵まれていること。でも、その裏で感じているのは会社員の方や学校に行っている方と同じで、数字で評価されます。点数が少し違うだけで行く大学が決まったり、成績が悪いから給料が下がったり。たぶん自分がぶち当たった壁は、みんなと同じなんじゃないかって思うんです。その中で自分が見つけた答えはアンサーソングだった。みんなが今悩んでいる壁の答えを見つけるキッカケが「Answer」になればいいなと思い書きました。この曲は100%當山みれいだし、今まで言えなかったストッパーも外れて正直に書けた曲です。
― 2番の「その時少しだけ出口が見えたような気がしたんだ」はアンサーソングのことだったんですね。
當山:「願い~あの頃のキミへ~」を出したらお客さんが倍になって、「Dear My Boo」ではもっと増えて。5年前なら埋まらないライブ会場でも、今なら色んな人がきてくれる。ファみれい(當山みれいファンの通称)がこれだけいてくれたら、もっともっと先に進める気がするし、一人じゃないなって思える。お先真っ暗だったけど、微かに光が見えてきました。今よりもっと先へ進んでいけるんじゃないかなって思っています。
その時にしか歌えない曲がある
― 自分が変わったターニングポイントはアンサーソングを出した時になりますか?當山:アンサーソングを出すと決めてからは腹をくくった記憶があります。アンサーソングの歌い始めはやっぱり評価やコメントを観るのがすごく怖かったんです。「みれいちゃんはカバーしかしないんですか?」ってコメントくることも多くて、「ちゃうよ。アルバムにはオリジナルも入ってるよ」って前はへこたれていたんです。でも今は「そうやで!今のところはね!」ってポジティブな気持ちになれている。それは腹くくったからだと思います。
― それまでは自分を変えることができずに?
當山:小学生の頃から人間関係がうまくいってなかったんです。小学校2年からダンススクールに通っていたんですけど、学校が嫌で帰ってくるなりダッシュでダンススクールに行っていました。そこに行けば同じ趣味の子もいて、なんとか学校生活も耐えることができたんです。でも自分自身を変えることはできませんでした。高校卒業のタイミングで進路を考えた時、「大学に行ったほうがいいのかな」と思うくらい音楽の仕事がうまくいっていなかった。そうなると音楽は二の次だから、辞めるという選択肢もありました。でも自分の曲をいろんな人に聞いてもらいたい思いはやっぱり残っていて。大学に行って頑張って勉強して会社に就職する大変さと、今私が感じている納得がいかないことと戦う大変さ、どっちも同じくらい大変なら好きな音楽をやろうと決めました。だからこそ進路に悩んでいる時にアンサーソングを出そうと決めたんです。
― 昔は強い女性のイメージでしたが、見た目の雰囲気もガラッと変わりましたね。
當山:昔はかっこ悪い當山みれいを見せたくありませんでした。やっぱり憧れて欲しい思いがあって。憧れられる存在って強い女性だと感じていたんですけど、元から強い女性っていないって気付いたんです。弱くて傷ついたからこそ、かさぶたができる。そうやって強くなれるんだと思えてきたんです。
― 歌詞や曲のテーマも昔とは変わってきましたね。
當山:ラブソングを書くターニングポイントになったのは、単純に恋愛したことだと思います。自分が経験したことがないのは書けなかったし、ませているタイプでもなかったので。15歳の時に「I Wanna NO feat. SHUN」という曲を出したんですけど、この曲は15歳でなければ出せていませんでした。当時の自分にしてみたらあの曲が100%の當山みれいだったんです。それを今ライブで歌ってファンの方と楽しんでいる時に「15歳の時に出せてよかった」と毎回感じるんです。その時々にしか出せない曲ってあるから、あまり背伸びをしないようにしています。だからロマンチックな歌詞も多いし、ピュアな恋愛もまだ歌っていいんじゃないかなって思っています(笑)。
當山みれいの夢を叶える秘訣
― 「P.S.等身大のラブソング」のMVも大きな反響があったんじゃないですか?當山:応募してくれた子から「出てた―!」「ありがとう!」って言ってくれることがあるんです。でも私からしたら「使わせてくれてありがとう!」という思いが強い。あの写真には嘘がないじゃないですか。本当に2人が楽しい時間を切り取っていて、撮る前後には思い出もあるはずなんです。例えば本当はジーパンにアイスこぼしていて汚れているとか。2人でしか思い出せないものが写真にはある。嘘のない本当の2人を使わせてもらえたのはすごく嬉しいし感謝でいっぱいです。
― カップル動画をSNSへアップすると妬む方も少なからずいると思います。あのMVは幸せな2人を肯定しているようにも感じました。
當山:言われてみるとそうかもしれない。羨ましいですけどね(笑)。恋愛したいなって思うけど、幸せな2人をみているのは好き。否定派の方もいるとは思いますけど、私は肯定派でいたい!
― 最後に夢を追いかける上で大切にしていることを教えてください。
當山:私は自分の気持ちを忘れないようにしています。追いかけている夢について相談をすれば、色んな考えを聞いて悩むと思うんです。私も色んな意見に振り回されていた時期がありました。その原因は自分の考えが無かったから。自分の考えはどうやってできるんだろうと考えた時、「この考え方は分かる」「この人のここは共感できる」って感じた時に自分の考えができると思うんです。
― 聞いたアドバイスを自分で選択していくような?
當山:はい。夢を追いかけているなら、色んな人に話を聞くべきだけど、その意見が100%正しいと思う必要はないと思います。だから私が今話していることも、話半分で聞いてくれていいんです。その中に「確かに」と思うようなことがあれば、それを自分の意見にするべきだし、自分が納得できる決断をするべきだと思います。私も色々と悩んできたけど、後悔していない決断って自分が一番やりたいことや自分が決めたこと。すごく信頼している人や大好きな人であったとしても、自分には正直にいるべき。色んな人の意見を聞きながら、自分の意見を大切にしています。
― ありがとうございました!
アメリカ留学でその歌声を絶賛されるも音楽を続けるか悩んでいた當山。「夢ってなんだったけ」と表題曲「Answer」の歌詞にもあるように、一度は音楽を辞める道も考えた。しかし、音楽を続けようと決めたのは、昔から変わらない“音楽が好き”という想い。光があるからこそ影があり、その影を知っている當山が見つけた“光”は彼女の行く先を確かに照らしている。(modelpress編集部)[PR]提供元:株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
當山みれい(とうやま・みれい)プロフィール
1998年大阪生まれの“ダンサーソングライター”。中学2年生でニューヨークへ留学。全米トップの名門ゴスペルグループ「Gospel For Teens」に所属し、アジア人として異例のリードボーカルに抜擢される。2013年6月に「TATTOO」で全米デビュー、2014年6月に両A面シングル「Fallin' Out / I Wanna NO feat. SHUN」にて日本デビューを果たした。2017年7月に童子-T「願い feat. YU-A」のアンサーソング「願い~あの頃のキミへ~」を含むCD「願い E.P.」、2018年3月に清水翔太の楽曲「My Boo」のアンサーソング「Dear My Boo」をリリース。両楽曲とも、デジタル配信を中心に、チャート1位を獲得するなどスマッシュヒットを記録した。2ndアルバム「Answer」
■初回生産限定盤(SRCL-9811) CD+DVD ¥3,611+税
■通常盤(SRCL-9813) CDのみ ¥3,056+税
【CD】
1. Dear My Boo
2. P.S. 等身大のラブソング
3. 光
4. Lie
5. Tiger
6. 君のとなり
7. 音色 Regards
8. 願い~あの頃のキミへ~
9. Missing You
10. キミの好きなうた
11. Answer
【DVD】※初回生産限定盤のみ収録
君のとなり -Music Video-
願い~あの頃のキミへ~ -Music Video-
Missing You -Music Video-
Dear My Boo -Music Video-
発売日:8月29日(水)
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