W&W (C)モデルプレス

世界的DJデュオ・W&W「日本は世界一」キズナアイとのコラボを語る<モデルプレスインタビュー>

2019.03.06 17:00

イギリスのDJ専門誌・DJ MAGが毎年発表するDJの世界番付「Top 100 DJs 2018」で、14位を獲得した“ダブダブ”ことW&Wが1日、日本のバーチャルYouTuberキズナアイ(Kizuna AI)とのコラボ楽曲「The Light」を配信。モデルプレスでは来日中の2人を直撃し、日本カルチャーへの思いを聞いた。


W&Wとは?

W&Wは、ヴィレム(Willem van Hanegem)とヴァート(Ward van der Harst)、2人の名前の頭文字Wに由来するオランダ人プロデューサー/DJデュオ。彼らが生み出す“ビッグルーム”と呼ばれる良質なクラブサウンドは、EDM幕開け時代のアンセムとして広く知れ渡り、いわゆる“パリピ・ダンス”の神曲を多数生み出したほか、現在も独自に進化させたサウンドで、世界中のダンスミュージックフリークを魅了している。
 

W&W、日本の“バーチャルYouTuber” キズナアイとコラボ

キズナアイ(Kizuna AI)
キズナアイ(Kizuna AI)
キズナアイは2016年に活動を開始して以来、YouTube上にオリジナルコンテンツを投稿し続けている「バーチャルYouTuber」。現在7,000体以上存在するバーチャルYouTuberの中では最大のチャンネル登録者数を誇る「A.I.Channel」を中心に活動している。昨年からはアーティスト活動も本格化し、中田ヤスタカなど名だたる有名プロデューサーたちとコラボ。昨年末には自身初の単独ライブも開催した。

今回のコラボ楽曲は、昨年7月のTOMORROWLAND 2018メインステージで解禁。すでに韓国や台湾のイベントでもプレイされ好評を博している。そしてミュージックビデオの映像プロデュースはアメリカに拠点を置くスタートアップ企業の「TheWaveVR」が制作。没入感のある映像が、楽曲の世界観にそのまま入っていくような感覚を作り出している。

W&W「日本は世界一」

W&W (C)モデルプレス
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― 今回、キズナアイとのコラボで初めてお2人のことを知る日本のリスナーもいると思います。まずはW&Wのアピールポイントを教えてください。

ヴァート:僕らは喜びとエネルギーを、音楽を通して伝えたいと思って楽曲を作っているんだ。僕らの曲は、聞いてくれる人たちがとにかく楽しんでくれて、日々の疲れを吹っ飛ばせるような音楽なんじゃないかな。

― 日本に何度も来られていますが、日本のオーディエンスの印象はどうですか?

ヴィレム:日本は間違いなく世界一だよ。リリースした楽曲を全て分かっていて、最新の曲まで知ってるんだ。観客のエネルギーも、始めから終わりまでずっと続いてる。他の国では「ガーッ」と盛り上がってもずっとは続かないことが多いのに、日本のみんなは最後まで盛り上がりっぱなしでいてくれるからすごいと思う。

― 昨年11月24日にageHaで行われた来日公演はかなり盛り上がったそうですね。

ヴィレム:最高だったよ。この1年はいいライブが沢山あったけど、その中でも1番良かったんじゃないかな?今まで日本で3回公演をしていて、前回も素晴らしかったけど、それ以上にすごくいいライブだったんだ。

ヴァート:来てくれたみんながすごく興奮していて、エネルギーを貰ったよ。あとはボードを持っている人がいたり、歌詞も知っていて歌ってくれたり、オーディエンスの熱い気持ちをとても感じられたライブだった。

W&W (C)モデルプレス
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― ライブ以外では、日本のどういうところが好きですか?

ヴィレム:まず、僕にとって寿司は世界で1番好きな食べ物。日本じゃなくても毎日食べてるくらいなんだ(笑)。

ヴァート:でもやっぱり、日本で食べる寿司が1番美味しいよね?

ヴィレム:もちろん(笑)。あとはアニメとかで使われている音楽も、エネルギーをもらえるような感じがして好きだね。とにかく日本にいると、あらゆるものからインスピレーションをもらうよ。特に東京は近未来的というか、歩いてるだけでも未来にいるような感じがする。

キズナアイとのコラボの経緯は?

W&W (C)モデルプレス
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― 実際にアニメ音楽にインスパイアされ、キズナアイさんともコラボされたのですよね。どうしてアニメ音楽に惹かれるのでしょうか。

ヴィレム:すごくハッピーな雰囲気が漂っているからかな。はっきりメッセージを伝えていることもあるね。メロディもいいし、テンポが早いから全体的に聞いていて心地よいし、アニメのビジュアルも見ていて楽しくなる。そういうアニメ音楽の要素を探していて、高音のボーカルをすごく求めてキズナアイに行きついたんだ。

― キズナアイを初めて見たときどう思いましたか?

ヴィレム:彼女の声は僕らが求めていたものそのもの。バッチリハマると思ったよ。

ヴァート:あとはキズナアイのバーチャル要素がすごく面白いと思った。最初にYouTubeのビデオを見せてもらったときは、「こういう展開もあるのか!」とすごく驚いたよ。見たことがないような世界だったからね。

― キズナアイ以外にコラボしたい日本のアーティストや、気になっているカルチャーはありますか?

ヴィレム:基本的に自分たちの音楽に通じてくれる人とコラボレーションしたい。それが1番自分たちにとって大事だね。スタジオの中で化学反応、ケミストリーが起こるような相手と仕事したいと思っているよ。

ヴァート:日本に限らず世界全体で考えても、コラボレーションする相手を決めるときはそれが1番大事かな。

ヴィレム:でも今後、必ず日本でいろんな展開が出てくるから期待していて!

W&Wの新たな試み「RAVE CULTURE」

ヴィレム/W&W (C)モデルプレス
ヴィレム/W&W (C)モデルプレス
― 昨年9月にローンチされたレーベルでありブランド「RAVE CULTURE」について教えてください。

ヴィレム:「RAVE CULTURE」は、これまでよりももっと多様なカルチャーやバイブスを展開していくためのレーベルなんだ。以前は特定のサウンドを展開するステージミュージックをメインにしていたんだけど、より幅広いサウンドを追求して行きたいということになって立ち上げたんだよ。

― アジア版である「RAVE CULTURE ASIA」ではどんな音楽を期待できますか?

ヴィレム:もちろんアジア、日本に向けての新しいアプローチも期待して欲しい。あとは実験的なこともどんどんやっていきたいと思っていて、例えば日本風の音楽だったり、中国や韓国のスタイルだったり、他の国にはない異色なサウンドも作っていきたいね。

ヴァート:今回のキズナアイとのコラボはボーカルが日本語だけど、アメリカやヨーロッパのファンが驚くほど良いリアクションをしてくれるんだ。言葉が分からなくても、メロディやサウンドが良ければ伝わるものがあるんだな、と実感したよ。まさにいい音楽は言葉の壁を超える。それをもっと実現していきたいね。

ヴァート/W&W (C)モデルプレス
ヴァート/W&W (C)モデルプレス
― アジアといえば、昨年12月にはBTS(防弾少年団)がスティーブ・アオキとコラボした「Waste it on me」のRemixをリリースされましたよね。どうしてこの曲を選ばれたのですか?

ヴィレム:もともとスティーブと仲が良くて、彼の家に行ったときに新しい曲を色々聞かせてもらっていたんだけど、その中にこの曲があったんだ。聞いた瞬間にものすごく気に入って、ぜひRemixしよう!となったんだよ。BTSはオランダでも大人気だしね。実はスペインに住んでいる僕のいとこも大好きで、アムステルダムのライブに行きたがっていたんだ!でもBTSのライブは唯一僕らが手配できないチケットだね…(笑)。

ヴァート:アメリカでもスタジアムを一瞬でソールドアウトさせるほど人気だよね。この曲は彼らにとって初めての英語曲だそうだけど、とても良く歌っているしメロディも大好きだよ。すごくいい曲だよね。

W&Wが語る「夢を叶える秘訣」

― 最後に、世界で活躍するお2人からモデルプレスの読者に「夢を叶える秘訣」を教えてください。

W&W (C)モデルプレス
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ヴィレム:1番大事なことは、自分の情熱を燃やせるものを追い求め続けること。僕は学生の頃、親から学業を優先させろと言われたんだ。でも本当に音楽が大好きだったから、そこに100%の思いを込めて、誰に何と言われようとその夢を追い続けた。

僕の学校には3人DJがいたんだけど、最初は僕が1番下手で、他の2人からは「下手だな」とよく言われていたんだ。でも毎日4時間、学校が終わってからDJの作業に没頭して努力した。今では彼らよりも少しはミックスがうまくなってるんじゃないかな(笑)。

夢に対して嫌なことを言う人は必ずいると思うけど、それはその人たちに自分の夢が無いからなんだよ。自分の夢を追い続けるより、人の夢を壊すほうが楽なんだよね。だからたとえ「できないよ」と言われたとしても、それを聞かずに「できる」と思い込んでやりつづけることが大切だと思うよ。僕も「できないよ」とたくさん言われたけど、今こうして日本に来られているしね。

ヴァート:壁にぶち当たったり、「そんなことできない」と言う人は必ず出てくると思う。そうすると気持ちが揺らいだり、悩んだりするかもしれないけれど、とにかく一生懸命頑張ることだね。

- ありがとうございました。

(modelpress編集部)

W&W プロフィール

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ヴィレム(Willem van Hanegem)とヴァート(Ward van der Harst)2人の頭文字Wを冠するオランダ人プロデューサー/DJデュオ。代表曲「Rave After Rave」、「Live the Night」(ハードウェル、リル・ジョンとのコラボ)をはじめ、EDMとトランスをバランスよく聴かせる良質のビッグ・ルーム・サウンドが特徴。またULTRA MUSIC FESTIVAL(2016)のセットには、ザ・チェインスモーカーズが飛び入り出演するなど、今日まで様々なアーティストからラブコールを受けている。ULTRA JAPAN(2014)で初来日を果たし、新木場ageHaのカウントダウン2015-2016ではヘッドライナーとして5000人を熱狂させた。2018年の再来日公演はソールド・アウト・ショーとなり、その勢いはアジアにも拡大。W&Wのブランド「RAVE CULTURE」が、アジア、エンターテックの要素を加えた「RAVE CULTURE ASIA」を新たに立ち上げ、その第1弾作品としてW&W ft. Kizuna AI「The Light」を発表。
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