ミルフィーユ革命! 【京都】でみつけた新星は、繊細で軽やかなパイ生地が魅力
本日の一品 > Matricariaの「いちごとゆずのミルフィーユ」
京都在住のライター、齋藤優子さんが「ふと見つけて入ってみたら大正解でした」という、2024年11月23日にオープンしたばかりの新しいパティスリーへ。”食感の豊かさ”にこだわって、ひとつひとつていねいに作られた生ケーキや焼き菓子の中から推してくれたのは、層が横になった!? オリジナリティのあるミルフィーユでした。
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「パイ生地の繊細な食感と軽やかさに魅了されるミルフィーユです」(齋藤優子さん) 編集部の「これも食べたい!」【水曜15時のあまいもん】とは?
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解の、ハズレなしのおいしさです。
「パイ生地の繊細な食感と軽やかさに魅了されるミルフィーユです」(齋藤優子さん)
Matricariaの「いちごとゆずのミルフィーユ」
秋の“栗とコーヒー”に代わって登場した「いちごとゆずのミルフィーユ」853円。中にはカスタードクリーム、キルシュとホワイトチョコのムース、ゆずジャムがサンドされています。このフレーバーは1月下旬までの販売を予定。「縦に重なるパイ生地の層を、あえて横にした仕立てで目を引いたのが、こちらのミルフィーユ。通常の折り込みパイではなく、逆さ折り込みパイを使っているので、生地が浮いていて、サクッとしたパイの繊細な食感が楽しめます。中にサンドされたクリームやムースともども軽やかな仕上がりで“もうひとつ食べたくなるお菓子を”というパティシエの思いが伝わってくるケーキです」(齋藤優子さん)
神戸の「CAKE STAND」などで12年間、経験を積んできた秦由衣子さんがシェフパティシエを務めるパティスリーが、烏丸御池のほど近くに11月23日にオープンしました。これまでのキャリアを通して辿り着いた秦さんが目指すお菓子は、豊かな食感を持つ、もうひとつ食べたくなるような軽やかなケーキや焼き菓子だといいます。
ガラス越しに見えるアトリエで、日々ケーキを作っているパティシエの秦由衣子さん。時には接客もしています。逆さ折り込みパイ生地を、食べやすいよう横向きに仕上げたミルフィーユや、シュー皮にクッキー生地とパールシュガーをのせて焼いたシュークリームはその代表作。そのほか、ふわふわ、ザクザク、しっとりなど、多彩な食感のケーキや焼き菓子が並びます。
「有機にんじんのキャロットケーキ」540円。ショウガとシナモンを利かせた生地には、食感のアクセントでクルミが入っています。トップには、クリームチーズの上にクセのあるテット・ド・モワンヌを少し削ってあり、甘じょっぱさがたまりませんまた、“もうひとつ食べたくなる”よう、多くのお菓子には、きび砂糖や黒砂糖を使い、コクのあるやさしい甘さに仕上げているのも特徴です。キャロットケーキには、有機栽培のニンジンを生のまますりおろして焼き込み、テット・ド・モワンヌチーズでアクセントをつけるなど、素材も秦さんがおいしく、安心だと思えるものを選んでいるといいます。
編集部の「これも食べたい!」
九条ねぎと七味のサブレ
「九条ねぎと七味のサブレ」8枚入り 378円。表面にまぶした七味がアクセントになっていて、お酒とも合います。14種が揃う焼き菓子のディスプレイでひかれたのは、京都らしいアイテム、九条ねぎと七味のサブレです。京都に店を構えるにあたり考案したもので、京都府産の九条ねぎをローストしてペーストにし、西京味噌で甘味とコクを出していて、九条ねぎの余韻がしっかり感じられます。
ビスキュイ・ド・サヴォワのような型で焼かれたビクトリアケーキは、季節替わりで素材を変えて登場。スコーンやキッシュも並びます。「ビクトリアケーキ」486円、「スコーン」270円、「キッシュ」486円。フランス菓子のミルフィーユもあれば、冷蔵ケースの横にはイギリスのビクトリアケーキやスコーンもスタンバイ。食感などに工夫を凝らしながら、柔軟に自分がおいしいと思うお菓子を作っているところも魅力です。
焼き菓子は、アンティーク調のロングテーブルにディスプレイ。パッケージのリボンの色であるグリーンがテーマカラーに。パリを訪れた際に出合った、とあるパティスリーにインスパイアされたという内装は、グレーを基調にしながらも、温かみが感じられます。烏丸御池にほど近く、足を運びやすい場所にあるのもうれしい限りですが、生ケーキは13時すぎには完売してしまうことが多いそうなので、訪れる際はくれぐれもお早めに。
教えてくれた人齋藤優子/Yuko Saito
『BRUTUS』『&Premium』など、雑誌を中心に執筆しているライター。食に関する取材が多く、しばしば関西を訪れているうちに、関東とは違う食文化をもっと知りたくなり、2018年に京都にも拠点を設ける。現在は京都と東京を行ったり来たりの日々。
DATA
Matricaria(マトリカリア)
京都府京都市中京区堺町通三条上る大阪材木町702-2 NP材木町bldg 1F
TEL 06-7709-4887
営業時間 11:00~19:00
定休日 月火水木
\from Editor/
焼き菓子専門店を含め、京都には小さいけれどお菓子のクオリティが高い名店が揃っているなぁと歩くたびに感じています。こちらのパティスリーも、どのお菓子もていねいに、工夫を凝らして作られていて、早くもその仲間入りをしそうな気配です。
※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
写真/吉村規子 文/齋藤優子 企画・編集/吉村セイラ
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