

コーヒーダイエットって本当にやせるの?管理栄養士が徹底解説
「コーヒーがダイエットに効く!」というような情報を目にしたことはありませんか?コーヒーが好きな人にとってはうれしい情報ではありますが、果たして本当にコーヒーでやせられるのでしょうか。この記事では、管理栄養士がコーヒーダイエットについて解説します。
コーヒーにダイエット効果が期待される理由
コーヒーのダイエット効果「カフェイン」が代謝の向上に役立つ
「クロロゲン酸」が脂肪の消費を促す
「カフェイン」が代謝の向上に役立つ
コーヒーにはカフェインが含まれているのは有名な話ですよね。このカフェインを摂取することで、基礎代謝量が上がるため、脂肪燃焼作用が期待できるようです。しかし、コーヒーを飲むだけで体重が減るとは断言できないので、要注意。また、カフェインは適切に摂取すれば、健康維持に役立つという研究も発表されています。しかし、過剰に摂取すると、めまいや心拍数の増加、興奮、不眠などをおぼえる場合もあるので、こちらも注意が必要です。
ダイエットの基本は、無理のない摂取カロリーの調整と、適度な運動の継続です。ダイエットのためにとカフェインを過剰に摂るのは避けましょう。(※1,2,3)
「クロロゲン酸」が脂肪の消費を促す
コーヒー豆にはクロロゲン酸という、ポリフェノールが豊富です。ポリフェノールには抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、老化や免疫機能の低下などを引き起こすとされる活性酸素の発生やそのはたらきを抑制したり、活性酸素そのものを取り除いたりする作用です。
クロロゲン酸と脂肪燃焼の関連を調べた研究において、クロロゲン酸飲料を継続して飲むと、エネルギーや脂肪の消費量がアップするとの報告が。
また、クロロゲン酸には本来もつ脂質代謝能力を高め、内臓脂肪を減らすはたらきがあるとされています。(※4,5,6,7)
知っておきたい「コーヒー」の健康効果。正しく飲めばダイエット効果も!
飲むタイミングは?コーヒーダイエットのやり方
コーヒーダイエットのやり方一日3杯を目安に飲む
食後に飲む
運動前に飲む
ひと区切りのサインとして食後に飲む
リフレッシュタイムに飲む
一日3杯を目安に飲む
コーヒーを約3杯飲むことで、基礎代謝が約12%上昇するというデータがあります。ダイエットに取り入れるなら、3杯を目安に飲みましょう。ただし、作用には個人差があります。日本ではカフェインの摂取量の目安について具体的に定められていませんが、アメリカやカナダでは健康な大人において一日あたり400mgまでなら悪影響はないとされています。1杯(150g)のカフェイン量は90mg程度なので、3杯は適量の範囲内といえるでしょう。(※1,2,8)
食後に飲む
カフェインには、胃酸の分泌を促す作用があります。食べたものの消化吸収を助けるため、食後にコーヒーを飲むのがおすすめです。なお、このようなはたらきから胃の調子が悪いときや、空腹時の濃いめのコーヒーなどは、胃酸によって胃が荒れるおそれがあるため注意しましょう。(※9)
運動前に飲む
ある研究では、運動の1時間前にコーヒーを飲んでおくと運動後のエネルギー消費量を高く維持できるとの報告があります。また、中性脂肪の分解が進みやすいことも明らかになりました。カフェインの吸収される時間を見越し、コーヒーを飲んでから約1時間後に運動を始めるのがおすすめです。(※10)
ひと区切りのサインとして食後に飲む
食後に満腹感を感じるまでの時間は、約15~20分かかるといわれています。食事が終わっても口寂しく「まだ食べたい……」と感じてしまうときもありますよね。その際、香りのよいコーヒーを食後に飲むと、ゆっくりと時間を置くことにも繋がります。
そして、これ以降は食べないというひと区切りのサインになるはず。ぜひ、活用してみてはいかがでしょうか。(※11)
リラックスタイムに飲む
ストレスを感じると、何かを無性に食べたくなって過食に走ってしまうこともあるかもしれません。ダイエットを成功に導くためには、ストレスと上手に付き合うのも大切。コーヒーを飲むと、幸福感が高まるとの報告もありますよ。
ストレスによって過食に走りそうなときは、香りのよいコーヒーをゆっくり飲んで、ほっとひと息つきリラックスする時間をつくるのがおすすめです。(※12,13)
ブラックがおすすめ!ダイエット中のコーヒーの飲み方
ダイエット中のコーヒーの飲み方無糖のブラックコーヒーにする
砂糖やミルク入りのコーヒーは避ける
アイスではなくホットコーヒーにする
無糖のブラックコーヒーにする
ダイエット中の飲み物は、なるべく低カロリーなものにするのがおすすめです。甘い飲み物からは、知らず知らずのうちに余分なカロリーを摂取している場合も。カロリーの摂りすぎはダイエットの大敵です。コーヒーを飲むときはミルクや砂糖を入れず、無糖のブラックコーヒーにするのがダイエット中に取り入れる際のポイント。
ブラックコーヒーのカロリーは100gあたり4kcalと低く、コーヒーカップ1杯(150g)でもたった6kcalなのが魅力のひとつです。
普段、コーラやジンジャーエールなどの炭酸飲料やジュース、甘い乳飲料などを飲んでいる場合、ブラックコーヒーに置き換えるだけで摂取カロリーを抑えられますよ。(※8,14)
砂糖やミルク入りのコーヒーは避ける
シロップや砂糖、ミルクがたっぷり使われているコーヒーは、ダイエット中には向きません。チョコレートシロップやキャラメルソースを使うカフェモカやキャラメルマキアートなどは控えましょう。ダイエット中は、シンプルなコーヒーを選んでくださいね。(※15,16)
アイスではなくホットコーヒーにする
冷たい飲み物は、体を冷やすおそれがあるため、ダイエットには向いていません。コーヒーもホットで飲むのがおすすめです。また、コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールは、80度前後の温度で抽出されやすくなるといわれており、その点からもホットコーヒーがダイエットに適しているといえます。(※17)
ついやりがち。ドリップバッグコーヒーのNG行為に「そうなの?」「間違えてた」
コーヒーダイエットの注意点
注意点カフェインの摂りすぎに注意
就寝前はなるべく避ける
妊娠中や授乳中のママは摂る量に気を付ける
カフェインの摂りすぎに注意
ダイエットに役立つからといって、コーヒーを飲みすぎないよう注意しましょう。前述したように、アメリカやカナダのリスク評価をもとにすると、健康な大人では一日に400mgまでのカフェイン量であれば悪影響はないとされています。1杯150gのコーヒーであれば、一日4杯までにとどめるのが目安です。また、カフェインはコーヒー以外にも含まれています。過剰摂取にならないよう気をつけましょう。(※1,8,14)
就寝前はなるべく避ける
コーヒーに含まれているカフェインには、覚醒作用があります。眠気覚ましにコーヒーを飲む場合もありますが、夜寝る前に飲むと人によっては寝つきが悪くなり、睡眠に影響する場合も。また、睡眠不足から食欲増進につながることがわかっています。寝る前にコーヒーを飲むのは避けたいですね。(※18,19)
妊娠中や授乳中のママは摂る量に気を付ける
コーヒーに含まれるカフェインは、妊産婦や胎児への影響についてまだ明確になっていません。しかし、妊婦の高濃度なカフェイン摂取により胎児の発育に影響する可能性が報告されています。世界保健機関(WHO)は、カフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、妊婦に対して、欧州では習慣的に一日200mgまで、カナダでは一日300mgまでにするよう呼びかけています。
妊娠中、授乳中にコーヒーを飲んではいけないわけではありません。飲みすぎに注意し、日々の楽しみ程度に取り入れましょう。(※1)
コーヒーの飲み過ぎで気持ち悪い…?原因と一日の目安量をチェック【管理栄養士執筆】
【Q&A】缶コーヒーやペットボトルのコーヒーにダイエット効果はある?
A:ブラックコーヒーを選べば、エネルギーや糖質の摂取を控えられます。缶コーヒーやペットボトルのコーヒーにもカフェインは含まれています。ダイエットに役立てるのであれば、カロリーが低く、砂糖や乳製品の入っていない、ブラックコーヒーを選びましょう。(※20)
缶コーヒーに含まれるカフェイン量は?ランキング形式で紹介
【Q&A】コーヒーを飲んでやせる時間帯はいつ?
A:食後や運動前がおすすめです。コーヒーに含まれるポリフェノールには食後血糖値の急上昇を抑えるはたらきが。また、カフェインには胃酸の分泌を促して消化吸収を助けたりする作用があります。さらに、運動する1時間ほど前に飲んでおくことで、脂肪を燃焼しやすくする作用が期待できます。(※9,10,17)
【Q&A】コーヒーダイエットでやせないのはなぜ?
A:摂取カロリーが消費カロリーを上回っている可能性があります。コーヒーに含まれるカフェインの摂取により、代謝の促進や運動と組み合わせることでエネルギー消費が高まるはたらきが期待できますが、コーヒーを飲むだけでやせるわけではありません。
ダイエットは、食事からの摂取カロリーよりも、消費するカロリーを増やすのが基本。無理のない食事の調整や、適度な運動を心がけましょう。(※3,10)
コーヒーはダイエットのサポートやリフレッシュに
「コーヒーを飲むとやせるのか」という疑問については、現時点では断言することができません。しかし、基礎代謝を上げる作用や脂肪を燃焼しやすくする作用が期待されています。そのため、コーヒーを飲むだけでやせるというよりは、適度な運動と組み合わせてダイエットに活かすと良いですよ。
コーヒーは、ブラックであればカロリーも低くダイエット中でも安心して飲むことができるのがうれしいポイント。一方で、カフェインの摂りすぎには注意が必要です。
日々の生活にコーヒーを飲む時間を取り入れて、上手にダイエットをしてみませんか。【参考文献】
※1 農林水産省|カフェインの過剰摂取について
※2 コーヒーと健康|ネスレ日本
※3 ダイエット|e-ヘルスネット(厚生労働省)
※4 厚生労働省|e-ヘルスネット|抗酸化物質
※5 クロロゲン酸|成分情報|わかさの秘密
※6 花王 | 栄養代謝の研究開発 | クロロゲン酸類の体脂肪低減メカニズム
※7 花王の顔|【コーヒークロロゲン酸と茶カテキン】内臓脂肪を減らす3つのステップ
※8 コーヒー - カロリー/栄養成分/計算 | カロリーSlism
※9 コーヒーにはどのような効果がある?健康に与える影響と適切な摂取量 | MediPalette
※10 コーヒーと運動の関係を読み解く。 | COFFEE BREAK | 全日本コーヒー協会
※11 保健指導室/保健指導室だより|健康管理センター
※12 ストレスと食生活|e-ヘルスネット(厚生労働省)
※13 ダイエットにコーヒー!? これだけある科学的根拠 | COFFEE BREAK | 全日本コーヒー協会
※14 八訂食品成分表2021|女子栄養大学出版※15 カフェ モカ|エスプレッソ|スターバックス コーヒー ジャパン
※16 キャラメル マキアート|エスプレッソ|スターバックス コーヒー ジャパン
※17 ダイエットにはコーヒーがおすすめ?痩せる理由や飲み方などを紹介 | 健達ねっと
※18 カフェインが引き起こす睡眠障害とは | 阪野クリニック
※19 睡眠と生活習慣病との深い関係|eヘルスネット(厚生労働省)
※20 栄養成分一覧 ソフトドリンク 商品情報(カロリー・原材料) サントリー
(2024/04/29参照)話題の「バターコーヒーダイエット」って?管理栄養士が正しいやり方と効果を解説
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