【桜新町ランチ】フレンチ『アンフュージョン』はミシュラン常連の穴場!本格フレンチを気軽に堪能できる

【桜新町ランチ】フレンチ『アンフュージョン』はミシュラン常連の穴場!本格フレンチを気軽に堪能できる

2021.02.19 18:30

上質な暮らしを知る大人から絶大な支持『アンフュージョン』

今日は、普段よりちょっといいものを食べたい。そんなときにわざわざ都心の繁華街に出向かなくても、質の良い店が身近にそろっているのが、世田谷エリアのいいところ。

『ミシュランガイド』ビブグルマンの常連であるフレンチ『アンフュージョン』もそんなレストランの一軒だ。

“サザエさんの街”として知られる桜新町。サザエさん通りを「長谷川町子美術館」に向かって歩いていく途中に『アンフュージョン』がある。

シンプルな佇まいのレストランの扉を開けると、フロアとの間にワンクッションとなる小さなスペースが。「いらっしゃいませ」の声と共にドアが開かれると、いつもとは違う時間の訪れにワクワクした気分になってくる。

手前にはテーブル席6卓が並び、奥には個室がある。ビシッと白いクロスがかけられたテーブル、整然と並ぶカトラリー。小ぢんまりとした隠れ家のような雰囲気がありながら、ちょっと背筋を伸ばしたくなるような晴れがましさもある。

東京を代表する名シェフの下で活躍した実力派シェフ

「世田谷に住む皆様に、普段使いしてもらえるレストランにしたいと思い、12年間やってきました」と語る、オーナーシェフの菊池 貴通(たかみち)さん。

菊池シェフは、表参道『ポワロー』で柳舘功シェフや、恵比寿『イレール』の島田哲也シェフなど、当時の東京フレンチシーンを牽引するシェフたちのレストランで研鑽を積んだ後、渡仏。ブルターニュの二つ星レストランやリヨン、ブルゴーニュなど本場の味を学び、帰国後、西麻布『アルモニ』で料理長を務め、島田シェフの声掛けで二子玉川『イレール・ドゥーブル』を任された。

『アンフュージョン』をオープンするきっかけとなったのは、二子玉川の店での経験だったという。

「店を閉めることになったのですが、お客様にどこに行くんですかと聞かれるんですよ。料理を楽しみにいらっしゃるお客様のために、世田谷に店を持とうと思いました」

普段使いできるランチ! お客に寄り添う一皿を

「自分が作りたい料理というのはあまりないんです。できるだけお客様の気持ちに寄り添って、来店される方が喜んで帰っていただけるように常に模索することが、永遠の課題ですかね」とニコニコ顔の菊池シェフ。

東京フレンチのトップシーンで活躍してきた菊池シェフが、シェフの料理を求めて訪れる人たちを考えて作ったメニューとは? ランチに焦点をあてて紹介しよう。

ホッコリした菊芋の味わいに心和むアミューズ

ランチは、プリフィックスとなるメニューAとBのほか、ミニサラダとスープ、メイン料理一品からなる「オーガニックライトランチ」、シェフのお任せコースの4種類。この中から、一番オーソドックスな、アミューズ、前菜、スープ、メイン、デザートからなるメニューAをご紹介。

最初に登場するアミューズは「菊芋のムース」(写真上)。ムースに使用するのは菊芋と玉ネギ、ベーコンのみ。ブイヨンのような野菜の味に被るような素材は一切使っていない。トッピングは北海道産のズワイガニ。菊芋のホクホクさ、玉ネギの甘みがしっかりと感じられ、ズワイガニのうまみとマッチする仕上がりになっている。

思わず笑顔になる、彩り鮮やかな前菜

「コロナ禍ですが、少しでも沈んだ気持ちを明るくしたいと、料理も華やかな色合いのものを、味のバランスを考えながら作っています」(菊池さん)

前菜の「ニューカレドニア産、天使の海老と帆立貝のポッシェ 根セロリのピューレと小蕪のサラダ シェリービネガーと蜂蜜のドレッシング」(写真上)は、彩り鮮やかな一皿。

海老は燻製にして、ややスモーキーな味わい。魚のブイヨンにさっとくぐらせたホタテは、甘みを増している。うまみたっぷりな魚介に対して、堂々と味わいを主張しているのが、シャキシャキの野菜たちだ。

安曇野の契約農家から直送される野菜は、新鮮で味わいも濃い。マリネなどの味付けも最小限にとどめ、野菜一つひとつの味わいがしっかり生かされている。

全体の味付けは淡いのだが、その味を引き締めているのがトッピングのイクラ。皿に盛られたさまざまな素材が一つになったとき、一番おいしくなるようにという計算に、思わず唸ってしまう一皿だ。

コースの中の癒し、優しい味のポタージュ

野菜の味を最大限生かした皿もあるが、こちらは、主張が控えめな一品。箸休めのような「大根のポタージュ」(写真上)だ。

大根の味わいは、スープの奥のほうにひっそりとある程度。玉ネギなどの自然な甘みにホッと癒やされる。

トロトロの柔らかいお肉に感動!身も心も温まる煮込み料理

メインには「オーストラリア産、仔羊モモ肉のナバラン~トマト煮込み~ 安曇野野菜とクスクス添え」(写真上)。ナバランとは仔羊の肉をトマトベースのブイヨンでトロトロになるまで煮込んだ料理。

本場フランスのレシピで作ったというメニューは、ボリューミーな肉を口にするとホロホロとほどけていくようなやわらかさ。トマトの酸味と野菜の甘みが効いたソースには、肉のエキスがたっぷりと染み出て、シチューのように身も心も温まる。

「野菜が大好きで、お皿の上が野菜だらけなんですよ」と笑う菊池シェフ。こちらのメニューにも、いったん湯通ししてグリルで焼き目をつけた旬の野菜がたっぷりと添えられている。

肉と野菜のうまみたっぷりのソースは、クスクスと共に最後までしっかり楽しみたい。

スイートなルックスのデザートに思わずひとめぼれ

もしかしたら、デザートが一番の楽しみという人もいるかもしれない。パティシエとしての修業経験もある菊池シェフ。最後まで喜んでもらいたいと、甘さや酸味などの味のメリハリがしっかりあるデザートで目も舌も楽しませてくれる。

取材時は、シェフのスペシャリテ「初春イチゴとピスタチオクリーム、ミルフィーユ仕立て バニラアイス添え バルサミコ風味」(写真上)。甘酸っぱいイチゴと、ナッツの風味豊かで濃厚なピスタチオのカスタードクリーム、サックサクでバター風味のパイが重ねられ、甘いもの好きなら、思わず顔がほころぶおいしさだ。

甘いアンサンブルをキュッと引き締めているのがバルサミコソース。ほどよい酸味が、口の中を爽やかにしてくれ、最後までおいしくいただける。

テイクアウトのテーマは、家族みんなで楽しむこと!

『アンフュージョン』のテイクアウトのテーマは、家族みんなで楽しめること。オードブルやお肉料理など、レストランでも人気のメニューの中で、冷たくてもおいしくいただける料理をプレートにぎっしり盛り込んでいる。

こちらは「フレンチオードブルプレート(2~3人前)」(写真上)。ランチコースにも登場した、天使の海老やグリルで焼き目をつけた安曇野産直の野菜などのほかに、マダイのエスカベッシュ、ホタテ貝のサフラン煮、エゾシカのソーセージなど9~10品目もの前菜をぎっしり盛り合わせている。

お気に入りのワインと共に楽しめば、ワンランク上の“家飲み”が楽しめそうだ。

普段着で楽しむ上質なひととき

素材の一つひとつの味わいがしっかり感じられ、一皿としての絶妙なトータルバランスを作り上げるのは、ベテラン菊池シェフだからこそ成せる技だろう。

質の高い料理と、住宅街の中にあるリラックスした雰囲気。訪れる人のほとんどが世田谷の住民というが、横浜や川崎からわざわざ足を伸ばしてくる人も絶えないという。

プライベートの中で、ちょっと特別なひとときを過ごしたい時に、ぜひ訪れてみたいレストランだ。

【メニュー】
<ランチ>
Menu A(アミューズ、前菜、スープ、メイン料理、デザート、食後の飲み物) 3,200円
<テイクアウト>
フレンチオードブルプレート 3,000円(2~3人前)
※要予約。詳細は店舗にご確認ください。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。価格は税込み。
※店舗情報については、変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

infusion

東京都世田谷区桜新町1-29-1 M&K’parkビル1F
050-5484-3583(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
火~日・祝日
ランチ 11:30~15:00
(L.O.13:40)
ディナー 17:30~22:30
(L.O.20:40)
月曜日
※月曜祝日の場合は翌平日休業
https://r.gnavi.co.jp/px16y0yc0000/

この記事の筆者:小田中雅子(ライター)

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