cover interview 中条あやみ×西野七瀬×堀田真由×森川葵

cover interview 中条あやみ×西野七瀬×堀田真由×森川葵

2024.01.27 08:00

「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から中条あやみさん、西野七瀬さん、堀田真由さん、森川葵さんのインタビューをお届けします♪

2024 cover interview

東野圭吾の傑作小説「ある閉ざされた雪の山荘で」がついに映画化される。新作舞台の最終オーディションに集められた劇団員の男女七人だったが、閉ざされた山荘で 劇団員たちがひとりずつ消えていき、残された者たちも追い詰められていく...。果たしてこれは演技なのか、事件なのか?劇中で女優を演じた、4人の女優のスペシャルインタビューをお届けします。

中条あやみ Profile

1997年生まれ。14歳で芸能界に入り2011年に「ミスセブンティーン」グランプリを獲得。翌年、TBSドラマ「黒の女教師」で俳優デビュー。2014年『劇場版 零~ゼロ~』にて映画初主演を務め、その後は、『覆面系ノイズ』、『3D彼女 リアルガール』、『劇場版TOKYOMER~走る緊急救命室~』など、多くの話題作に出演。TVでは、「白衣の戦士!」、「君と世界が終わる日に」など、ドラマへの出演やバラエティ番組、CMへの出演も多数。

“閉ざ雪”の世界観にどっぷり浸かって

思いっきり惑わされて欲しい

出演のオファーに、“はい、やります!”と、即決したという中条さん。

「昔から東野圭吾さんの作品を愛読していて、実写化されている作品も多いので、いつかは出演したいと思っていました。実は私、東野圭吾さんとお誕生日が一緒なんです。しかも、今回撮影中にお誕生日を迎えることができて。これは偶然というか、運命というか...勝手にご縁がある気がして、とても嬉しかったです」

中条さんが演じるのは、“公演直前に役を奪われてしまった女優”の貴子。

「貴子は、ありのままというか、思うままに動く人間味のある女性。ネタバレになってしまうので多くは話せませんが、観ている人を惑わす表情作りを意識してみました。知ってるのに知らない顔をしたり、知らないのにわかっているような目線を送ってみたり。細かいところにも注目してもらえたら、より面白く観てもらえると思います」

個人的にお気に入りのシーンを伺うと、堀田真由さんとのシーンとのお答えが。

「真由さんが演じる“温子”とバトルをするシーンがあるのですが、アドリブも混じったリアルな姿が観られると思います。こんなに可愛い子に、バチバチに罵倒される経験なんて滅多にないので気持ちよかったです(笑)」

本作で描かれるのは、劇団に所属する役者7人が新作舞台の主演を懸けたオーディションの最終選考に挑むさま。そこで、中条さんに過去に受けたオーディションの中で印象に残っているものを教えてもらうと、デビュー当時の飲料メーカーのCMと教えてくれた。

「それまでもたくさんオーディションを受けてきたのですが落ちてばかりで...。もうこのオーディションがダメなら、私には女優は向いていない、この道は諦めて別の仕事をしようと思っていたんです。これで最後という気持ちで臨んだオーディションだったので、とても記憶に残ってます。受かったときは本当に嬉しかったです」

その後の女優としての中条さんの大活躍は誰もが知るところ。最近ではモデル、女優だけではなく『大切なことを教えてくれる星の王子さまのことば』を翻訳するなど新たな活動の場を広げている

「今までやったことのないことをやるのはとっても面白いです。なので、2024年もやったことのないことにチャレンジしていきたいと思っています。何をやるか?それはチャレンジしてから教えたいので今は内緒です(笑)」

最後にあらためて『ある閉ざされた雪の山荘で』の見どころを教えてもらった。

「出演者それぞれに色があって、共感できるポイントがそれぞれにあると思います。最初はこの人の気持ちだったのに、観ていくうちにあれ?この人の方が正しいの!?と、惑わされていくのがこの作品の魅力でもあると思うので、”誰が誰に何のために最高の嘘をついているのか”。この世界観にどっぷり浸かって惑わされて欲しいです」

Styling / YUI SAWADA(UM)
Hair&Make / TOMOKO YAMAGUCHI(HITOME)

西野七瀬 Profile

1994年生まれ。2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格してデビュー。2017年に『あさひなぐ』で映画初出演で主演を務める。主なドラマの出演作は、「あなたの番です」、「ポケットに冒険をつめこんで」など。映画『孤狼の血 LEVEL2』では、日本アカデミー賞優秀助演女優賞、新人俳優賞を受賞し、『恋は光』では、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。

今までにない新感覚のサスペンス。
考察も含めて何度も楽しんでもらえたら

「台本を読んだときは、張り巡らされた何重ものトリックに混乱してしまって...。“この人とこの人が今この状態で、これを知ってるのはこの人で...”と相関図を描いて、頭を整理しながら撮影しました」と、笑いながら教えてくれた西野さん。

その一つひとつを確認しながら丁寧に把握しようとする西野さんの姿に飯塚監督は、“事前に認識を揃えたことで、現場に入るとピタッとアジャストしてくる”とコメント。加えて“カメラを通して見た時に、演技が最も映える映画向きの俳優”と称賛した。

「監督が1シーンごとに説明してくださいましたし、俳優同士でもたくさん話し合いをしたおかげだと思います。トリックに穴がないか、観ている人を騙せるか。時間をかけて丁寧に撮った作品なので、ぜひたっぷりと騙されてほしいです」

西野さんが演じた“元村由梨江”というキャラクターについて伺うと。

「由梨江は、“世間知らずなお嬢様女優”。劇団の中では一番後輩で、発言も少ないのですが、思っていることを口に出さない腹黒いタイプなのかなと思います。なので、あえて会話には参加せず、先輩たちを観察しているような立ち振る舞いを意識しました」

同世代の俳優たちとの撮影はとっても楽しかったと西野さん。

「これまで学園ものの作品にあまりご縁がなく、同世代がこれだけ集まる現場は初めて。オファーをいただいた時点で楽しそうだなと思っていたのですが、実際、本当に楽しかったです。休憩中にカードゲームをしり、寝ちゃダメだと言われていたベッドルームでみんなで寝ちゃったり(笑)。カメラが回っていないときは、まさに学園ドラマみたいな現場でした」

オーディションの思い出を伺うと、”人生であれほど緊張したことはない”と、乃木坂46に選ばれたときのエピソードを。

「元々人前で喋るのが得意な方ではないので、あのときは足の震えが止まりませんでした。心臓もバクバクしちゃって、本当に寿命が縮むと思ったくらい。それからオーディションに苦手意識がうまれてしまって、それ以降は受けていないんです。女優としての経験値を上げるためにはもっとオーディションの経験も重ねた方が良いとも思うのですが...。やっぱり想像するだけでも緊張しちゃう」

2024年は、趣味の謎解きゲームをもっとたくさんやりたいそう。

「2023年は、プライベートもお仕事もとても充実した1年でしたが、謎解きゲームになかなか行けなかったことだけが残念。なので、今年はもっとたくさんゲームに参加したいです」

最後に改めて『閉ざ雪』の見どころを伺うと。

「私も完成した作品を観て“こうなってたのー”と驚いたくらい、仕掛けがいっぱいの作品になっているので、難しく考えずに最後まで楽しんでいただけたらと思います。ヒント?そうですね、怪しそうに見える人が怪しくなかったり、意味ありげな視線がカギになったり...。何がヒントになるかわからないので、細かいところも見逃さないでほしいなと思います」

Styling / Akiyoshi Morita(MiNTSS)
Hair&Make / Maiko Inomata(TRON)

堀田真由 Profile

1998年生まれ。2014年に「アミューズオーディションフェス2014」でWOWOWドラマ賞を受賞。翌年にドラマ「テミスの求刑」で俳優デビューを果たし、2017年にNHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」で主人公の妹を演じて注目を集めた。2020年からファッション誌「non-no」の専属モデルとしても活躍。その他、映画『バカ塗りの娘』、ABC「たとえあなたを忘れても」、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」など出演作多数。

温子は一生懸命で情熱的な女の子
真っ赤なネイルにも注目して

取材当日、真っ赤なコサージュのついたチョーカーを首に巻き、同じく真っ赤なロンググローブをして登場した堀田さん。

「今回の作品は、それぞれの役に色があるのですが、私は赤。赤ってすごく情熱的ですよね、なんというか真ん中に立つ人というイメージがあって、役のためなら何でもする“温子”のイメージにぴったりだと思います」

今回、堀田さんが演じる温子は、“役のためなら超勝気なワガママ女優”。ほんわかとしていて、笑顔が印象的な堀田さんとのギャップに驚く人も多いはず。

「温子は誰にでもつっかかるし、劇団員の仲もだいぶ掻き乱す役です。でも、わがままなのは役のために一生懸命だからこそ。情熱的な女の子なので嫌いにならないでほしいです(笑)」

劇中ではバチバチでも、撮影現場は和気あいあいとしていたとか。

「みんな同世代ですし、過去に共演させていただいたこともあったので、幸せな再会でした。シリアスなシーンの後でも、カットがかかれば誰かしらが話し始めて笑いが起きるような感じ。“わちゃわちゃ”という言葉がピッタリの、とっても楽しい時間でした」

演じていて一番難しかったことを伺うと“トリックとの整合性”とのお答えが。

「この作品の魅力は、幾重にも仕掛けられたトリックだと思うので、観てくださる方にどうすれば最高の形で届けられるかを監督も含め、役者全員で話し合いました。しっかりと向き合わないと矛盾が生じてしまうので、撮影を止めて話し合いをすることも多かったです。全員が役者で全員が容疑者。これはお芝居なのか、リアルなのか?役者たちの目線一つひとつにも注目して散りばめられた、トリックの違和感を拾い集めて楽しんでもらえたら嬉しいです」

「温子の赤いネイルにも鍵が隠されてるかも...?」とさりげなくヒントをくれた堀田さん。そんな彼女のオーディションの思い出を伺うと。

「事務所に入るときのオーディションが合宿形式だったんです。東京の宿舎で合同生活をしながら、ダンスをやったりお芝居をやったり。BBQをしながら審査されたり...アイドルのサバイバル番組みたいですよね(笑)。その後は数えきれないくらいのオーディションに参加しては一喜一憂して、悔しい想いもたくさんしたのですが、選ばれないのは自分が悪いわけだけではなくて、役との相性が悪かっただけということもあって...。そう思えたら前向きに乗り越えられるようになりましたし、その経験が今に繋がっていると思います」

最後に2024年の抱負を教えてもらった。

「毎回お仕事を詰めては、“これが終わったら絶対休む”と思っていのに、今年も全然休めませんでした。目の前にお仕事があるとそれをやり遂げたい想いの方が強くなってしまうんですね。だから、きっと2024年もお仕事の年になるんじゃないかなぁ(笑)。結局私は、このお仕事が好きなんです。でも海外旅行には行きたいと思っています。ファッションウィークを見に行くのが目標ですね」

Styling / Mari Tsujimura
Hair&Make / Nozomi Kawashima(io)

森川葵 Profile

1995年生まれ。2010年に「ミスセブンティーン」グランプリに選ばれ、その後、『LOVEToRAIN-ラブトレイン-』にて、映画初出演にして初主演。2016年から1年間、バラエティ番組「A-Studio」のアシスタントを務め、2018年に「ロミオとジュリエット」で初舞台を踏む。映画『賭ケグルイ』、『天外者』ほか、ドラマでは、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」、「ナンバMG5」など、多数の作品に出演。

話したくても話せない重要な役。
“いつ出てくるの?”と、楽しみにしてて

森川さんが演じるのは、“圧倒的な実力を持つ天才女優”雅美。役柄について伺うと困った顔を見せた。

「雅美は、観る人によって受け止め方が変わるキャラクターです。話そうと思えば思うほど何も言えなくなってしまうのですが、それくらいすごく重要な役で、とにかく大変な役でした。それを踏まえて、“いつ出てくるの?”と楽しみにしててください(笑)」

現場で他の役者と一緒になる場面が少なかった分、いち視聴者としてめちゃくちゃ楽しく観ることができたと森川さん。

「こんなにも今をときめく同世代の役者が集まって芝居をするのは、滅多にない機会なので、とても魅力的に映りました。それぞれのキャラクターの性格が細かく分かれていて、そこに人間性が見えてくるのですが、みんなそれぞれ芝居のやり方は違うけれど、作ってきた役の芝居の細かさが垣間見えるんです。役者たちの作ってきた“芝居”というものに注目して観てもらっても面白いと思います」

トリックが幾重にも重なったこの作品。見終わった後に考察するのも楽しみのひとつと森川さんは続ける。

「ひとりでじっくりと観るのも楽しいけれど、誰かと一緒に行って考察して欲しいですね。きっと人によって見るところが全然違うと思うので、“あのシーンのとき、あの人はこうしてたよね?”、“そのときはこんな表情してたよ”と、答え合わせではないですが、考察し合うことができたら楽しいと思うし、新たな発見も出てくると思うんです。そして“もう一回観よう!”って、何度も観てもらえたら嬉しいです」

劇中では森川さんが圧倒的な演技力を見せつけるオーディションのシーンも。そこでオーディションの思い出を伺うと。

「昔はオーディションが苦手でした。選ぶ側は1日に何人もの俳優を見ているわけで、その中のひとりでしかない私のことをちゃんと見てくれているんだろうか?って思っていた時期もあって...。でも、大人になってから考えると、オーディションは本当に自分に合った役を与えてもらえる素敵な機会なのだと。自分の新しい可能性を見つけてもらえる良い経験だったと思っています」

最後に2024年の抱負を伺うと、“ひとつのことに集中して何かを成し遂げたい”というから驚いた。なぜなら、森川さんと言えば女優だけでなく、カップを積み上げて元に戻すまでの速さを1000分の1秒単位で競う“スポーツスタッキング”のメダル保持者。2023年11月に行われたアジア大会に日本代表として出場し、団体で金、ペアで銀、個人で銅と各種目でメダルを獲得するという快挙を達成している。

「私はいろんなことに手をつけちゃうんです。それが全部中途半端な気がするので、2024年はひとつのことに絞って集中するということをしてみたいです」

様々な高難易度の技にチャレンジし、その習得の速さから“ワイルド・スピード”の異名を持つ森川さん。2024年の彼女に、期待せずにはいられない。

Styling / Yusuke Arimoto
Hair&Make / Naoki Ishikawa

「ある閉ざされた雪の山荘で」

原作/東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」(講談社文庫)
監督/飯塚健 脚本/加藤良太、飯塚健
出演/重岡大毅、間宮祥太朗、中条あやみ、岡山天音、
西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵
公開/1月12(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

Photo / Ryuta Seki
Text / Satoko Nemoto

Photo / Fumiko Shibata
Styling / Eriko Iida (CORAZON)
Hair&Make / Eriko Ishida
Text / Satoko Nemoto

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