松坂桃李主演「御上先生」

本作は子供が生きる「学校」、大人がもがく「省庁」という一見別次元にあるこの2つを中心に展開。未来を夢見る子供たちが汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実、そんな現実に一人の官僚教師・御上孝（松坂）と、令和の高校生たちが共に立ち向かう、教育のあるべき真の姿を描く大逆転教育再生ストーリーだ。

松坂桃李「御上先生」主演は企画当初から決まっていた

松坂とのタッグは、同枠ドラマ「VIVANT」（2023）以来となる飯田P。今作の企画が2020年より進められていた中、「VIVANT」放送後のタイミングで松坂へのオファーをしたという。

これまでも日曜劇場作品に出演し高い演技力を評価されている松坂だが、意外にも同枠の主演は今回が初となる。飯田Pは「普段はすごく柔らかい方なのですが、この御上という役柄を演じる時にどんな風にでも見える方。演技力はもちろん、ビジュアルも含めて得体の知れない役が上手だなと感じていました。松坂さんは、御上について『愛のある人だ』と色々な取材でお話されていて、たしかに根底にはそういった部分がありますが、やはりどこか掴みどころのない人に、この御上孝を託したかった。そう考えた時、我々の中では早めの段階で松坂さんにオファーしようと決まっていました。むしろ今思うと、企画を立て始めた時には『イメージキャスト：松坂桃李』となっていましたね」と松坂の起用理由を告白。実際、顔合わせで本読みをした時から「本当にイメージした通りの御上先生でした。詩森（ろば）さんも台本を書く上で松坂さんを意識して書かれている部分はありましたが、やっぱりピッタリだったと思います」と話した。

飯田和孝P、強烈に印象に残った松坂桃李の言葉

そんな松坂との印象的なやりとりとの一つして挙げたのは、彼の出演が決まって最初に会った時に交わした会話でのこと。「松坂さんは、映画『孤狼の血』（2018）が自分の分岐点になった作品だとおっしゃっていました。そして『御上先生』が自分の第二の分岐点になると。言い方を選ばずに言うと『御上先生』を踏み台にしてステップアップできるような作品にしたい、と話されていて責任重大だなと思いました」と笑いながら打ち明け、「この『踏み台』って良い言葉だなと思っていて。もちろん作品を成功させることは僕らが目指すところなのですが、役者さんには作品を通じてさらにステップアップしてほしい。『この作品のお陰でステップアップできました』と言われることは僕ら制作としても何より嬉しいことですし、松坂さんからの言葉は強烈に印象に残っています」と松坂の強い覚悟が垣間見えた会話を回顧した。

続けて「実は、昨年10月に生徒全員が揃ったタイミングで生徒役の皆さんと会った時に『皆がこのドラマとどういう風に向き合うかは人それぞれです。僕らはこのドラマを成功させたい。“チームワーク良く”、“チーム一丸となって”なんて言いません。皆はこのドラマを踏み台にしてステップアップしてください』と松坂さんの言葉をお借りしながら生徒役の皆さんにも伝えました」と語った。

座長・松坂桃李は「皆が前向きになれるような空間を生み出せる人」

教師役・松坂と生徒キャストの雰囲気を尋ねられると「わりと早い段階から生徒と打ち解けていました。生徒は生徒でいろいろな話をしていたり、ブツブツセリフをずっと言っていたりする生徒もいて、そんな生徒たちの様子を松坂さんがニコニコしながら見ている姿が印象的です。松坂さんはあまり控え室には戻らず、教室で生徒が残っていると自分も残っていることが多くて、生徒たちも松坂さんのことをすごく頼っています」と穏やかな現場の様子を明かした。

また、座長としての松坂と現場を共にするのが初めてだったと話す飯田P。「それこそ『VIVANT』は『ラーゲリより愛をこめて』（2022）に続く共演となる二宮（和也）さんをはじめ、堺（雅人）さんや役所（広司）さんと同じシーンがあって、愛されキャラの弟分みたいなイメージだったので、どんな感じになるのかなと思っていました。自ら引っ張っていく人とはまた違って、現場を柔和な空気感にして自然と皆が前向きになれるような空間を生み出せる人という印象を持ちました」と松坂の人となりが表れたような座長としての佇まいを絶賛した。（modelpress編集部）

「御上先生」第1話あらすじ

文科省官僚の御上孝（松坂桃李）は私立隣徳学院3年2組の教壇に立っている。

29人の生徒を前に、御上の授業が始まる。その場にいる29人の生徒は、それぞれの想いをもって、向き合っていくのだが、御上が投げかけるある問いが、波紋となり、生徒たちをつき動かすことになるーー。