患者数が2倍以上に!? 「40代からの認知症が急増している」って本当ですか?【医師が回答】
【医師が回答】「認知症は高齢者の病気」という思い込みは危険かもしれません。世界的な大規模研究で、40~64歳の若年性認知症患者数が30年で2倍以上に増加したことが明らかに。その背景には、意外にも身近な生活習慣が深く関わっていました。(※画像:Shutterstock.com)
Q. 「40代から認知症が急増している」って本当ですか?
Q. 「40代でも認知症になることがあるって本当ですか? タバコや肥満も影響すると聞いて、急に不安になってきました。高齢者の病気だと思っていましたが……」
A. 本当です。若年性認知症は30年で2倍以上に増加しています
40代では、「認知症の心配はまだまだ先の話」と思っている人がほとんどだと思います。しかし実は、40~64歳という働き盛りの世代で発症する「若年性認知症」が、世界的に急増しています。
2025年3月、中国広州市のJinan University First Affiliated HospitalのZenghui Zhang氏らの研究チームが欧州神経学誌に発表した大規模研究によると、2021年における世界の若年性認知症の総患者数は775万人。1990年の367万人から、2倍以上に増加したことが明らかになりました。この研究は、204の国と地域のデータを分析した、非常に信頼性の高いものです。
さらに、この研究では若年性認知症の発症リスクを高める要因として、以下の3つが特定されています。
・喫煙
・空腹時血糖値の上昇(高血糖の状態)
・高いBMI(肥満)
この3つの要因だけで、若年性認知症によって失われる健康な生活年数全体の約28%に関与していると報告されています。いずれも、日常の生活習慣の改善によって対処できるリスクです。
また、「裕福になるほど若年性認知症が多くなる」という傾向が示されているのも興味深い点です。高所得の北米地域や東アジアで有病率が特に大きく増加していました。日本に暮らす私たちにとっても、決して他人ごとではない問題です。
認知症はある日突然なるものではありません。運動・睡眠・食事などの生活習慣やストレスと関連しながら、徐々に進行することが分かっています。「まだ若いから」と油断せず、今日から生活習慣を見直す心掛けが若年性認知症の予防につながります。
小児神経学・児童精神科を専門とする小児科医・救急救命士。プライベートでは4児の父。子どもの心と脳に寄り添う豊富な臨床経験を活かし、幅広い医療情報を発信中。
執筆者:秋谷 進(医師)
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