「女に現場は無理だよ」と笑った職人→新人の私が半年後に聞いた一言
朝礼で言われたひと言
配属初日の朝礼でした。現場全員、20人ほどが並ぶ前で、一番ベテランの親方がこちらをちらりと見て言いました。「女に現場は無理だよ。どうせすぐ辞めるって」。空気が一瞬止まり、何人かの職人が苦笑いをしました。
私は黙って頭を下げ、自己紹介を終えました。声は出ましたが、頭の中にはあの言葉だけが残り続けました。帰り道、駅のホームのベンチに座り込み、明日から本当に行けるだろうかと考え続けました。退職届のことを真剣に考えた夜でした。
朝7時半の現場
それでも翌朝、私は7時半に現場に入りました。職人さんたちが来る前に、図面を広げて当日の作業ポイントを確認し、安全パトロールを一周する。これだけは絶対に毎日やろうと決めたのです。
ヘルメットの顎ひもがゆるい人を見つけては声をかけ、足場の固定金具を一本ずつ確認しました。親方は私の顔を見ようともしません。3カ月目、仮設足場の金具に異常を見つけて報告したときも、「30年やってきた現場に何を言うんだ」と一蹴されました。
家に帰ると、毎晩図面を広げ直して翌日の段取りを書き出しました。誰にも認められなくても、現場を守る仕事だけは諦めないと自分に言い聞かせていました。
足場が傾いた朝
配属から半年が過ぎた、晴れた日の午前のことでした。親方が3階の足場で作業をしていたとき、固定金具が外れて足場が大きく傾いたのです。
親方は宙に投げ出されかけましたが、私が前夜に補強しておいた予備の金具が引っかかり、寸前で足場は持ちこたえました。下から見ていた私は、夢中で「親方!」と叫んでいました。地上に降りてきた親方は、私の顔をまっすぐ見て、低い声で言いました。「悪かった。あんたの言う通りだった」。
そして...
翌朝の朝礼で、親方は現場全員の前で言いました。「女だ男だじゃねえ。安全に向き合うやつが現場で生き残る。俺はそれを忘れてた」。誰も笑いませんでした。私の隣で、若手の職人さんが小さくうなずいているのが見えました。
辞めようとしたあの夜のホームの景色は、今もときどき思い出します。あのとき帰る電車に乗らなくてよかったと、心の底から思っています。私はこの先もこの現場を守る仕事を続けていきます。
(20代女性・施工管理)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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