彼の連絡が急に優しくなった日→「何かやらかした?」と聞いたら「逆」と返ってきた理由
ある朝、彼が朝ごはんを作っていた
月曜の朝、いつもより少し早く目覚めたら、キッチンから音が聞こえました。彼が朝ごはんを作っていたのです。テーブルにはトーストとサラダ、コーヒーまで用意されていました。「ゆっくり起きていいよ」と微笑む彼に、寝ぼけたままお礼を言いました。普段はギリギリまで寝ているような人なのに、と頭の片隅で思いつつ、その日は嬉しさのほうが勝っていました。
やたらと届くメッセージ
その日から、彼の連絡が変わりました。出勤中の電車から「いってきます」、昼休みに「お昼何食べた?」、帰り道から「あと30分で着くよ」。家に帰れば必ずハグ、週末はカフェに連れ出してくれる。
思い切って「ねえ、何かあった?」と聞いてみたら、彼は「何もないよ」と笑いました。なのに、その優しさのどこかに、急ぎすぎた気配があるような気がして、私はうまく素直に喜べずにいました。
「何かやらかした?」と聞いた
木曜にメッセージで聞いてみました。
「最近やたら優しいけど、何かやらかした?」
軽く笑ってほしかったのです。返信はすぐに来ました。「逆」たった一行。意味がわからず返事に悩んでいると、「また今度話すよ」と続けて返ってきて、その後の既読はつきませんでした。
私は何度もその一言が気になっていました。何かをしたのは、もしかして彼のほう。不安と、ほんの少しの確信が、夜の中で混ざり合っていきました。
そして...
金曜の夜、彼は「話があるんだ」と切り出しました。
「来月から、しばらく東京を離れることになった」「……仕事?」「うん。地方勤務」彼の表情は穏やかで、けれどどこか申し訳なさそうでもありました。「逆」の意味が、ようやくわかりました。
私が何かをやらかしたのではなく、彼のほうに、私から離れる事情があった。あの一週間の優しさは、彼なりの不器用な予告だったのです。さみしさはあります。けれど、何も知らされないまま離れるよりずっといい。
「ありがとう」と返した私の手を、彼は黙って握り返してくれました。距離が離れても、この優しさは忘れないでねと、心の中だけで願っていました。
(20代女性・派遣社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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