中2の娘に「どうせつまらない仕事でしょ」と笑われた俺→職場見学後の車内で聞こえた小さな声
夕食の食卓で
あの日の夕食のことを、俺はその後も忘れられません。携帯をいじりながら娘が、独り言のように言ったのです。「お父さんの仕事、何してるか知らない。どうせつまらない仕事でしょ」。妻が「ちょっと、そんな言い方」と止めようとしましたが、俺は笑顔のまま「そうか」と返事をしました。 返事をしてしまった以上、もう何も言えませんでした。本当は娘に伝えたいことが山ほどありました。何のためにこの仕事を選んだのか、どんな気持ちで毎日通っているのか。でも、ご飯を食べている娘の前でそんな話をするのは、なんだか押しつけがましく思えてしまったのです。
娘の前で見せたかった顔
学校の課外授業で職場見学があると娘から聞いたとき、俺は当日のスケジュールを少し調整しました。普段の俺の仕事を、ありのまま見せたかったのです。
当日は後輩の指導をしました。資料の数字でつまずいていた後輩に「ここの数字、もう一度確認してみよう。焦らなくていいから」と声をかけたとき、視界の端に娘が立っているのが見えました。 午前中の社内ミーティングで、プロジェクトの進め方について質問が飛んできたとき、俺は「疑問は持ち帰らずに、この場で全部出してほしい」と答えました。それは、家のリビングでは絶対に出せない種類の声でした。説明を続けながら、視界の端に座っている娘がじっとこちらを見ているのが分かりました。
ハンドルを握ったまま
帰り道、娘を助手席に乗せて運転していました。娘はずっと窓の外を見ていて、話しかけようとしても、何を言えばいいか分かりませんでした。 信号で停まったとき、勇気を出して「疲れたか?」と聞いてみました。返ってきたのは「ううん」だけでしたが、嫌そうな声ではなかったので、それで十分な気がしました。 家まであと数分というところで、娘の声が聞こえました。「お父さん、かっこよかった」。本当に小さな声で、聞き間違いかと思ったほどでした。何か返したかったけれど、声を出すと何かが揺れてしまいそうで、ハンドルを握り直して、前を見たまま少しだけ間を置きました。
そして...
翌朝、娘が学校に行ったあと、妻が「日記、机に置きっぱなしだったよ」と苦笑しながら教えてくれました。妻は「これ、お父さんに見てもらいたくて置いたんじゃないの」と笑って、机の上の日記を指差しました。 開いていた日記には、昨日のことが丁寧な字で書かれていました。一番最後の行に、こうありました。「将来はお父さんみたいに働きたい」。それを読んだまま、しばらく立ち尽くしていました。
あれから15年、娘も社会人になりました。あの日、俺は娘の前で何かを証明しようとしていたのかもしれません。けれど振り返ると、本当は俺の方が、娘に大切なものをもらった日でした。
(60代男性・元営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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