彼女からの「今日買いたいな」を信じて買い物の準備を整えた俺→玄関で彼女が固まった本当の理由
彼女から届いた、ある一文
仕事を終えて家に戻った直後、彼女からメッセージが届きました。「今日買いたいな」。俺は画面を見て、少し考えました。普段、彼女はあまり物を欲しがらない性格です。それなのにわざわざ「買いたい」と送ってきたということは、何か欲しいものができたのかもしれない。 俺は「いいね、何買うの?」と返しました。すると彼女から「とりあえず会えたら嬉しいなって」と返信が来たのです。なるほど、と俺は受け取りました。一緒に買い物に行きたい、ということなんだろう。直接的に「買って」と言うのが照れくさかったのかもしれない、と。 俺は「了解、待ってるね」とだけ返し、買い物の段取りを考え始めました。彼女が遠慮しがちな性格だと知っているからこそ、せっかくの「買いたい」を流したくなかったのです。
思いつく限りリストにした
俺は手帳を引っ張り出して、彼女が最近欲しそうにしていたものを思い出せる限り書き出しました。閉店までに何軒回れるか、地図アプリで動線も確認しました。財布の中身を確かめ、ジャケットを羽織って彼女を待ったのです。 彼女が遠慮しないように、「予算オーバーだったら俺も少し出すから」と切り出すタイミングまでぼんやり考えていました。チャイムが鳴る頃には、俺はすっかり買い物に行く気持ちでいたのです。
玄関で固まった彼女
チャイムが鳴って玄関を開け、俺は「行こうか」と当然のように外へ出ようとしました。すると彼女は俺を見て立ち止まり、「え、何これ? どこ行くの?」と聞いてきたのです。俺は不思議に思いながら答えました。「だって買い物行きたいんでしょ?」と。 すると彼女は数秒の沈黙のあと、吹き出して笑い始めました。
「ごめん、あれ誤字なの。『会いたいな』を打ったつもりが『買いたいな』に変換されてた」。俺は数秒、その意味を飲み込めませんでした。 誤字。会いたい、を、買いたいに。じわじわと事態が理解できてくると、自分が一人で勝手にリサーチして、リストを作って、ジャケットまで羽織っていたことがおかしくなってきたのです。彼女に「もしかして、誤字に気づいてなかった?」と聞かれて、俺は申し訳なさそうに頭をかくしかありませんでした。
そして...
結局その夜は、せっかくの準備を無駄にするのも惜しくて、二人で駅前のモールに買い物デートに出かけました。リストの最初に書いた香水を、彼女に「せっかくだから、何かひとつだけプレゼントさせて」と渡したのです。 帰り道、彼女が小さな声で「ありがとう、本当に」とつぶやいてくれた瞬間、俺はあの誤字に感謝したい気持ちになりました。彼女の遠慮を取り払えるなら、これからもこのくらい本気で受け取って、本気で動こう。誤字一つで、俺が彼女に何をしてあげたいかが、はっきりしたのです。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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