「習い事は1つで十分」と笑っていた私→娘が「やりたい」と泣いた日、自分の薄っぺらさを知った話
「教育ママだね」と笑った私
あの春の公園での立ち話を、今でもよく覚えています。ママ友グループの話題になった子供の習い事のこと。彼女が「ピアノと水泳と英会話に通わせている」と話したとき、私は思わず笑って言ってしまいました。 「習い事3つもさせて教育ママだね」 正直に言えば、わが家には経済的にそんなに習い事をさせる余裕がなかったのです。それを認めるのが嫌で、笑い飛ばすことで自分を守っていました。彼女が少し困った顔をしていたのも見えていました。それでも私は「うちは1つで十分。子供の自由が大事だよね〜」と続けたのです。
娘の友達がサッカーで輝いていた
夏休み明け、娘が同じクラスの男の子の話を家でするようになりました。「〇〇くん、サッカーですごく上手なんだって。試合で点を決めてた」と。それは、私がいつも笑っていたあのママ友の息子でした。 公園でばったり彼女に会ったとき、つい聞いてしまったのです。「ねえ、〇〇くん最近何の習い事してるの?」。返ってきたのは「全部辞めて、今はサッカーだけやってる」という答えでした。私はとっさに「やっぱりね。子供のペースが一番だよね〜」と笑顔を作りました。本心では、息子さんが何かを見つけたことが、うらやましく思えていました。
娘が泣いた日
10月のある夜、娘が突然布団の中で泣き出しました。「ピアノも、英会話も、水泳もやりたい。みんなはやってるのに、なんでうちはダメなの?」。娘の言葉に、私はしばらく返事ができませんでした。 今まで自分が「1つで十分」と言ってきたのは、本当に娘のためだったのでしょうか。経済的に難しいなら正直にそう言えばいい。それを「教育ママ」と他人を笑うことでごまかしてきた自分が、急に薄っぺらく見えました。布団の中で娘の頭を撫でながら、これまで困った顔をしてきた彼女のことを思い出していました。
そして…
翌日、私は彼女にメッセージを送りました。「実はうちの子、ピアノも英会話もやりたいって泣いてて…どうしたらいい?」。返信が来るまでの数分間、何度も画面を確認しました。 彼女からは「子供がやりたいって言うなら、応援してあげたらいいんじゃないかな」と、責める言葉ひとつなく返ってきました。あれだけ笑っていた私に、こんなにまっすぐな返事をくれるのか。画面を見つめながら、申し訳なさが込み上げました。 人を笑って自分を守っていた数ヶ月。立場を逆転させたのは、彼女の言葉でも私の経済状況でもなく、娘のまっすぐな涙でした。次に会ったら、ちゃんと謝ろう。そう決めました。
(30代女性・主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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