「40歳で大学なんてお金の無駄」と反対された私→卒業式で家族が涙した
「お金の無駄」と言われた夜
子どもたちが寝静まったあと、意を決して夫に切り出しました。「私、大学に行きたいの」。通信制の大学で、社会福祉を学びたいと考えていました。パートの合間に資料を集め、学費のシミュレーションまで準備して、テーブルに並べたのです。
夫はちらりと資料に目を落とし、こう言いました。「40歳で大学なんてお金の無駄だよ」。畳みかけるように「今さら大学出てどうするの」と。反論はいくつも用意していたのに、あまりの素っ気なさに喉の奥がきゅっと詰まって、何も返せませんでした。あの夜、夫の顔をまっすぐ見ることができなかったのを覚えています。
誰にも聞かれない4年間
翌月、入学手続きを済ませました。夫はそれ以上反対しませんでしたが、賛成とも言いませんでした。ただ、関心を持たないという態度がずっと続いたのです。
スクーリングの日は朝5時に起きてお弁当を作り、子どもたちの身支度を整えてから家を出ました。帰ると夫が「今日どこ行ってたの?」と聞くので「大学だよ」と答えると、「ああ」の一言。4年間、夫が勉強の中身について質問してくれたことは一度もありません。レポートの締め切り前に深夜まで机に向かっていても、夫は何も言わず寝室のドアを閉めるだけでした。認めてほしいとまでは言わない。ただ、「何を勉強してるの?」の一言が、ずっと欲しかったのです。
一人で向かうはずだった卒業式
卒業が決まった日、思い切って聞きました。「卒業式、来てくれる?」。夫は少し間を置いてから「仕事があるから」と答えました。予想どおりの返事でした。4年間ずっとそうだったのだから、最後だけ変わるはずがありません。一人で式に向かおう。そう決めて家を出ました。
会場に着いて、何気なく後方の席に目をやったとき、夫と子どもたちの姿が見えました。目が合った瞬間、夫がすっと顔を逸らしたのがわかりました。
そして...
壇上で卒業証書を受け取って客席を見ると、夫が泣いていました。俯いて、肩を小さく震わせていました。隣で娘が夫の背中をさすっていて、その光景に私の視界もぼやけました。
式のあと、夫は「お疲れさま」とだけ言いました。声が少し震えているのを、聞き逃しませんでした。「お金の無駄」と言ったあの夜から4年。私がほしかったのは、「すごいね」でも「ごめん」でもなく、ただこの人が来てくれたという事実だったのかもしれません。あの涙が何の涙だったのかは聞きませんでした。聞かなくていいと思えたことが、4年間の答えだった気がしています。
(40代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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