「今いい?」と聞いたら「5分待って」と返事→5分後に届いた長文の文体が、いつもの彼じゃなかった
急に優しくなった文体
普段の彼のメッセージは、いつも短文でした。「ん、いいよ」「どした?」「了解」。付き合って2年、その素っ気なさにも慣れていて、それが彼らしさだと思っていました。
ところがここ半年、時々まったく違う文体のメッセージが届くようになったのです。「今日もお疲れさま」「無理しないでね」「あなたのこと、ちゃんと考えてるよ」。句読点も、語尾の柔らかさも、別人のようでした。最初は嬉しかったのです。歳を重ねて優しくなったのかな、と。「最近すごく優しいね」と言ってみたこともあります。彼は照れたように笑って「気のせいだよ」と言うだけでした。
「5分待って」の5分間
仕事を終えた夜、彼に「今いい?」とメッセージを送りました。すぐに既読がついて、返ってきたのは「5分待って」。普段なら「いいよ」か「ちょっと後で」のはずです。なぜ「5分」なのか。
5分ぴったりが過ぎた頃、メッセージが届きました。「もちろんだよ。今日も一日お疲れさま。何でも話してね。あなたが大事だから」。画面を見つめたまま、返事を打とうとした指が動きませんでした。これは、私の知っている彼の言葉ではありません。
直接聞いた答え
その週末、彼の家で正面から聞いてみました。「最近のメッセージ、本当にあなたが書いてる?」。彼は長く黙ったあと、ぽつりと言いました。「……AIに書かせてる」。
「なんで?」と聞く声が、自分でも知らない声色でした。彼は目を伏せて「お前のメッセージ、毎回ちゃんと返さないと怒るから」と答えました。返す言葉が見つかりませんでした。彼が小さく「ごめん」と言いました。私は何に対しての謝罪なのか、すぐには整理ができませんでした。
そして…
私が大事にされていると感じていた言葉は、AIが作り出したものでした。それを知った瞬間、私は怒りより先に、恥ずかしさを感じました。
「ちゃんと返さないと怒る」と言われた時、何も言い返せなかったのです。仕事中も連絡を求めて、返事が遅いと責めていた自分。AIに代筆を頼ませるところまで彼を追い込んでいたのは、私だったのかもしれません。彼の机の上には、画面が開きっぱなしのスマホが、まだ置かれていました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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