夫に「お前に似たら子供がかわいそう」と笑われた私→分娩室で私が"パパに似てね"と祈り続けたら…
笑顔の裏で積み重なっていく言葉
「子供はどっちに似るかな」。そんな何気ない会話のたびに、夫は決まってこう言いました。「お前に似たらかわいそう」。
友人の前でも、義両親の前でも、同じような冗談を繰り返すのです。周囲は苦笑いをしていましたが、夫は場が盛り上がっていると思っているようでした。
私が少し表情を曇らせて一度だけ「もう、やめてよ」と言ったことがあります。けれど夫は「そんな怒んなよ」と笑い飛ばしていました。だから私は、笑うことにしたのです。傷ついていることを悟られないように。
お腹の子に話しかけた夜
妊娠8ヶ月を過ぎたころ、お腹はずいぶん大きくなっていました。夫が寝たあと、私はよくお腹に手を当てて話しかけていました。「パパに似てね」と。
自分の容姿にコンプレックスがあったわけではありません。ただ、この子が生まれてきたとき、夫に「やっぱりお前に似たな」と言われるのが怖かったのです。
いつか夫の冗談が、子どもにも向くのではないかと思うと心が痛みました。「パパに似ますように」と願うことだけが、私にできる精一杯の祈りでした。
陣痛の中で、口をついて出た言葉
出産の日、陣痛は想像を超える痛みでした。意識が朦朧とする中で、私は何度も「赤ちゃん、パパに似てね」「パパに似ますように」と同じ言葉を繰り返していたそうです。
助産師さんが後に「ずっとそうおっしゃってましたよ」と教えてくれました。痛みの中でも、考えていたのはそのことだったのです。この子がパパに似ていたら、夫はきっと喜ぶ。そしてこの子は、あの冗談を言われずに済む。それだけを祈っていました。
そして...
病室にいると、目を真っ赤にした夫が入ってきました。生まれたばかりの赤ちゃんを抱く私の前で、夫は床に膝をつき、「ひどいことを言い続けて、本当にごめん」と頭を下げたのです。
後から助産師に聞いたのですが、私が陣痛の間ずっと『パパに似ますように』と言い続けていたことを夫に伝えたとのことでした。夫の涙の理由を知ったとき、ああ、伝わったんだと思いました。許すとか許さないとか、そういうことではなくて。私はただ、この子と夫と三人で、やり直していきたいと思ったのです。
(20代女性・主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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