「うちの息子にあんた似合わないわよ」と息子の彼女に言った私→息子の一言で気づいたこと
息子が「紹介したい人がいる」と言った日
息子から電話があったのは、二週間前のことでした。「紹介したい人がいるんだけど、連れてっていい?」受話器を持つ手に力が入りました。3年ほど付き合っていることは知っていました。
でも 紹介 という言葉の重さが、一気にのしかかってきたのです。息子は昔から何でも私に相談してくれる子でした。それが最近は電話の回数も減り、「彼女と相談して決めた」という言葉が増えました。私の居場所が少しずつ削られていくような、そんな感覚がありました。
取り返しのつかない一言
玄関で彼女を見たとき、礼儀正しくて感じのいい人だと、本当はわかっていました。手土産の和菓子も、私が好きな店のものでした。息子が教えたのでしょう。その "ちゃんとしている" 感じが、逆に胸を締めつけたのです。この人がいれば、もう息子に私は必要ないのだと。
気づいたときには、口から出ていました。
「ねえ、正直に言っていい? うちの息子にあんた似合わないわよ」言った瞬間、自分でも驚きましたが、止まらなかったのです。
姉が「ちょっと、やめなさいよ」とたしなめました。でもその声すら、もう耳に入っていませんでした。
「だって、うちは代々きちんとした家なの。もっとふさわしい人がいるはずよ」
本当に言いたかったのは「息子を取らないで」だったのかもしれません。でも親族の前でそんなみっともないことは言えず、"家柄"を盾にして取り繕ったのです。
息子の言葉が胸に刺さった理由
「母さん、一つだけ聞いていい。"きちんとした家"って何?」言葉に詰まりました。でも予想していなかったのは、その次の言葉です。
「俺が転職で悩んでたとき、毎晩電話で話を聞いてくれたのはこの人だよ」
息子が悩んでいたあの時期、私は自分のことで精一杯で、まともに話を聞いてあげられなかったのです。「好きにしなさい」は突き放したのではなく、余裕がなかっただけ。でも息子にとっては、それが全てだったのだと気づきました。
そして...
「この人を気に入らないなら構わない。でもこの先、俺の隣にいるのはこの人だから。この人を "似合わない" って言うなら、俺はこの家に似合わない息子ってことだよ。それでもいい?」
私がやっていたのは、息子を守ることではなく、自分の居場所を守ることだったのです。しかも一番醜い方法で。
親族の目が痛かった。姉には「あんた昔、義母に同じこと言われて泣いてたじゃない」と後から言われました。まさにその通りで、返す言葉もありませんでした。自分がされて一番つらかったことを、息子の大切な人にしてしまった。
帰り際、せめてもの思いで「和菓子、ありがとう」とだけ伝えました。本当はちゃんと謝りたかった。でもあの場では、それが精一杯でした。
後日、息子に電話をしました。「あの子に謝りたい。連絡先を教えてくれない?」。息子は少し間を置いて「……いいよ」と言いました。
(60代女性・主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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