「事務の子とじゃ釣り合わない」婚活で女性を見下した俺→彼女の職場で"頭を下げる"ことになった話
パーティーの翌日に送ったLINE
婚活パーティーで隣の席になった女性は、穏やかで話しやすい方でした。でも職業を聞いたとき「事務系の仕事をしています」という答えに、正直ピンとこなかった。当時の僕は年収1000万を超えたばかりで、完全に天狗になっていたのです。
翌日、女性から「昨日は楽しかったです。よかったらまたお話しませんか?」とLINEが届きました。悪いと思いつつも、変に期待させる方が残酷だと自分に言い訳して、こう返しました。
「正直に言うと、俺は年収1000万超えてるし、君みたいな"事務の子"とじゃ釣り合わないかな。お互い時間の無駄になる前に言っておくね」
「そうですか。お元気で」。それきり連絡は取っていませんでした。でもあの頃の私は「はっきり言ってあげた自分は誠実だ」とすら思っていました。今振り返ると、吐き気がします。
会議室で凍りついた日
半年後、私の部署は数字が壊滅的でした。上から「外部にコスト管理のコンサルを入れる」と告げられ、藁にもすがる思いで初回の打ち合わせに臨みました。
会議室のドアを開けた瞬間、そこにいたのはあの女性だったのです。
彼女は完璧な笑顔で「本日はよろしくお願いいたします」と言いました。声は微塵も震えていない。一方の私は、名刺を受け取る手が情けないほど震えていました。
"事務の子"の実力
打ち合わせが始まると、彼女は3年分のコスト改善実績を淡々と説明し始めました。年間数千万円の経費削減。部署横断プロジェクトのリーダー。数字の精度、分析の切れ味、どれを取っても圧倒的でした。
「……この改善プロセス、まさにうちが必要としていたものです」
気づけば、そう口にしていました。すると先方の部長が涼しい顔でこう言ったのです。
「彼女、うちのエースなんですよ。このプロジェクト以降、社内表彰も受けてましてね」
私が"事務の子"と見下した女性は、今まさに私の部署を救う側に立っている。あのとき自分が切り捨てたものの大きさが、数字になって突きつけられていました。
そして……
それから数週間、私は彼女に惹かれていきました。仕事の実力だけじゃない。あれだけ酷いことを言った相手に対して、一切嫌な顔をせずプロとして接してくれる器の大きさに、完全に打ちのめされたのです。
気がつけば、打ち合わせ後にわざわざ話しかけたり、仕事を口実にLINEを送ったりしていました。そしてある日、意を決してこう送りました。
「改めて謝りたいし、お礼もしたい。今度食事でもどうかな」
返信は、すぐに届きました。
「お気持ちはありがたいのですが、お仕事以外でお会いするつもりはありません」
返す言葉なんて、あるはずもありません。
半年前、私は「釣り合わない」と言い放ちましたが、今釣り合わないのは私の方。ようやく自分のしたことの重さがわかったのです。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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