「家着いた」と彼女に送った、いつも通りの連絡→「外、雨すごいね」という返信に、僕はとっさに「星が綺麗だよ」と返してしまい...
いつもと変わらない夜のはずだった
その日も、仕事が長引いていました。正確に言えば、職場を出たあと、すぐに家へ帰る気持ちになれずにいたのです。
付き合って2年。遠距離ではないけれど、お互い忙しく、会えるのは週末だけ。それでも、毎晩のLINEのやり取りだけは欠かさず続けていました。
彼女とのその時間は、僕にとっても、当たり前で、安心できる日常でした。夜10時を過ぎたころ、隣の県まで車を走らせ、河川敷のベンチに座り、ようやくスマートフォンを手に取りました。仕事のミスや、将来のこと。
彼女に話すほどでもないけれど、ひとりでは抱えきれない気持ちを、夜風に流すような時間でした。そのとき、彼女にメッセージを送りました。「家着いた。今日も疲れたー」
とっさについた、小さな嘘
スマートフォンをポケットにしまい、空を見上げていたところに、彼女から返信が来ました。「おつかれさま。外、雨すごいね」その瞬間、反射的に思ったことを、そのまま打ってしまったのです。「え?雨降ってないよ。星が綺麗だよ」送信してから、少しして気づきました。
彼女のいる場所では、雨が降っているのかもしれないということ。そして、自分がまだ「家」に着いていないということに。でも、そのときは深く考えませんでした。星が見えていたのは事実で、嘘をついた感覚も、ほとんどなかったのです。
違和感に、気づかれていた
それ以上、彼女から返信は来ませんでした。「もう寝たのかな」と思いながら、少しだけ胸に引っかかるものを感じつつ、家へ帰りました。
翌日、彼女から「今週末、少し話せる?」と連絡が来て、カフェで会うことになりました。カフェで向かい合った彼女は、スマートフォンの画面を見せてきました。そこには、あの夜のやり取りと、天気予報の画面。「このとき、どこにいたの?」そう聞かれて、ようやく正直に話しました。仕事帰りに、隣の県までドライブしていたこと。特別な理由はなく、ただ少し、ひとりで頭を整理したかっただけだったこと。「星が綺麗だよ」と送ったのは、考えた言い訳ではなく、ただ見えていたものをそのまま伝えただけだったことも。 彼女はしばらく考えるように黙ってから、こう言いました。「嘘かどうかより、ちゃんと話してもらえないことのほうが嫌だ」
そして…
あれから僕たちは以前よりも、言葉を選びながら話すようになった気がします。あの夜、学んだのは嘘をつかずに向き合うことの大切さでした。これからは彼女を不安にさせないように、無駄な隠しごとはしないと誓いました。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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