女好きな男性はなぜ女好きなのか？【ひとみしょうの男ってじつは・・・】

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女子が「アホちゃうか」と思うほど女好きの男性は、なぜそこまで女好きなのか？について、今回は解説したいと思います。

「彼女になりたい」と思っているから

女好きな男性はなぜ女好きななのか？

「彼女になりたい」と思っているからだ、というのが答えです。

じつは彼は「清楚でエロくて偏差値の高い大学を卒業して、現在大手企業でそつなく働いているあの彼女」になりたいと思っているのです。

あるいは、同じことですが、「キャバ嬢のようにヤンチャに生きるあの女子」になりたいと思っているのです。

つまり、彼が好きになる女子というのはみな、彼にとって「もうひとりの自分」なのです。

――なにかの加減でもし、俺が女として生まれてきたなら、俺は「清楚でエロくて偏差値の高い大学を卒業して、現在大手企業でそつなく働いているあの彼女」になっているはずだ。でも俺はなにかの加減で男として生まれてきた。だから未来永劫彼女にはなれない。でも好きだ。

あるいは、なにかの加減でもし俺が女として生まれてきたなら、俺は「キャバ嬢のようにヤンチャに生きるあの女子」になっているはずだ。でも俺はなにかの加減で男として生まれてきた。だから未来永劫彼女にはなれない。でも好きだ。

「彼女になりたい」とは、どういった気持ちなのか？

彼女のことが好き、という気持ちと、彼女になりたい、という気持ちは、まったく別の気持ちです。

彼女のことが好きという気持ちは、速攻で肉体関係を結ぼうとします。好きなのだから、ある種の積極的な女子同様、速攻でエッチします。

対照的に、彼女になりたいという気持ちは、なかなかエッチに発展しません。彼女になりたいという気持ちは、うまく言葉で説明できないのですが、たとえば、彼女と一緒に過ごすものの、告白しないし、ペッティングもしないし、彼女がほかの男子とエッチしたとか、元カレがどうとかといった話に耳を傾けるものの、だからといって「襲ったり」しません。

それは、たとえて言うなら、女子っぽいかっこうをしているホストのような感じです。

女子っぽいかっこうをするホストは一定数いますが、あれは「女子ウケ」とか「営業のため」というよりかは、「＜あの＞女子になりたい」という気持ちの現れなのです。

そういうことなので、彼女のことが好きという気持ちしか持っていない男子が、サクサクと女子と遊び、適当な年齢になると遊びに飽きてふつうに結婚してゆくのに対し、彼女になりたいと思っている男子は、いつまでも彼女になりたいと思い続けるのです。

つまり、いつまでも、「あの彼女」とエッチできなかったことを思い続けるのです。

男女に共通する話ですか？

〇〇になりたい、と思った時点で、人は絶望している。キルケゴールという哲学者はこう言います。その言にしたがうなら、「彼女になりたい」と思っている男は、その時点ですでに絶望していることになります。

さらに、彼女のことが好きという気持ちしか持っていない男が彼女とサクサクとエッチを楽しむ傍らで、「エッチできなさ」に絶望します。

つまり、彼女になりたいと思う男子は、二重に絶望しています。

「この」自分ではないなんらか別の自分になりたいと思う人は、男女問わず多いと思います。その中で、「彼女になりたい」と思っている（思ったことのある）男子もまた、じつは多いのです。

そういう男子はたいてい、先に例として挙げた「清楚でエロくて偏差値の高い大学を卒業して、現在大手企業でそつなく働いているあの彼女」になりたいと思っているか、「キャバ嬢のようにヤンチャに生きるあの女子」になりたいと思っているかの、いずれかです（だから、清楚系とキャバ嬢系は、つねに男から一定のニーズがあるのです）。

ではなぜ、「彼女になりたい」と思う男がいるのか？

これは謎です。わかりません。

女子で「彼になりたい」と思ったことのある人がもしいれば、メールなりなんなりでぜひ教えてください。男女の性差を超えて、普遍的な考察の一助としたいと思います。（続く）

※続きはあるていど考察が終わってから書きますが、それがいつなのかはわかりません。

（ひとみしょう／作家・キルケゴール協会会員）