復讐を描いた新たな“トラウマ映画”、日本版予告映像解禁＜MELT メルト＞

2025.06.26 17:00

女優のフィーラ・バーテンスの監督デビュー作となる「MELT メルト」。主人公の人生を狂わせたトラウマを回想しながら、物語が展開していくリベンジ・スリラーとなっている。本作は7月25日(金)より全国で順次公開される。

“トラウマ映画”の系譜に現れた新たな傑作

「MELT メルト」は主人公のエヴァが、13歳の自分を軸に、忌まわしい記憶を回想する形で展開。大人のエヴァをシャーロット・デ・ブリュイヌ、13歳のエヴァをローザ・マーチャントが演じている。過去と現在、両パートが綿密に絡み、緊張感がある映像が特徴のリベンジ・スリラーとなっている。

2023年のアメリカ・サンダンス映画祭での最優秀演技賞(ワールド・シネマ・ドラマティック部門)を受賞したほか、ベルギー・マグリット賞で最優秀フランドル映画賞を輝くなど欧米で高い評価を得ている。

トラウマがキーワードとなる本作。心理学者の協力のもと、人間の心の痛みや孤独という普遍的なテーマを探求したという。不安定に揺れるカメラワークを多用した閉塞感が渦巻く映像は、本作を“トラウマ”映画へ昇華する決め手となっている。

“儚くも美しいリベンジ・スリラー”のシーン公開

解禁されたのは、日本版予告映像、メインビジュアル、場面写真。

日本版予告映像は冒頭の自転車に二人乗りする少女たちのほほ笑ましい映像から一変、「13歳の夏休みに起きた―人生を変えた出来事」のワードとともに画面が暗くなる。エヴァと幼なじみの間で交わされる会話が不安をかきたて、そしてほのめかされる当時行われていた“ゲーム”の存在。「溶ける前に思い出して。」のフレーズで動画は締めくくられる。

メインビジュアルには、涙を流す13歳のエヴァに「溶ける前に思い出して。」とセリフが添えられている。「儚くも美しい、＜わたしの復讐劇＞」のキャッチコピーとともに、不穏さが漂うビジュアルとなっている。

さらに、場面写真には、子ども時代のエヴァが友人らと仲睦まじく自転車に乗る様子や鏡に向かう様子が映し出されている。冷静な表情の13歳のエヴァとは対照的に、現在のエヴァのにこやかな笑顔も切り取られている。

「MELT メルト」あらすじ

ブリュッセルでカメラマン助手の仕事をしているエヴァは、恋人も友人もおらず、両親とも長らく絶縁している孤独な女性。そんなエヴァのもとに一通のメッセージが届く。エヴァの少女時代に不慮の死を遂げた少年・ヤンの追悼イベントが催されるという。そのメッセージによって、13歳の時に負ったトラウマが呼び覚まされたエヴァ。氷の塊を車に積み、故郷の田舎の村に向かった。これは、自らを苦しめてきた過去と対峙し、すべてを終わらせるための復讐計画の始まりだった。