“難役”白雪姫の心を繊細に表現…吉柳咲良の演技力＆歌唱力にうっとり「紛れもなく白雪姫です！」

2025.06.14 11:10

ディズニー長編アニメーション作品の原点として長く愛されている同名アニメーション作品をミュージカル作品として実写映画化した「白雪姫」が、6月11日に配信された。そのプレミアム吹替版でタイトルロールに抜てきされたのが俳優の吉柳咲良。大河ドラマ「光る君へ」(2024年、NHK総合ほか)でも鮮烈な印象を残し、2025年1月期の日曜劇場「御上先生」(TBS系)でも生徒役で存在感を放った彼女の演技に注目しつつ、今作の魅力を紹介する。(以下、ネタバレを含みます)

ホリプロタレントスカウトキャラバンのグランプリで芸能界入り

2004年4月22日生まれの吉柳は、12歳のときに大手芸能事務所のホリプロが主催するオーディション「第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン PURE GIRL 2016」でグランプリを受賞したことがきっかけで芸能界入り。

俳優デビューは2017年のミュージカル「ピーター・パン」だった。1981年の初演から世代を超えて愛され続けた同ミュージカルでは、5代目の笹本玲奈と並んで最年少タイとなる13歳で、初舞台・初主演を務めた。

その後もアニメ映画「天気の子」(2019年)でヒロインの小学5年生の弟の声を担当したり、同年の「初恋ロスタイム」のヒロイン役を務めたり、ドラマ「青のSP―学校内警察・嶋田隆平―」(2021年、フジテレビ系)、「ここは今から倫理です。」(2021年、NHK総合)、「未来への10カウント」(2022年、テレビ朝日系)、「星降る夜に」(2023年、テレビ朝日系)、「リズム」(2023年、フジテレビ系)、連続テレビ小説「ブギウギ」(2023-2024年、NHK総合ほか)、「光る君へ」や「御上先生」など、ジャンルを問わずさまざまな作品でキャリアを重ねた。

そして2025年3月20日に劇場公開された「白雪姫」では、純真な心を持つ白雪姫(レイチェル・ゼグラー)の声を担当。同作は、白雪姫が7人のこびとや盗賊のジョナサン(アンドリュー・バーナップ)と協力し、冷酷な女王(ガル・ガドット)に支配された王国を解放しようとする姿を描いたもので、白雪姫の恋の相手が王子ではなくジョナサンに変更になっているなど、新たな要素も取り入れた作品となっている。

“有名過ぎる”物語の実写化に挑戦

世界中の誰もが知っており、ストーリーの進行に合わせて視聴者の脳内で次のシーンが無意識的に展開されていくような“有名過ぎる”物語にもかかわらず、映像の美しさ、迫力、雄大な音楽、展開のスピード感、実写ならではの世界観のリアルさ、シーンを彩る名曲の数々、役者陣の演技などによって、新鮮な感覚で楽しめる珠玉のエンターテインメント作品に仕上げているところは「さすがディズニー…」と思わずうなってしまう。

また、こびとたちの挿入歌「ハイ・ホー」など、アニメーション映画へのリスペクトも随所にちりばめられているところがニクい。新しいエンターテインメントでありながらエモーショナルな気持ちにもさせられ、「白雪姫」にしかできない楽しみ方を提示してくれている。

そんな中で、“プレミアム吹替版”で白雪姫役を務めた吉柳はあっぱれだった。白雪姫といえば、かれんで優しく、博愛に満ちたキャラクターであるが、物語の中では芯の強さや過酷な状況に立ち向かう意志の強さを持ち、城を出てからさまざまな経験を経てとてつもなく成長するところが魅力でもある。

さまざまな面を持って急激に成長していく白雪姫を、吉柳は声だけで見事に表現。優しさから強さまで、心の機微をしっかりと捉えて繊細に演じている。中でも、“ディズニープリンセスの代表”ともいえる大役を任された歌声は圧巻。シーンごとに役の心情を反映して、声の張りや力の入れ具合を変えており、思わずうっとり聴き入ってしまった。

SNSや各レビューサイトでは「咲良ちゃん歌うま過ぎだし脇を固める声優陣が豪華過ぎた！」「レイチェル・ゼグラーも吹替の吉柳咲良さんも素晴らしかった！　紛れもなく白雪姫です！」「吉柳咲良さんの『夢に見る―』が、力強くてとてもすてき」「吉柳咲良さんの歌唱がとにかく素晴らしい」「声がとにかくいい！　話し声は低めのハスキーボイスでこれがとてもよかった！　知的で意思の強さを感じる白雪姫」「吹替も心地よく見られた」「吉柳咲良さんの歌声が本当にすごいきれいで素晴らしかった」など、吉柳を絶賛する声が多く寄せられている。

また、公開時には白雪姫の楽曲「夢に見る～Waiting On A Wish～」や白雪姫とジョナサンによるデュエット曲「二人ならきっと」、女王の楽曲「美しさがすべて」など、楽曲が大きな話題となったが、「可憐でありながら芯が強い」という表現するにはハードルが高い“ディズニープリンセスの代表格”を見事に演じ上げた吉柳の演技力と歌唱力は“一聴の価値あり”だ。

映画「白雪姫」は、ディズニープラスで見放題独占配信中。

◆文=原田健