BS10で「舘ひろし シネマラウンジ」がスタート。名優・舘ひろしが名作映画の世界に誘う

舘ひろし、初めての冠番組で名作映画を“舘流”解説「ちょっと人とは映画の見方が違うのかもしれない」<舘ひろし シネマラウンジ>

2025.01.31 17:00
BS10で「舘ひろし シネマラウンジ」がスタート。名優・舘ひろしが名作映画の世界に誘う

1月10日に新たに開局した放送局「BS10」で、1月18日からスタートした新番組「舘ひろし シネマラウンジ」(毎週土曜夜6:00-9:00、BS10<200ch>、BS10スターチャンネル<201ch>で同時放送) 。自身初となる冠番組のナビゲーターを務める俳優・舘ひろしが、映画評論家の伊藤さとりと共に独特な視点で作品を深堀りし、数々のドラマや映画に出演した際の貴重な撮影エピソードも披露する。そんな新感覚の映画番組で、これまでにない役割に挑戦する舘に直撃インタビュー。オファーを受けた理由や自身の映画にまつわるエピソード、映画の持つ魅力を思う存分に語ってもらった。

銀幕のスター・舘ひろしがナビゲーターに「映画が好きだから」

――舘さんがナビゲーターを務める番組というのはなかなか珍しいことなのかと思いますが、今回のオファーを受けた理由と、実際に番組を収録してみての感想をお願いします。

お話を受けたのは、もちろんそれは「映画が好きだから」ですね。この番組に出ることで、映画の魅力が少しでも伝わればいいかなと。ただ、この歳になってもあまり上手にお話することができないので、本当に(アシスタントを務める)伊藤さとりさんに助けられています。収録に向けて準備することと言っても、その週に取り上げる映画を見るぐらい。特別なことはしていないですね。

――視聴者の皆さんに、どんなふうに映画の良さを伝えられたらいいなと考えていらっしゃいますか?

あまり深くは考えていないんですけどね(笑)。僕の場合は、映画を見るときって、もちろんストーリーや俳優の芝居も気にはしているのですが、どういうカメラワークなのか、どんな照明で撮っているのかとか、そっちの方に興味があってすごく気になるんです。

芝居は、もう人それぞれなんですよ。例えばですが、シネスコのスクリーンの中に一人の俳優がバンッて立ったときに、その画面全部を支えて、見る人の目がその人だけにいく。きっと映像の世界って、それだけで人を感動させることができるところに良さがあると思うんです。

――映画を見て、その感想を語ることの面白さや難しさを感じる部分はありますか?

僕はもう思ったことを言っているだけですから。とにかく僕は「映画が好き」なので、収録中も楽しく話していますが、打ち合わせで話しているときもすごく楽しいんです。映画の細かい部分に気が付いたりすると、「他の人はこれを見てないだろうけど、俺は気が付いたぞ」なんて、そんなちょっと自慢っぽいことがあったり、新しい発見があったりして。

――そうした舘さんの気付きが、視聴者の皆さんは興味を持たれると思います。

そうですか?みんな気が付かないの(笑)?でも、ちょっと人とは映画の見方が違うのかもしれませんね。

舘ひろしのガンアクションの原点は「007」シリーズ

――今後、この番組で取り上げたい作品や俳優、監督などはいらっしゃいますか?

僕はどうしても「007」シリーズ(1962年ほか)のショーン・コネリーの作品をやっていただきたい。それから僕のアクションの先生でもあるスティーブ・マックイーンの作品も取り上げたいですね。

――ショーン・コネリーのどんなところがお好きなんですか?

初めて「007」シリーズの映画を見たのは僕が中学生ぐらいだったのですが、「こんな大人がいいな」って思ったのが、ショーン・コネリーというか、ジェームズ・ボンドだったんです。その中でも一番好きなのは「007/ロシアより愛をこめて」。(1963年の)公開当時は「―危機一髪」って言ったんですね(※1972年の再上映時に邦題が「―ロシアより愛をこめて」に変更された)。僕の理想の男です。

――スティーブ・マックイーンは舘さんにとってアクションの先生ということですが、銃の扱いなどを見ていたんですか?

もちろん。僕の銃を使うアクションの先生は「007」のショーン・コネリーと、「ゲッタウェイ」(1972年)のマックイーン、この2人です。コルトガバメントでワルを撃つときに、左手を出すじゃないですか。ああいったところは、すごくコピーしています。

「あぶない刑事」(1986年ほか、日本テレビ系)を撮っているときでも、例えばドアを開けて拳銃を構えるときは必ずしゃがんで構えるんです。これは「007は殺しの番号」(1962年、※1972年の再上映時に邦題が「007/ドクター・ノオ」に変更さあれた)の冒頭のシーンで、ボンドがホテルの部屋に入るときに、しゃがんで構えるんです。これもまるっきりコピーです。ただ、実はそれはすごく理にかなっていて。人はまず自分の目線の高さで見るので、相手が一瞬目線を下げる間に、こちらは自分でいろいろ判断できるというか。だから目線の高さよりも低いところで構えることに意味がある。そんなふうに僕は感じたので、「なるほど」と思ってコピーしていたんです。

――そういった舘さんご自身の経験や歴史、撮影現場でのエピソードが出てくるのもこの番組の特徴かもしれませんね。

なるほど、そうかもしれませんね。とにかく一生懸命やっています(笑)。

映画館はドキドキが詰まっている場所

――舘さんご自身の映画にまつわるお話を伺いたいのですが、何か映画にまつわる思い出などをお聞かせいただけますか?

やっぱりガールフレンドと初めて一緒に映画に行ったとき、手を握るタイミングを一生懸命探しながら…もう映画の内容なんて全く覚えていないんですよ。作品は「2001年宇宙の旅」(1968年)かな…もう覚えてないですね。でも、映画館ってそういうところじゃなかった? ボーイフレンドやガールフレンドと行って、ドキドキしながら、ね。

――ちなみに最近、映画館で見た作品は?

少し前になりますが「トップガン マーヴェリック」(2022年)。僕はあの作品こそ映画だと思うんです。ジェット機はどんなふうに飛ぶかなんて、僕らは知らないじゃないですか。そういう世の中の人、僕らが目にしないものを引っ張り出してきて、それをエンターテインメントにして見せる。それこそが映画なんじゃないかと思います。

――では今は、ご自宅で映画を見られることの方が多いですか?

そうですね。僕は家で映画を見るとき、一本の映画をずっと見続けることってあまりないんですね。途中で止めて、別のテレビ番組やニュース、ドキュメンタリーなんかを見て、また途中から映画に戻る。僕らはドラマでも映画でも、撮影で“カット割り”といってブツブツ切りながら撮るんですが、それと同じで、途中で止めても頭の中でつながっちゃうんですよね。だからそういうことができるのかもしれません。

――どんなジャンルの作品をご覧になるんですか?

アクション系、サスペンスが多いですね。ホラーはあまり見ませんが、恋愛モノは作品によっては見ますね。有名な俳優、スターが出ているものなんかは。海外の俳優さんって自分で出演する作品を選ぶから、そういう俳優さんたちが選んでいる時点で、その作品はいいものだと思うんです。

――最後に、最近はテレビで映画作品を解説するような放送枠が減ってきていると思います。かつては淀川長治さんや水野晴郎さんが解説される番組がありましたが、何か思い出に残っていることはありますか?

淀川長治さんの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」は強く印象に残っていますよね。やっぱり皆さん、映画愛にあふれていますし、今回一緒にやらせていただいている伊藤さんもそうですけれども、映画が好きだということが伝わってくるのが、素晴らしいですよね。

――この番組を通して、視聴者に何か伝えたいことはありますか?

それこそ「映画っていいものですよね」ということじゃないですかね(笑)。

取材・文=関川直子

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