松坂桃李、芳根京子に圧倒されたシーン明かす「泣き崩れていて」【雪の花 ―ともに在りて―】
2025.01.24 16:10
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俳優の松坂桃李が24日、都内で行われた映画「雪の花 ―ともに在りて―」公開記念舞台挨拶に、共演の芳根京子、役所広司、メガホンをとった小泉堯史監督とともに登壇。芳根に圧倒されたシーンを明かす場面があった。
松坂桃李、過酷な撮影振り返る
本作で主演を務める松坂は「時代劇は芳根さんと一緒にやらせていただいた『居眠り磐音』以来で、5〜6年ぶりくらいなんですが、改めて時代劇っていいなって思いました」と目を輝かせ、撮影現場の雰囲気を聞かれると「撮影自体は早くて、充実した時間を日々過ごして、とても健やかでいい状態で毎日現場に行かせていただきました」と回顧。雪山を越えるシーンなど、過酷な一面もあったそうで「良策さんを演じる中で、当時は漢方医学が主流だったんですけど、そこに蘭方を取り入れて、未曾有のウイルスをどう治していったらいいかというプロセスが、とても大変だったんだなと改めて実感しましたね。何より未知で不安なものに対して感じる恐怖みたいなものは、昔も今も変わらないんだなというのを実感しました」と言葉に力を込めた。一方、映画『峠 最後のサムライ』以来の小泉組となった芳根は「変わらずめちゃくちゃ緊張していて、毎シーン『本番!』という声で心臓の音が自分でも聞こえるくらい緊張していたので、マイクで心臓の音、拾ってないといいなと思いながら毎シーン挑ませてもらいました」と明かしつつ、「監督は自然も仲間って感じで、撮影しているときって神経がキュッとして周りの音が聞こえなくなりがちなんですけど、この現場では緊張しているのに自然のことが耳に入ってきて、心地の良い穏やかな現場で、参加させてもらえて嬉しかったです」と声を弾ませた。
松坂桃李、役所広司が放ったセリフに感嘆「この感覚は味わったことがない」
また、松坂と共演した感想について、役所は「良策という医者の役は、松坂さんの誠実で志に向かって諦めない男にぴったりだと思います。まあ、普段の松坂くんはいい人がどうか知らないけど」と会場を和ませつつコメント。そんな役所と5度目の共演という松坂は「鼎哉先生のセリフで『名を求めず、利を求めず』という言葉があるんですけど、役を飛び越えて僕にも言われているような刺さり方がして、今までこの仕事をさせていただいて、この感覚って味わったことがなくて、それが今でもずっと残っているんですけど、すごかったですね」と感嘆。これに役所は「先輩を立てて褒めてくれてありがたいですよね」と笑顔を見せた。続けて松坂が、役所演じる鼎哉が授業を受けるシーンで、松坂を含め、生徒役の役者陣がキラキラしていたと打ち明けると、役所は「本当かな(笑)。噛まないで早く終わらせてって思ってたんじゃない?」と疑って会場の笑いを誘った。
松坂桃李、芳根京子の太鼓シーンは「圧巻でした」
そして、芳根が今回、太鼓や殺陣も挑戦したことが話題に上ると、どちらも初挑戦だったという芳根は「殺陣の撮影のときに監督が『芳根京子はこんなもんじゃない』って言ってくださったり、太鼓も練習場に何度も来てくださって経過を見てくださっていたので、来てくださるたびに“またよくなったな”と思ってもらえるように頑張ろうと思えて、監督が鼓舞してくれることがモチベーションにつながっていました。本当に感謝しています」と頭を下げ、「太鼓の本番は、見てくださっている方が本当に楽しそうに見てくださっていたので、私自身、楽しく太鼓を叩くことができました」とにっこり。今でも、太鼓の練習で得た技術が体に染み付いているそうで「こういう細長いもの(マイク)を持つと、手首の角度とかがすごく蘇ってきて(笑)、これはしばらく続くだろうなという嬉しい気持ちになりますね(笑)」と声を弾ませ、「役所さんからも先ほど『今日は生演奏しないんですか?』って言ってくださったりして、今回、太鼓に出会えて嬉しかったなと思うことが多いです」と吐露した。
そんな芳根の太鼓シーンについて聞かれた松坂は「圧巻でした」と舌を巻き、芳根の努力も肌で感じたそうで「現場で久しぶりに会ったときに、手首がテーピングだらけで、ボクサーのテーピングくらいグルグルに巻いていたので、どれだけ大変なことだったんだろうって。撮影のときもすごくて、圧倒されて、撮影が終わったときは芳根さんは泣き崩れていて、あれは忘れられないですね」としみじみ。芳根は「作品中も(良策が)真剣に何かに向かっていたり、悩んでいる表情をたくさん見てきたので、あのシーンで良策さんの笑顔が見れたこともうれしくて、“私が笑顔にしたぞ!”って思いました」と嬉しそうに話した。
松坂桃李、“博物館展示級”の小道具を使用「手が震えましたね」
さらに、小池組の撮影では黒澤明監督が撮影で使った小道具を撮影で使うそうで、小泉監督が「黒澤監督が自宅で使っていた薬研を松坂さんに使ってもらいました。黒澤組の何かが使えるのが楽しみなんですよね(笑)」と語ると、松坂は「使う側は緊張しますね。本番直前に監督にそんなことを言われるので、変な話、博物館で展示するような貴重なものだったりするので、手が震えましたね」と吐露。加えて、小泉監督が「『赤ひげ』で三船(敏郎)さが使っていたやつですからね」と告白すると、松坂は「えっ…。いま聞けてよかったです(笑)」と目を丸くした。そして、諦めないで成し遂げようとした笠原良策にちなみ、2025年に成し遂げたいことを聞かれると、松坂は“今年1度も体調を崩さずに完走する”という目標を掲げていたことを明かし「年始に体調を一瞬崩してしまい、その目標がかなわなかったんですけど、それ以降から絶対に体調を崩さないという強い意志で最後まで完走しようと心がけています。今日から1度も体調を崩さずに完走します」と力強く宣言。芳根は「大きな目標は持つようにしているんですけど、目の前のことに精一杯型と言いますか、今を頑張れば未来につながると思っているので、今を全力でということを常に心がけていて、松坂さんも今、ドラマ中だと思うんですけど、私も今、ドラマに参加させてもらっているので、今はドラマを無事故、無怪我で完走することが1番の目標です」と語った。
松坂桃李主演映画「雪の花 ―ともに在りて―」
江戸時代末期を舞台に、数年ごとに大流行して多くの人命を奪う天然痘と闘った一人の町医者の実話を描く小説「雪の花」(作・吉村昭/新潮文庫刊)を映画化した本作。自らの利益を顧みずに、天然痘に侵された日本を本気で救おうと立ち上がった“実在の知られざる町医者”・笠原良策(松坂)と、その妻・千穂(芳根)の愛と感動の実話を描く。(modelpress編集部)
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