屋比久知奈にインタビューを行った

「モアナの母性を感じました」 屋比久知奈、“妹”シメアにメロメロ<モアナと伝説の海2>

2024.12.04 11:10
屋比久知奈にインタビューを行った

日本では2017年に公開されたアニメーション映画「モアナと伝説の海」の続編となる、ディズニー・アニメーション・スタジオ最新作「モアナと伝説の海2」が12月6日(金)に全国公開。このほど、前作に引き続き主人公・モアナの声を担当している屋比久知奈にインタビューを行い、アフレコの感想や自身とモアナの成長に関する思い、本作に登場する魅力的な楽曲の聴きどころなどを語ってもらった。

同作の舞台は、前作から3年後。海と特別な絆で結ばれたモアナが、仲間と共に世界を引き裂いた呪いを解く危険な航海に出る冒険を描く。本作でモアナと一緒に冒険に出るのは、前作にも登場した風と海をつかさどる半神半人の英雄でモアナの相棒マウイ、元気いっぱいだけどちょっと怖がりなブタのプアやいつも神出鬼没で予測不可能なニワトリのヘイヘイ。さらに、モアナとマウイが大好きな伝説オタクの青年モニ、天才肌の頼れる船大工の少女ロト、植物を愛する料理担当の老人ケレという新たな仲間も加わった。

前作時は「余計なことを考える暇もなくがむしゃらにやっていた」

――前作「モアナと伝説の海」(ディズニープラスで配信中)の公開からは約7年たっていますけど、今回はどんな思いでアフレコに臨みましたか?

とにかく緊張しました(笑)。前回は何もかもが初めてということもあって、余計なことを考える暇もなくがむしゃらにやっていたんです。あれから7年たって、ありがたいことに私自身もいろいろなことを経験させてもらいました。それは、どれも私にとってプラスな出来事。ただ、怖さというものも知りましたし、「モアナと伝説の海」はたくさんの方に喜んでいただいた作品でもあるので、皆さんの期待に応えられるようなモアナを演じるにはどうすればいいのか。自分なりにものすごく考えました。

――どんなところで反響の大きさを感じましたか?

ディズニー・オン・アイスで歌ったときにモアナの格好をした子どもがいたり、東京ディズニーシーのショーで自分が演じたモアナの声が流れたり。多くの方に愛されているキャラクターの声を担当させていただいているという喜びがありましたし、すごく幸せなことなんだなとあらためて感じました。

――物語も3年後という設定。演じる際に意識したことはありますか?

ちょっとした違いではあるんですけど、モアナが大人になっていることが分かりましたし、とても自然な変化だったんです。だから変に作り込むよりは、ある意味真っ白な状態で真っすぐ存在しているような感じのほうがいいのかなと。アフレコのときは、なるべく余計なものをそぎ落とすことを意識しました。

――実際に演じてみていかがでしたか?

正直なところ、どうなるのかなっていう不安はありました。でも、ブースに入ったら前作と同じように緊張しながらも割と無理なく集中できて、作品の世界観に戻って来たんだなという感覚に。

モアナの心の移り変わりは大事にしましたけど、大人になったモアナの声を作るということはしなかったです。あくまでも自然に、この7年間で私が経験してきたものが無理なくモアナに反映されていたらいいなと思いました。

――モアナはもちろん、おなじみのキャラクターたちも登場しますね?

この作品においては「ルーツ」も一つのテーマ。モアナ自身が大切にしていることですし、家族や周囲の人々、新しい仲間のことも大事に描かれているんです。

そして、今回はどのキャラクターが活躍するのか。モアナだけではなく、おなじみの仲間たちの奮闘ぶりにも注目してほしいです。

この7年でさまざまな作品に参加「一つ一つのつながりを感じます」

――新しい仲間といえば、モアナにはシメアという妹ができました!

シメアは本当にかわいい! 妹に語り掛けるときのモアナはすごくお姉ちゃんなんです。子どもを相手にするときは、その人の大人の面が出ると思うんですよ。モアナの母性を感じました。

――モアナの新たな一面ですね?

シメアに対して見せる顔もそうですけど、モアナに向ける村の人々の視線も変わってきて。それに対して言葉を掛けるモアナも少し成長している。村の大事な役割を担っていると自覚しているモアナはちゃんと周りが見えているんですよね。だから、自分がやるべきことも分かっているんです。

――劇中では“つながり”という言葉が出てきますが、屋比久さんが仕事をする上でつながりのようなものを感じる瞬間はありますか?

この7年でいろいろなミュージカル作品に参加することができました。他のお仕事もそうですけど、絶対に1人ではできないこと。キャスト、スタッフ、オーケストラ、劇場関係者etc…、みんなで力を合わせて一つのものを作っているときに、一つ一つのつながりを感じます。いろいろな人たちの思いがあるから、その作品にエネルギーが乗るのかなと。アイデアを出し合ったり、手を取り合って作品にアプローチしていく作業は楽しいです。

――前作もそうでしたが、劇中に流れる音楽も魅力の一つ。

大地や海といった自然の民族的な鼓動は今回もしっかりと引き継がれていて、さらにまた新しい楽曲を楽しむことができます。前回は明るい希望やピュアな憧れを感じるような曲がありましたけど、今回は大人になったモアナがいろいろなことを経験したからこその不安や守るものを背負う覚悟などが描かれていて全然違う魅力があります。

モアナが冒険に出た後に船の上で歌う曲「最高の世界」はディズニーらしい掛け合いがある楽しい仕上がりに。メイン楽曲の一つである「ビヨンド ~越えてゆこう~」はものすごく難しかったですけど、1人でも多くの方に聴いていただきたいです!

◆取材・文=小池貴之

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