映画「雪の花 ―ともに在りて―」東京国際映画祭舞台あいさつに登場した松坂桃李と芳根京子(写真右から)

芳根京子、松坂桃李と再共演で“妻役”に「今回は無事に結婚することができて幸せでした」<雪の花>

2024.11.02 15:47
映画「雪の花 ―ともに在りて―」東京国際映画祭舞台あいさつに登場した松坂桃李と芳根京子(写真右から)

俳優の松坂桃李と芳根京子が、11月2日に都内で開催された映画「雪の花 ―ともに在りて―」東京国際映画祭舞台あいさつに登場。メガホンをとった小泉堯史監督と共に、撮影現場でのエピソードや再共演への思いなどを語った。

吉村昭原作の“実話”を基にした時代劇

同作は、江戸時代末期に多くの人命を奪う疫病「疱瘡(天然痘)」と闘った無名の町医者の愛と感動の実話を描く日本発本格時代劇。吉村昭氏の原作「雪の花」を小泉監督が映画化した。松坂はどんな困難に直面しても「絶対に諦めない」福井藩の町医者・笠原良策を、芳根が持ち前の明るさで良策を盛り立てる妻・千穂をそれぞれ演じ、開催中の「第37回東京国際映画祭」ではガラ・セレクション部門にて正式出品されている。

実在の人物を演じるということで、松坂は「すごく緊張します。いろんな資料を読ませていただいて、時間をかけてゆっくり体に入れて現場に入るということも必要ですし、監督の演出の下、良策を生きることは本当に僕の中では難しいことでもあったんですけど、いろんな人たちの手を借りて役を全うすることができました」と役へのアプローチを振り返った。

メガホンをとった小泉監督といえば、巨匠・黒澤明監督の助監督を務め、自身の監督デビュー作「雨あがる」(2000年)以来、人間の美しい在り方を描いてきた名匠。“小泉組”の現場について聞かれると、松坂は「しっかりと本読み、リハーサルを重ねた上で、現場に入ったら既にカメラが据えてあって。全編フィルムなんです。そこの撮り直しがきかない緊張感が現場に入ると漂っているんですよ。その中でのお芝居というものは経験したことのない緊張感、高揚感もありますし、今まで味わったことのない気持ちになりましたね」としみじみ吐露した。

そして映画「峠 最後のサムライ」(2022年)に続いて、小泉監督作品参加となった芳根は「小泉組に二度目の参加をさせてもらったんですけど、一度目は記憶がちょっと薄くなってしまうぐらい緊張で、結構真っ白になっちゃっているなと、振り返ると思うことがあって(笑)。今回は現場にいる時間も前回より長くいさせてもらえることもあって、しっかり記憶に残すぞ!と意志を持って参加させてもらいました」と打ち明け、あらためて松坂に「小泉組でしか感じられない緊張感がありますよね?」と問い掛けると、松坂は「ありますね。小泉さんは自然を味方にすると言いますか、天候を操るのかなとも個人的には思っていました」と、小泉監督に畏敬の念を抱いていることを伝えた。

松坂&芳根、時代劇で再共演「和装のほうが見慣れて…」

また、松坂と芳根は同じく時代劇の映画「居眠り磐音」(2019年)では、結婚できなかったものの“婚約者”という間柄で共演しており、11月17日(日)に放送される「月刊 松坂桃李『ダンディ・ボーイ。』」(WOWOWプライム)では恋人役を務める。

MCから松坂との再共演について触れられると、芳根は「前回(『居眠り磐音』)ご一緒させていただいたときも時代劇だったので、和装の松坂さんのほうが見慣れてしまっている分、逆に今が不思議という不思議な現象が起きているんですけど…」とほほ笑みつつ、「前作は結婚する約束まではいっていたんですが、結婚できず、お別れをしてしまう役だったので、今回は無事に結婚することができて、最後まで妻として支えることができてとても幸せでした。ありがとうございました」と、役の上で添い遂げられたことを喜び、松坂も「良かったですねえ。こちらこそです」と笑顔で返すなど、ほっこりとしたやりとりを展開。

そんな若き名優2人に対し、小泉監督は「本当に素晴らしかったですね。歴史上の人物を描くのは非常に難しいんです。その時代に対する想像力が非常に大事なんですけど、それをきちんと持って人物を立ち上げてくれている。僕はそれを現場で毎日見られるのが非常に楽しみで、現場が本当に楽しかったです」と目を細め、称賛の言葉を送った。

映画「雪の花 ―ともに在りて―」は2025年1月17日(金)より全国公開。

◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)

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