“現役高校生”横溝菜帆「すごくツンデレなんです」愛猫に感情を揺さぶられ歓喜<インサイド・ヘッド2>
頭の中の感情たちの世界を舞台に“カナシミは、必要なのか?”という深いメッセージで世界中に感動の渦を巻き起こし、「第88回米国アカデミー賞」で長編アニメーション賞を受賞した「インサイド・ヘッド」(ディズニープラスで配信中)の続編となるディズニー&ピクサーの新作「インサイド・ヘッド2」が8月1日(木)に全国公開される。このほど日本語吹き替え版で主人公・ライリーの声を担当している横溝菜帆にインタビューを実施。アフレコのエピソードや自分の頭の中にいる“感情のキャラクター”たち、最近心を動かされた出来事などを語ってもらった。
同作は、日本に先駆けて6月14日から全米をはじめ世界各国で公開され、ついにこれまでNO.1だった「アナと雪の女王2」を追い越し、アニメーション映画史上世界No.1の世界興行収入となるなど、歴史的な大ヒットを記録している。前作で小学生だった明るく元気な女の子ライリーが高校入学を控えたティーンエージャーに成長。これまでの「ヨロコビ」や「カナシミ」などに加え、「シンパイ」「ハズカシ」「イイナー」「ダリィ」といった大人の感情たちが新たに登場し、思春期ならではの悩みや葛藤が描かれる。
「明るい性格はとても魅力的だなと思います」
――ご自身のInstagramでも「ライリーが大好き」と投稿されていましたが、実際に好きなキャラクターの声を担当した感想をお聞かせください。
完成した作品を見た時にライリーの表情がすごく豊かで、そのかわいいライリーに私の声が入っているということが不思議でした。少しずつ聞き慣れてくると客観的にライリーとして見ることができて。感情の波を表現するお芝居は難しかったですけど、頑張って収録しました。
――ライリーのどんなところに魅力を感じますか?
前作でもそうでしたけど、今回も友達や学校のことでいろいろ悩みがある中でも基本的に前向き。そういう明るい性格はとても魅力的だなと思います。
――自分と似ていると感じる部分はありますか?
すごく前向きな部分は似ているような気がします。でも、私がライリーのように複雑な境遇だったとしたら、ちゃんと自分の感情と真剣に向き合うようなことはできないかなと。決して逃げたりしないライリーはすてきです。
――声のお芝居ではどんなところが難しかったですか?
難しかったのはアイスホッケーの試合。苦しんでいる時の息づかいが難しかったですね。もちろんセリフも大変なんですけど、息だけで表現するお芝居は苦労しました。
感情をはっきりと声に出すときは、それぞれの感情のキャラクターたちの物まねをして、マイクに音が入らない程度に身振り手振りをやってみたり。体を動かすと声が出しやすかったです。
――体だけではなくて、表情を作ることもありましたか?
悲しいときは本当に泣きそうなくらいの顔をしながら収録していたんです。表情を変えると声のトーンも変わるような気がしたので、それを意識してアフレコに臨んでいました。
気になるキャラクターは「イイナー」
――劇中では、いろいろな“感情のキャラクター”たちが登場しますが、個人的に気になるキャラクターはいますか?
「イイナー」が好きです。すごく小さくて、高い所に手が届かなかったり、みんなに対してうらやましいって思っていたりすることもそうですし、あのキラキラした目がかわいいです。
――普段、感情をコントロールする時に気を付けていることはありますか?
すごく悲しいことやつらいことがあった時にマイナスな気持ちになっても、そのうち絶対にプラスな気持ちになるから大丈夫だと自分に言い聞かせるようにしています。そうすると周りの方たちが助けてくれたり、自分の中でももうちょっと頑張ってみようかなという前向きな気持ちになれたり。マイナスな気持ちもちゃんと受け止めて、きっとこの先も大丈夫だと思うようにしています。
――自分の中の感情のバランスはどんな構成になりそうですか?
「ヨロコビ」が60%で「イイナー」が30%。そして「ハズカシ」が10%です。ちょっと恥ずかしがり屋なところもあるので、すぐ顔が赤くなっちゃうんです。だから「ハズカシ」も少し入れてみました(笑)。
マイナスの感情になっていると顔も雰囲気も暗くなって、周りにいる人たちまで暗くなってしまうような気がして。なるべく前向き、前向きって思うようにしています。でも、(完成披露)舞台あいさつの前はものすごく緊張していました。
――そういうときは、どうやって緊張を克服するんですか?
始まる前まではすごくドキドキしているんですけど、本番直前になったら「すごく楽しみ!」っていう気持ちになれるんです。
せっかくお客さんもたくさん見に来てくださっているので、自分も楽しんで皆さんのことも楽しませることができるように頑張りたいという思いが強くなります。
監督の感情の波をのぞいてみたい
――もし、誰かの感情をのぞけるとしたら、どんな人の“感情の波”を見てみたいですか?
監督です! 今回に限らず、オーディションや本番などで自分が全力でお芝居をしている時に監督が何を考えているのか。ちょっと怖いですけど(笑)、そのときの感情を見てみたいです。
――作品のキャッチコピーは「どんな感情も、あなたの宝物になる」ですが、横溝さんにとっての“宝物”は何ですか?
やっぱり「家族」だと思います。つらいことがあって泣いてしまうような時も、いつもそばにいて自分のことを理解してくれて、一緒に考えながら協力してくれるのは本当にありがたいです。今のお仕事を小さい頃からできているのも家族の支えがあったからだと実感しています。
――自分の中で成長したなと感じる部分はありますか?
小さいときは泣いてばかりだったので、前向きに考えられるようになったところは大きな変化。まだ、高校生になったばかりですけど、一度決めたことは最後まで貫き通すという意志の強さは中学生の頃より少しは成長できているのかなと。何か具体的な出来事があったというわけではないのですが、高校生は大人と子どもの中間。もっと大人にならなきゃっていう思いから意志の強さが生まれたのかなと思っています。
ツンデレな猫に歓喜「静かにかみ締めていました」
――最近、感情を動かされるような出来事はありましたか?
私が飼っている猫はすごくツンデレなんです。飼い始めて1年半くらいたつのに全然寄ってきてくれないし、抱っこもさせてくれない。だけど、この前私が1人で家のソファに座っていたら寄ってきてくれたんです。足にもすり寄ってきて。そのときは「ヨロコビ」が心の中で大騒ぎ(笑)。あまり喜び過ぎるとまた逃げてしまうので静かにかみ締めていました。
――そんな猫ちゃんの感情をのぞいてみたいですか?
見てみたいですけど、たぶん「ダリィ」ばっかりだろうなあ…。いつもダルそうな感じなんです(笑)。
――では、読者の方にメッセージをお願いします。
思春期ならではの難しい感情の波などはライリーと同世代の方はもちろん、大人の方々もすごく共感できると思います。自分のいい感情も悪い感情も全部無駄なものはないんだなと思える作品。映画を見て自分を見つめ直すきっかけになったらうれしいです。
◆取材・文=小池貴之
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