福本莉子、年齢を重ね役柄も変化「朝ドラや大河ドラマに出演したいという思いはずっとある」<ディア・ファミリー>
ドラマ・映画・舞台と俳優として活躍の場を広げている福本莉子。6月14日(金)に公開される映画『ディア・ファミリー』では「20歳まで生きられない」言われながらも、明るく、朗らかな心で懸命に生きる女性・佳美を好演した。福本自身、台本を読んだ際「なぜ佳美ちゃんはあんなにも強く生きられたのだろう」と役へのアプローチ方法に悩んだという。そんな福本は作品を通してどんなことに気づき、自身に落とし込んでいったのだろうか。胸の内を聞いた。
難役も、モデルとなった家族に出会い活路
「事実は小説よりも奇なり」、そんな言葉がぴったりと当てはまるような実話を元に映画化された『ディア・ファミリー』。主人公は小さな町工場を経営する男性・坪井宣政(大泉洋)。三人娘の次女・佳美は幼いころから心臓に疾患があった。
そんななか、医療とは全く無縁だった宣政は「娘の命を守りたい」という一心で、私財を投げうって人工心臓の開発に着手する。肉体的にも精神的にも信じられないような苦境に立たされながらも、絶対に諦めない気持ちで歯を食いしばりながら困難に立ち向かう。そんな宣政の思いを純粋かつ朗らかな気持ちで受け止める佳美は、家族のなかでも人一倍頑張り屋で、毎日を笑顔で生きていく。
――本作の脚本を最初に読んだときどんな印象を持ちましたか?
まず実話というのが信じられませんでした。佳美さんは若い時に余命宣告をされてしまったにも関わらず、とても芯が強く優しい女性なんです。「私の命はもう大丈夫だから」というシーンがあるのですが、どうして厳しい状況にいるのに、そんなことが言えるのだろう…と正直悩んでしまいました。
――そんななか、どうやって佳美というキャラクターを手繰り寄せていったのでしょうか?
佳美さんのご家族に会う機会をいただいたのですが、とにかくご家族の方がとても温かく愛に溢れているんです。みんなが佳美さんのことが大好きで、佳美さんも自分のことよりも常に相手のことを考えるような女の子だったとお話をされていて…。こんな素敵なご家族に囲まれていたからこそ、佳美さんも強くて優しい女性だったんだなと理解できました。
家族は常に味方でいてくれる存在
――佳美さんのご家族を演じたのは、大泉洋さん、菅野美穂さん、川栄李奈さん、新井美羽さんと魅力的な俳優さんたちが揃いましたね。
撮影初日が家族写真を撮るシーンだったのですが、朝から「今日は初日でしたっけ?」と言うぐらい大泉さんはめちゃくちゃしゃべっていました(笑)。そこで距離がグッと縮まりました。大泉さんが現場を盛り上げてくださるから、撮影を楽しむことができたと思います。
――そんななか、福本さんが先ほどお話された「私の命はもう大丈夫だから」という場面など、とてもシビアなシーンも多かったですね。
撮影が始まって2~3日目に撮ったシーンだったのですが、まだ私自身も佳美としての表現に悩んでいた時期でした。でも大泉さんが「焦らなくてもいいから」「もう少し力を抜いてもいいんじゃないかな」とアドバイスをしてくださったので、すごくありがたかったです。
――家族で食卓を囲むシーンはとてもほのぼのとしていました。
大泉さんはあまり一緒に食卓を囲むシーンがなかったので、私たちが仲良く食べているのをチラチラ見に来る仕草とかが面白かったですし、三姉妹のシーンも好きですね。特にみんなが佳美ちゃんに気を使うなか、寿美ちゃんだけはお姉ちゃんとして佳美ちゃんを頼ってくれるので、それは演じていても嬉しかったです。
――家族がとてもキーワードになる作品ですが、福本さんにとってのご家族とは?
なんでも話せるし、一緒にいると落ち着く存在です。私もお姉ちゃんがいるのですが、仲が良くて結構頻繁に電話をするなど連絡を取っています。川栄さんとのシーンは、現実でも妹なので、すんなりと関係性を築くことができました。常に味方でいてくれる存在が家族。とても心強いです。
スマホでなんでも完結してしまう時代「便利過ぎてしんどいと思うこともあります」
――メガホンをとったのは「君の膵臓をたべたい」や「響-HIBIKI-」、Netflixシリーズ「幽☆遊☆白書」などを手掛けた月川翔監督ですが、福本さんは10代のころに「センセイ君主」という映画でご一緒していますね。
当時はまだ高校生だったのですが、そこから私もいろいろな作品を経験させてもらい、ちゃんと成長した姿を見せなければいけないという思いはありました。でも監督自身は、いい意味であまり変わっている印象はなかったです。常に寄り添ってくださる優しい監督さんでした。
――1970~2000年代を舞台にした物語ということで、当時流行っていたファッションや髪型なども劇中で見せていますが、いかがでしたか?
とても新鮮でした。この時代の衣装を着るのが初めてでしたし、衣装合わせのときいろいろなバージョンのアラレちゃんメガネをかけさせていただきました。高校生から社会人になるまでの期間を演じたので、その時期に合わせて服装も変えたり。ベレー帽とかも、すごくかわいくて、楽しかったです。
――当時は携帯電話やスマートフォンもなく、時間の感覚もいまとは違いますよね?
いまはとても便利ですが、ちょっと便利すぎてしまって、情報を得るのもスマホ1つですべてが済んでしまいますよね。自分の近いところだけではなく、広くいろいろなことが見えてしまうのは、ちょっとしんどいと思うこともあるので、ある程度アナログな方がいいかもしれません。
目標は連続テレビ小説や大河ドラマ「もっと感情の引き出しを増やしていきたい」
――佳美は余命宣告されてしまいます。福本さんも何かタイムリミットを意識して行動することはありますか?
私は今年24歳になるのですが、20歳を過ぎたぐらいからとにかく時の流れが速すぎて…。成人式からもう3年も経ってしまったんだと思うと、流されずにしっかりと何かをやっていかなければいけないという焦りはあります。
仕事はもちろんですが、休みの日にジムに行ったり、茶道行ったり、友達と話したり…常に何かをしていたい性格なので、時間の大切さは年々感じています。
――年齢を重ねるごとに演じる役柄も変化が生じてきたと実感することはありますか?
10代のころは学生の役が多かったのですが、最近は社会人の役をやらせていただくことも増えてきて、役柄の幅は広がってきたと思います。その分ハードルは上がってきているなと感じていますし、日常生活のなかで、より高くアンテナを張って、しっかりと感情の引き出しを増やしていかなければいけないなという危機感はあります。
好奇心をもって感情が動く瞬間を大切にしたいです。ずっと朝ドラや大河ドラマに出演したいという思いがあるので、人間としてさまざまな経験をしていきたいと思っています。
――そのために心掛けていることはありますか?
場所が変わると気持ちも変わるじゃないですか。最近は地方ロケに行かせていただく機会も多いのですが、人も変わるし刺激が多いんです。同じ場所に居続けることってあまり良い効果を生まないような気がするので、広い視野を持つために海外などにも行ってみたいです。いまはロンドンに行ってみたい。イギリスの映画も好きですし、海外で活躍されている人ってすごく視点もユニークなので、お話も聞いてみたいです。
――映画を通して、どんなことを学べましたか?
佳美さんは、常にできないことよりもできることに目を向けて前向きに生きている。私は普段、ちょっとしたことでも落ち込んでしまうことがあるのですが、しっかり気持ちを切り替えて、1日1日を豊かに過ごさなければと思いました。佳美さんの前に進む力にはとても勇気づけられました。
◆取材・文/磯部正和
撮影/梁瀬玉実
スタイリスト/武久真理江
ヘアメイク/伏屋陽子(ESPER)
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