戸田恵梨香、難役で新境地「どれが事実なのか自分自身も疑いながら」心境を語る<母性>
2022.10.27 17:10
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女優の戸田恵梨香が27日、東京ミッドタウン日比谷で行われた映画「母性」(11月23日公開)の完成報告会に共演の永野芽郁とメガホンをとった廣木隆一監督とともに出席。難役を演じた心境を語った。
戸田恵梨香&永野芽郁「母性」
累計発行部数360万部を超え、2010年に映画興行収入38.5億円を記録したヒット作『告白』から12年。数々の傑作を生み出し日本中を震撼させてきたベストセラー小説家・湊かなえが「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」とまで語った渾身の作品で、累計発行部数120万部を突破した『母性』(新潮文庫刊)が映画化。ある未解決事件の語り手となる母娘を演じるのは、戸田と永野。人気実力トップクラスの2人の女優が、繊細かつ大胆な演技で新境地を切り開く。さらに、物語に登場するひと際キャラの濃い母娘たちを、大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオが熱演。監督を務めるのは人間ドラマの名手、廣木。主題歌は、日本を代表するトップシンガーJUJUが鮮やかに歌い上げる新曲「花」。
本作は第35回東京国際映画祭(10/24~11/2)で特別招待上映作品(ガラ・セレクション部門)に出品された。
戸田恵梨香、新境地の難役を演じた心境は?
娘を愛せない母、母を愛せない娘といういびつな関係性を演じた2人が、それぞれどのように役づくりをしていたのか問われると、戸田が「役についてや、そのシーンをどうやって成立させようか、という話はしていたと思います」と話すと、永野も「“これはどうしたらいいんでしょうか?”わたしからたくさん相談ばっかりさせていただいてました」と続け、廣木監督も「2人がとても良い感じで、かなりハードなシーンも距離をしっかりとってそこにいてくれたので、僕はすごくやりやすかったです」と2人の絶妙な芝居を讃えていた。新境地との呼び声も高い難役を演じたことについて話が及び、戸田は「娘のままでいたい、母に愛され続けたい、という気持ちはきっと世界共通の感情で自然に芽生える感情なんじゃないかなと思います。親から受け取った愛情や意思、その経験から自分にできた価値観を娘に押し付けてしまう人だったので、演じたルミ子にとっては普通なんだけど周りからはおかしく見える、でも猟奇的なほどおかしい人には見えないようにする微妙なラインはすごく考えました。それほどおかしいことに彼女自身は気づいていない、という表現も考えたり、頭をたくさん使った現場でしたし、どれが事実なのか自分自身も疑いながらでした」と力を込めて話した。
また、学生時代~母まで20年以上の幅広い年齢を演じたことに関しては「NHK朝ドラ『スカーレット』で経験させていただいていたので、自分の引き出しとしてあったこともあり、運が良かったです」と笑顔せた。
永野芽郁「完全に戸田さんについていかせてもらいます」
永野も「ただ母に愛されたい、母に喜んで欲しいという女性で、脚本でも現場でも“こうもうまくいかないものなのか”と感じながら過ごしていました。娘が母に自分を愛して欲しいと、漠然と思う気持ちはきっと皆さん持っているもので、形は違えどきっと共感してくださるんじゃないかなと思います」と告白。さらに「現場に入るまでは、難しいな。少し間違えると『何だこれ?となってしまうしどうしよう』と思っていたんですが、現場では戸田さんを見ているだけで私は大丈夫だと思えて、『完全に戸田さんについていかせてもらいます!』という感じでした」と、役柄の上では相容れない母娘でも、実際には信頼し合いながら演じきっていることをうかがわせた。
戸田恵梨香&永野芽郁、親子の関係性語る
戸田、永野それぞれ自身の親子関係、母と娘の関係について問われると、戸田は「割と大事に守られてきたなと思います。幼少期は、プリンセスに憧れて、ドレスで走り回ってました」と天真爛漫な思い出を、永野は「私は良い娘だと思うんですよ!(笑) お母さんが喜ぶことをしたいと思っていて、行きたいところには自分が運転手となって連れて行きますし、月一くらいは出かけています。出演作は初日に必ず観に来てくれるのですが、母も良い母ですね(笑) この作品もとても楽しみにしてくれています」と微笑ましいエピソードを披露。2人揃って素敵な母娘関係を明かしていた。また日常で最近“母性”を感じた瞬間について、戸田は「愛犬が寝ている姿にはやられますね」、永野も「実家で私も犬を飼っていて、歩き回るとずっと一緒にくっついてくるので胸がキューっとなるんですが、これが母性ですかね?(笑)」とこちらも揃って家族の一員である愛犬への愛情を明かした。
廣木隆一、ワールドプレミア振り返る
終盤には、9月に開催されたバンクーバー国際映画祭でのワールドプレミアについての話題となり、原作・湊かなえと共に現地参加した廣木監督が「現地の観客の反応が結構面白かったんですよ。『ここで笑うのか!』とか。高畑さんは、出てくるだけで観客が笑う準備をしているし、(祖母、母、娘の)3人で歩くシーンでも意外な笑いが起きていた。やっぱり親子関係のあり方は少し違うのかなと感じました。Q&Aもあったんですが、湊さんがすべて答えてくれて、本当にこの作品を好きでいてくれていることも伝わった。この作品を送り出すお母さんのようで、ここに“母性”があるじゃん!とも思いました」と生で体感してきた観客の熱を明かす。このあとに迎える日本での初上映・ジャパンプレミアもチケットは即完、戸田は「私が作品を観て感じたことと、皆さんが感じる世界のギャップがある作品だろうと思い、皆さんの感想を聞くのがとても楽しみです。母・ルミ子の目線で見る人、娘・清佳の目線で見る人、はたまたもっと上の世代の方もいて、それだけでも感想が変わってくると思うので本当に興味深い作品です」と胸の内を明かし、永野も「私自身も、(演じていて)これで合っているのかな、と色々感情を駆け巡らせて挑んだ作品なので、皆さんがどう見てくださるかとても楽しみです」とこの日を待ちわびていたようで、満を持して迎える映画『母性』の上映にむけて意気が揚がる報告会となった。(modelpress編集部)
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