NHK連続テレビ小説「ひよっこ」以来の共演となる有村架純(写真右)と磯村勇斗(同左)

有村架純&磯村勇斗インタビュー「彼女のひまわりみたいな姿が変わらずにあった」<映画「前科者」>

2022.01.14 15:00
NHK連続テレビ小説「ひよっこ」以来の共演となる有村架純(写真右)と磯村勇斗(同左)

有村架純、磯村勇斗が出演する映画「前科者」が、1月28日(金)より全国ロードショーとなる。本作は漫画「前科者」を、「あゝ、荒野」で数々の賞を受賞した岸善幸が実写映画化。犯罪者の更生に寄り添う“保護司”を主人公に、希望と再生の物語を紡ぐ。主人公・阿川を演じた有村架純と、阿川の中学時代の同級生で刑事の滝本を演じた磯村勇斗に、撮影の裏話や本作のキーパーソンを演じる森田剛についてなどを聞いた。

「対象者に寄り添う距離感の表現をすごく考えた」

社会復帰を目指す前科者に寄り添う保護司・阿川と、犯罪への怒りを胸に燃やす刑事・滝本を演じた2人。演じる上で意識したことを尋ねると「阿川自身が持つ“存在価値が分からないまま生きている感じ”を大事にしながら熱血教師になるのではなく、対象者に寄り添うことができる距離感を上手く表現したいという部分をすごく考えました。そのために、どこまで諭すように言うのか、セリフひと言ひと言に込める力量みたいなものは意識しました」と有村。

一方、磯村は「分かりやすく言うと、(滝本)真司はずっとマグマがぐつぐつしている感じ。阿川との過去の出来事が今の刑事という職業につながっていて、加害者を許さない、二度と同じことが繰り返されないように自分が止めなければならないという使命感に追われているんです。その苛立ちが目や手に出るように意識して演じていました」と語る。

「最初の撮影シーンで、僕らはヒデとみね子じゃなく阿川と真司だとすぐ思えた」

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(2017年)以来の再共演となった2人だが、「ひよっこ」とは全く違うジャンルの本作。撮影現場での様子をうかがうと、有村は「『ひよっこ』は温かい作品で、なんて平和な現場なんだろうといつも思っていました。だからこそ、ちょっと照れくささもありながら“今回、ちゃんとできるかな”という気持ちも正直あって。でも、現場に入ってすぐに、磯村くんの佇まいや顔つきから(ひよっこの)ヒデさんじゃないなと感じて、その後は、あうんの呼吸で進められたと思います」と話す。

磯村も「本当に同じ思いです。今回、ご一緒させていただくことはすごく楽しみだったんですけど、僕もどこか緊張していました。でも最初に撮影したコンビニでのシーンで、僕らはヒデとみね子じゃなくて、『前科者』という作品の中に生きている阿川と真司だとすぐに思ったんですよね。架純ちゃんの目や空気感が“阿川”だった。なので、そこからは安心して現場に挑みました」とのこと。

仲良しという関係性の役どころでもなかったため、多少の距離感は必要と感じていたようだが、「でも、『ひよっこ』の時と変わらない架純ちゃんの姿が現場にはあったので、僕はうれしかったんです。あの頃のまま穏やかで優しくて、“おはよう”って言えばニコッとあいさつを返してくれる。彼女のひまわりみたいな姿が変わらずにあるなと思いました」(磯村)と、現場での様子も教えてくれた。

「森田(剛)さんの持つ瞳が美しくてキャラクターと絶妙にマッチしていた」

今回キーパーソンであり、阿川が保護司として担当する工藤誠を演じたのは、映画『ヒメアノ~ル』(2016年)以来、久々の映画出演となる森田剛。

全体を通して物静かでありながら独特な存在感ある演技を見せる森田の印象について尋ねると、「森田さんが演じた工藤さんの声のトーンがすごく好きなんです。心根が優しそうで、絶対に守らねばって思うような佇まいでいつもいらっしゃって。目を見て芝居のやりとりをすることは少なかったのですが、森田さんが持つ瞳の美しさが、工藤さんのキャラクターと声の優しさとに絶妙にマッチしていて。だから切ないんだろうなと思いました」と有村。

一方、磯村も「僕は一緒のシーンがほとんどなかったのですが、目や姿勢からも森田さんが現場に持ってきた“工藤”という人物の深さを感じて。だからとても印象に残る人物になっているんだなと思います」と話す。

「小さな希望でも感じることができると思う」

最後に、本作に関して磯村は「阿川を見ていて、保護司は大変だなと思いました。視点によっては、否定的な意見もあるはず。でもやっぱり人は過ちを犯すこともあるし、阿川という保護司を通して、少しの小さな希望でも感じることができるのかなと思います」と。そして有村は「人は100%は分かり合えない生き物ですが、寄り添うことができると私は思っていて。誰もが被害者であって加害者であるということも、この作品のメッセージとしてはあるのかなと思いますし、人間にしかない温もりをたくさん感じてほしいなと思います」と優しく微笑んだ。

関連リンク

関連記事

  1. 新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>
    新垣結衣が語りに!“伝説の家政婦”タサン志麻さん夫婦に密着「たくさんの人の心にスッとしみこむはず…」<ふたりのディスタンス>
    WEBザテレビジョン
  2. 東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」
    東京03の超絶サクセスストーリー 全国ツアーだけで「1年食えるくらいはもらえる」
    WEBザテレビジョン
  3. <BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現
    <BLACKPINK>「あつまれ どうぶつの森」内に“BLACKPINK島”がオープン!MVのセットやステージを再現
    WEBザテレビジョン
  4. 松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」
    松井玲奈、大粒の涙…新型コロナ感染中の思い吐露「人生の中では一番苦しいぐらいの数日間」
    WEBザテレビジョン
  5. ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かす
    ジャニーズWEST中間淳太 “探偵”イメージの細身スーツで「小説現代」表紙に!推しミステリから自身の創作活動まで明かす
    WEBザテレビジョン
  6. 瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」
    瀬戸朝香、“なかなか良い感じ”7歳長女によるメイクSHOTに反響「優しくて自然な感じすごくいい」「娘さんお上手!」
    WEBザテレビジョン

「映画」カテゴリーの最新記事

  1. 永野芽郁、不倫疑惑報道後初の公の場 共演者との集合ショット公開
    永野芽郁、不倫疑惑報道後初の公の場 共演者との集合ショット公開
    モデルプレス
  2. 「はじまりのうた」リバイバル上映を記念して、ジョン・カーニー監督作品の3タイトルをオールナイト上映
    「はじまりのうた」リバイバル上映を記念して、ジョン・カーニー監督作品の3タイトルをオールナイト上映
    WEBザテレビジョン
  3. ウエスタン映画の傑作「荒野の七人」に見る西部劇というロマン、ガンマンたちの個性が現れるガンファイトの魅力
    ウエスタン映画の傑作「荒野の七人」に見る西部劇というロマン、ガンマンたちの個性が現れるガンファイトの魅力
    WEBザテレビジョン
  4. 岡田蓮主演、短編映画制作開始 日本の文化的所作「いただきます」が主題‬‭
    岡田蓮主演、短編映画制作開始 日本の文化的所作「いただきます」が主題‬‭
    モデルプレス
  5. 高橋一生がヴェネツィアで流暢なイタリア語を披露する本編映像公開<岸辺露伴は動かない 懺悔室>
    高橋一生がヴェネツィアで流暢なイタリア語を披露する本編映像公開<岸辺露伴は動かない 懺悔室>
    WEBザテレビジョン
  6. 高橋一生、ヴェネツィアで流暢なイタリア語を披露「岸辺露伴は動かない 懺悔室」本編映像解禁
    高橋一生、ヴェネツィアで流暢なイタリア語を披露「岸辺露伴は動かない 懺悔室」本編映像解禁
    モデルプレス
  7. 広瀬すず、10年ぶり「カンヌ国際映画祭」ヴィトンの白ドレス姿で登場 呼びかけに笑顔で応える【遠い山なみの光】
    広瀬すず、10年ぶり「カンヌ国際映画祭」ヴィトンの白ドレス姿で登場 呼びかけに笑顔で応える【遠い山なみの光】
    モデルプレス
  8. 杉咲花「ミーツ・ザ・ワールド」映画化で主演 幻想的なビジュアル&特報解禁
    杉咲花「ミーツ・ザ・ワールド」映画化で主演 幻想的なビジュアル&特報解禁
    モデルプレス
  9. 片岡愛之助&森川葵「ルパン三世」劇場版新作のゲスト声優に決定 本予告・本ビジュアルも解禁【LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族】
    片岡愛之助&森川葵「ルパン三世」劇場版新作のゲスト声優に決定 本予告・本ビジュアルも解禁【LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族】
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事